なぜスナックに通うか … スタンド「シロクマ」(呉)
「一二三」をあとに、やってきたのは「シロクマ」です。
居酒屋などと比べると、値段は高いとわかっているのに、なぜかやってくるのがスナックなんですよねぇ。男がひとりで入りやすい酒場の筆頭がスナックであるということもあるのかもしれません。
たいていの場合、最初は会社の上司に連れられて行ったりして、そのスナックに入る。そういうことが何度か続いて、顔なじみになってくると、なにかのついでに一人でもフラリと入ってみたりする。
「あら、どうしたの。今日はおひとり。どうぞ、どうぞ、こちらへ。」
と大歓迎されながら、上司のボトルをそのまま出してくれたりする。
(ひとりでも、けっこう楽しく過ごせるんだなぁ。)
ということがわかり、何度か通ううちに、いつまでも上司のボトルを飲んでるわけにもいかないので、自分のボトルを入れたりする。こうなると、なんだか自分の店のような気がしてきて、職場で飲んだりしたとき、
「二次会はどこに行こうか。だれか知ってる店、ない?」
と聞かれたりすると、待ってましたとばかりに、
「オレのキープがある店でよかったら、行ってみるかい。」
なんて通ぶったりする。大勢で行くと、お店のほうも売り上げがあがるので、いつにも増して大歓迎してくれて、いつもより居心地が良かったりする。で、次の飲み会のときも、みんなから、
「この前○○さんに連れて行ってもらった、店が良かったよね。今日もまた○○さんの店にしようよ。」
なんて意見が出される。『○○さんの店』という風に、自分の名前をつけて呼ばれることで、ますます気分が良くなって、まるで本当に自分の店であるかのように足しげく通うようになって、大常連への道をたどる。
と、そんな人が多いように思います。
他には、ただ純粋に「この店の、この娘(こ)が好き!」と、店の女の子を目当てに通いつめてる人も多いのかな。カウンターの中と外で向きあって話している、その刹那だけは、まるで恋人同士であるかのような話し方をしてくれる女の子も多いので、つい勘違いしちゃったりするんだろうなぁ。
私はと言うと、今から25年ほど前に、当時の上司にはじめてここ「シロクマ」や、その近くの「エスカルゴ」などのスナック(呉ではスタンドと呼びます)に何度か連れてきてもらって、だんだんと自分たちだけも来るようになったクチです。
しかし、その当時(二十代の頃)は、さすがに一人では来れなかったなぁ。最低でも同期の友人と二人でした。
博多で過ごした学生時代には、学生料金で飲めるスナックも何軒かあったので、そこには一人でふらふら出かけていったりしていたのですが、呉のスナックはそういうわけにはいかなかった。だから、ひとりで行くのは、まだちょっと怖かったんですねぇ。
さすがに今はひとりでも大丈夫。冷凍庫でギンギンに冷してキープしてくれている角瓶でソーダ割りを作ってもらい、店のおねえさんの「私も1杯、いただいてもいいかしら?」という問いかけにも、「あぁ、ジャンジャン飲みんさい」と景気よく答えながらチビリチビリ。こんな酔っ払いのたわごとにニコニコと気持ちよく付き合っていただいて、うれしい限り。
1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は3,600円でした。どうもごちそうさま。
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