金曜日の仕事を終えて … おでん「魚菜や(ぎょざいや)」(呉)
金曜日の仕事を終えて、ひとりでふらりとやってきたのは「魚菜や」です。
「魚菜や」は、もともとの成り立ちがおでん屋台だったこともあって、現在も看板の上では“おでん”の店ということになっていますが、実際には女将のおいしい手料理を食べることができる小料理屋といった風情。小さなテーブル席(2人用)が1卓はあるもの、その店内はほぼL字カウンター10席程度のみの店といっていい状態。L字は縦の辺も横の辺もほぼ同じ長さで、その角の位置に四角いおでん鍋がすえられています。
この店内を女将がひとりで切り盛りします。厨房は奥の間にあって、注文が入ると奥で調理して出してくれますが、それ以外の時間は、女将もL字カウンターの中に置かれた椅子に座って、我われの話し相手になってくれます。
まずは生ビール(サッポロ)をもらって喉を潤すと、今日のお通しはほうれん草のゴマ和えです。
料理のうち、あらかじめ準備ができるものは大皿に盛られて、カウンター縦の辺の内側にずらりと並べられていて、それを見ながら注文することも可能です。手書きの品書きも出されているので、それから選ぶこともできます。
今日の品書きは、〆さば、地ダコ、タラの白子、すがき(岩がき)、カキフライ、小いわし天、タコ天、さばのはぶて焼、鯛のあら煮、大いわしの梅煮、ポテトサラダ、牛すじとジャガ芋の煮込、ごぼうの煮物、わけぎぬた、魚の子の煮物、なすの田舎煮というラインナップ。値段は表記されていませんが1品400円からで、全体としてそれほど安くもないものの、それほど高くもないといった感じです。
これ以外に定番のおでんがあって、アキレス、ロールキャベツ、しらたき、こんぶ、がんす、豆腐、厚あげ、じゃが芋、大根、ウインナー、玉子、シューマイといった品々が、関西風と関東風の味付けでそろっています。
今日はポテトサラダをもらいましょうかね。ポテトサラダは、ほぼいつもある定番の料理で、縦のカウンターの一番奥に置かれた大皿にたっぷりと盛られていて、注文するとそこから取り分けてくれます。ポテトのみならず、他の具材もたっぷりと入っているほか、横にはオニオンスライスや貝割れ大根なども添えられているのがうれしいですよねぇ。このポテトサラダのファンが多いというのもよくわかります。
生ビールに続いては、安浦(やすうら)の地酒、「白鴻(はくこう)」を燗酒でいただきます。
この店では、燗酒を注文すると、好きな猪口(ちょこ)を選ばせてくれます。太田和彦さんの影響か、私も逆八の字に上が広がったタイプの猪口が好き。しかもちょっと大きめのものが飲みやすいので、気がつくといつも富士に雁(かり)の絵柄の同じ猪口を選ぶようになってきました。この猪口で、太田さんを気取りながら、ツィ~ッといただく燗酒のおいしいこと。
燗酒に合わせて、つまみは酢ガキをいただきます。この酢ガキのカキは、岩ガキといって、この近くの磯場(今日のは豊島産)で獲れる天然ガキです。この岩ガキがおいしいのは11~12月ごろだそうで、年末になるほど小粒になっていくんだそうです。今日のカキも、一段と小さくなりましたねぇ。身は小さくなるものの、味わいは逆にどんどん濃厚になっていきます。チュルンといただくひと粒ひと粒の味と香りがいいですねぇ。
続いては日本酒を音戸の「華鳩(はなはと)」のにごり酒(冷酒)に切り換えて、つまみはおでんの“がんす”。関東風の出汁(だし)でいただきます。
ゆっくりと2時間近くくつろいで、今日のお勘定は3,250円でした。どうもごちそうさま。
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