むっちりとイワシ団子 … おでん「あわもり」(呉・新広)
うぅ~っ、「あわもり」のカワ(=豚の皮のおでん)が食べたい。
そろそろ今日の仕事も終わるかという時間になって、そんな気持ちがムクムクと沸いてきて、仕事が終わるやいなや会社前のバス停から、「あわもり」のある広(ひろ)方面行きの直通バスに飛び乗ります。
「あわもり」には8月6日の訪問以来、実に1ヶ月以上ぶり。
午後6時過ぎには店に到着します。カウンターのみの店内は、今日もすでに8割以上の入り。私もおでん鍋の近くに陣取って、渡されたおしぼりで手や顔を拭きながら、まずあビール(キリンラガー大瓶、500円)と、おでん(1本90円)は厚揚げと玉子をもらってスタートです。
今日の厚揚げは比較的あっさりめ。今日はおでんを次々に注文するお客さんが多いのか、おでん鍋にネタを投入する端からどんどん出ていくような状況で、じっくりと煮込まれる時間がとれないほど。なのでこの厚揚げもあっさりめに仕上がってるんですね。
いつもは箸で触れると崩れそうなほどにフワフワに煮込まれている厚揚げですが、こうやってあっさりめに仕上がっていると、厚揚げならではの表面のカリッとした食感も味わえておもしろい。
門前仲町「大坂屋」の煮込みも、よく煮たのと、入れてすぐのあっさりめのとでは違うものを食べているみたいな感じがあったのですが、ここのおでんもそうなんですね。
こうやって鍋前で見ていると、皮(かわ)や肝(きも)が飛ぶように売れていく様子がよくわかります。人気ありますねぇ。最初に皮や肝を注文してしまうと、お腹がすいてるから一気に食べてしまう。それでは久しぶりの皮や肝をじっくりと味わうことができないので、あえて一巡めは厚揚げと玉子を注文して、まずはお腹を作っているような次第です。
その厚揚げと玉子も食べ終えて、いよいよ皮と肝を注文します。自分の重さでフルフルとふるえながら鍋から取り出される皮。黒々と煮汁を吸い込んだ肝。あぁ、これが食べたかったんだ。ネトッとした皮特有の弾力感がいぃ~~~ですねぇ!
皮にはやっぱり泡盛(160円)ですね。皮のうまみとギトギト感(コラーゲンっぽい感じ)が口いっぱいに広がったところを、泡盛でキュッと流す。アルコール度数35度の強烈さがガツンときます。
となりの常連さんは「スジ、やってや」と注文。この「○○、やってや」というのも、この辺でよく耳にする注文の仕方。この「やってや」というのが、料理を「作ってよ」とお願いしているのか、料理を「出してよ」とお願いしているのかは定かではありません。どうなんでしょうね?
その「スジ、やってや」の注文に応じて、おかみさんがスジの1本を取り出して「これでええ?」と聞くと、「アキレスのとこ、ないかの?」とお客さん。「あぁ、肉ね」と言いながら、たしかに肉っぽいのが刺さった串を取り直します。ふ~ん、こんなのもあったんだ。現在までにわかっている、メニューにはないんだけど鍋の中にはあるネタは、脂(あぶら)と肉(にく)です。
私のほうは、スジの硬いのとやわいのを注文すると、鍋からスジを取り上げて、端でクックッとつまんで硬さを確認して出してくれます。
いい感じで酔いも回ってきて、ぼう天を取ってもらって、ネギマも注文しておきます。ネギマは、いかだ状に並べたネギの間にマグロの身を挟んだもので、注文を受けてから鍋に投入されます。
泡盛を1杯飲んだあと、今日は御酒(200円)を注文すると、燗をつけてポットで保温している燗酒が、コップに注がれます。銘柄は「西条鶴」かな?
イワシ団子は、団子といいつつも、練り物と同じようなムッチリとした弾力感があります。最後はコンニャク。内部は元のコンニャクの色ながら、表層部数ミリのところまで煮汁が染み込むほど、よく煮込まれているのが大きな特徴です。
1時間半ほどの滞在は、おでん10本に、飲み物はビール大瓶、泡盛1杯、御酒1杯の3種で、お勘定は1,760円でした。このお勘定、この店ではかなり高い部類に入ります。よく食べたなぁ、今日は。すっかり満腹になってしまいました。どうもごちそうさま。
厚揚げと玉子 / 皮(奥)と肝 / スジ、硬いの(左)とやわいの
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