これぞ埼玉屋ワールド … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)
広島から新幹線で帰京して、なんとか開店直後の「埼玉屋」にすべり込んだところです。コの字のカウンターはすでに満席で、左手壁際のテーブル席も残りわずか。
店主ご夫妻と、その息子さんの3人が、最初に入った人たちから順に生野菜(クレソンと大根のサラダ、420円)を配りつつ、ひとりひとりに飲み物の注文を聞きながら、順番に飲み物を出していきます。生ホッピー(480円)か生レモンハイ(450円だったかな?)を注文する人が圧倒的に多くて、生ビールの人もチラホラ。私は生ホッピーを注文します。
生ホッピー(480円)は、1升瓶のままシャリシャリに凍らせた、合同酒精の“ソフトゴードー”(アルコール20%)という甲類焼酎をジョッキに入れて、そこに樽ホッピーを注いだもの。店主がいろいろと試してみて、この20%というアルコール分がちょうど良かったのだそうです。
そういえば、横浜の「ホッピー仙人」のホッピーも、瓶のホッピーには25%のものを使っていますが、生ホッピー用は20%ですね。仙人も「生ホッピーには、こっち(20%)のほうが合う」という話をされていました。
奥の厨房から、大きめのボウルに山のように盛られた“やきとん”(1本140円)が登場。
「1本目はアブラだ。本当はもうちょっと寝かしたほうが、もっとうまくなるんだけどさ。年末は今日で最後だから仕方がない。年始営業の頃が一番うまいと思うよ」
みんなに聞こえるように、大きな声で説明してくれながらボウルに盛られたアブラを、焼き台の端から端までずらりと並べていく店主。ここにいる全員の分を一気に焼くんですね。これはすごい本数だ。
端まで並べ終わって、しばらくしたら、今度はクルクルと上下を返していく。途中でパッと炎が上がったりするんだけど、気にしない。あぶる程度に火を通すネタが多いので、焼き方そのものにはあまりこだわっていないのかもしれません。
焼きあがったところから、さっき生野菜が出てきたのとほぼ同じ順序で、みんなに1本ずつ、アブラが配られていきます。
アブラは、牛のリブロースをさっと炙ったもので、塩焼きで出されます。これでも十分にうまいと思うんだけど、年始営業のころはどんな味になっちゃうんだろうなあ。
そこへ新たな4人組が入ってきて、1卓だけ空いていたテーブルに座って、これで満席。暖簾(のれん)も店内に入れられます。
「お客さんたち、うちにくるのは初めて? あ、そう。初めてじゃないんだね。じゃ、うちのやり方、わかってるよね。年末で出せるものも限られてるからさ。おまかせでいいかい?」
と、新しく入ってきたお客さんに確認する店主。
「はい。おまかせでお願いします」
ということで、新しいお客さんたちにも生野菜が配られます。
2品めの“やきとん”は、これまた「埼玉屋」名物のひとつ、上シロです。上シロは、豚の直腸を串焼きにしたもので、他の店ではテッポウとかトロと呼ばれることも多い品です。シンプルな塩焼きなのに、臭みもまったくなくて、とろける軟らかさがいいですねえ。
焼き台の上には、もう1度、上シロがずらりと並びます。今度はタレ焼き。やったぁ。今日は上シロが2本も食べられるのか! これはうれしいなあ。
4本めはレバです。「今日のレバーは甘いよ」と店主。なるほど、当たり前かもしれないけれど、ちゃんと味見をされてるんですね。中野の「石松」の店主の話では、新鮮なレバーの味は見た目ではわからなくて、実際に食べてみるしかないんだそうです。
(つづく)
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