呉に戻ってうどんで〆 … 大衆食堂「森田食堂(もりたしょくどう)」(呉)
月曜日は朝から横浜で仕事をして、新横浜駅から新幹線に乗り込んだのは午後4時過ぎ。この時刻から移動して、広島に到着するのは午後8時前、呉には8時40分ごろになるのです。
新横浜から新幹線に乗るときは、崎陽軒のシウマイ弁当とビールを買い込んで、飲みながら移動することも多いのですが、さすがにこの週末は飲み過ぎるほどに飲んだので、今日は休肝日にすることにして、新幹線の中でも爆睡です。この新幹線、広島止まりなので、乗り越す心配がないのです。
眠ってばかりといいつつも、何も食べずに広島まで4時間弱も移動してくるとさすがにお腹が減って仕方がない。広島駅での乗り換え時間は10分ほどしかないので、在来線1番ホームのうどん屋(朝6時から、夜10時まで、年中無休で営業)に寄る時間はありません。呉まで帰ってから、営業時間内ぎりぎりの「森田食堂」(午後9時まで営業)を目指すことにします。
「森田食堂」は大正2(1913)年の創業で、間もなく創業100周年を迎える老舗食堂です。創業当初は呉駅前の、現在のバスロータリーがあったあたりに、他の飲食店とともに店を構えていて、それはそれは大にぎわいだったのだそうです。
駅前の再開発で、現在の場所に移ってきて、店の規模も小さくなったそうなのですが、それでもまだ昔からのファンも多いようで、どの時間帯に見てみても、それなりにお客さんが入っているようです。
日曜日は定休日ですが、それ以外の日は朝8時から、夜9時まで、中休みなしに営業をしていて、女性3人(それぞれ親戚)が朝の部、昼の部、夜の部と受け持ちを分担して切り盛りされているのです。
「こんばんは」と入った店内には先客はひとり。テレビを見ながら、おかずをつつきつつビールを飲んでいます。何人かのお客さんがいるときは、女将さんが話の輪にも加わったりして、けっこう酒場っぽい雰囲気になったりするのですが、間もなく閉店時刻なので、今日はそういう雰囲気の時間帯は過ぎちゃったのかな。
「今日は、うどんください」
「は~い」と返事をした女将さんは、奥の厨房に調理に向かいます。
ここに来ると、いつもはたいてい瓶ビール(大瓶510円。小瓶なら360円)からスタートします。ここの瓶ビール。スパンッと景気のいい音を立てて栓を抜いてくれるのが、とても気持ちがいいんです。がしかし、今日は残り時間も少ないことと、せっかくここまで飲まずに帰ってきたということもあって、休肝日にすることに決定。ビールも取りやめです。
ほとんど待つこともなく、すっと出されたうどん(300円)の美しいこと。
すっきりと透明に近いツユは、ここの名物である湯豆腐(300円)や、まるで塩ラーメンかと見間違うほど透明度の高い中華そば(400円)でもおなじみの、いりこダシを基本に、薄口醤油で味を付けたもの。これにあえて「細うどんです」なんて謳(うた)うこともなく、ごく自然に細うどんが入り、薄くスライスした蒲鉾2切れと刻みネギ、そして少量の天かすをトッピング。このシンプルな外観が、いかにも美味しそう。
さっそくその細うどんの数本を箸で持ち上げて、ズズッ、ズズッと勢いよくすすり込むと、ダシの旨みが細い麺によくからまって、口の中いっぱいにその味わいが広がります。
細いうどんはとてもやわらかいので、ほとんど噛む必要もなく、するりと喉の奥へ。鼻の奥から、美味しそうな香りがふんわりと漂います。
ん~~っ。予想はしてたけど、うどんもやっぱりいいですねぇ。ダシの美味さが、この店の味の秘訣なんでしょうね。
5分もかからないくらいの勢いで、あっという間に食べ終えて、お勘定は300円。
広島駅のうどんに始まり、「森田食堂」のうどんで終わった、今回の出張旅行でした。
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