岩中豚やきとんを堪能 … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)
「古典酒場」の倉嶋編集長、ライターの本間さん、そして本間さんの先輩のKさんとともに、年内最終営業日の「埼玉屋」を楽しんでいます。
「埼玉屋」ならではのクリーミーな生ホッピー(480円)をグイッとやりながらの、やきとん(各140円)の5本めはハツです。
ここの焼き物は、1種類ごとに大きなボウルにどっさりと入れられていて、奥の厨房から運ばれてきます。それを焼台前の大皿に移して、焼台に並べていくのですが、私の席はその大皿のすぐ目の前なので、焼く前のネタがよく見えるのである。ハツなんて、「こりゃ、このまま食べたいなぁ」と思うくらい、見た目もきれい。豚はすべて岩中豚を使っているんだそうです。
6本めはネギマ。豚バラ肉と白ネギを刺した串なのですが、豚バラ肉が分厚くて、見るからにおいしそう。
タン(7本め)。「このタンを食べたら、今まで食べてきたタンはなんだったんだろうと思うよ」と自信たっぷりに出してくれるタンは、本当にうまい。やわらかくて、味わいが深いのです。
8本めのシャモ(軍鶏)は、みんなに「まだ食べないでよ」と言いながら1本ずつ配ったあと、息子さんたちがサルサソースをのせて回ります。シャモの肉だけでもうまいが、サルサソースがこれまたおいしくて、シャモ肉ととてもいい相性です。
バラ(9本め)。先ほどはネギマとして食べた豚バラ肉を、今度はネギなしで、豚バラ肉のみを味わいます。
今日は年内営業最終日なので、ネタも限られていて、「東十条のエスカルゴ」とも呼ばれるほどのチレは、残念ながら今日はネタ切れでした。
常連さんたちの様子を見ていると、おまかせのネタが次々に出される合い間に、自分たちの好きなサイドメニュー(“やきとん”以外の、奥の厨房で作られる料理)を注文して、それもつまんでいます。
倉嶋編集長たちも、牛刺(620円)を注文したので、横からちょいとひと切れ分けてもらいます。なるほど、これはいい肉ですねえ。生のままでも、濃厚ないい味わいです。
私もサイドメニューとして、向こう側の常連さんが食べていておいしそうだったポルコ(350円)を注文。これは豚耳と細く切ったキュウリをマリネにしたものです。ポルコというのは、スペイン語でポークのことなんだそうです。
「ベーコンも食べるかい?」
と倉嶋編集長に声をかける店主。
「はいっ。いただきます!」
もちろんですとも、と言わんばかりの即答です。ベーコンはグラム売りで、注文を受けて大きなかたまりから切り分けて出してくれます。しかしながら、別にこちらがグラムで注文するわけではなくて、店主の側で「3人ならこれくらいだね」と言いながら、適当な大きさのものを選んでくれます。
「ちょっとだけ生で食べてみてもらいたいんだよな。残りを焼くからさ。味の違いをみてほしいんだ」
と言いながら、端っこの部分を切り取って出してくれる店主。残りは焼き台の上で焼かれます。焼くとより塩味を感じるようになるんですね。
“やきとん”の10本めはナンコツ。ここまで、ずっと生ホッピーで来たのですが、ここでもうひとつの名物、生レモンハイに切り換えます。生レモンハイは、ホッピーと同じくシャリシャリに凍らせた甲類焼酎(ソフトゴードー)に、カットレモンを3切れ分を、ギュッと搾りながら投入して、炭酸を入れます。ジョッキのふちには、塩がぐるりと付けられて、まるでソルティドッグのようなスノースタイル。塩をなめなめいただく生レモンハイは、つまみ要らずの飲み物ですねぇ!
そして最後の11品めはギョク。これはウズラの玉子の串焼きなんだけど、タレに浸けては焼き、浸けては焼きを数回繰り返すうちに、まるでみたらし団子のような濃い照りが出てくるのです。これもいいなぁ。
これだけ食べると、じっくりと「埼玉屋」を満喫した気分になりますよねぇ。
開店時刻の午後4時から7時まで、ゆっくりと腰を据えて3時間もの滞在は、編集長たちは3人で15,270円(ひとりあたり5,090円)、私は4,540円でした。牛刺やベーコンが入っている分だけ、編集長たちのお勘定のほうが高かったんですね。
やぁ、おいしかった。久しぶり(実に10年ぶり!)の「埼玉屋」ワールドを堪能いたしました。どうもごちそうさま。
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