松山で過ごすお盆休み … バー「露口(つゆぐち)」(松山)
8月13日(金)~16日(月)まで四日間のお盆休み。12日(木)の仕事を終えて呉中央桟橋からフェリーで松山観光港へと渡ります。松山港到着は午後8時前。港まで迎えに来てくれていた旧友Tと合流し、まずはT行きつけの店、三津浜の「てつや」で腹ごしらえ。
ここ「てつや」はフグでも有名な店なのですが、この時期は何といってもアコウ(キジハタ)ですね。店内の生簀(いけす)で泳いでるアコウを網ですくってお造りにしてくれます。他にも鯨の竜田揚げ、媛っこ地鶏の焼き鳥、タコの天ぷら、イカの天ぷら、穴子の天ぷら、ジャコカツ(ジャコ天に衣をつけてカツにしたもの)などをつまみに、生ビールから燗酒。最後に、刺身のあとのアコウのアラで潮汁(うしおじる)。うす~く塩味をつけてるだけで、アコウの微妙な旨味がおいしいこと。
腹ごしらえが終わったら、タクシーで松山の繁華街へ。料金1,750円で、目指す「露口」に到着です。
カウンターだけの店内は、今日もお客さんがいっぱい。中央部に空いている席に腰を下ろし、まずは「露口」の一番人気、角ハイボールで乾杯です。
ここの角ハイボールは、現在の「小雪のハイボール」がブームになるよりずっと前から、というかこの店がオープンした昭和33年からずっと、この店の目玉商品。8オンスタンブラーに、ダブル以上の量があるんじゃないかと思うくらい角を入れて、そのあと氷を入れ、最後に炭酸を入れて軽くステアします。「小雪のハイボール」と比べるとウンと濃い、ウイスキーの旨みをガツンと感じるハイボールなのです。
やっぱりうまいなぁ。ここのハイボールと、銀座「ロックフィッシュ」の角ハイボール(こちらは氷が入らないスタイル)が、私が好きな角ハイボールの双璧かなぁ。簡単そうな飲み物なのに、自分でやっても同じ味は絶対に出ないんですよねぇ。簡単そうに見えるものほどむずかしいという典型ではないかと思います。
2杯目はTがスティンガー・オン・ザ・ロックス、私はギムレットをもらいます。どちらもシェイクするカクテル。「露口」のマスターは、鷺ノ宮「ペルル」の故・古川マスターと同じように、胸の前にシェイカーを持って、祈るようにシェイクするタイプ。出てきたギムレットは比較的すっきりめのドライな味わいです。
3杯目はふたりとも角ハイボールをもらって本日は終了。お勘定は二人で5,000円(ひとりあたり2,500円)でした。どうもごちそうさま。
明けて13日は、昨年11月に亡くなった父を迎えるため、新盆の迎え火をたいて、母と二人、実家でゆっくりと過ごします。となりの漁村から、昔からやってくる行商のおばちゃんから買ってたオコゼを刺身に引いてもらい、地元の日本酒「雪雀」の生冷酒でいただきます。お盆だから、本当は精進料理じゃないとダメなのかなぁ、と思いつつも、このオコゼのおいしいこと。仕上げはそのオコゼのあら(頭と中骨)を使ったみそ汁です。こういう料理がごく普通に食べられるところが、うちの故郷(いなか)のいいとろだよなぁ。野菜は裏庭にありあまるほどできてるし……。
14日(土)は、再びTと、もうひとり中学・高校時代の旧友T2(こちらもTなので区別するためT2と呼びます)とともに「露口」です。最初はやっぱり角ハイボールで乾杯。
この店には松山のマスコミ関係の人たちも多く訪れるんだそうで、今日も松山の各放送局、新聞社などのみなさんがカウンターに並んでいます。この店で同業他社との交流ができるというのがおもしろいなぁ。
NHKドラマ「坂の上の雲」のロケのときは、その役者さんたちもこの店にやってきたんだそうで、朝子ママがそのときの様子を楽しく聞かせてくれます。
マティーニやサイドカーなどをいただいて、最後の締めで再び角ハイボールを飲んでいるところで、閉店時刻の午前0時を迎えます。その瞬間、「おめでとぉ~っ!」と店内に響くお客さんたちの声。
ここ「露口」の創業は昭和33年8月15日。日付けが変わった今日8月15日で、創業52周年を迎えたのです。今出されているコースターには「51st Anniversary」という文字が入っていますが、今日以降は「52nd …」というコースターに変わるんだそうです。
「じゃ、このコースターはもう使わないですね。記念に持って帰ろう!」
というお客さんも多数。我われもここでお開きとします。お勘定は3人で1万円(ひとりあたり3,300円強)でした。どうもごちそうさま。
「てつや」アコウ活造り / 「露口」マティーニ / サイドカー
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