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2011年3月

店主をささえる四姉妹 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

店主をささえる四姉妹


 12月30日は「竹よし」の納会の日。ちょっと遅れて店に到着すると、常連さんたちがガンガンと盛り上がっているところです。

 「竹よし」は、わが家から近いということもあるのですが、なにしろ一番ひかれているのは、店主が徹底して魚が好きなところにあります。

 かつて横浜にあった魚屋さんの次男として生まれ、大阪に料理の修業をして、横浜方面に大きな魚料理屋さんを作りました。ときまさにバブル絶頂期。ガラス張りの床の下に生簀(いけす)があって、魚が泳いでいる様子が見えるような、まさにバブリーな魚料理屋が、店主のお店だったのでした。

 バブルはいつかははじけるもので、店主の店も例外ではなく、残念ながら撤退。今は亡き、お内儀(かみ)さんのつてをたよって、ここ都立家政の地に「竹よし」を開店したのが平成5(1993)年3月11日。それ以来、18年にわたって、この地で安くて美味しい魚料理を提供し続けてくれているのです。

 この店で一番安い日本酒が、「菊正宗」の上撰(本醸造酒)で、1合が350円というところもいいですよね。魚料理に合うのはなんといっても日本酒。魚が美味しくても、まずい日本酒を出されたりするとガックリなのです。この店に着始めたころに、特に銘柄を指定せずに、普通に「お酒ください」と注文すると、なんでもなく「菊正宗」の上撰が出されました。それだけでぐんと信頼感がアップしたものでした。

 今日は納会だけあって、「竹よし」4姉妹も勢ぞろいしています。

 「竹よし」4姉妹というのは、曜日がわりで「竹よし」を手伝っている4人の女性のこと。手伝いをし始めた順に、長女(ちくちゃん)、次女(キティちゃん)、三女(おきぽん)、四女(直ちゃん)と呼ばれて、常連さんたちに親しまれているのです。

 この4姉妹が来てから、店主は魚に専念できるし、常連さんたちは若くてかわいい女性たちと話をすることができるしということで、いいことづくし。いまや魚料理のみならず、4姉妹にお客さんが付いているほどです。この4姉妹が、それぞれうんとお酒が強いというのも、これまたいいではありませんか。

 たっぷりと「竹よし」を堪能したあとは、昨夜に続いて博多ラーメンの「ばりこて」で飲んで飲んで、最後にラーメン(600円)で締め。今日もまた替玉半分(60円)をやっちゃいました。

 これで終わるかと思いきや、ふぢもとさんの先導による3次会は、すぐ近くのスナック「イルカ」です。ふぢもとさんがキープしている「いいちこ」(麦焼酎)をいただきつつ、ちくちゃん、直ちゃんと、がんがんカラオケ。みんな、酒も強いし、歌もうまいなぁ。

 「イルカ」を出て、家が同じ方向にある直ちゃんを送って行きつつ、ついついふらりと寄り道してしまうのが、バー「エンジェル」です。ここもまた、昨夜以来ですねぇ。

 直ちゃんは今日もギネス。私は今日もレミーマルタンのスティンガーで乾杯。最後はマティーニで〆て、今日もまた帰宅したのは午前3時ごろ。すでに大晦日です。やぁ、今日も、そして今年もよく飲んだなぁ。

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竹よし / ばりこて / エンジェル

・「竹よし」の店情報前回

《平成22(2010)年12月30日(木)の記録》

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地元に戻ってハシゴ酒 … 「秋元屋」「ばりこて」「エンジェル」

「ばりこて」で替玉


 鯉とうなぎの「まるます家」(赤羽)をあとに、「古典酒場」の倉嶋編集長、「宇ち中」の宇ち中(うちちゅう)さんと3人でやって来たのは、西武新宿線は野方(のがた)駅のすぐ近くにある人気やきとん店、「秋元屋」です。

 旧店舗と新店舗が、通り抜けられる壁をはさんで並んでいるうちの、旧店舗のコの字カウンターに陣取って、カシラやシロの味噌焼きをいただきながら、まっちゃんや、よっちゃん、まいちゃんたちに年末のごあいさつ。

 しかし「秋元屋」も、ちょっと見ない間に知らない店員さんが増えましたねぇ。

 なにしろ、ずっと若手、若手と思っていた、まいちゃんが、いまやすっかり古株といった風情ですから!

 「秋元屋」で飲んでいるうちに、倉嶋編集長、宇ち中さんと一緒に、「呉酒まつり」に来てくれた直(なお)ちゃんにも連絡を取ってみようということになり、さっそくメール。予想通り、直ちゃんもすぐ近く(下井草の大衆鉄板「こいくちや」)で飲んでいるとのこと。

「それじゃ、中間あたりで!」

 と落ち合ったのは、都立家政(とりつかせい)にある博多ラーメンの店、「ばりこて」です。

 もちろんまずはお茶割りをもらい、再会を祝して乾杯です。つまみには“ひとくちめんたい”(150円)をもらってチビチビと。

 最後はきっちりと博多ラーメン(600円)で〆て、おまけに“替玉半分”(60円)までもらって、すっかり満腹です。(ちなみに普通の“替玉”は120円です。)

 「ばりこて」を出たのは午前0時過ぎ。ちょうど目の前に空車のタクシーがやってきて、編集長は、車で5分ほどのご自宅に向かって帰途につきます。

 残る3人は、さらに近くのバー「エンジェル(ANGEL)」へ。カウンター8席のみの小さな店内に、先客たちと並んで座り、直ちゃんは超音波できれいに泡立つギネス・スタウト。宇ち中さんはアードベッグをストレートで。そして私は、レミーマルタンで作ってくれるスティンガーを注文して乾杯です。

 あっという間にスティンガーを飲み干して、もう一杯おかわりは、同じくレミーマルタンで作ってくれるサイドカー。午前2時半ごろ、「それじゃ、そろそろ」と解散です。

 今日は、呉から東京に帰ってくるなり「埼玉屋」でモツ切れとホッピー切れを解消し、続く「まるます家」でスッポン鍋でジャンチュー(ジャンボ・チューハイ)。地元に戻って、「秋元屋」のやきとん味噌焼き、「ばりこて」でお茶割りとラーメン、そして最後にバー「エンジェル」と5軒をハシゴ。年末でも(年末だからこそ?!)、各店ともに大変なにぎわいでした。

 さぁ、明日はどこで飲もうかな!

・「秋元屋」(前回) / 「ばりこて」(前回) / 「エンジェル」(前回

《平成22(2010)年12月29日(水)の記録》

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2階座敷でスッポン鍋 … 鯉とうなぎ「まるます家(まるますや)」(赤羽)

スッポン鍋


 「埼玉屋」で飲んでいるところへピピピッとメール。『Kさんご夫妻と「まるます家」で飲んでます』と宇ち中(うちちゅう)さんです。

 「まるます家」は食事だけのお客さんも多いからか、基本的に一人3本までというやんわりとした制限があるうえに、酔って入るのもやんわりとNGのお店。

(二次会で行っても大丈夫かな?)

 と宇ち中さんにメールで確認したところ、さっそく宇ち中さんが「まるます家」の松島さんにお願いしてくれて、2階の座敷席に入れることになりました。

 到着するなりジャンチュー(1リットル瓶入りの“ジャンボチューハイ”の略称、950円)をもらって、料理は大鍋のスッポン鍋(4,000円)を注文します。

 ここ「まるます家」では、1~2人客は基本的に1階のカウンター席に。3人以上は1階のテーブル席か2階の座敷席に通されます。ひとり鍋で出される普通のスッポン鍋(750円)は1階でも2階でも注文可能ですが、大鍋のスッポン鍋は2会座敷席でのみ注文可能な品。分量としては3~5人前ほどあって、しかも〆の雑炊も付いて4,000円と、とてもお得な一品なのです。(ちなみに、普通のスッポン鍋も、プラス200円で雑炊にしてくれます。)

 他にも、要予約のスッポンのフルコースというのもあるんだそうで、こちらはスッポンの刺身なども付いて1万円。「酒呑(乃)童子の日記」の2010年2月の記事によると、このフルコースは、スッポン生血、スッポン肝、スッポン刺身、スッポンの甲羅の周りのプルプルしたところで作る酢の物、スッポン唐揚げ、そしてスッポン鍋に雑炊というコースで、『これだけで5~6人なら十分満足できるし、他の料理を適当に頼むなら、10人くらいまではスッポン料理を食った気にさせてくれる』んだそうです。

 こうして、メニューにも載っていないような「まるます家」の名物を教えてくださったり、私のブログのことも何度も書いてくださった「酒呑(乃)童子の日記」のクッシーさんですが、2010年12月20日、入院先の病院で他界されたそうです。

 松島さんによると、「まるます家」の1階で、「あいよっ。ちょっと待ってね」と、いつもニコニコと唄うように注文を通してくれていた名物おかあさんも、その数日前に他界されたんだそうです。

 う~ん、かなりショック。天国でもお二人で一緒に楽しんでいるといいなぁ。

 午後9時まで、2時間ほど楽しんで、お勘定は4人で8,300円ほど(ひとりあたり2,100円ほど)でした。どうもごちそうさま。

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スッポン雑炊 / カルシウム(うなぎの骨) / 閉店間際の「まるます家」

店情報前回

《平成22(2010)年12月29日(水)の記録》

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岩中豚やきとんを堪能 … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

 「古典酒場」の倉嶋編集長、ライターの本間さん、そして本間さんの先輩のKさんとともに、年内最終営業日の「埼玉屋」を楽しんでいます。

 「埼玉屋」ならではのクリーミーな生ホッピー(480円)をグイッとやりながらの、やきとん(各140円)の5本めはハツです。

 ここの焼き物は、1種類ごとに大きなボウルにどっさりと入れられていて、奥の厨房から運ばれてきます。それを焼台前の大皿に移して、焼台に並べていくのですが、私の席はその大皿のすぐ目の前なので、焼く前のネタがよく見えるのである。ハツなんて、「こりゃ、このまま食べたいなぁ」と思うくらい、見た目もきれい。豚はすべて岩中豚を使っているんだそうです。

 6本めはネギマ。豚バラ肉と白ネギを刺した串なのですが、豚バラ肉が分厚くて、見るからにおいしそう。

 タン(7本め)。「このタンを食べたら、今まで食べてきたタンはなんだったんだろうと思うよ」と自信たっぷりに出してくれるタンは、本当にうまい。やわらかくて、味わいが深いのです。

 8本めのシャモ(軍鶏)は、みんなに「まだ食べないでよ」と言いながら1本ずつ配ったあと、息子さんたちがサルサソースをのせて回ります。シャモの肉だけでもうまいが、サルサソースがこれまたおいしくて、シャモ肉ととてもいい相性です。

 バラ(9本め)。先ほどはネギマとして食べた豚バラ肉を、今度はネギなしで、豚バラ肉のみを味わいます。

 今日は年内営業最終日なので、ネタも限られていて、「東十条のエスカルゴ」とも呼ばれるほどのチレは、残念ながら今日はネタ切れでした。

 常連さんたちの様子を見ていると、おまかせのネタが次々に出される合い間に、自分たちの好きなサイドメニュー(“やきとん”以外の、奥の厨房で作られる料理)を注文して、それもつまんでいます。

 倉嶋編集長たちも、牛刺(620円)を注文したので、横からちょいとひと切れ分けてもらいます。なるほど、これはいい肉ですねえ。生のままでも、濃厚ないい味わいです。

 私もサイドメニューとして、向こう側の常連さんが食べていておいしそうだったポルコ(350円)を注文。これは豚耳と細く切ったキュウリをマリネにしたものです。ポルコというのは、スペイン語でポークのことなんだそうです。

「ベーコンも食べるかい?」

 と倉嶋編集長に声をかける店主。

「はいっ。いただきます!」

 もちろんですとも、と言わんばかりの即答です。ベーコンはグラム売りで、注文を受けて大きなかたまりから切り分けて出してくれます。しかしながら、別にこちらがグラムで注文するわけではなくて、店主の側で「3人ならこれくらいだね」と言いながら、適当な大きさのものを選んでくれます。

「ちょっとだけ生で食べてみてもらいたいんだよな。残りを焼くからさ。味の違いをみてほしいんだ」

 と言いながら、端っこの部分を切り取って出してくれる店主。残りは焼き台の上で焼かれます。焼くとより塩味を感じるようになるんですね。

 “やきとん”の10本めはナンコツ。ここまで、ずっと生ホッピーで来たのですが、ここでもうひとつの名物、生レモンハイに切り換えます。生レモンハイは、ホッピーと同じくシャリシャリに凍らせた甲類焼酎(ソフトゴードー)に、カットレモンを3切れ分を、ギュッと搾りながら投入して、炭酸を入れます。ジョッキのふちには、塩がぐるりと付けられて、まるでソルティドッグのようなスノースタイル。塩をなめなめいただく生レモンハイは、つまみ要らずの飲み物ですねぇ!

 そして最後の11品めはギョク。これはウズラの玉子の串焼きなんだけど、タレに浸けては焼き、浸けては焼きを数回繰り返すうちに、まるでみたらし団子のような濃い照りが出てくるのです。これもいいなぁ。

 これだけ食べると、じっくりと「埼玉屋」を満喫した気分になりますよねぇ。

 開店時刻の午後4時から7時まで、ゆっくりと腰を据えて3時間もの滞在は、編集長たちは3人で15,270円(ひとりあたり5,090円)、私は4,540円でした。牛刺やベーコンが入っている分だけ、編集長たちのお勘定のほうが高かったんですね。

 やぁ、おいしかった。久しぶり(実に10年ぶり!)の「埼玉屋」ワールドを堪能いたしました。どうもごちそうさま。

店情報前の記事

《平成22(2010)年12月29日(水)の記録》

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これぞ埼玉屋ワールド … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

 広島から新幹線で帰京して、なんとか開店直後の「埼玉屋」にすべり込んだところです。コの字のカウンターはすでに満席で、左手壁際のテーブル席も残りわずか。

 店主ご夫妻と、その息子さんの3人が、最初に入った人たちから順に生野菜(クレソンと大根のサラダ、420円)を配りつつ、ひとりひとりに飲み物の注文を聞きながら、順番に飲み物を出していきます。生ホッピー(480円)か生レモンハイ(450円だったかな?)を注文する人が圧倒的に多くて、生ビールの人もチラホラ。私は生ホッピーを注文します。

 生ホッピー(480円)は、1升瓶のままシャリシャリに凍らせた、合同酒精の“ソフトゴードー”(アルコール20%)という甲類焼酎をジョッキに入れて、そこに樽ホッピーを注いだもの。店主がいろいろと試してみて、この20%というアルコール分がちょうど良かったのだそうです。

 そういえば、横浜の「ホッピー仙人」のホッピーも、瓶のホッピーには25%のものを使っていますが、生ホッピー用は20%ですね。仙人も「生ホッピーには、こっち(20%)のほうが合う」という話をされていました。

 奥の厨房から、大きめのボウルに山のように盛られた“やきとん”(1本140円)が登場。

「1本目はアブラだ。本当はもうちょっと寝かしたほうが、もっとうまくなるんだけどさ。年末は今日で最後だから仕方がない。年始営業の頃が一番うまいと思うよ」

 みんなに聞こえるように、大きな声で説明してくれながらボウルに盛られたアブラを、焼き台の端から端までずらりと並べていく店主。ここにいる全員の分を一気に焼くんですね。これはすごい本数だ。

 端まで並べ終わって、しばらくしたら、今度はクルクルと上下を返していく。途中でパッと炎が上がったりするんだけど、気にしない。あぶる程度に火を通すネタが多いので、焼き方そのものにはあまりこだわっていないのかもしれません。

 焼きあがったところから、さっき生野菜が出てきたのとほぼ同じ順序で、みんなに1本ずつ、アブラが配られていきます。

 アブラは、牛のリブロースをさっと炙ったもので、塩焼きで出されます。これでも十分にうまいと思うんだけど、年始営業のころはどんな味になっちゃうんだろうなあ。

 そこへ新たな4人組が入ってきて、1卓だけ空いていたテーブルに座って、これで満席。暖簾(のれん)も店内に入れられます。

「お客さんたち、うちにくるのは初めて? あ、そう。初めてじゃないんだね。じゃ、うちのやり方、わかってるよね。年末で出せるものも限られてるからさ。おまかせでいいかい?」

 と、新しく入ってきたお客さんに確認する店主。

「はい。おまかせでお願いします」

 ということで、新しいお客さんたちにも生野菜が配られます。

 2品めの“やきとん”は、これまた「埼玉屋」名物のひとつ、上シロです。上シロは、豚の直腸を串焼きにしたもので、他の店ではテッポウとかトロと呼ばれることも多い品です。シンプルな塩焼きなのに、臭みもまったくなくて、とろける軟らかさがいいですねえ。

 焼き台の上には、もう1度、上シロがずらりと並びます。今度はタレ焼き。やったぁ。今日は上シロが2本も食べられるのか! これはうれしいなあ。

 4本めはレバです。「今日のレバーは甘いよ」と店主。なるほど、当たり前かもしれないけれど、ちゃんと味見をされてるんですね。中野の「石松」の店主の話では、新鮮なレバーの味は見た目ではわからなくて、実際に食べてみるしかないんだそうです。

(つづく)

店情報前の記事

《平成22(2010)年12月29日(水)の記録》

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東京に着くやいなやで … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

広島駅うどん 納会から一夜が明けて、今日から年末年始休暇に突入です。早起きして単身赴任社宅の掃除や洗濯を済ませたあと、午前10時半の電車で呉から広島へ。広島駅1番ホームの「駅うどん」で、いつものように天ぷらうどん(340円)と巻寿司(2個100円)を食べて、のぞみ24号(東京行き)に乗り込みます。

「埼玉屋さん、明日が年内ラストとのこと。16時からやっているそうです。今年の〆酒場、ご一緒にいかがですか?」

 というメールを、「古典酒場」の倉嶋編集長からいただいたのは、昨日の夕方のこと。つまり、今日が「埼玉屋」の年内最終営業日なのです。

 この新幹線の東京駅への到着予定時刻は15:33。京浜東北線に乗り換えて、東十条駅に到着するのは16:03。そうなると「埼玉屋」に着くのは16:10頃になっちゃうなぁ。

 土曜日などは、開店と同時に外に並んでいた客がドッと流れ込んで満席になり、開店と同時にもう暖簾(のれん)が仕舞われてしまうことも多いという「埼玉屋」。今日も同じような状況だとすると、10分の遅れは致命的かも!

 気持ち的にはあせりながらも、新幹線の中ではどうすることもできないので、昨夜の飲み疲れ&睡眠不足を解消するために、発車するなり爆睡です。

「まもなく終点の東京に到着します」

 という車内アナウンスに目を覚ましたところ(15:30)へ、編集長からのメールも到着。

「今、並びました。行列は10名ほど。大丈夫な感じかも!!」

 予定どおり15:33に東京駅に到着し、大急ぎで京浜東北線ホームへ。何とか大丈夫であってほしいと祈りつつ、電車へと乗り込みます。

 15:50、上野駅まで来たところで「今18人です」というメール。おぉ。店に到着できるまであと20分ほど。がんばれ。

 16:00、王子駅。「20人です」。おしっ、10分間で二人しか増えていないっ。これは大丈夫かも。

 16:03、東十条駅到着。「開店しました。まだ入れます!」。おぉ、急げ急げ。やった。まだ暖簾が出ている。

 16:08、予定より2分早く「埼玉屋」に到着。店の外観写真も撮らずに、飛び込むように店内に入ると、コの字型のカウンター席は満席ながら、左手壁際に並んだテーブル席の手前の1卓が空いている状態。残念ながら、テーブル席に座るしかないかなぁ、と思ってそのテーブル席に向かったところ、

「ひとり? じゃ、ここに座って」

 と店主から指し示されたのは、なんと焼き台の正面の特等席です。

(えっ!? いいのかな)

 と思ってるところへ、指し示された席のとなりに座っているおにいさんに、

「いいよね。もう一人が来たら、横に椅子を入れるからさ」

 と店主。なるほど、このおにいさんの連れの人がまだ到着していなくて、2席分を確保されてたんですね。

「はい。そうしてください」

 と、そのおにいさんも快く席をゆずってくれて、遠慮なく焼き台前に陣取ります。これは良かったなあ。まさに『残りものには福がある』状態ですねぇ。早くから並んで待たれていたみなさん。申しわけありません。(直後に連れの方も来店されて、いつもより1席分多いカウンター席の配置となりました。)

 編集長と、ライターの本間さん、そしてその友人のKさんは、右へ二人分くらい離れた、コの字の右手縦の辺の一番手前側に3人並んで陣取っています。この席からもすぐに話ができる位置関係で、その意味でも良かった良かったとひと安心。

 さぁ、あとは「埼玉屋」のやきとんの登場を待つだけだ。楽しみだなあ。

(つづく)

店情報前回

《平成22(2010)年12月29日(水)の記録》

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店情報: やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

  • 店名: やきとん 埼玉屋
  • 電話: 03-3911-5843
  • 住所: 114-0001 東京都北区東十条2-5-12
  • 営業: 16:00-21:30(土は -18:00)、日祝休
  • 場所: 京浜東北線・東十条駅南口を出て左へ。坂を降りて、2個目の信号(大通りと交差する「北区保健所」信号交差点)を右に曲がった先、右手。
  • メモ: やきとん(レバ、上シロ、アブラ、ネギマ、チレ、カシラ、ハツ、タン、シャモ、シロ、ナンコツ、ギョク、バラ)1串140円。生ホッピー460円。(2010年12月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (01.05.16)(01.02.23)

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〔くれ便り〕 「月刊くれえばん」への連載開始

呉酒場礼賛


 今日、平成23(2011)年3月22日発売の「月刊くれえばん2011年4月号」から、「呉酒場礼賛」という連載が始まりました。

 栄えある連載第1回目で礼賛させていただく酒場は、呉の屋台「一二三」です。

 「月刊くれえばん」は、呉で唯一のタウン情報誌。昭和62(1987)年4月の創刊以来、今年で24年を迎えました。

 私が呉から東京に転勤したのは、昭和63(1988)年2月。「月刊くれえばん」が創刊されてから1年ほどのときでした。昨年、22年ぶりに帰ってきた呉で「くれえばん」に再会。まさかその1年後に連載させていただけることになろうとは!

「あんたもいつまで呉におるかわからんのじゃけえ、今のうちに呉の酒場のことも書いときんさいや」

 先日、「魚菜や」で飲んでいるときに、木戸編集長にそう声をかけていただいて、急きょ決まったこの連載。年限つきで呉に赴任して来ているわけではありませんので、ずっと呉にいるかもしれませんが、連載が続く間、一所懸命、呉の酒場をご紹介させていただきたいと思っています。ぜひご笑覧いただけるとありがたいです。

 今号で連載80回目となる、遊星ギアのカズさんこと、和泉達太さんのエッセイの今月号のテーマは、昨年10月にご一緒させていただいた倉橋島ツアーのこと。とても懐かしく拝読いたしました。

 この「くれえばん」、残念ながら販売エリアは呉市、東広島市、広島市、江田島市など、広島県内の呉市近郊エリアのみ。他の地域のみなさんは、「くれえばん」の公式サイトからも購入できますので、よろしくお願いします。

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仕事納めの締めはここ … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)

豚足と焼酎湯割り


 平成22(2010)年も、今日で仕事納めです。入社して初めて配属された呉の地に、22年ぶりに戻ってきた今年。学生時代にも、横浜での単身赴任生活(8年間)でも経験したことがなかった、自炊生活をはじめたのも今年でした。あっという間にいろんなことが起こった9ヶ月でした。

 横浜勤務のときは、職場ごとに社内で仕事納めの軽い宴会をやってから、二次会以降、近くの酒場に繰り出したりしていたのですが、こちら呉は、社内では飲んではいけないのが決まり。最初から街なかの酒場に繰り出します。同じ会社でも勤務地によってローカルルールは違うのです。

 今日の1軒目は、うちの職場では最も飲みに行く頻度が高い「五鉄」です。池波正太郎ファンなら「おやっ!?」と思うこの店名。まさにそのとおりで、「五鉄」の店主は、うちの会社のOBであるとともに、熱烈な池波正太郎ファン。池波小説によく出てくる、軍鶏鍋の「五鉄」を、呉のこの地に具現化したのです。

 ここ「五鉄」も、ぜひこのブログでも詳細にご紹介したいところなのですが、いかんせん、いつも職場の団体でしか行っていないので、カウンターで過ごす、「五鉄」ならではの酒場感がよくわからない。近いうちにまた、一人でじっくりと飲みにきた上でご紹介するようにいたします。

 2軒目は、これまたうちの職場では定番の「レジェンド」(パンビル5階)。ここはスタンド(スナック)のような、バーのような、しかもイタリアン居酒屋の「ヴェッキオ」(同じパンビルの4階)と姉妹店ということもあって、ピザなどもうまいという、なんだかよくわからないジャンルのお店なのです。けっして安くはないお店なんだけど、なぜだか常連さんが多いお店なんですよねぇ。

 一次会、二次会で徹底的に飲んだあと、「締めはやっぱりラーメンだ」と向かったのは、「レジェンド」(パンビル)からだと、道路を隔てて向かい側にある屋台群です。

 ここは『赤ちょうちん通り』と呼ばれる屋台街で、屋台専用の上下水道と電源の設備がずらりと設備されていて、屋台といえども、衛生面等では一般の店舗と比べても遜色のない営業ができるのです。

 おっ! 火曜日なのに、今日は「一二三」が開いている! 通常は金曜、土曜の夜にしか開いていない「一二三」ながら、仕事納めの今日は特別営業日なんでしょうね。

 さすがに二次会から流れ出てきたメンバーみんな(10人ほど)で入ることはできなさそう。「みんなで入れるようなお店を探します」という面々と別れて、私はひとり「一二三」に入ります。

 「一二三」に初めてやって来たのは、今年の10月のこと。それ以来、豚足のうまさ、居心地のよさにすっかりはまってしまって、金曜、土曜に足しげく通う酒場になってしまいました。なので、ここにはどうしても年末のごあいさつをしておかないとね!

 いつものように焼酎湯割り(400円)をもらって、名物の豚足(600円)を注文します。注文を受けてから、ひと口大に切った豚足を、塩・胡椒・旨み調味料というシンプルな味付けで鉄板の上で焼き上げてくれるこの一品。こんなに簡単そうにできてるのに、すごくうまくて、やめられないんですよねぇ。

 大常連の“木下のおっちゃん”は、今日も屋台の隅っこに置かれたストーブの横で、気持ちよさそうにウツラウツラと過ごしている。あふれる笑いと、このゆる~い空気が「一二三」の大きな特長だと思います。

 最後は半ラーメン(500円)をもらって、今年の「一二三」納め。お勘定は1,500円でした。なお「一二三」そのものは、年内は明日(12/29)までの営業とのことでした。

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小鍋立て「五鉄」 / 「一二三」 / 半ラーメン

店情報前回

《平成22(2010)年12月28日(火)の記録》

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黒さで見るカキの鮮度 … 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(呉)

どん底


 広(ひろ)から呉(くれ)に戻り、今日の2軒目は、昭和28(1953)年創業の老舗バー、「どん底」です。

 この店も、もともとは店主ご夫妻で始められたのですが、ご主人が60代の若さで亡くなられたあとは、昭和4年生まれの女将がひとりで切り盛りされています。

 息子さんは、名前を聞けば誰でも知っているような大きな会社にお勤めで、現在はご家族とともに東京にいらっしゃるんだそうです。

「継いでほしいと、こっちから言ったこともないし、息子のほうからも、そんな話はないわねぇ」

 この店も、跡を継ぎたいという希望者(家族・親族ではない他人)はいらっしゃるそうなのですが、ここもまた2階以上は女将さんの住居なのです。

 すべてにゆったりとした造りの広い店内。樹齢600年という欅(けやき)1枚板のカウンターに座り、今日も「竹鶴12年」をロックで注文すると、メジャーカップの大きいほう(45ml)で2杯とちょっと入れてくれます。ウイスキーのシングルは、一般的に30mlなので、この量はトリプル+αですね!

 今日のお通しは、カキの煮物。ゴボウのキンピラの上に、しっかりと煮たカキが3個ほどのっています。ちょっと甘めに煮冷ましたカキの滋味あふれる味わいがいいですねぇ。

「新鮮なカキは、このくらいしっかりと煮てもおいしいのよ」

 と女将さん。カキの鮮度は、ふちの黒い部分の黒さでわかるんだそうです。新鮮なものは、くっきりと黒く、古くなるとだんだん灰色になってくるんだそうです。

 午後10時から11時まで、1時間の滞在は、竹鶴ロック1杯とお通しのカキ煮物で3,000円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成22(2010)年12月27日(月)の記録》

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〔コラム〕 「あわもり」の後継者決定

 昨日、3月末で「あわもり」が閉店することになったという記事を書きましたが、3月に入って、「あわもり」を継ぎたいと言ってくださる人との話がまとまり、3月14日(月)から、店内に次のような張り紙が掲示されました。

  『お客様各位
   このたび長年営業された
   「あわもり」の閉店に伴い
   新たに「かわすじ」として
   店を継承する運びとなりました事を
   お知らせ致します。
   「あわもり」の味、雰囲気をなるべく
   そのまま受け継ぐことが
   出来ますよう努力致します。
   皆様方も、相変わらずご愛顧頂けますよう
   宜しくお願い申し上げます。
              かわすじ店主』

 3月末に「あわもり」を閉店したあと、1階の店舗部分と、2階以上の住居部分との電源を分離する工事などを行い、4月20日頃を目処に「かわすじ」を開店する予定とのことでした。

 「あわもり」の名物である、カワとスジがそのまま店名になっているのが頼もしいですね。

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3月末日をもって閉店 … おでん「あわもり」(呉・新広)

「あわもり」


「実は3月末でお店を閉めようと思ってるんですよ」

 えっ! ついにそういう日がやってきましたか。

 昭和28(1953)年の創業以来、57年間、おでんひと筋でやってきた「あわもり」。

 私がはじめてこの店にやって来たのは昭和58(1983)年なので、その当時でも創業30年の老舗酒場でした。当時は私も20代半ばで、こんな風にカウンターだけの酒場というのも(スナック以外では)初めての経験。毎日のようにひとりでやって来ては、おでんを数本つまみながら、泡盛をクイッとひっかけて何百円かのお勘定でスッと帰っていく大人たちの姿に、驚くとともに、なんとも言えぬ憧れの気持ちを抱いたものでした。

 今にして思えば、この店が私にとっての“大衆酒場”の原点的な存在なんですね。

 ここで、サッと飲んでスッと帰るという、“大衆酒場”の過ごし方を覚え、さらにはカワ(豚の皮)やキモ(牛の肺)といった、それまで口にしたことがなかった“もつ”の美味しさにも目覚めた。スケールははるかに違うものの、ブッダにとっての菩提樹のような場所が、私にとっての「あわもり」なのかもしれないなぁ。(ちょっと大げさか?!)

 店主ご夫妻には娘さんがいらっしゃいますが、もとから「娘が嫁に行くまで」ということでお店をやってきていて、娘さんに跡を継いでもらおうという気持ちはなかったんだそうです。

「たいへんな商売じゃけえねえ」

 しみじみとそう話してくれるお母さん。

 朝早くから仕入れと仕込みをして、夕方から夜まで営業。片付けを終えるともう深夜になって、ちょっと寝るとすぐ朝がやってくる。ご夫婦ともに昔かたぎの人なので、定休日(日祝)以外にはめったなことでは休まない。さらには、みんなが毎日のように飲みに来れるように、値段も低く抑えているので、儲けもとても少ない。地元の人たちに大人気の「あわもり」であっても、とても娘さんに引き継いでくれと言える状態ではないんだそうです。

「もうやめよう、もうやめようと思いよったけえ、値段もはぁ、何年もこのままじゃ。値段を上げると、せっかく覚えた計算が、またむずかしなるけえのぉ」

 と笑うお父さん。この値段(おでんはすべて1本90円)だと、赤字になっている具材も多いんだそうです。

 そこにもってきて、今年はお母さんがちょっと足を悪くされて、ずっと立っている仕事も大変になってきた。そこで、これを機会にと閉店の決心を固められたとのこと。

「ヨレヨレになってからやめるんじゃなしに、元気なうちに少しは旅行なんかも楽しみたいけえね」とお母さん。7年ほど前に閉店した、鷺ノ宮の「鳥芳」の女将さんも同じようなことをおっしゃってました。

 「あわもり」を継ぎたい、と言ってくれる人もいるそうなのですが、店主ご夫妻にとっては、ここはご自宅でもあるので、他人が1階で店をやっている(しかもそこは自分たちがずっとやってきた店である)というのは、あまり気が休まりそうにない。で、この際、思い切って閉店しようと決めたそうです。

 自分にとって、“大衆酒場”の原点ともいうべき店が閉店してしまうのは、とても残念なことですが、4月に呉に転勤になり、最後の1年間だけでも、また行きつけの店として「あわもり」に通うことができたのは幸せなことでした。(まだ終わってませんが…。)

 今宵は7時40分ごろ店に到着して、ゆっくりと泡盛の梅割り(160円)を3杯に、おでん(90円)が7本。私が最後の客となったところで、上のようなお話を聞かせていただいたのでした。

101227a 101227b 101227c
かわ、きも、すじ / じゃがいも / あつあげ

101227d 101227e 101227f
ぼうてん / 泡盛(3杯目) / ロールキャベツ

店情報前回

《平成22(2010)年12月27日(月)の記録》

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クリスマスケーキで〆 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

クリスマスケーキで〆


 「魚菜や」の忘年会が開催されたのは12月25日の土曜日。土日祝日が定休日である「魚菜や」に、土曜日に来るというのも新鮮な感覚ですね。

 忘年会の開始は午後6時で、会費は5千円。店の壁には古い柱時計が設置されていて、「これが10回鳴るまでよ」と女将さん。10回って、10時までってこと。そんな、4時間もは飲み続けないんじゃない、と開始時点ではみんなで話していたのですが……。

 席にはすでに小鉢がふたつずつ並んでいて、ひとつにはメンパチの唐揚げが、もうひとつにはタコのぬたが盛られています。どっちも好物だなぁ。

 メンパチというのは、ネブトという魚の呉方面での呼び方のようで、小さい魚なのに、味わいがとても深いのです。小イワシの天ぷらもいいけど、メンパチの唐揚げもいいんだよなあ。生ビールにも日本酒にもよく合います。

 真鯛のカルパッチョを食べ終わると、次は野菜鍋です。あらかじめ味付けされたスープの中に、トマト、キャベツ、ほうれん草などの野菜をたっぷり投入して煮込みます。

 穴子のみぞれ揚げや、おでんなどで、呉の地酒をたっぷりといただいたあと、薬味に暮坪かぶ(くれつぼかぶ)を添えた“もりそば”でビシッと〆。

 最後にデザートとして出されたのは、なんとクリスマスケーキ。そうか。今日がまさにクリスマスなんですね。

 終わってみると、本当に午後10時。「さぁ、時計が10回鳴ったから、そろそろ帰るぞ」と腰を上げます。

 「魚菜や」を出た後は、一緒に来ていた同期のH君とともに、スタンドへ。日付けが変わるころまで楽しんで、お勘定は二人で1万円(ひとり5千円)と、「魚菜や」の忘年会費とちょうど同じでした。

101225a 101225b 101225c
メンパチ唐揚げ / タコのぬた / 真鯛のカルパッチョ

101225d 101225e 101225f
野菜鍋 / 穴子を揚げる女将 / 小鉢に取った野菜鍋

101225g 101225h 101225i
穴子のみぞれ揚げ / がんす(おでん) / もりそば

店情報前回

《平成22(2010)年12月25日(土)の記録》

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クリスマスイブに飲む … 屋台「富士さん(ふじさん)」(呉)

おでんと芋焼酎湯割り


 昔から変わらぬ呉の飲み会のゴールデンコースは、とり屋→スタンド→屋台という流れ。

 “とり屋”と呼ばれる、瀬戸内海の魚介類+焼き鳥が売りの酒場でひとしきり飲んで、全国的には“スナック”という形態に近い“スタンド”で、歌ったり、店のおねえさんと話したりしながら楽しく過ごしたあと、深夜まで開いている“屋台”で〆て帰るのです。

 ひとりで飲むときも、このパターンをたどる人もいますが、ほとんどのケースは、会社の帰りに、同じ会社の人たちが連れ立って出かける『グループ飲み』です。

 今日も今日とて、クリスマスイブにもかかわらず、会社関係の忘年会で、このゴールデンコースをたどります。

 今日の“とり屋”は、おまかせの料理に飲み放題付きで、ひとりの会費が4,500円。昔は比較的安いと感じていた“とり屋”ですが、最近は呉の街にも、大規模居酒屋チェーン店がどんどん進出してきて、飲み放題付きで3,300円くらいのコースなどを提供してくれているので、単純に値段だけで比較すると厳しい状況です。

 そして“スタンド”。今宵は店のおねえさんに、呉のおすすめ酒場や、広島のおすすめ酒場などを教えてもらいながら、そして時どき歌ったりしながら2時間ほど過ごし、お勘定はひとり3,700円ほど。

 最後は、W君と二人で、屋台の「富士さん」です。W君の話によると、このグループで飲むときは、最後は必ず「富士さん」に決まってるんだそうです。なるほどなぁ。スタンドと同じように、屋台も、それぞれに行きつけのお店があるんですね。

 若き2代目店主が、ひとりで切り盛りするこの屋台の特徴は、老舗屋台にしてはメニューが幅広く、それぞれの料理がおいしいことにあります。

 おでんは、たまご、あつあげ、大根、かまぼこ、糸こんにゃく、こんにゃく、鶏もつ、牛すじ(切り出し/アキレス)、じゃがいも、ひら天、ごぼう天、ソーセージ、がんす、ちくわ、餅きんちゃくがあって、全品100円。

 おでん以外の料理は、鳥串(2本250円)、豚キャベツ串(2本250円)、がんす焼(1枚150円)、もやし炒め(400円)、砂ズリ(500円)、砂ズリピーマン(600円)、コーンバター(300円)、豚タン塩(300円)、とんとろ焼(500円)、山いもバター焼(400円)、ギョーザ(6個400円)、豚耳(500円)、豚足(600円)、ホルモン炒め(700円)、ホルモン焼そば(900円)、焼そば(600円)に、中華そば(500円)とチャーシューメン(700円)。そばはそれぞれ大盛は100円プラスで、小盛は100円マイナスとなります。

 飲み物は、瓶ビール(ドライかラガーの中瓶、550円)、生ビール(一番搾り、450円)、ノンアルコールビール(350円)、麦焼酎(400円)、芋焼酎(400円)、しそ焼酎(400円)、日本酒(白牡丹か千福、400円)、梅酒(400円)、ジーマ(450円)、ソフトドリンク(コーラ、オレンジ、ウーロン茶、ジンジャーエール、各150円)という品揃え。

 ユニークなのは、ホルモン焼そばや、豚キャベツ串、おでんの鶏もつなどでしょうか。

中華そば 今夜は芋焼酎(400円)を湯割りでもらって、つまみはおでん(全品100円)の厚揚げと牛スジです。W君は同じく芋焼酎の湯割りに、おでんの大根。

 最後は中華そばで締めて、お勘定は二人で2,100円(ひとりあたり1,050円)でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成22(2010)年12月24日(金)の記録》

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竹輪、大根、焼酎湯割 … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)

竹輪、大根、焼酎湯割


 「あわもり」を出ると、ちょうど目の前がバス停。ただし、大通りをちょっとはずれた路線なので、午後7時を過ぎると、呉まで帰れるバスは1時間に1本ほどしかなくて、午後7時40分の次は8時33分で、これがこのバス停から呉市内まで帰るバスの最終便。

 なので、ほとんどの場合は、大通りまで出てバスで帰るか、新広駅まで歩いて電車で帰るかという選択肢になるのです。

 しか~し。なんと今日は「あわもり」を出たのが午後8時半。バスの時刻にぴしゃりではありませんか! こうなると歩くのはめんどくさくなって、このバス停からバスに乗り込みます。

 広の町から呉に出るには、以前、住んでいたころはクネクネと呉越(くれごえ)峠を越えるルートしかなかったのですが、今は休山(やすみやま)の下をぶち抜いて「休山新道」という長いトンネルが通っていて、朝な夕なに渋滞はしているものの、以前と比べるとずいぶんと交通の便もよくなっているのです。

 しかし、今日のバスは、昔ながらの呉越峠を越えていく路線。峠を越えたあたりでチラチラと見えてくる呉の街の明かりがとても美しいのです。古くからの港町は、いずこも坂のある町でもあるので、まわりの斜面にも明かりが並んでいるのがいいんですね。

 本通3丁目のバス停で降りて、まっすぐに堺川(さかいがわ)を渡ると、その両側が呉の屋台が並ぶ「赤ちょうちん通り」です。そして、その交差点のすぐ右手にあるのが「一二三」なんだけど、あれっ!? いつもは金・土の週二日しか開いていないはずの「一二三」が、今日は開いてる。そうか、明日が祝日(天皇誕生日)なので開けたんですね。

 「一二三」の営業は、不定休で午後6時半から朝の4時まで。まだ幼いお孫さんの面倒を見ながらの屋台運営なので、基本的に金曜と土曜だけの営業になってしまうのですが、今日のような祝前日にも開くことがあるんですね。これは行かねば!

 防寒用のビニールシートをかき分けるようにしながら、「こんばんは」と屋台の中に入ると、

「おろ、いらっしゃい。久しぶりじゃの。元気じゃったんか?!」

 と笑顔を向けてくれるお母さん。そういえば先週末は四国の故郷(いなか)に帰省していたので、「一二三」に来るのは11日ぶりです。このところ「一二三」に来る頻度が上がってるなぁ。

 豚足やおでん、ラーメンといった料理が美味しいということもあるけれど、ここの一番の魅力は、この屋台を二人で切り盛りされているお父さんとお母さんの人柄にあります。店内にはいつも笑い声があふれていて、本当に居心地がいい。

「焼酎の湯割り(400円)と、最初はおでん(各100円)にするかなぁ……。」

「よっしゃ、おでんの。なに取ろか?」

 と新しい皿を1枚手に取り、おでん用の菜箸(さいばし)をかまえるお母さん。

「大根とぉ、あと竹輪。」

「よっしゃぁ、大根と竹輪の。」

 と復唱しながら、おでん鍋の中から煮汁のよく染みた大根と竹輪を選んでくれます。お母さんは、いつも「よっしゃ」と元気よく注文を受けてくれるのです。

 おでんをつまみながら、「いいちこ」(麦焼酎)の湯割りをちびりちびり。

 あっさりとしたものも食べたくなって、ナスビ(350円)を注文すると、その場で1本のナスビを取り出して、目の前で、あっという間にナスの塩もみを作ってくれます。

 なにしろ屋台には〔別室の厨房〕なんていうかっこいい場所はなく、すべての料理は目の前で仕上げられていきます。そうやって調理されていく様子そのものも、これまたいい酒の肴になるんですよねぇ。

 最後はラーメン(500円)で〆て、1時間ほどの滞在は1,450円でした。どうもごちそうさま。

101222j 101222k 101222l
「一二三」 / ナスの塩もみ / 〆のラーメン

店情報前回

《平成22(2010)年12月22日(水)の記録》

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泡盛2杯とおでん6本 … おでん「あわもり」(呉・新広)

かわ、きも、泡盛


 「笑月」を出て、広(ひろ)での2軒目はおでんの「あわもり」です。広での1軒目として来ることが多い「あわもり」なので、こうやって2軒目にやってくると、これまた新鮮な感覚ですね。

 カウンターの中に据えつけられている、おでん鍋のちょっと奥側に座り、泡盛(160円)の梅割りをもらって、おでん(1本90円)はカワ(豚の皮)とキモ(牛の肺)からスタートです。

 ここの泡盛は、鹿児島県産の「覇王」で、アルコール度数は35度。すっきりとした味わいなので、度数の強さを感じずにスイスイと飲めてしまいます。店の中には何も書いていないのですが、ちゃんと杯数制限はあって、『ひとり10杯まで』。しかしながら、これを10杯飲むと、えらいことになりそうです。

 続いてはスジ(牛すじ)とタマネギを注文。タマネギは注文を受けてから、串を打った生のタマネギがおでん鍋に投入され、ちょうどよく火が通ったところで出してくれます。

 この店のつまみは14種類のおでんのみ。他にはお新香すらないので、タマネギやネギマ(ネギの間にマグロが一切れ)などの野菜ものもよく出るのです。

 泡盛の梅割り(160円)をおかわりして、次なるおでんは玉子です。スープ+醤油でサッと味付けをしているだけのように見えるのに、多くの具材から出る旨味が溶け込むからか、とてもいい味わいになります。玉子には、そのスープがよく染み込んでいるのです。

 そして、〆の一品はボウ天。ボウ天は芯にゴボウが入った、棒状の薩摩揚げで、スープによく旨味が出る代表格です。

 1時間ほどの滞在は、泡盛2杯とおでん6本で860円。年末年始の休みは12月29日(水)~1月4日(水)までだそうなので、年末までにもう1回来れるかな。どうもごちそうさま。

101222d 101222e 101222f
「あわもり」 / かわ、きも、泡盛 / すじ

101222g 101222h 101222i
たまねぎ / たまご / ぼうてん

店情報前回

《平成22(2010)年12月22日(水)の記録》

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味わい濃厚な茹でエビ … よりみち処「笑月(しょうげつ)」(呉・新広)

味わい濃厚な茹でエビ


 広(ひろ)の「笑月」にやってきました。今回が2度目の訪問。ここは呉の和食屋「花月」で修業した若い店主が開いた店で、安価に美味しい料理が食べられるのが特長です。

 今日の手書きメニュー(本日のおすすめ)は、刺身が、かんぱち580、サーモン530、たこ480、シャコ480、牛レバ刺860、砂肝生刺830で、その他に、あじ塩焼き680、はまぐりバター焼き480、カキフライ580、太刀魚南蛮漬け420、なまこ酢480、酢カキ480、牛もろみ焼き680、うなぎ蒲焼き480、アボカドとクリームチーズのサラダ480、あん肝ポンズ480、わち酢漬け390、小いわし天530、いか天420、なっとう天420、チーズ天390、よせ鍋1,380、火鍋1,180という品々。

 砂肝って、生で食べられるんですね。なまこ酢や酢カキも、冬ならではの品。前回いただいた太刀魚南蛮漬けも美味しかったなぁ。うなぎの蒲焼きが480円というのも、すごく安い!

(さて今日は何を食べようかなぁ)

 と思案しながら店内へ。カウンターの一角に座り、キリンとアサヒが選べる瓶ビール(中瓶、500円)からキリンを選択すると、今回もお通し(200円)はポテトサラダです。もしかするとポテトサラダがお通しの定番なのかな?

 ちょっと迷って、結局、これまた前回いただいておいしかった茹でエビ(350円)をもらうことに決定。すぐ近くの阿賀(あが)から仕入れてきたというエビは、味わいが濃く、鮮度が高い。甲殻類はちょっと古くなると、いやな匂いが出てくるものですが、ここの茹でエビは、そんな匂いはいっさいありません。(ここでけでなく、呉の酒場の茹でエビは、いずれも鮮度抜群です。)

 エビにあわせて、飲み物も白牡丹(360円)の燗酒に切り換えて、ビールはチェイサーとしていただきます。

 瀬戸内海沿岸では、エビもよくとれるのか、瀬戸内海をはさんで呉の対岸にある、北条(現在の松山市)でも、この季節になるとサッと塩茹でにしたエビがよく出されたものでした。ところが、子供のころはこの茹でエビが大嫌いだったんですねぇ。なにしろ、毎日のように、それこそ山のように出てくるので、「えぇ~っ、またエビなのぉぉ~っ!」という感じで、箸がのびなかったのです。

 そのころの印象が強烈なのか、私の母は、今でも私はエビが嫌いと思っていて、帰省したときにもエビは出してくれません。何日かいる間に、「今はエビも好きなんよ。お酒を飲むようになってから、好き嫌いはまったくなくなったよ」という話をして納得してもらうんだけど、次に帰省すると、やっぱりエビが嫌いだと思われていて、エビは買ってくれていない。う~む。子供のころにあれだけ毛嫌いしたので、罰が当たったんだな、きっと。

 カウンターの中には、それほど大きくはないものの寸胴鍋が置かれていて、ラーメン用のスープがコトコトと煮込まれています。

「ラーメンは、夜の10時からお出しするようにしてるんですよ。10時を過ぎると、すっかりラーメン屋状態になってます」と店主。そんな「笑月」のラーメンは、笑月ラーメン(730円)とチャーシューメン(930円)の2種類。この寸胴のスープが終わると終了という限定品です。現在の時刻は午後7時ごろ。夜10時までは、まだまだだなぁ。

 燗酒のおかわりは千福(360円)にして、料理はカキとほうれん草のバター焼き(680円)を選びます。カキとほうれん草のクリームシチューなどもよく聞きますが、こうやってシンプルに炒めただけでも美味しいんですね。

 1時間ちょっとの滞在は、2,450円でした。どうもごちそうさま。

101222a 101222b 101222c
「笑月」 / ゆでエビ / カキとほうれん草のバター焼き

店情報前回

《平成22(2010)年12月22日(水)の記録》

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燻製と創作料理の屋台 … 屋台「燻(くん)」(呉)

スモーク鴨のサラダ


 「有象無象」を出て、木戸編集長と向かう、本日の3軒目は、「赤ちょうちん通り」と呼ばれる屋台街の1軒、自家製の燻製が自慢の屋台「燻」です。

 いやぁ、ここも来てみたかった屋台の1軒です。うれしいなぁ。

 さっそく生ビール(500円)をもらって乾杯し、つまみにはスモーク鴨のサラダ(480円)です。スライスしたたっぷりの鴨燻製に、スモークチーズと水菜が添えられています。

 呉の屋台は、全国でも珍しい、市がきちんと管理している屋台です。屋台ごとに出店区画がきちんと定められていて、専用の上下水道と電気の設備も設けられているほか、すぐ近くには昼間に屋台を置いておくための専用の駐車場(駐屋台場?!)まで用意されているのです。

 呉の屋台は、もともと街のあちこちに出ていたそうなのですが、昭和62(1987)年、堺川に沿って走る蔵本通りの整備に併せて、屋台も1箇所に集め、現在の「赤ちょうちん通り」が誕生しました。このときに上下水道などの屋台専用設備も設置されました。

 このときの整備では、もともと6車線あった蔵本通りを、4車線に狭くしてまで、屋台設置のための場所整備を行ったそうですから、呉市の屋台管理に対する並々ならぬ姿勢が見てとれます。

 当時は、ちょうど呉駅前に「そごう」が進出してきたころ。呉市としては、1本の『線』として存在している旧来の「れんが通り」商店街と、まだほんの1つの『点』に過ぎない「そごう」に代表される駅前の新興商業地区という、『線』と『点』とをつないで、全体を『面』として機能させるような人の流れを作るために、車線を減らしてでも、ここに屋台街を持ってくるという方策を採ったと言います。

 しかしながら、この時点での屋台に対する市の営業許可範囲は『現経営者一代限り』というもの。それに合わせて、上下水道ユニットなども22軒分が設置されましたが、道路の整備完了時点での屋台数は20軒になっていたそうです。

 ところで、他の地方自治体ではなかなか取りにくい道路占用許可ですが、なぜ呉市では可能になったのでしょう。

 実は蔵本通りの整備のときに、もともと堺川の川岸のところにあった公園の範囲を拡張し、蔵本通りの歩道のところまでが公園となったのです。つまり、現在屋台が出ている歩道は、実は公園の一部分。公式には、『屋台は公園内で営業している』ということになっているのです。

 屋台に対する周囲の風向きも変わり、「赤ちょうちん通り」ができて3年後の、平成2(1990)年には『現経営者一代限り』から、『現経営者の配偶者又は子ら』には営業譲渡できるように条件が緩和されたものの、経営者の高齢化や後継者難で、屋台の数は減っていくばかり。21世紀を迎えた平成14(2002)年には、ついに8軒にまで減少してしまいました。

 屋台はすでに呉の観光スポットともなっていたので、市民の間からも屋台の増加を望む声があがり、その年の6月に8軒の枠で、今までにないジャンルの店という条件で、新たな屋台を公募。実に47軒もの応募の中から、ここ創作料理の「燻」や、牛舌の「華智」、餃子の「呉空」などの店が選ばれたのでした。

 ここ「燻」の店主は、その前も中通2丁目で、同名の「燻」という居酒屋をやっていたのに、そこをたたんで、屋台の公募に応募したんだそうです。

 燻製以外にも、メキシカンタコス(1個400円)、タンドリーチキン(580円)、モッツァレラチーズの揚げ出し(580円)、カマンベールチーズのオレンジマーマレード焼き(750円)といった、屋台らしからぬ(失礼!)料理が並んでいるし、飲み物だって、ビール、日本酒、焼酎以外に、グラスワイン(白・赤、400円)はもちろん、ジントニック、スクリュードライバー、キール、ビアミモザなどのカクテルがそれぞれ1杯500円と、これまた屋台らしからぬ品ぞろえです。

 ラーメンは置いていないものの、塩焼きそば(480円)や焼きおにぎり(2個300円)はメニューに並んでいますので、シメタン(〆の炭水化物)もOKです。

店情報

《平成22(2010)年12月17日(金)の記録》

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店情報: 屋台「燻(くん)」(呉)

  • 店名: 創作料理「燻」
  • 電話: 090-2299-0543
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央3丁目周辺の蔵本通り(赤ちょうちん通り)
  • 営業: 18:30-01:00、月休(雨天・強風時も休)
  • 場所: JR呉駅から徒歩または市バス「中央三丁目」下車
  • メモ: 〔黒板メニュー〕スモークチキン550、スモークササミ500、スモークチーズとナッツ450、スモークカモのサラダ480、和風キムチ300、鶏の生春巻480、あつあつつぼ焼きパイ680。〔食べ物〕メキシカンタコス1個400、和風タコス(テリヤキチキン)1個350、蒸し鶏とキムチのコチュジャンソース550、鶏の黒こしょう焼き580、タンドリーチキン580、ポークステーキ(シャリアピンソース)600、ハムステーキ(和風おろしソース)600、厚切りベーコン600、ソーセージ盛り合わせ500、ホルモン塩炒め580、海老のマヨネーズソース600、モッツァレラチーズの揚げ出し580、鶏手羽のから揚げ名古屋風430、レンコンチップ380、塩焼きソバ480、焼きおにぎり2個300、カマンベールチーズのオレンジマーマレード焼き750。〔飲み物〕生ビール500、グラスワイン(白・赤)400、焼酎(麦・芋)400、泡盛400、珈琲焼酎400、日本酒400、おいしい梅酒400、カクテル(カシスオレンジ、カシスウーロン、ヨーグルトオレンジ、カンパリオレンジ、ジントニック、スクリュードライバー、ウォッカトニック、泡盛トニック、麦ドライバー(麦焼酎+オレンジ)、ツインズ(赤ワイン+オレンジ)、キール(白ワイン+カシス)、ビアミモザ(ビール+オレンジ))各500、ソフトドリンク(オレンジジュース、マンゴジュース、ウーロン茶)各300。(2010年12月調べ)

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やぁ、ここだったんだ … 「有象無象(うぞうむぞう)」(呉)

ラム酒いろいろ


「おいしいラムを飲ませてくれる店があるんだけど、行ってみる?」

 と誘ってくれたのは、「魚菜や」でとなりの席に座っていた、「くれえばん」編集長の木戸俊久(きど・としひさ)さん。

「行きたいです。ぜひお願いします!」

 「魚菜や」からいったん堺川沿いに出て北上。二つ目の路地(「オオムラ」のある路地)を入ると、「第五鳥好」のすぐ横の、こじゃれたお店が、ラムがおいしいという「有象無象」です。

 店内はカウンター6席ほどに、入口すぐ左手の小上がりに8人ほど入れる小さな造り。(あとで知りましたが、2階にも座敷席があるそうです。)

 カウンターの一角に座り、カウンターの上段に並んでいるラムから、おすすめのものを注いでもらって乾杯です。

 う~む。この店はなにやら見覚えがあるなぁ。

 ………。

 そうか! はじめて木戸さんとお会いしたときに、3軒目として連れてきていただいたお店だ! やぁ、ここだったんだ。

 あれはまだ、こちらに転勤してきて間もない、5月中旬のことでした。東京での飲み仲間である、ぼあ子さんからのご紹介で、木戸さんにお会いしたのが、これまた私にとってはその日が初訪問となった「魚菜や」だったのです。

 2軒目も、木戸さんの行きつけの1軒で、私にとっては初めての、和料理と寿司の店、「ひょうえ(兵衛)」に連れて行っていただき、そして3軒目に来たのが、ここ「有象無象」だったんですねぇ。

 その後、4軒目として、ここ「有象無象」の若い女将さんも一緒に、これまたこの時が私にとっては初訪問となる「富士さん」(屋台)にも行ったのに、なぜか3軒目がなんていう店だったのか、という記憶がスッポリと抜け落ちていたのでした。(詳細はこちらの記事をご覧ください。)

 うわぁ。そうとわかって、なんだか安心したなぁ。喉に刺さった魚骨が取れたような気持ちで、ラムもくいくい進みます。

「料理も、なんか適当に出してね」ということで出してくれたのは、葉わさびのおひたし、なめこの煮付け、そしてマスカルポーネの冷やっこ風です。

 このマスカルポーネの冷やっこ風が絶品。マスカルポーネというのは、イタリア原産のクリームチーズだそうですが、これに刻みネギと削り節をトッピングして醤油をかけたものを、木のスプーンですくっていただくのです。見た目は冷やっこみたいなのに、口に入れるとチーズの風味がふわっと広がります。

 そこでクイッとラムですね。ラムはホワイトもブラウンも置いてあって、あっちを飲んだり、こっちを飲んだり。特に常連のカトウさんが持参されたという、カリブ海はマルティニク島の「トロワ・リヴィエール(Trois Rivieres)」の年代物がとてもおいしい。

 そして出てきた料理は「白肉の天ぷら」。藻塩(もしお)でいただくこの一品は、牛ホルモン(腸)の天ぷらじゃん! 広島の一部エリアで食べることができる名物と聞いていたのに、なんと呉でも食べられるとは。これまた新しい食感で、おいしいなぁ。

 最後に生カキをだし醤油をいただいて終了。

 ラムだけでもいろんな味わいがあって、ラムだけでも十分に美味しいということを再認識した一夜でした。

101217g 101217h 101217i
葉わさびのおひたし / なめこの煮付け / マスカルポーネの冷やっこ風

101217j 101217k 101217l
白肉天 / カキのだし醤油 / 3種のトロワ・リヴィエール

店情報

《平成22(2010)年12月17日(金)の記録》

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店情報: 「有象無象(うぞうむぞう)」(呉)

【2012年3月29日閉店】

  • 店名: 有象無象
  • 電話: 0823-22-3832
  • 住所: 737-0046 広島市呉市中通4-2-6
  • 営業: (未調査)
  • 場所: 中通1丁目側から「れんが通り」に入って6ブロック(左手のローソンから2ブロック)、左に折れて少し進んだ先、左手。堺川に突き当たる3軒ほど手前。
  • メモ: カウンター6席、テーブル8席の他に、2階にも席がある。手書きのメニューには値段表記はない。自家製なめこおろし、葉わさびのおひたし、スパゲティサラダ、肉豆腐、塩さば、紅鮭の塩焼き、とり皮たれ串、スナップえんどう、わちの酢漬け、きんぴら、いかの塩辛、納豆、一人寄せ鍋、ステーキ用ヒレ、ステーキ用カルビ、下仁田ねぎ鍋、カレースープ、山イモ(とろろ、たんざく、バター焼き)、天ぷら、カキフライ、メンタイフライ、はんぺんフライ、白肉天、ちくわ磯辺、舞茸天、野菜天、カレイの南蛮漬け、絹厚あげ焼、ホルモン焼、ししゃも揚げ、冷やっこ、湯ドーフ、白肉焼、めかぶとろろ、板わさ、マスカルポーネの冷やっこ風、花ソーセージのケチャップ炒め、せせりの塩コショー炒め、ピリ辛ウインナー焼き、赤ウインナー焼き。(2010年12月調べ)

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