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2010年11月

締めは焼酎トマト割り … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)

締めは焼酎トマト割り


 「ペルル」の常連・Dさんご夫妻とともに店を出て、「もう1軒!」と向かったのは「満月」です。「ペルル」の常連さんの多くは、「満月」の常連さんでもあったりするのです。

 ここ「満月」は、夜中の1時過ぎまで開いているので、最後の最後にちょいと一杯飲んで帰るのに最適なのです。それだけに地元の常連さんがとても多くて、終電が終わった午前0時ごろから、むしろ込みあう状態になるのです。

 以前はここにくるといつもコーヒー焼酎(300円)を飲んでいたのですが、最近のお気に入りは焼酎のトマト割り(300円)。そのお気に入りぶりはというと、店に入るなり注文しないでも、店を切り盛りするアキラくん(=店主の息子)が「トマト?」と聞いてくれるほどです。

 焼酎のトマト割りをもらうと、言ってみればトマトをつまみながら焼酎を飲んでるのと同じような状態になります。この1杯で、つまみと飲み物の両方がいけちゃうのでした。

 とはいうものの、液体ばかりだとちょっと口寂しい。そこでもう一品、ウインナー炒め(300円)ももらいます。

 「満月」の料理は、大皿に盛られた状態でカウンターの上段にずらりと並んでいるので、それを見ながら自分の好みのつまみを選べるのです。大皿には並べていない、たとえば刺身や納豆、冷やっこ、茶碗蒸し、ラッキョなどもあるので、つまみは全部で30品以上。それぞれ1品が200円から500円ほどです。

 店は満席状態が続いているものの、火曜日なので今日は午前0時半ごろに腰を上げることにします。今日のお勘定は600円。それじゃみなさんお先に。

 木場の「河本」から始まって、門前仲町のスナック「エコー」、神保町の「兵六」、鷺ノ宮の「ペルル」、そして最後に「満月」と、火曜日ながら5軒をハシゴ。総支払額は5,500円。1軒あたり平均1,100円という安さは東京ならではかもしれませんねぇ。

 行ったことがないのですが、大阪の酒場も安いらしい。広島に単身赴任している間に、ぜひ大阪の大衆酒場にも行ってみたいと思っているところです。

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「満月」 / ウインナー炒め

店情報前回

《平成22(2010)年10月26日(火)の記録》

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自家製ミントカクテル … 居酒屋「ペルル」(鷺ノ宮)

ミント・ジュレップ


 閉店時刻の「兵六」を出て、神保町(じんぼうちょう)駅から地下鉄半蔵門線、東西線、そして西武新宿線を経由して鷺ノ宮(さぎのみや)へ。

 平日(火曜日)なので、早めに飲み終わろうと思うんだけど、久しぶり(といっても2週間ぶり!?)の東京に、ついもう1軒。こっちに住んでるころから、会社の近くで一杯飲んで、電車で地元に帰ってきてから、帰宅前に自宅の近くでもう一杯、という飲み方が多かったので、ここまで帰ってくるともう1~2軒寄る、というのが身に染みついているのでした。

 現在の時刻は午後10時50分。「ペルル」の営業時間にギリギリ間に合うかな!

 「ペルル」は11時半までの営業ですが、11時15分ごろにはラストオーダー&お勘定タイムとなり、11時半にはピシャリと終わるのです。このシキタリは、『ぺるじぃ』と呼ばれた、「ペルル」のマスター(故人)がやっていたころから、ずっと守られています。

「こんばんは!」と飛び込んだのは11時5分前。セーフですね。

「いらっしゃいませ」とカウンターの中で迎えてくれるのはミユキさんとムーちゃん。今日は女性二人で切り盛りしてるんですね。ぺるじぃが亡くなってから、はや半年。ぺるじぃが入院してから、ずっと店の常連さんたちが代わりあって店を支えてきていたので、ぺるじぃが居ない「ペルル」にも慣れてきた感じなのですが、それでもなお、今でもカウンターの一番奥の席に、ぺるじぃが座ってるような気がしちゃうんだなぁ。

「水割りにしますか?」

 と言いながら、ブラックニッカスペシャルのキープボトルを出してくれます。ふっと壁のホワイトボードメニューを見てみると「ミントジュレップ」(700円)なんてのが載っています。

「今日はミントジュレップにしてみようかな」

「はいはい。ちょっと待ってね」と言いながら、店の外に出て行くムーちゃん。入口の扉が開いて入ってきたムーちゃんの手には、ミントの葉っぱが握られています。なんとなんと。自家製ミントで作るミントジュレップなんですね。

 今日はもう遅いので注文しませんが、食べ物メニューもまた、ぺるじぃがやってたころからの懐かしいものが多く、さらにちょっとずつ新しいメニューも加わってきています。今日のメニューには、氷見いか600、ジャガチーズ500、湯豆フ鍋700、チーズ三点盛り600、パラスパ500、ネギベー500、ハム・スター500、枝付き干ブドウ500、サラミ500、アンチョビ・オリーブ500、サラブレッド500、から付きアーモンド400、ボイルドキャベツ400、焼茄子400、厚揚げ400、いぶりがっこ300といった品々が並んでいます。

 そしてまた、カウンターに並ぶお客さんたちの顔ぶれも、ぺるじぃがやってたころからの常連さんが多いのです。しかしながら、けっして敷居が高かったり、値段が高かったりする店ではないので、ぜひフラリと出かけてみてください。カウンター十数席と狭い店ではありますが、その分、すぐに店の雰囲気に溶け込めると思います。

 そうこうしているうちに、もう閉店の時刻です。今日のお勘定は、ミントジュレップ1杯で700円でした。どうもごちそうさま。

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「ペルル」 / 店内の様子

店情報前回

《平成22(2010)年10月26日(火)の記録》

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老舗酒場で焼酎湯割り … 「兵六(ひょうろく)」(神保町)

老舗酒場で焼酎湯割り


 スナック「エコー」を出て、門前仲町から地下鉄に乗り込み、森下で乗り換えて神保町へ。今日の3軒目は、昭和23(1948)年創業の老舗酒場、「兵六」です。

 今日も店内は満席模様。カウンターのお客さんがちょっとずつ詰め合ってくれて、かろうじてその一角に座ることができました。この店の椅子は、丸太を2本渡した長いす形式なので、ギュッと詰めるとすき間が生まれるのです。

 今日も芋焼酎「無双」(680円)を湯割りでいただきます。

 ここ「兵六」で湯割りを注文すると、丸い大きな徳利にちょっと温めた焼酎が注がれ、それとは別にアルミの急須で白湯(さゆ)が出されます。この両者をお猪口の中で混ぜて、自分でお湯割りにするのです。

 今日のお通し(サービス)は、小皿の納豆とひじき。お酒をおいしく飲ませるお通しですねぇ。

 カウンターの向かい側に座っているおじさんは、ちょっと飲みすぎている様子で、「ウップ…」となりながらお手洗いへと急いでいますが、その足元はたよりなく、あっちにフラフラ、こっちにフラフラしながらの、まさに千鳥足。

「もうとっくにお勘定は終わっているのに、帰らないんですよ。さっきはとなりの客と喧嘩までしたんですよ。第三世代の人たちがいると、厳しく叱って帰らせるんだろうなぁ」

 となりの若い常連さんがそう教えてくれます。彼が言う第三世代というのは「東京自由人日記」のKさんや、荒木又右衛門さん、呑んだフルさんたちのことだそうです。店主が注意しても聞かないときは、常連さんたちがビシッと仕切るしかないんですね。こんな日に限って、その第三世代の人たちがだれも来ていないんですよねぇ。

 お手洗いから戻ってきても、席でヘラヘラと水を飲みながら、となり近所の人たちの話題に口をはさみます。その口のはさみ方が、いかにも上から目線なので、一触即発状態になっちゃうんですね。しかしながら、今のところはそのおじさんの周辺は常連さんたちで固めているようなので、大問題には発展していないようです。

「何が起こるか心配で、ハラハラしながら見ているんですが、それがまたおもしろくもあり…」

 そう言ってニヤッと笑う、となりの若い常連さんたち。すっかりできあがっているおじさんも、この店には何度も来られている人なんだそうです。

「いつもヘロヘロに酔っ払ってるんですが、今日は特にひどいなぁ」

 あはは。そうなんだ。いつもこんな調子なんですね。「人の振り見て我が振り直せ」と言いますが、ああいう酔っ払い方はしないように気をつけなきゃなぁ。

 つまみには「もってのほか」(420円)をもらいます。これは紫色の食用菊で、ワカメと一緒に酢の物にしたものが出されます。シャキシャキとした食感がいいですね。

 閉店時刻の午後10時まで、1時間ほど楽しんで、今日のお勘定は1,100円でした。どうもごちそうさま。

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「兵六」 / もってのほか

店情報前回

《平成22(2010)年10月26日(火)の記録》

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太田さんの記事で飲む … スナック「エコー」(門前仲町)

辰巳新道


 木場の「河本」を出て、永代通りを西へ歩くと10分ほどで門前仲町です。深川不動尊のところで右に折れ、さらに左に折れて深川公園の横を通ってさらに西へ。

 おぉ。「だるま」は今日も美人おねえさんががんばってますねぇ。右手の辰巳新道入口を通り過ぎると、そこが牛煮込みの「大坂屋」です。う〜ん。残念。店内には灯りがともっていますが、すでに電灯看板は消され、のれんも店内に入っています。このところ売り切れるのが早いとは聞いていましたが、午後7時過ぎでもう閉店なんですね。もっと早くに来なきゃいかんですねぇ。

 せっかくの門前仲町なので、久しぶりに辰巳新道のスナック「エコー」に行ってみましょうか。ママさん、元気なのかなぁ。

「こんばんは」。おそるおそる扉を開けてみると、

「あら、浜田さん。いらっしゃい。お元気だったの?」

「それはこっちのセリフですよ。お元気でしたか?」

「元気よ。後期高齢者になっちゃったけどねぇ」とママさん。

 そうかぁ。この店に初めてやって来たのは、今から20年以上前だもんなぁ。

「はい。ボトルが残ってるよ」

 そう言いながら出してくれた麦焼酎「いいちこ」のボトルの日付けは2008年3月15日。もう2年半も前の話です。そういえば前回「東京古典酒場」第4弾(2008年4月10日発売)の座談会の流れで、座談会出席者5人で「大坂屋」、「だるま」と回った後、この店にやってきたんでしたねぇ。なるほど。あのときの「いいちこ」か。

 その「いいちこ」をお湯割りでもらうと、すぐに作り置きのレンコンの煮物を出してくれて、銀杏(ぎんなん)を封筒に入れて、電子レンジで炒り銀杏を作ってくれます。

「そういえば、東京人という雑誌に、うちのことが載ったのよ」

 と言いながら「東京人2010年2月号」、『横丁の“ちょっと”うまい店』特集号を見せてくれます。いくつかの横丁が載っている中で、ここ辰巳新道のことを書かれているのは、なんと我らが太田和彦さんです。

『カラオケ「エコー」は昭和43年の開店。当時カラオケはなく、ジュークボックスの時代で、隣の深川は旦那衆の通う芸者町、こちらは木場の若い衆や商船大の学生が来た。近くの高速道路下は昔は運河で、米相場が立った。木場が新木場に移ると材木関係者の来客も減ったそうだ。』

 本文のごく一部分の引用です。飲んでても読み入ってしまいますよねぇ、太田さんの文章は。

「この新聞、見ました? これも太田さんの記事なんだけど、浜田さんのことが載ってるわよ。」

 えっ! ほんと? 手渡してくれたのは2005年8月17日の毎日新聞夕刊。「酒場漂流な人びと」というタイトルの記事で、太田さんにインタビュー取材をしています。

『インターネットをのぞけば、居酒屋関連サイトの花盛り。なかでも会社員の浜田信郎さん主宰の「居酒屋礼賛」は200万件を超すアクセスがある。〈まずはホッピーをいただきましょうか。いいですね。それにモツ焼きをひとつ〉なんてほんわかタッチの文章で居酒屋めぐりの日々をつづっている。「居酒屋は会社と自宅の中間点。ネットだと情報交換できるし、仲間が広がるのも楽しくてね」。そのフットワークのよさは太田さんも一目置く。』

 なんて書かれている。ちっとも知らなかったけど、うれしいなぁ。5年前の記事かぁ。それをずっと取って置いてくれたママさんの気持ちもまたうれしいなぁ。

 1時間ちょっとママさんとおしゃべりして、お勘定まで大サービスの1,500円。儲からない客ですみません。また来ますね。どうもごちそうさま。

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スナック「エコー」 / 毎日新聞夕刊 / 焼酎湯割りとつまみ

店情報前回

《平成22(2010)年10月26日(火)の記録》

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煮魚サワラでホッピー … 「河本(かわもと)」(木場)

煮魚サワラでホッピー


 都内での仕事を終えてやってきたのは木場の「河本」です。午後6時前の店内は9割がた埋まっています。真上から見るとLIという形をしたカウンターのLの一番上の部分に腰を下ろし、いつものようにホッピー(400円)とニコタマ(300円)からスタートです。

 ホッピーは、甲類焼酎をホッピーで割るだけの簡単な飲み物ですが、おいしい店とそうでない店の違いがはっきりと出る飲み物です。ホッピーの鮮度と温度、焼酎の銘柄と温度、ジョッキの質と温度などが微妙に関係してるんでしょうね。個人的には、ここ「河本」のホッピーと、横浜・都橋の「ホッピー仙人」のホッピーがお気に入りです。どちらも基本にとても忠実なホッピーを飲ませてくれます。

 そして「河本」と言えば、というつまみがこの煮込みです。たっぷりと脂のついた牛腸を、少量のコンニャクとともに煮込んで味噌で味付けしています。煮込み鍋の中には、ゆで卵も何個か入っていて、ニコタマと注文すると、煮込みと同じ値段(300円)で、もつを減らして玉子を入れてくれるのです。

 このこってりとした煮込みと、さっぱりとドライなホッピーが、抜群の相性なんですよねぇ。

 やっこさんももらいますか。小さいほうをお願いします。やっこさんというのは冷奴のこと。1丁分の大が200円で、それを半分に切った小は100円。煮込みと同様に、多くのお客さんが注文する一品です。

 冬場だけ出されるおでんも大人気なのですが、「おでんは毎年、一の酉(いちのとり)が終わってからよ」と真寿美さん(=女将)。今年の一の酉は11月7日。おでんは11月8日(月)からですね。

 ホッピーをおかわりして、次は魚をもらおうかな。

 今日は、かけじょうゆ(マグロぶつ切り、400円)の他、煮魚ブリ(300円)、煮魚サワラ(400円)、イカワサ(300円)などの魚メニューが並んでいます。

「煮魚サワラをお願いします。」

 と注文すると、すぐにアンチャン(=女将の弟さん)が持ってきてくれたサワラの煮付けの大きいこと、分厚いこと。あっさりとした味付けに、サワラならではのちょっと甘みのある味わいが引き立ちますねぇ。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在は1,600円でした。どうもごちそうさま。

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ホッピーとニコタマ / やっこさん(小) / 煮魚サワラ

店情報前回

《平成22(2010)年10月26日(火)の記録》

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はじめてのカキ天ぷら … 「鳥八茶屋(とりはちちゃや)」(呉)

カキの天ぷら


 そうだよなぁ。生で食べても、焼いて食べても、フライにして食べてもおいしいカキ。天ぷらで食べてもおいしいに決まってる。なんで今まで食べたことがなかったんだろう。

 今年の4月に呉に転勤になって、楽しみにしていたたくさんのことの中のひとつが、カキを食べること。ご存知のとおり、広島県はカキの一大産地。その中でも呉は、カキ(剥き身)の生産量日本一の市なのです。(ちなみに2番は、おとなりの江田島市です。)

 はじめて食べたカキの天ぷらは、カキ自体の塩っけがよく効いていて、ハフハフとそのまま食べても十分おいしい。添えられた天つゆにつけていただくと、また味わいが増します。パクッとかじると湯気が出てくるくらいの熱いうちが、より美味いなぁ!

 合わせる酒は、音戸(おんど)の「華鳩(はなはと)」の燗酒。この酒は、瀬戸内海の魚介類に爆発的によく合います。

 このカキの天ぷら。実はメニューにはありません。メニューにあるのはカキフライ(800円)と酢ガキ。今日も、カキフライを注文しようとしたところ、店のおねえさんが「カキの天ぷらもできますよ」と教えてくれて、カキの天ぷらを注文したのでした。カキの天ぷらは、カキフライと同じく、カキ10粒ほどで800円。

「カキの仕入れ先の方から、『カキは天ぷらで食べるのが一番うまい』という話を聞いたんです。うちはカキフライもやってるし、天ぷらもやってるし。両方を組み合わせたらカキの天ぷらもできるんじゃないかな、って思ってやってみたんです。今はまだ、店のメニューにはありませんが、知ったお客さんには『カキの天ぷらもできますよ』ってお勧めしてみることにしてるんです。」

 とおねえさん。いや、これはいいですよ。ぜひ定番メニューにすべきだ。こんなにおいしいカキは食べたことがないなぁ。

 昨日の倉橋島ツアーから一夜明けた今日は、東京からやってきたMさんは、平和記念公園や厳島神社を散策。「世界文化遺産」ですもんね。夕方、Mさんが呉に帰ってくるのを待って、同期入社の友人H君にも来てもらって、ここ「鳥八茶屋」にやってきたのでした。

 「鳥八茶屋」はH君の行きつけのお店。だから店のおねえさんも隠れメニューの「カキの天ぷら」をすすめてくれたんですね。ただし、この「カキの天ぷら」は、メニューに載っていないというだけで、カキのシーズンであれば誰でも注文することが可能です。ぜひお店で「カキの天ぷらはできますか?」と聞いてみてください。

 今日は、Mさんに初めての呉固有の酒場文化である「とり屋」の1軒に来ていただいたので、「とり屋」ならではの焼き鳥や、ハゲ(=カワハギ)の刺身(もちろん肝付き!)などもいただいて、「とり屋」を堪能。飲み物も生ビールから始まって、「華鳩」の燗酒(1.5合630円)、そして「華鳩」のにごり酒(1合420円)と、これまた呉の地酒を愉しみます。

 最後にいただいた、キムチ胡瓜(キュウリのキムチ風味漬け)も、さっぱりとおいしかったなぁ。

 「鳥八茶屋」のお勘定は、いつものとおり一人3千円ほどでした。どうもごちそうさま。

 日曜日であっても、呉の夜は1軒で終わるはずはなく、今宵の2軒目はスタンド「シロクマ」です。いよいよ来週(10月29~30日)が「呉酒まつり」とあって、ここ「シロクマ」にも呉の地酒がずらりとそろっていました。焼酎のキープボトルを1本入れて、「シロクマ」のお勘定は3人で1万4千円(一人当たり4,700円弱)でした。

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「鳥八茶屋」 / 生ビールの中と大 / レバー(鶏)

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串カツ(鶏) / ハゲ造り(肝付き) / キムチきゅうり

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「華鳩」にごり酒 / 「シロクマ」 / ずらりと呉の地酒

・「鳥八茶屋」の店情報前回)/「シロクマ」の店情報前回

《平成22(2010)年10月24日(日)の記録》

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ツアーの締めは呉屋台 … 屋台「一二三(ひふみ)」(呉)

締めの半ラーメン


 倉橋島からのバスは予定どおりに午後8時には呉に到着し、遊星ギアのカズさん、東京のMさんと3人で、二次会として向かった先は、堺川横の屋台街にある「一二三」です。

 ここはとにかく焼いた豚足がおいしいのと、お客の注文を「よっしゃ!」と元気にこなす、肝っ玉かあさん(=女将)の存在で大人気の屋台。今日も老若男女でいっぱいです。なにしろ、ぎっちりと詰めても10人入れるかどうかの店内なので、すぐに満席になっちゃうんですね。

「外のテーブルでもいい?」と女将。

「もちろん。じゃ、外、使わせてもらいますね」

 と返事して、屋台のすぐ横に置かれたテーブルを3人で囲みます。

 カズさんは燗酒(400円)を、Mさんは焼酎の湯割り(400円)を梅入りで、そして私は焼酎の水割り(400円)をレモン入りでもらって、カズさんへのお礼の気持ちを込めて二次会の乾杯です。

 料理の注文は、店の名物・豚足(600円)と、今日は豚耳(600円)も注文すると、豚耳はあっという間に出てきました。豚耳も、豚足と同様に鉄板で焼いて出してくれるのですが、豚耳はもともと肉厚が薄い上に、細くスライスしたものを炒めるので、すぐに火が通るんですね。味付けは、これまた豚足と同じく、塩、胡椒、そして味の素のみ。こんなシンプルな味付けなのに、どういうわけかお酒が進んでしょうがないつまみができちゃうんですよねぇ。

 フルフルと軟らかいコラーゲンたっぷりの身の中心に、コリッと軟骨。豚耳ならではの独特の食感です。

 そこへやってきたのは、「一二三」に来るといつもいらっしゃる常連さん。屋台の中は空いていないので、我われと一緒に外のテーブルを囲みます。

「ときどきここを通るんですけど、いつも開いてないんですよねぇ」と聞いてみると、

「この店は、今は金・土しかやってないんじゃ」と教えてくれました。なるほど、そうだったんですね。じゃ、平日にいくらのぞいても開いてないはずだ。だからこそ、開いている金・土は、外にあふれるほどお客が来るんですね。ときとして、ここにブルーシートを広げて、まるで花見のように車座になって飲んでたりしますもんね。それほどの人気ぶりなのです。

 さぁ、豚足も焼きあがってきました。少し前に、「北吉鮮魚店」で「もう入らない」と思うほど食べたのに、豚耳や豚足の脂っこいコラーゲンの味は、また別腹なんですよねぇ。

「呉に来たら、ここの豚足を食べてみたかったんです」と、Mさんにも満足していただけたようで、ひと安心。

 午後9時半も回って、呉市内の郊外に住むカズさんは、そろそろ電車が気になる時間です。遅い時間帯になると電車は1時間に1本程度になるので、午後10時15分頃の電車に乗り遅れると、次は約1時間後の終電しかなくなってしまうのです。

 最後の締めに半ラーメンを3杯いただきます。半ラーメンは、ラーメン(500円)の麺だけを少なくしたもの。飲んだあとに軽く締めるのには最適で、このあたりの屋台では(メニューには載っていないものの)たいてい注文することができるようです。スープはそれなりにたっぷりとあるのも、飲んだあとに最適なんですよねぇ。

 とそのとき、「これを忘れてました」とカズさんがカバンから取り出したのは、昭和11年創業という呉の老舗パン屋「メロンパン」の牛カツサンドです。「メロンパン」の名物は、もちろん店名にもなっているメロンパンなのですが、この牛カツサンドも人気の品なんだそうです。

「行きのバスの中で、この牛カツサンドをつまみに缶ビールでも飲もうと思っていたのですが…」

 とカズさん。我われが切符を購入するのにちょっと手間どったので、缶ビールを買い込む時間がなかったんですね。たいへん失礼いたしました。

 牛カツサンドはお土産としていただいて帰ることにして、ぼちぼちとお勘定をお願いすると、午後8時から10時まで、2時間ほどのお勘定は3人で5,200円(ひとりあたり1,730円ほど)と、これまた割安感たっぷりです。どうもごちそうさまでした。

 Mさんも今宵の宿は呉駅の近くなので、みんなで呉駅まで行って解散。長くて楽しい1日になりました。ツアーを企画し、引率してくださったカズさん。遠く東京から参加していただいたMさん。改めてありがとうございました。

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豚足を焼く店主夫妻 / 豚耳 / 豚足

店情報前回

《平成22(2010)年10月23日(土)の記録》

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倉橋島ツアー・夕食編 … 「北吉鮮魚店(きたよしせんぎょてん)」(呉・倉橋町)

魚のもつ煮込み


 遊星ギアのカズさん(以下、“カズさん”と略します)に引率していただいて、遠く東京からいらっしゃったMさんと3人で、呉の南側の、瀬戸内海に面した倉橋島に来ています。

 本浦の食事処「かず」で昼食をとったあと、静かな瀬戸内海を眺めながら、トコトコとバス停ふたつ分ほど歩くと桂浜・温泉館に到着します。ここで地元の倉橋交通バスに乗り換えるのです。

「先月までなら、呉市営バスで直接行くことができたのですが、10月のダイヤ改正で、この温泉館までしか来なくなったんですよ。ずいぶん不便になりました」と教えてくれるカズさん。地元のみなさんも、ここでバスを乗り換えています。

 ここからさらにバスに乗ること15分。目的地、室尾(むろお)に到着です。時刻は午後2時半。カズさんが事前に「北吉鮮魚店」に連絡してくださったところ、「午後4時くらいに入ってください」ということだったそうなので、それまでの間、1時間半ほど室尾の町を散策することにします。

 この散策も、実はカズさんの事前の計画に織り込まれていたもの。前回も書いたとおり、倉橋島の歴史は古く、古来より瀬戸内海交通の要衝として栄えていたのです。なので、ここ室尾も、立ち並ぶ家々や、その間を縫うように走っている路地の様子に、長い時間をかけて蓄積されてきた歴史の重みを感じます。その昔、水軍の人たちも、このあたりを跋扈(ばっこ)していたのかなぁ。

 倉橋島の地酒「三谷春(みたにはる)」を造っている林酒造の創業は文化3年(1806年)。この地で200年以上お酒を造り続けているんですね。ちょうどナマコ壁の工事もしていて、ナマコ壁ができていく様子も合わせて見学。何年かかけて、酒造の周りの壁をすべてナマコ壁にするんだそうですよ!

 林酒造の近くには、昔ながらの小さなラムネ工場もあって、玄関先で小売もしてくれます。ラムネは、瓶の中にビー玉が入った状態で瓶を洗浄し、そこに砂糖で味付した炭酸水(ラムネ)を注入します。そこで瓶が上下反対になり、下側になった口のほうを負圧(真空に近い状態)にすると、ビー玉が瓶の口をしっかりとふさいで、ラムネができあがるんだそうです。

 室尾の漁港に戻ると、カズさんが近くのお店から買ってきたのは、かっぱえびせん。「実はこれ、カモメの大好物なんですよ」とカズさん。そんなこと言っても、漁港の中にはカモメが1羽、プカプカ浮いてるだけじゃないですか。

「まあ見ててください」と言いながら、カズさんがかっぱえびせんを港に投げ込むと、どこにいたのか、カモメが1羽、また1羽とやってきて、見る見るうちに30羽近いカモメが近くにやってきたのです。

 最初は遠くで警戒しながら海に浮かぶかっぱえびせんを見ていたカモメも、勇気ある1羽がえびせんを食べてからは、徐々にみんなが食べ始めたばかりか、カズさんの近くへ近くへとカモメの輪が狭まってきます。おもしろいなぁ、カモメにはこんな習性があったんですね。海老の匂いに敏感なんだ。陸側にいた子猫までえびせんを食べにやって来て、カズさんは一躍、花咲かじいさんならぬ、えびせんにいさんになりました。

 ふと時計を見ると、すでに4時を回っています。それじゃそろそろ、本日のメインイベント、「北吉鮮魚店」での夕食に向かいますか。

 「北吉鮮魚店」は、道路に面した側は「北吉鮮魚店」として地元でとれた魚介類の販売をしていて、角を曲がった路地の側に別の入り口があって、そちらには「北吉さしみ」という看板がかかっています。こちらが居酒屋コーナーになっているのです。

 店内は、入ってすぐの土間(タイルが敷かれている)に木製の長テーブルがあって、そこに8人から、ぎゅっと詰めると10人ほどが座れます。右手は座敷の広間になっていて、こちらはちょっと規模の大きい宴会もできる模様。ちょうど今日は、地元の人たちの宴会予約が入っているんだそうで、座敷席は貸し切り状態です。

 我われ3人は長テーブルの奥側の辺を囲むように座り、まずは生ビールで乾杯すると、すぐに刺身の盛り合わせが出されます。事前の電話のときに、カズさんが刺身と、ゆびき、あらだき、天ぷらをたのんでおいてくれたんだそうです。

 刺身は大皿にたっぷりと5列の盛り合わせになっていて、サザエ、タコ、イカ、ヒラメ、エンガワ、タイ、タイの皮、そしてハマチというラインナップ。

 店内に掲示されている中国新聞の記事によると、地元で仕入れた魚は、すぐ目の前にある魚港内のいかだにつるした網の中で泳がせておき、必要になったときに、海水を引き込む方式の店内のいけすに移してくるんだそうです。

 白身の魚でも味わいが濃いのが瀬戸内の魚の大きな特徴。ちょっと甘めの地元の醤油との相性も抜群です。

 乾杯の生ビールのあとは、地元の地酒、「三谷春」を燗酒でいただきます。

 「千福」などをはじめとする、呉のお酒。東京で飲んでいたときは、そのやわらか過ぎる味わいに、「なんだか物足りない感じだなぁ」と思ったりもしていたのですが、こちらに来て、地元の味わいの濃い魚と合わせると、この酒の味がぴったり。この魚と一緒に飲まないといけないお酒だったんですね。「三谷春」もそんなお酒。地元の魚によく合います。

 続いては、ゆびき。これは地元でとれた大穴子を、文字どおり湯引きしたものですが、アナゴの身は、骨切りではないんでしょうが1センチくらいずつの幅で包丁が入れられています。これは酢味噌でいただくんですね。おぉ~っ。なんという弾力感。プリップリというのを通り越して、魚なのにイカに近いほどの強い弾力です。なるほど。これだけの弾力感があるから、1センチおきに切り目を入れてたんですね。そのまま出されたら噛み切るのが大変かも。

 この刺身と湯引きは、この店の2大名物らしく、我われのあとからひとり、またひとりと入ってきた地元の常連のところにも、まずは刺身の小皿が出されて、そのあと湯引きの小皿が出されています。ひとりでやってきても、小皿の分量で出してもらえるのなら、刺身+湯引きも大丈夫そうですね。ちなみに、ひとりずつやってきた常連のおじさんたちも、我われと同じ長テーブルに相席で座っていきます。

 ここ「北吉さしみ」の壁に掲示されているメニューには値段表記はなく、さしみ、ゆびき、あらだき、煮つけ、天プラ(18時以降)、フライ、みそ汁、お吸物、照焼(ハマチ、18時以降)、塩焼(ハマチ、18時以降)、だし巻き卵(18時以降)、冷やっこ、豚耳(品切れ中)、砂ズリ(18時以降)、モモ串(18時以降)、から揚げ、焼き鳥、生ビール、ビール(大)、清酒、焼酎というラインナップ。魚に加えて、鶏料理も並んでいるところに、この島が呉発祥の酒場文化である「とり屋」のルーツなんだということを感じますね。先ほどの中国新聞の記事によると、料理の大半は1人前が500円なんだそうですが、この記事がいつの記事なのかが不明です。

 あらだきも登場。魚のアラと、豆腐、ネギというシンプルな煮物ながら、これも魚のおいしさが引き立ちます。

「そういえば、「魚菜や」の女将さんから、ここに来たら、魚のもつ煮込みは絶対に食べたほうがいいと薦められたんですけど」とカズさんに話してみると、

「魚のもつ煮込みは、ある時とない時があるんですよ。ちょっと聞いてみましょう」

 と店の人に確認してくれたところ、あるとのこと。刺身と湯引き、あら炊きで、すでに満腹に近い状態なので、天ぷらをやめて、代わりに煮込みを出してもらうことにしました。

 この煮込みは、刺身用にさばいた魚の内臓を集めて作るので、量は少なく、普通は1日1組程度しか食べることができないんだそうです。今日は座敷で宴会も行われているので、さばく魚の量も多かったんでしょうね。

 はじめて食べた魚のもつ煮込み(冒頭の写真)。牛や豚のもつ煮込みと同じく、内臓のさまざまな部位が入っていて、コリコリと強い弾力感のある胃や腸の部分。ねっとりとコクがある肝の部分など、味わいこそ違うものの、食感はかなり似ています。しかし、牛や豚のもつ煮込みが焼酎やホッピーに合うのと比べて、こちら魚のもつ煮込みは圧倒的に日本酒。それも燗酒にぴったりです。これはいいなぁ。クセになりそう。

 このころ(といってもまだ夕方6時ごろ)には、地元の若い男女4人連れも入ってきて、長テーブルもほぼ満席状態。座敷のお客さんたちもお酒がまわって、ワイワイと楽しそうです。我われ3人以外は、ほぼ地元のお客さんの様子。こんな店が家の近所にあるといいだろうなぁ。

「そろそろ店を出ないと。呉に帰るバスの最終便は18:40発です」とカズさん。時計を見ると6時半。バス停は近いものの、急がないと!

 お勘定は3人で12,500円(ひとりあたり4,200円弱)。新鮮な珍しい魚をいっぱい食べて、たっぷりと飲んだのに、安いですよねぇ。呉から遠くて、終バスが早いのが玉に瑕(きず)だ。

 室尾を18:40(午後6時40分)に出発し、桂浜・温泉館で呉市営バスに乗り換えると、呉駅に到着するのは午後8時の予定。まだまだ夜はこれからですね。さぁ、二次会は呉だ!

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さしみ / ゆびき / あらだき

店情報

《平成22(2010)年10月23日(土)の記録》

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店情報: 「北吉鮮魚店(きたよしせんぎょてん)」(呉・倉橋町)

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  • 店名: 北吉さしみ、北吉鮮魚店
  • 電話: 0823-54-0536
  • 住所: 737-1377 広島県呉市倉橋町室尾西11897
  • 営業: 15:00-21:00、第1・3月休
  • 場所: 倉橋交通のバス、桂浜温泉館・室尾・鹿島線、室尾バス停のすぐ近く。倉橋交通のバスには、呉市営バス呉倉橋島線で終点の桂浜・温泉館まで行って乗り換える。呉駅からの総時間は1時間半(呉市営バス1時間、待ち15分、倉橋交通15分)ほど。
  • メモ: さしみ各種、ゆびき、あらだき、煮つけ、天プラ(18時以降)、フライ、みそ汁、お吸物、照焼(ハマチ、18時以降)、塩焼(ハマチ、18時以降)、だし巻き卵(18時以降)、冷やっこ、豚耳(品切れ中)、砂ズリ(18時以降)、モモ串(18時以降)、から揚げ、焼き鳥、生ビール、ビール(大)、清酒、焼酎など。(2010年10月調べ)

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倉橋島ツアー・昼食編 … 食事処「かず」(呉・倉橋町)

「かず」の日替り定食


 遊星ギアのカズさんから「呉に来たならぜひ倉橋島の北吉鮮魚店に」というコメントをいただいたのは、今年の6月のこと。以来、呉の情報誌「くれえばん」の木戸編集長や、「魚菜や」の女将さんからも、「北吉鮮魚店にはぜひ行ってみるべき」というおすすめの言葉をいただいて、期待はふくらむばかり。10月第4土曜日の今日、満を持してその「北吉鮮魚店」に向かうことになったのでした。

 倉橋島ツアーをコーディネートしてくださったのは遊星ギアのカズさん(以下、“カズさん”と略します)。遠く東京からMさんも、リフレッシュ休暇の一貫として参加してくれて、正午前に呉駅前のバス停3番乗り場に集合です。

 呉駅前から、倉橋島の桂浜・温泉館までは呉市営バスで約1時間、運賃は800円です。カズさんがバスの切符売り場で調べてくれた結果、1日乗車券を買うのがいいとのこと。1日乗車券は1,300円で、呉市営バスの全区間が1日中乗り放題なので、呉駅から桂浜・温泉館まで往復しただけで、もう23%もの割引率となるのだそうです。(1日乗車券には、大和ミュージアムや入船山記念館の割引券も付いています。)

 呉駅前発、正午ちょうどの桂浜・温泉館行きバスに3人で乗り込んで、いよいよ出発です。

 カ~ンとよく晴れた天気の中、バスは呉湾内の工業地帯や、潜水艦基地などを通り過ぎて、音戸大橋をわたり、いよいよ倉橋島に突入です。

 倉橋島は、今から1700年位前から造船の地として知られていて、遣唐使船もこの地で造られました。広島県内の島々の中で、最南端に位置する島でもあります。

「終点の桂浜・温泉館までは、あとバス停2つほどですが、今日の昼食はここにしましょう」

 そう言いながら、カズさんが本浦でバスの停車ボタンを押します。バスを降りて入ったのは、海のすぐそばにある食堂 兼 寿司屋 兼 喫茶店の「かず」です。向かって左手はいかにも喫茶店風の造り、右手は定食屋風の造りながら、中では同じものが食べられるんだそうです。

 刺身定食(1,300円)や寿司定食(1,000円)が安くてうまいというのがカズさんのオススメながら、刺身はこのあと「北吉鮮魚店」で思いっきり食べる予定なので、今日は日替り定食(700円)をいただきます。日替り定食は店の奥のおかず置き場から、好きなおかずを2品選ぶと、それにごはん、みそ汁、お新香に小鉢を付けて定食にしてくれます。

 カズさんの選択は太刀魚(たちうお)塩焼きとアラ煮。Mさんも太刀魚の塩焼きと、もう1品はイカと大根の煮物です。私は昨日、太刀魚をいただいたばかりなので、今日の選択は小イワシ焼きとアジ南蛮漬。魚介類は地元産の取れたてのものを使っているというのがいいですね。今日の小鉢はスパゲティサラダです。

 メニューにはビールや酒などの飲み物もあるのですが、現在の時刻は午後1時すぎ。このあと、午後4時ごろから「北吉鮮魚店」で飲むことを考慮して、ここはアルコールなしで食事のみとします。夕方の部で、本日初のビールで「プハァーッ!」とやりたいですもんね。

 それにしても、この定食でもうすっかり満腹。あと3時間ほどで、お腹がすくかどうかが心配だなぁ。

店情報

《平成22(2010)年10月23日(土)の記録》

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店情報: 食事処「かず」(呉・倉橋町)

  • 店名: かず
  • 電話: 0823-53-1813
  • 住所: 737-1377 広島県呉市倉橋町松原891-13
  • 営業: 07:00-20:00(火は -18:00)、無休
  • 場所: 呉市営バス呉倉橋島線・本浦バス停のすぐ近く。呉駅からバスで1時間ほど。
  • メモ: 日替り定食700、刺身定食1,300、寿司定食1,000、とりから揚げ定職700、焼肉定食900、焼うどん定食650、焼そば定食650、月見うどん定食600、肉うどん定食650、焼めし500、肉そば定食650、うどん300、うどん定食550、カツ丼700、肉丼600、玉子丼450、焼肉丼700、親子丼550、他人丼650、カレー500、カツカレー900、オムライス700、チキンライス500など。寿司特上2,000、寿司上1,500、鉄火巻700、しんこ巻500、シソ巻500、カッパ巻500など。(2010年10月調べ)

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金曜の夜は同期の友と … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

太刀魚塩焼きと生ビール


「久しぶりに飲みに行こうか」

 同期入社の友人Hと示し合わせて向かったのは、このところよく出かけている「魚菜や」です。彼も、ときどきこのブログを見てくれていて、今日は「ぜひ『魚菜や』に行ってみたい」という希望だったのです。

 丸太を半分に切ったL字カウンターの角あたりに座り、まずは生ビールを注文して乾杯すると、お通しの小鉢は、二人でつつき合えるように、ひとつは茹で海老、ひとつは酢の物と、それぞれ違うものを出してくれます。

 ここ「魚菜や」は、女将が料理好きで料理上手なのがいいところ。今日は太刀魚の塩焼きと、鯨の竜田揚げをもらいます。

 我われの左側にはご夫婦とその息子さん(大人)の親子3人連れ。あれやこれやと料理を出してもらいながら、家族で団欒中の様子です。ここは、あらかじめ予約しておくと、おまかせでいろんな料理を出してもらうこともできるのです。

 日本酒として、呉の地酒しか置いていないのもこの店の大きな特長。生ビールを飲み終わった後は、最近のお気に入り、仁方(にがた)の「宝剣(ほうけん)」を冷酒でいただきます。

「このお酒はうまいねぇ」

 日本酒好きの友人Hも気に入ってくれたようで、ひと安心。この「宝剣」は、生産本数がそれほど多くないということもあってか、呉のお酒ながら、呉市内でもなかなか取り扱っていないのです。この近くでは本通(ほんどおり)の「山城屋」に置いている程度。普通の値段で飲めますが、なかなか貴重なお酒でもあります。

 何度も何度も「宝剣」をおかわりしながら、つまみは関東風と関西風の二つの鍋で作られるおでんです。

 この店のメニューには値段は書かれていないものの、たっぷりと飲んで食べて、二人で7千円(ひとり3千5百円)ほどと、それほど高くはありません。どうもごちそうさま。

 金曜日なので、当然のごとく1軒だけでは終わらず、友人H行きつけのスタンドバーで、彼がキープしているワイルドターキーを炭酸で割ってもらって、飲んだり、歌ったり。たっぷりと金曜の夜を堪能したのでした。

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鯨竜田揚げ / おでん / 白和え

店情報前回

《平成22(2010)年10月22日(金)の記録》

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〔コラム〕 「東京最高のレストラン」メールマガジン創刊

東京最高のレストラン2011


 拙著・「東京飲み歩き手帳」の出版元であるぴあ株式会社から、11月11日に発売されたばかりの新刊・「東京最高のレストラン2011」が送られてきました。

 この本は、東京最高のレストランシリーズのちょうど10冊目となるもので、我われ酒場ファンにもなじみが深い店としては、「秋田屋」(浜松町)、「あべちゃん」(麻布十番)、「鍵屋」(鶯谷)、「神田まつや」(神田)、「岸田屋」(月島)、「三州屋」(銀座)、「鈴木屋」(白金高輪)、「泰明庵」(銀座)、「藤八」(中目黒)、「とよ田」(自由が丘)、「鳥房」(立石)、「やっちゃん」(新江古田)、「山利喜」(森下)、「麗郷」(渋谷)などが載っています。

 さらに「東京最高のレストラン2011」」発売と同時に「東京最高のレストラン」メールマガジンを創刊することになったのとのこと。メールマガジンの申し込みは「東京最高のレストラン」ブログから行ってください。

 ついでに、発売後、そろそろ8ヶ月となる「東京飲み歩き手帳」の宣伝も少し。

 この本の出版の前に、「東京居酒屋名店三昧」ともつマニア」を出版したのですが、どちらも掲載軒数は約70~80軒ながら、取材のためにリストアップした店はそれぞれ200軒ほど。半分以上が取材お断りなどの理由で掲載することができなかったのでした。

 このリストを無にしてしまうことはとてももったいないので、「東京飲み歩き手帳」では、そのリストに登場している各店について、ブログと同様に「改まって取材をすることはせず、知り得ている情報のみを記載する」という方針で1冊に仕上げたのでした。

 なので、昨年末時点で私自身がオススメのお店は、すべてこの本に集約して掲載することができたと思っています。こちらもよろしくお願いします。

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野毛の誇る名老舗酒場 … 酒亭「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)

野毛の誇る名老舗酒場


 あぁ、よかった。また来れたなぁ。

「細くでもいいから、長くやろうと思ってますのよ」

 おばちゃん(=女将)ご自身がそう語るとおり、あまり無理をせず、休み休みしながら営業中の老舗酒場「武蔵屋」。もともと火・水・金の週三日間しか営業していないということもあって、横浜に住まなくなった今は、ちょうど営業しているときに行くのがむずかしいのでした。

 長年使い込まれたカウンターの一角でいただく「櫻正宗」の燗酒。ここの燗酒は土瓶から、カウンター上に置かれた受け皿なしのグラスに、表面張力までなみなみと注がれます。

「父は、グラスの外側をつたったお酒を飲むもんじゃない、と言って、受け皿は置かなかったんですよ」

 と、おばちゃん。そのお酒を口から迎えにいって、まずは表面張力の部分をひとすすり。つまみには、玉ねぎの酢漬けと、おから。少し遅れてタラ豆腐が出されます。

 つまみは年中変わらず、この3品からスタート。つまみが足りない人は、コハダ酢や、ニシン、煮貝、キヌカツギなどを追加注文することもできます。

 2杯めの燗酒をもらうと納豆が、3杯目の燗酒をもらうとお新香が出され、この3杯で終了。お勘定は2,200円です。

 今日は小さいおばちゃん(=女将の妹さん)がいなかったのがちょっと心配。体調を崩されていたのでしょうか。

 「武蔵屋」には、機会を作ってでも、また来なきゃね。どうもごちそうさま。

(【その後の顛末】 このあと「武蔵屋」はまた一時的なお休みに入りましたが、11月に入って営業を再開しています。)

店情報前回

《平成22(2010)年10月19日(火)の記録》

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〔コラム〕 ほろ酔いと~くの舞台裏

樽詰ホッピー白 樽詰ホッピー黒


 10月9日(土)は、三栄書房のムック「古典酒場 Vol.9」(933円+税)の発売記念イベントである、「第7回 ほろ酔いと~く」で原宿です。このイベントが原宿で開催されるのははじめて。会場は表参道ヒルズのすぐとなりという、なかなか我われ呑ん兵衛とは縁のない場所ながら、表にはホピトラ(ホッピー運搬用のトラック)がで~んと2台停まっていて、そこだけが原宿じゃないみたい。

 とはいうものの、ホッピーの本社だって赤坂だから、どっちもどっちのおしゃれな土地ですよね。

 会場奥の出演者控え室で、日経BP局長の渋谷和宏さんや、ホッピービバレッジ社長のホッピーミーナさん、そして「古典酒場」の倉嶋編集長と久しぶりに再会し、さっそく生ホッピーで乾杯です。

 このトークイベント。イベント自体は2時間で、間に1時間の休憩をはさんで合計2回、開催されます。出演者は1時間ほど前に集まって「打ち合せ」と称して飲みはじめ、イベント中はご来場いただいたみなさんと一緒にガンガン飲み続けます。

 間の休憩時間が、実は一番盛り上がる時間で、ここでもまたホッピーをガンガン飲み続けながら、「さっきの回は、ここの部分がおもしろかったね」とか、「次の回はここをこう変えてみようよ」と、建設的な意見(酔ってるから何でも建設的に感じる?)がポンポン飛び交います。このなかで、次号の「古典酒場」の企画ページの一部が決まることもあるほどです。

 そうやて大盛りあがりで飲んでいるところへ、「そろそろ出番で~す」の声がかかり、飲んでいるジョッキをそのまま手に持って会場へと向かいます。

 これから来場していただいたみなさんと乾杯するというのに、入場してくる出演者のジョッキが、だいたいいつも飲みかけな状態なのは、すぐ直前までそれで飲んでいた証(あかし)なのです。

 休憩時間も飲み続けているので、2回目のイベントになると、すでに呂律(ろれつ)も回りにくいほどの酔い具合。ついつい話も長くなって、会場後方で「巻いて巻いて」という合図が出されても、ほとんど意に介さず話し続けるような状態になってしまうのでした。

 今回もやっぱりおもしろかったのは、ホッピー広報のカレラさんでしたねぇ。彼女の口からポ~ンと飛び出す言葉は、本人は何気なく言っているんだろうけど、洗練されていておもしろい。どの出演者よりも会場の笑いをかっさらっていきます。今回の目玉は、太田和彦さんのことを「居酒屋の大家」と紹介するところを、大きな声で「居酒屋のおおや」と読み上げちゃったところでした。会場全体が、一瞬、目が点になったあと、みんなで大爆笑。「あらら!? 私も大家(おおや)さんじゃ、おかしいなぁと思ってたんですよ。あはは!」とちっとも悪びれずに、ニコニコと流すところがまたいいんですよねぇ。すばらしい才能です。

 「ほろ酔いと~く」終了後は、裏原宿の「味人」で二次会。裏原宿にもあるんですねぇ、もつ焼きでホッピーが飲めるお店が。びっくりしました。

 すっかり夜も更けて、中野・杉並方面組の倉嶋編集長と、竹よしシスターズの四女・ナオちゃん、私の3人は、タクシーに乗り込んで、まずはバビュンと編集長宅へ。今日、みなさんからいただいた会費やら、「古典酒場」の売上金やらの大金を持っているので、これを無くすと大変、大変。

 編集長と大金を編集長宅にお届けしたあと、ナオちゃんと私は引き続きタクシーで下井草駅前へ。今日の3次会は大衆鉄板の「こいくちや」です。この時間(午後10時半ごろ)にいただく鉄板料理が、こってりとして美味しいこと。

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トマトチーズ焼 / スパムと目玉焼 / ホワイトシチュー(パン付き)

 さらに鷺ノ宮(さぎのみや)まで移動して、4次会は「満月」。飲み始めると止まりませんなぁ。

 正午過ぎに飲み始めて、「満月」を出たのは午前1時ごろ。とてもよく飲んだ1日でした。

 「ほろ酔いと~く」に来ていただいたみなさん。本当にありがとうございました。

《平成22(2010)年10月9日(土)の記録》

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〔コラム〕 二十三区北西部の名店めぐり

 横浜での仕事を終えて、やってきたのは赤羽です。

まるます家 駅前で東京北部に住む飲み仲間ふたりと合流して、今日の1軒目は、鯉とうなぎの「まるます家」です。

 ここは、東京の呑ん兵衛ならば知らない人はいないんじゃないかというくらい有名な酒場だけあって、早い夕方からもうお客でいっぱい。我われ3人は、なんとか1階テーブル席のひとつを確保し、まずは生ビールで乾杯。料理は鯉のあらいや、スッポン鍋(なんと750円!)、カルシウム(うなぎの中骨)などの名物を次々に注文します。

 この店の人気の理由は朝早く(午前9時)から開いているからというだけではありません。その料理が安くて美味く、店を切り盛りするおねえさんたちが元気がいい。「はいよっ。12番さん、鯉こく1丁」、「8番さんに、うな丼をひとつ」。店内に明るい声が飛び交います。

 生ビールのあとは、これまたここの名物のジャンチュー(ジャンボ酎ハイ)に切り換えて、つまみにはゴージャスな名称のエビステーキカツや、シンプルにうまいネギぬたなどをいただきます。私は久しぶりに丸眞正宗も1本(300ml)。

 外にも空席を待つ行列ができ始めたところでお勘定をお願いすると、けっこうたっぷりと飲み食いしたのに3人で7,500円(ひとりあたり2,500円)ほど。さすが「まるます家」ですねぇ。

斎藤酒場 今日の2軒目は、埼京線でひと駅南下して、十条の名店「斎藤酒場」です。昭和3年創業の老舗で、ここもいつも満席状態。3人で入れるかな? とちょっと心配しながらの入店でしたが、運よく、入口すぐの8人くらい座れるテーブルの手前側が空いていました。

 さっそく冷やしビールの赤いほう(サッポロラガー大瓶)をもらって、料理はポテトサラダに、串カツ、コロッケという、「斎藤酒場」の名物3品そろい踏み。

「串カツとコロッケは、1人前は2個ずつですけど、3人なので3個ずつにしましょうか?」

 おぉ~っ。こんなにも満席で、大忙しの状況にもかかわらず、さりげなく気遣ってくれるこの心配りが人気の理由なんですねぇ!

「3個ずつでお願いします」

 ひとりで行くと、串カツとコロッケを1個ずつ盛り合わせた“ミックス”も出してもらうことができます。できたての熱々で出されるのがいいんですよねぇ。

「この3品の名物が有名ですが、実はさりげなくメニューに並んでいる魚介類もおいしいんですよねぇ」などと3人で話しながら、注文したのはマグロのぶつ切りとスジコおろし。飲み物も、それぞれ自分の好きな酎ハイやにごり酒、燗酒(←私)などに切り換えてチビリチビリ。

 大テーブルの良さは、自分たちのグループのみならず、たまたま相席になったほかのお客さんたちとの話も弾むところですよねぇ。「斎藤酒場」に初めてやって来たという男性ひとり客も、この雰囲気と料理がすっかり気に入った様子。こんな酒場が増えてくるといいですよねぇ。

 お勘定は3人で3,210円(ひとりあたり1,070円)でした。

 「斎藤酒場」を出たところで解散し、私はひとり埼京線から中央線へと乗り換えて中野へ。このところすっかりご無沙汰している酒房「北国」へと向かいます。おぉ、やってる、やってる。まずはひと安心。

「こんばんは」と店内に入ると、「あら、久しぶり。元気だったの?」と女将さん。カウンターやテーブル席にはお客さんが大勢入っていて、「そこに座ったら」と指し示されたのは、カウンター中央の柱(はしら)前。この席は、背後に柱があって、そこにもたれられるので店内では最上級の席で、たいていは大常連さんが座っているのです。かつて井伏鱒二さんが通っていたときは、ここが井伏さんの席だったと聞いたことがあります。

北国 恐れ多くもありがたくその席に座らせていただくと、女将さんが「ビール?」と聞いてくれるのも以前のまんま。まわりに並ぶお客さんたちの顔ぶれも含めて、何にも変わってないなぁ。『これが酒場のいいところだ』なんて思いながら、「今日はもうたくさん飲んできたから、最初からウイスキー。水割りでください」と注文。氷を入れたグラスに、サントリーホワイトを計量用のコップにあふれるくらいたっぷりと注いで、蛇口から出る水道水を入れ、チャチャっと混ぜたら水割りのできあがり。最後に半月に切ったレモンスライスを1枚浮かべてくれます。

 お通しは厚揚げと小松菜の煮物。東北出身の女将さんが作る煮物は、いつもうまいなぁ。

 そろそろ閉店時刻なので、今日は水割り1杯とお通しだけで終了。お勘定は650円でした。また来ますね~。

 酒房「北国」のある中野駅南口側から、北口にドカ~ンと広がる中野5丁目の飲み屋街に回って、今日の4軒目は、もつ焼きの「石松」です。おりょ~。今日の「石松」には「秋元屋」の社長はいるは、キャスバル坊やさんはいるはで、客層も濃いなぁ。

石松 ずいぶんご無沙汰しているのに、ずっと取っておいてくれたキンミヤのキープボトルで、焼酎お茶割りを作り、お通しのハツ刺し(といってもたたき風に炙ったもの)から始まって、レバ塩若焼きとシロタレを、みんなが焼いてもらうペースに合わせてゆっくりといただきます。

 「石松」のもつ焼きの大きな特長は、『肉の中が見えてるんじゃないか』と思うくらいの絶妙な火の通し具合にありますが、その特長を下支えするもうひとつの特長として、『必ず新しい串を使う』ことが挙げられます。ここの串は1回ずつ、使い捨てなのです。都内に、もつ焼き屋さんはたくさんありますが、私が知っている限り、串を1度だけしか使わないのは、ここだけじゃないかなぁ。

【その後の顛末】 上のように書いたところ、さっそくみなさんから情報をいただきました。「秋元屋」系の新店「たつや」(沼袋)や「弐ノ十」(都立家政)なども新品の串を1度しか使わないほか、デフレの影響もあるのか、最近は串を洗って再利用するよりも、新品を買ったほうが安いということで、串は1回使い捨てという焼き鳥/もつ焼き店も増えているんだそうです。

「さぁ、今日もよく飲んだし、そろそろ帰るかな。マスター、お勘定をお願いします」

「ん~、浜田さん、600円」

 がび~ん。そうか、飲み物はキープボトルだし、食べたのはお通しと串2本だから、そんなもんか。まったく儲からない客でごめんなさい。どうもごちそうさま。

 「石松」を出ると、すぐ目の前が早稲田通り。空車のタクシーがずらりと客待ちをしています。その1台に乗り込んで自宅の住所を告げ、時計を確認すると午後10時半。おろっ。まだ「竹よし」が開いてるじゃん。

「すみません、運転手さん。行き先を変更して、西武新宿線の都立家政(とりつかせい)駅前までお願いします」

 以前は午前0時まで営業していた「竹よし」ですが、店主が体調を崩されてからは午後11時が閉店時刻。地元には日付けが変わるころに帰ってくることが多い私にとって、なかなか行けない状態が続いていたのです。今日はギリギリ間に合いそうだなぁ。

竹よし 店に着いたのは午後10時40分。「1杯だけ飲ませてください」と店に滑り込んで、スーパードライ中瓶(500円)をもらうと、今日の小付け(200円)はアン肝です。いやぁ、うれしいなぁ。今シーズン初のアン肝だ。さらに北寄貝の刺身をもらうと、ずっしりと重い貝の中身は、プリップリの身だくさん。こりゃやっぱり日本酒じゃのぉ。

 今日の5軒目、「竹よし」のお勘定は1,600円。

 昨日の野毛めぐりに続いて、今日は東京二十三区北西部の名店をめぐる一夜となったのでした。やぁ、おいしかった。

《平成22(2010)年10月8日(金)の記録》

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〔コラム〕 グルッと野毛の新店めぐり

 明朝からの横浜での仕事にそなえて、今日のうちに横浜まで移動です。今夜の宿は野毛のホテル。野毛に泊まって飲めるのがうれしいなぁ。

エルヌビチノ そのホテルにチェックインして荷物も置き、身軽な格好で出かけたのは、飲み仲間・カジさんが都橋商店街1階中央付近に開店した生ビールの店、「una casa de gb gb El Nubichinom」(ウナ カサ デ グビグビ エルヌビチノ)です。とてもむずかしい名前ながら、「グビグビ」と略すか、「エルヌビチノ」と略すといいのかなぁ。

 営業時間は午後3時から午後8時ながら、横須賀のMさんが店に入って事情を話しておいてくれたので、開けて待っててくれました。

 ビールは毎日6種類ほどが用意されていて、Sサイズで500円、Mサイズなら800円、Lサイズは1,000円です。

 今日のビールは、宮崎の『ひでじビール』から「太陽のラガー」と「カスケードラガー」の2種。博多の『ブルーマスター』からはイチゴ(甘王)のビール「ノーブルスウィート」。厚木の『サンクトガーレン』からは「ゴールデンエール」、『イクスピアリ』の「シュバルツ」、茨城『木内酒造』の「ネストホワイト」の6種です。

 私はまずは「太陽のラガー」をいただきます。クセなく、とても飲みやすいビールです。

 Mさんが飲んでいるのは、なんとイチゴのビール。ほんのりと甘くて、イチゴの香りがします。

 ビールの種類もさることながら、生ビールが樽ごと冷蔵庫で冷やされていて、それが六つの注ぎ口から出てくるのがおもしろい。この方式だと、普通の生ビールサーバーのように、細いパイプを通ってくる間に急速冷蔵するという必要もないので、ビールがやわらかい感じがします。

 2杯めは和式ベルジャンホワイト(ベルギーの白ビール)である「ネストホワイト」をもらって終了。なにしろすでに閉店している時間なので、早めにサクッと切り上げました。

 閉店後にもかかわらず、ありがとうございました。>カジさん

 今度は普通に営業している時間に行って、ゆっくりと飲みたいと思います。

浜とん 2軒目は、大岡川を渡って福西町に入り、駐車場の裏手にオープンしたもつ焼き処「浜とん」です。店主は浅草橋の「西口やきとん」で修業をしてこの店を開いたのだそうで、メニューも「西口やきとん」に似ています。

 さっそく皿ナンコツとフランスパンを注文すると、「皿ナンコツの味付けはちょっと変えてるんですよ」とのこと。しかしこれもまたフランスパンによく合います。

ホッピー仙人 3軒目は再び都橋商店街に戻って、「ホッピー仙人」です。野毛に来たら、どうしてもここには寄らなきゃなぁ。残念ながら、すでに生ホッピーは売り切れていたので、横須賀のMさんとともに、瓶のハーフ&ハーフ(500円)をいただきます。

 生ホッピーがあるときは、ひとりでもハーフ&ハーフが楽しめますが、瓶しかないときは二人で白ホッピーと黒ホッピーをシェアしながらハーフ&ハーフを作ってもらわないといけないのです。

 すぐに閉店時刻がやってきて、閉店時刻まで残っている常連さんたちが、明日の営業用にカウンターの外に積み上げているホッピーを、次々にカウンター上に置いていきます。それをまた何人かで1本ずつきれいに布巾でふいて、しかるのちに冷蔵庫の中に整然と並べられていきます。なるほどぉ。閉店時には毎日こんな作業が続いてたんですね。はじめて知りました。

栞 「ホッピー仙人」をあとに、今日の4軒目は、横須賀のMさんが「最近のイチ押し」と通っている、日ノ出町駅近くの立ち飲み「栞(しおり)」です。

 「はい、いらっしゃいませ!」と元気に仕切ってくれるのは、元ヤンキー風の男前おねえさん。

 燗酒を飲んで、「十四代」の純米焼酎を飲んだりしているうちに、そろそろ横須賀のMさんは終電の時間。

日の出理容院 京急・日ノ出町駅で、Mさんを見送ったあとは、ひとりで行く今宵の5軒目、「日の出理容院」です。

 酒友・にっきーさんから、「終電が出たあとの「日の出理容院」が落ち着いていていいんですよ」という話はうかがっていたものの、実際にその時間にやって来たのは今日がはじめて。他にはお客さんもおらず、ひとりで切り盛りしている女性バーテンダーのメグミさんを独占です。

 今日の宿がすぐ近くだと思うと、それだけでくつろぎ度合いも大きいなぁ。

吉野家 「日の出理容院」を出て、まっすぐホテルに帰ればいいものを、この時間(午前1時過ぎ)になると、またまたお腹がすいちゃったりするんですねぇ。そんなわけで、最後は「吉野家」の牛鍋丼(並)+生卵で締めて、今宵の野毛めぐりを終えたのでした。

《平成22(2010)年10月7日(木)の記録》

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