出刃包丁でひと口大に … 食堂「みやさん」(広島・福島町)
『広島にホルモン天ぷらを出してくれる食堂が何軒かあるエリアがある』
ということで、広島在住の酒場通・オオカワさんと、広島の立ち飲み屋「善吉」の店主・鴉田(からすだ)さんにご案内いただいて、遊星ギアのカズさんとともに、ホルモン天ぷらを出してくれる食堂の1軒、「みやさん」にやってきています。
このあたりはすっかり住宅街で、そのところどころに、ポツリ、またポツリと食堂があって、そこでホルモン天ぷらが出されます。
ド~ンと丸皿にてんこ盛りで出されたのは、肉が10種、野菜が5種の天ぷら(1個100円)です。「おまかせで」と注文したのと、衣に包まれていて中が見えないこともあって、外観だけでネタがわかるものはナスとレンコン、肉ではセンマイくらいしかありません。
「小皿にポン酢醤油を入れて、そこに一味唐辛子をたっぷりと、そう、これくらたっぷりと入れてください。ここの唐辛子は、辛さはそんなにありませんから、思いっきり入れても大丈夫ですよ」
鴉田さんが、ご自分の小皿を取って、実演しながらタレの作り方を教えてくれます。ポン酢醤油の表面にはびっしりと赤い一味唐辛子で覆われます。ヒャア~、そんなに入れちゃうんですね。
ホルモンの天ぷらは大きなかたまりのまま揚げられていて、そのままでは食べにくい。そこでテーブルやカウンター上の、そこここに置かれているまな板と出刃包丁の登場となるわけです。これまた鴉田さんが丸皿からまな板上に天ぷらを取り出しては、箸で押えながら、出刃包丁でひと口大に切り分けてくれます。
おぉ。断面が見えてくると、肝っぽいもの、胃っぽいもの、腸っぽいものなどの区別がわかりますねぇ。そうか、きっとこれが白肉ですね。白肉はミノ(牛の第一胃袋)なんだ。オオカワさんおすすめのチギモは牛の脾臓(ひぞう)だそうです。
なるほどなぁ。生のままサッと天ぷらにしたものを、唐辛子入りのポン酢醤油でいただくという、とてもシンプルな料理なので、それぞれの素材のもつ味わいや香り、食感がとてもよくわかります。もつ好きにはたまらんな、こりゃ。
鴉田さんが言ってたとおり、唐辛子は山のように入れてもあまり辛くない。酢の味が強めのポン酢醤油に対して、いいアクセントになります。
我われ4人が食べているところへ、ふらりと入ってきた常連さんは、入るなり「小メシ(140円)と、にゅうめん(450円)ひとつの!」と声をかけながら、おでん鍋のところへ直行し、おでん(各120円)を2~3品、お皿にとって、厨房ぎわのカウンター席に座ります。おでんにもホルモン(牛の内臓類)がいろいろと入ってるんですね。そのおでんも、まな板にのせて、ひと口大に切り分けながら、すぐに出された小メシのおかずとして食べ始めます。ホルモンのおでんのみならず、イカや牛スジなどの、普通のおでんも包丁で切り分けているのがおもしろい。一緒に注文した「にゅうめん」は汁物の代わりなんですね。
いかにも通いなれている風情の家族連れも多く、我われ以外は、みなさん、食事のお客さんです。ホルモン天ぷらを、ポン酢醤油ではなくて、塩だけで食べている人もいます。その全員が、まな板と包丁を器用に使いながら食事をしているので、パッと見には、洋食店でナイフとフォークで食事をしている光景を見ているのと同じような印象を受けます。
入口の横のところには、「せんじがら」(700円)という、牛や豚のもつを揚げたものが袋詰めで売られています。これは、もともとは脂身や内臓を加熱して、食用油を採った残りかすだったそうで、地域によっては「油かす(あぶらかす)」とか「かす」とも呼ばれている品。「せんじがら」というのは、もつを煎(せん)じた殻(から)というところから来ているのかな? 現在は、油を取った残りかすではなくて、ちゃんと食べて美味しい「せんじがら」になるように調理されているので、お土産に買って帰るファンも多い料理になっているそうです。
15品の天ぷらは、4人で一所懸命食べても食べきれないくらいの分量です。ひとりだと3品ほどでちょうどいいくらいかもしれません。
本日1軒目の「みやさん」は、1時間ほどの滞在。お勘定は4人で3,700円(ひとりあたり925円)でした。どうもごちそうさま。美味しかったです、ホルモン天ぷら!
白肉(ミノ、第一胃袋) / ハチノス(第二胃袋) / せんじがら
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コメント
「ホルモン天ぷら」とは驚きです。
もつ煮こみ とも もつ焼き とも違う味わいなのでしょうね。広島に行ったら食べてみなきゃ。もみじ饅頭を差し置いてね。
投稿: りゅうちゃん | 2011.04.15 22:58
天ぷらおいしそう。
写真を見てると食べたくなってきちゃいました。
今度、広島行ったらホルモン天ぷら是非食べちゃいます。
投稿: windows | 2011.05.02 17:59