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もつ串煮込みのような … おでん「あわもり」(呉・新広)

もつ串煮込みのようなおでん


「なるほどねぇ。ここのおでんは、東京下町の昔ながらの串煮込みに近いんだ。焼酎の梅割りを飲みながら、串煮込みを食べてるのと似てるんですね。」

 ここ「あわもり」の泡盛梅割りを飲み、カワとキモのおでんを食べながら、そんな感想を聞かせてくれたのはワイタベさん3ヶ月ほど前のことでした。

 たしかに「あわもり」のおでんには、串煮込み(=串に刺して煮こんだもつ煮込み)っぽい味わいがあるんですよねぇ。汁(つゆ)も醤油を基本とした味付けだし。

 そんなわけで、今日は『煮込みっぽい食べ方をしてみよう!』ということをテーマに「あわもり」にやってきました。

 今日の「あわもり」はお客が少ない。午後7時の店内には先客が2人しかいなくて、みんなカウンター長辺の手前側、おでん鍋のすぐ近くのにいます。私は短辺中央あたりの、これまた同じ鍋の近くに座って、まずはビール(キリンラガー大瓶、500円)です。(ビールはサッポロ瓶ビールも選べます。)

 『煮込みっぽい食べ方』のスタートは、いつものようにカワとキモ(おでんはすべて1本90円)です。

 カワは豚の皮を串に刺して煮込んだもの。ていねいに、ていねいに表面にはえた毛を処理しているのが「あわもり」のおでんの特長で、プリンプリンの食感が味わえます。この食感は他には思いつかないなぁ。

 キモは牛のフワ肝(肺臓)。広島のほうではヤワ肝とも呼ぶようです。牛のフワは、それぞれ東京のもつ煮込みの名店である門前仲町「大坂屋」や町屋「小林」の煮込みの具材にもなっているくらい、もつ煮込みの具材としては一般的な一品。煮込んでも縮んで固くなったりせず、プリッとした食感を保ったまま、汁(つゆ)の味がよく染みこんでいるのが特徴です。

 つづいてはスジと、前回近くに座った常連さんが注文していたニク(肉)。このニクはアキレス腱のなかの肉っぽい部分らしいのですが、見た目は普通の肉ですねぇ。しっかりと煮込まれていて、缶詰の大和煮みたいな噛み心地です。

 5本目はアブラ。あらためてじっくりと食べてみると、けっこう脂っぽいですねぇ。立石「宇ち多゛」のアブラのようにサクサクした感じではなくて、沼袋「ホルモン」のアブラのようなクニュッとした弾力感のものを、そのまま煮込んでトロリとさせた感じです。ネギマやタマネギなどの野菜串と合わせて食べるのがいいのかもしれません。

 肉系は以上5種ですが、ツクネに相当するといっていい具材がイワシ団子。ここのイワシ団子は、薩摩揚げなどの練り物と近いくらいの高密度な食感で、プリッとしっかりしているのです。くぅ~っ。うまいなぁ。練り物好きにはたまらない。このイワシ団子に合わせて、飲み物も泡盛の梅割り(160円)に切り換えます。

 それにしても今日は本当にお客が少ない。先ほどからひとり入っては、ひとりが出てといった動きが続いていて、現在の店内は私も含めてたったの4人。

「今までずっとやってきたけど、こんなこと初めてじゃ」と店主夫妻も驚くほどの状態です。

 この夏は猛暑が長引いていて、9月に入っても最高気温は35℃近く、最低気温も25℃を下回ることがないという日々が続いていたのですが、昨日(9/15水)の広島地方の最高気温が29℃と久しぶりに30℃を下回り、最低気温も22℃と、やっと熱帯夜を脱出したのでした。それもあってか昨日の「あわもり」は店に入れなくてお断りする人も多いくらいの大盛況だったのだそうです。

「その反動が出たんかねぇ。みんなやっと暑いのから逃れて、今日は家でくつろどるんじゃろうか」とおかみさん。本当にそうですねぇ。いつまで続くんだろうと心配した猛暑も、これでやっと一段落といったところでしょうか。

 煮込みにも入っていそうな具材はすべて食べ終えて、当初の目的である『煮込みっぽい食べ方をしてみよう!』というテーマは達成できたのですが、お客も少なくての~んびりとしているので、今日はゆっくりしていきますか。

 毎回必ずたのんでいる具材が厚揚げ。前回はお客さんが山のようにいて、ちょっと若い感じの厚揚げでしたが、今日の厚揚げはじっくりと煮込まれていてフワフワ。固めのものも厚揚げらしいパリッとした食感が残っていていい味わいなのですが、個人的にはこうやってフワフワに煮込まれている厚揚げが好みかなぁ。

 2杯目の泡盛梅割り(160円)をおかわりし、中にゴボウが入ったぼう天、注文してからおでん鍋で煮て出してくれる玉ねぎをもらい、その玉ねぎができあがったところで、よ~く煮込まれた玉子をもらって締めます。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在は、おでん10本に、ビール大瓶と泡盛2杯で、お勘定は1,720円。こんなに満腹になって、いい気持ちに酔っ払っても2千円に届きませんでしたか。どうもごちそうさま。

100916a 100916b 100916c
かわ、きも / すじ / にく

100916d 100916e 100916f
あぶら / いわし団子 / あつあげ

100916g 100916h 100916i
泡盛2杯め / ぼうてん / たまご、たまねぎ

店情報前回

《平成22(2010)年9月16日(木)の記録》

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コメント

おでん10本とは、結構食べましたね〜。
それでも、このお会計。
素晴らしいと思います!

投稿: yasuko | 2010.10.05 07:40

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 先週に引き続いて、今週も「あわもり」にやってきました。本当は、他の常連さんたちと同様に、二日とあけずに通いたいところなのですが、「あわもり」のある広(ひろ)地区は、呉からはとなり町。こちらは首都圏ほど公共交通の便が良くないので、なかなか足しげく通うというわけにはいきません。  「長年やってるけど、こんなこと初めてじゃ」というほどガラガラだった先週とは打って変わって、今日の店内はほぼ満席。L字のち... [続きを読む]

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