小イワシ天で雨後の月 … 大衆食堂「源蔵本店(げんぞうほんてん)」(広島)
昨日のコラムで、広島駅で途中下車して、駅近くで飲んだあと、呉に帰ったということを書きました。今日はその途中下車の部分の詳細です。
今日はマツダスタジアムでカープの試合(対ドラゴンズ戦)がある日で、広島駅前は球場に向かう人たちでごった返しています。お弁当やビール、つまみを売っている屋台もたくさん出ています。
そんななかを、ひとり向かったのは、駅から徒歩5分ほどのところにある大衆食堂「源蔵本店」です。
午後5時半の「源蔵本店」は、すでにグループ客が多く入っていて、6人卓はほぼ使われている状態です。入口すぐ左右にある小さな4人卓は両方とも空いていて、私は今まで座ったことのない入口すぐ右手の4人がけテーブルに座ることにしました。
すぐに店のおねえさんが注文を取りに来てくれたので、まずは瓶ビール(大570円)を注文すると、「キリン? アサヒ?」とおねえさん。キリンを指定して、カバンと上着だけ椅子の上に置き、そのまま店の一番奥にある冷蔵ケースのところまで刺身を見に行きます。
ずらりと並ぶ刺身の皿の中から、刺身盛り合せの皿(680円)を取り出します。「はいはい。席までお持ちしますよ」とおねえさんがその皿を受け取って、ラップをはずしたり、醤油皿を出したりした上で、席に持ってきてくれます。
盛り合わせはその日の仕入れによっても変わるし、冷蔵ケースの中にも何種類かの盛り合わせが並んでいるのですが、今回選んだ盛り合せは、左側にカツオたたきが3切れ、カンパチが3切れが上下に並び、右側の手前に小イワシ刺身がひと盛り、奥側に涼しそうに透き通っているのはサヨリの刺身です。冷蔵ケースに並んでいる刺身は、引き立ての鮮烈さはないものの、よく冷えていて、今日のように暑い日に冷たいビールと一緒にいただくのにちょうどいい。
店の奥のテレビで流れているニュースを見ながら、ちょっと刺身をつまんでは、冷たいビールを喉の奥に流し込みます。
刺身も残り少なくなったところで、2品目のつまみを選びます。湯どーふ(210円)にするか、あらだき(420円)にするか、それとも鳥もつ(420円)にするかなどと迷いつつ、結局は小イワシの天ぷら(530円)に落ち着いてしまうんだなぁ。
小イワシの天ぷらは、厨房へは単に“天ぷら”という符丁で通されます。他にもタコの天ぷらや、野菜天ぷらといった天ぷらメニューは何種類かあるが、小イワシの天ぷらはやはり別格なんでしょうね。
小イワシの天ぷらが出たところで、飲み物も日本酒に切り換えます。「一級が『雨後の月』でしたっけ?」とおねえさんに確認すると、「甘口のほうが『雨後の月』よ」と、なんだかかみ合わない返事が返ってきます。「じゃ、その『雨後の月』を燗でお願いします」と、会話のキャッチボールがなりたたないまま注文。出てきた燗酒をレシートにつけるとき、“一級酒”のところに“正”の字の“一”が書かれたので、やっぱりこれが一級酒(350円)なんですね。ちなみに二級酒(320円)のほうは『福美人』のようです。
他に気になったメニューは、貝汁(300円)、湯ざらし(630円)、とり皮(370円)、魚の子(630円)、ハゲちり(780円)、鯛あらだき(740円)など。
ありゃ、つぶ貝(420円)もあったんですね。こちらで、つぶ貝というのは磯にいる小さな巻貝のことで、これをさっと塩ゆでして、マチ針や安全ピンなどで身をほじくり出していただく、日本酒にぴったりのつまみです。(つぶ貝の写真はこちらをご覧ください。)
この店は、看板に「大衆食堂 源蔵本店」と書かれているとおり、食事メニューも豊富です。定食メニューはもちろんのこと、にぎりずし(790円)、鉄火巻(690円)、巻ずし(580円)といった寿司類。カツ丼(630円)、天丼(630円)、親子丼(530円)、玉子丼(530円)、うな丼(950円)などなどの丼物。広島らしく穴子丼(580円)なんてのも並んでるなぁ。他にも玉子雑炊(420円)、お茶漬(400円)、むすび(2個270円)といった、飲んだ後のシメタン(締めの炭水化物)的な食事物も並んでいます。
久々の「源蔵本店」。1時間ほどの滞在は2,130円でした。どうもごちそうさま。
「源蔵本店」 / 刺身盛り合せ / 小いわし天は天ツユでいただく
(次回) 22.10.01 12年ぶりにたっぷりと … 大衆食堂「源蔵本店(げんぞうほんてん)」(広島)
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