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2011年5月

ぬる燗で飲む生ビール … 生ビール「ヌビチノ(El Nubichinom)」(横浜・桜木町)

ヴァイツェン・ボック燗


「カジさんのおすすめのビールをください。」

「わかりました。今日は何杯くらい飲んでいきますか?」

「2杯くらいかなあ。」

「じゃあ、1杯目は、燗をつけて飲むのが美味しいビールにしてみましょうか。」

「えっ! ビールでも燗が美味しいのがあるんですか?!」

「あるんですよ。こちらのヴァイツェン・ボックというビールです。」

 とメニューに並んでいるビールのひとつを指し示してくれるカジさん(=この店の店主)。なるほど「大山Gビール」製の、濃いヴァイツェン(白ビール)なんだそうで、35度くらいに温めて飲むとバナナ風の香りが高くなって美味しいんだそうです。

 ここ「ヌビチノ」は地ビールの生ビールが売りの店で、店主・カジさんがその時期、その時期に選んだビールを、常時6種類くらい置いています。基本的にはどのビールを飲んでも、Sサイズなら500円、Mサイズは800円、そしてLサイズは1,000円。

 メニューにも簡単な解説は書いてくれていますが、簡単なのは好みだけをカジさんに伝えて、おすすめを出してもらうこと。「今日は2杯飲みたいです」とか、「4杯ほど行きたいと思います」という予定を伝えておくと、どう飲めば美味しいかという順番も組み立ててくれます。

 狭い店内で一緒になったのは「Monday☆スナック」のよっちゃん(男性)と、ヒトミちゃん(女性)。

「ちょっと聞いてくれる」とヒトミちゃん。

「よっちゃんから『来週、オレとやらない?』っていうメールが来たのよ。えっ!?ってビックリしちゃってさあ。私はそんなに軽い女じゃないわ、って確認したら、『来週の月曜日、いつも「Monday☆スナック」をやってくれているひろたろうさんが休みなので、オレと一緒に「Monday☆スナック」をやってもらえないか?』っていうことだったのよ。もう、紛らわしいわよねえ。」

「で、『何を着ていけばいい?』って聞かれたからさ。『トレンチコートがいいよ』って。下着の上にトレンチコートだけってのがいいよね」とよっちゃん。

 あはは。「Monday☆スナック」では、店員さん(主としてひろたろうさん)がコスプレしてたりしますもんね。

 それにしても、ひろたろうさんもそうだけど、野毛で飲んでる女性陣は、みんなサラッと、あっけらかんと下ネタにも加わってくれます。女性陣のノリが抜群いいので、けっこう際どい内容でも、大笑いネタにしていくのがすばらしい。

 池波正太郎さんが、その著書「散歩のとき何か食べたくなって」の中の、「横浜あちらこちら」という章で、

『当時の横浜の人びとには、明治以来の開港地の人情と、さっぱりとした気性が濃厚に残っていて、ことに若い女たちの明るい、奔放とも言える言動と人懐(ひとなつ)っこさが私をおどろかせた。それは東京の女たちにはない、一種、特別なものだったようである。』

 ということを書かれているのですが、この中の『当時の』というのは昭和15(1940)年頃のことです。それから70年以上たった現代においても、その気風(きっぷ)はきっちりと受け継がれているように思います。

 2杯目としてカジさんがすすめてくれたのは、名古屋は「金しゃちビール」のインペリアル・チョコレート・スタウト。原料の一部にチョコレートモルト(=深焙りした麦芽)を用いた、濃厚でやわらかい香味の黒ビールです。

「できたてのフレッシュなものと、3ヶ月寝かしたものの両方がありますが、どっちにしますか?」とカジさん。

 さっきまで燗づけした濃厚なビールをいただいていたので、今度はフレッシュなほうにしてみましょうか。

 ちなみに醸造元で出しているのは、フレッシュなインペリアル・チョコレート・スタウトのみ。3ヶ月熟成生ビールは、カジさんが3ヶ月前に仕入れて、それをこの店の冷蔵庫で熟成させたんだそうです。

 その3ヶ月熟成のほうも、味見用にちょっと出してくれましたが、確かに味わいがぜんぜん違う。これはおもしろいなぁ。

 店内の冷蔵庫がそれほど大きくないこともあって、いつも熟成させておくことはできないそうですが、またいいものがあれば熟成させてみたいとのことでした。

 「これもちょっと味見で」と出してくれたのは、「チーズ工房IKEGAWA」の自家製手作りナチュラルチーズ「サワークリーム」です。ここのご主人は脱サラして2007年にジャージー牛1頭で「チーズ工房IKEGAWA」をオープンし、現在に至っているんだそうです。

 やぁ、ビールもチーズも美味しかった。そして何より楽しかった。お勘定はS2杯で1,000円でした。どうもごちそうさま。

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燗づけ中 / インペリアル・チョコレート・スタウト / サワークリーム

店情報前回

《平成23(2011)年2月10日(木)の記録》

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峰のうどんを食べた後 … おでん「あわもり」(呉・新広)

かけうどん@峰


 今日は会社の行事で朝早くから、呉(くれ)のとなり町である広(ひろ)へ。行事は午後3時過ぎに終了し、「あわもり」に飲みに行く前に、この近でうまいと評判の手打ちうどんの店、「峰(みね)」に行ってみることにしました。

 店に到着したのは午後3時50分。入口の張り紙を見ると「営業時間AM11:00~PM4:00」と書いているではありませんか。ありゃりゃ。でもまだ暖簾(のれん)が出てるから大丈夫かな?!

 暖簾をくぐって入った店内は、四角いテーブル席2卓と、丸テーブル1卓、そして小上がりに座卓が2個の、全24席ほど。先客は中年の男性客が2人。2つある四角テーブルの1つずつに座り、ひとりはおでん(各140円)をつまみながら瓶ビールを飲んでいて、もうひとりは店内のテレビを見ながら、注文したうどんが出るのを待ってる状態。

 私も小上がりの座卓のひとつに座り、店のおにいさんに、かけうどん(420円)を注文すると、

「急ぎますか? 次の釜になるんですけど」とおにいさん。

「急がないので、ゆっくりでいいですよ」

 そう返事すると、おでんでビールを飲んでいる先客が、

「私のはあとでもいいですよ。もうちょっとゆっくりと飲みたいから」

 と声をかけてくれます。これはありがとうございます。

 店はお母さんと、おにいさんの二人で切り盛り中。少し待ったところで、かけうどんが出てきました。

 おぉ~っ。でかいっ!

 なにがでかいって、丼が小ぶりの洗面器くらいある大きさで、その中にたっぷりとうどんが入っているのです。しかも、かけうどんながら、たっぷりの刻み揚げや、スライスした板付きかまぼこ2切れの他、とろろ昆布と刻みネギも入っていて、呉のうどんらしい具だくさんさです。これらの具材は、呉のうどんの特徴でもあるのです。

 もうひとつ、呉のうどんの特徴は〔細うどん〕という、稲庭うどんと同じくらいの細さのうどんの存在です。ゆでる時間が短いのですぐに出せるし、同じ量の麺ならば、普通のうどんに比べて表面積が多くなるので、汁(つゆ)の絡みもいいのです。

 この〔細うどん〕、普通はやわらかくて、腰もあまりないものなのですが、ここ「峰」のうどんは違います。〔細うどん〕とほぼ同じ細さの麺ながら、手打ちの麺なのでしっかりと腰がある。これは新しい食感だなぁ。

 それにしても量が多い! すっかり満腹になってしまいました。

 ここのうどんは、単品にプラス150円くらいで定食にすることもでき、おにぎりと、好きなおでん1品が付けられるそうです。

 軽くうどんを食べてから「あわもり」で飲もうと思っていたのですが、「峰」のうどんが予想外にボリュームフルだったので、すぐには食べられそうにありません。テクテクと2キロほど歩いて、独身時代に住んでいた独身寮を外から見学。当時とまったく変わらぬ建物なのが懐かしいなぁ。

 歩き疲れたので、帰りは路線バスで広(ひろ)交差点に出て「あわもり」へ。まだ満腹状態が続いているものの、広に出てきて「あわもり」に寄らずに帰るのは考えられません。無理をしてでも食べて帰らねば!

 さっそくカウンターの一角に座り、泡盛(160円)の梅割りと、おでん(1本90円)はスジとカワをもらいます。満腹でもスジとカワはうまいなぁ。

 ここのおでんは、1本90円という均一価格なのですが、この価格で出すと赤字となる代表格が、このスジ。人気商品なので、飛ぶように出るんですが、出れば出るほど損をするような状態なんだそうです。逆に優等生なのは玉子。玉子の単価はみなさんご存知のとおりなので、これは90円で出しても大丈夫なんだそうです。

 3本目はネギマをいただいて、今日はこれで終了。

「他所(よそ)で食べてきて、満腹なのでごめんなさい」

 と謝りつつのお勘定は430円。長い「あわもり」通いの中でも最安値でした。どうもごちそうさま。

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「あわもり」 / すじ、かわ、泡盛 / ねぎま

・「峰」の店情報 / 「あわもり」の店情報前回

《平成23(2011)年2月5日(土)の記録》

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店情報: 手打ちうどん「峰(みね)」(呉・新広)

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  • 店名: 手打ちうどん 峰
  • 電話: 0823-73-0268
  • 住所: 737-0133 広島県呉市広末広1-4
  • 営業: 11:00-16:00、無休
  • 場所: JR呉線・新広(しんひろ)駅の改札を出て、まっすぐに進むこと100m。大通り(国道185号線)に突き当たったら右へ。国道沿いに300mほど進み、二つ目の信号交差点(二級橋西詰)を右折して、川沿いの小道に入る。呉線の踏切を越えて140mほど進み、左手の橋を渡り、道成りに右に回りこんだ駐車場の先、左手。新広駅からの総距離は800m(徒歩15分)ほど。
    呉市営バスだと、二級橋(にきゅうばし)バス停で下車すると、そこが二級橋西詰信号交差点。バス停からは440m(徒歩8分)ほど。
  • メモ: 店内は四角テーブル2卓10席、丸テーブル1卓3席、小上がりに座卓が2卓11席の、計24席。かけうどん420、玉子うどん500、きつねうどん500、わかめうどん500、天ぷらうどん820、キムチうどん660、かやくうどん790、山かけかやくうどん860、山いもうどん730、肉うどん850、ざるうどん600、玉子丼650、天丼790、他人丼800、うどん定食660、玉子定食750、きつね定食、わかめ定食750、天ぷら定食980、キムチ定食870、かやく定食950、山かけかやく定食1,100、山いも定食870、肉定食1,100、おでん140、むすび140。(2011年2月調べ)

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2度入りで〆ラーメン … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)

「一二三」


 呉に初めてやって来られたという、横浜の小野さんは、もちろん呉の屋台にもまだ行かれたことがないとのこと。「それじゃ、最後は屋台に行きましょう」と「シロクマ」からまっすぐに堺川沿いの屋台街(赤ちょうちん通り)に抜けて、オオカワさんと私にとっては本日2度目となる「一二三」です。

 午前1時近くになっても「一二三」はやっぱり大人気。ずらっと入っているお客さんたちに、右に左にとちょっと詰めてもらって、なんとか3人並んで腰を下ろすことができました。

 焼酎(いいちこ)の湯割り(400円)を3杯もらって乾杯し、つまみには豚足(600円)と、豚足の焼き上がりを待つ間に、ナスビの塩もみ(350円)をいただきます。

 早い時間帯に売り切れてしまっていることも多い「一二三」の豚足ですが、今日はこの時間まで残ってました。やはり「一二三」に来たら豚足は食べていってもらわないとね。

 「一二三」や「富士さん」など、老舗の屋台の特徴は、必ずおでんと豚足、そして中華そばを置いていること。呉の屋台は、何度かの変遷を経て、ここ赤ちょうちん通りに集約されているのですが、昔はおでん、豚足、中華そばを置いていることが屋台開業の条件だったような時代もあったんだそうです。

 平成14(2002)年以降も、2回ほど、新たな屋台の公募が行われましたが、このときは条件が「独自性があること」と変わったので、これ以降に参入した屋台には、おでん、豚足、中華そばを置いていない店も多いのです。(新しい屋台で、これら三種の神器を置いているのは「だるま」だけかな?)

 最後は中華そば(500円)を、半麺(はんめん)でもらって本日の〆とします。半麺というのは、中華そばの麺だけを半人前にすること。スープや具材は普通のままの量なので、飲んだあとにぴったりなのです。半麺にしても料金は変わらないお店が多いのですが、「富士さん」など一部のお店では、普通の中華そば(500円)に対して、小は400円、大は600円という料金設定がされています。

 中華そば(半麺)を食べ終えて、お勘定は3人で3,650円(一人当たり1,200円強)でした。どうもごちそうさま。

 「一二三」を出たところで解散し、オオカワさんはタクシーで広島へ、小野さんはそのまま本通り方面へ抜けてホテルへ、私はここから海側にある社宅へと帰ります。

 後日、小野さんからいただいたメールによると、翌日は呉駅のすぐ近くにある、大正2(1913)年創業の老舗大衆食堂、「森田食堂」にも立ち寄られてから、横浜に帰られたとのこと。短い時間ではありましたが、呉をご堪能いただけましたでしょうか。

 九州出張の帰りに、わざわざ呉にまで足を延ばしていただき、本当にありがとうございました。機会がありましたら、ぜひまたお越しくださいね!

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なすび塩もみ / 豚足 / 中華そば(半麺)

店情報前回

《平成23(2011)年2月4日(金)の記録》

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寝るのがもったいない … スタンド「シロクマ(しろくま)」(呉)

「シロクマ」


 屋台の「一二三」を出たところで午後10時半。呉駅から広島方面行きの終電車は午後11時過ぎと早いのですが、今日はオオカワさんもタクシー帰りでOKとのこと。「それじゃ、もう1軒」と、オーセンティックバー「アンカー」を目指して、れんが通りと本通りの間にある飲み屋通りへと戻ったところで、なんと正面から歩いてくるのは、先ほど「どん底」でお会いした、横浜の小野さんではありませんか。

 「やぁやぁ」と再合流し、進路変更して「シロクマ」へと向かいます。

 「シロクマ」は、現存するスタンドバーの中では、呉で2番目に古い店。「どん底」から遅れること4年、昭和32(1957)年に創業しました。

 日本の高度成長期は昭和30(1955)年に始まり、経済企画庁の経済白書「日本経済の成長と近代化」の結びに、「もはや戦後ではない」と記述されたのが昭和31(1956)年のこと。そういう右肩上がりの景気の中で、「シロクマ」も開店したのでした。

 「シロクマ」の創業店主(初代マスター)は昭和5(1930)年生まれ。店を創業したときは27歳。その息子さんである現在の店主・川西清司(かわにし・きよし)さんは昭和25(1950)年生まれで、「シロクマ」創業時には、なんとまだ7歳だったのでした。

 戦後の復興の中にあった呉は、オーストラリアやイギリスからの進駐軍の兵隊さんたちも多く、同じ洋酒の店でも、女性がとなりに座って接客してくれるような“カフェ”が人気があったんだそうです。とはいうものの、多くの人たちはまだまだ食べるものにも困るような状況の中、スタンドバーが生まれてきました。

「カウンターの中で働いてもらったら、まかないが付いてて食べるものには困りませんよ。カウンターから出て、となりに座ることはありません。ビールくらいは注いであげてもいいけれど、タバコに火をつける必要まではありません。」

 というのがスタンドバーのスタンス。この仕組みに多くの女性が共鳴してくれたことや、カウンター席のみの小さな店舗で開業OKという気安さも手伝って、その後、スタンドバーが続々と増えていったんだそうです。

 呉市スタンドバー組合ができたのも、昭和30年頃。日本人向けに洋酒を売る店がまだまだ少ない中、みんなが共同で警察に対応したり、保健所に対応したりすることが目的だったのだそうです。

「組合のみんなで野球のチームを作ったりしてたんですよ。呉市の大会のときには、みんなでユニフォームを新調して試合に臨んだんだけど、みんな明け方まで飲んで、そのまま試合に出てるんで、すっかり酔っ払い。1塁から3塁に向かって走ったりと、もうムチャクチャやったねぇ。毎日、毎日が楽しくてしょうがなくて、寝てるのがもったいないような時期だったんだそうな」

 銀行にしてもコンピュータなんかないので、大晦日(おおみそか)も遅くまで締めの作業をしていて、紅白歌合戦が終わる頃に、やっと仕事も終わって飲みに出られるような状態。だから、「シロクマ」をはじめとする多くの飲み屋も、大晦日だって、いや大晦日だからこそ普段どおりに営業して、休みは元日の1日だけだったんだそうです。

 そんなスタンドバー「シロクマ」の大きな特徴は、カウンターの中にいるマスターも女性陣も、みんな立ったまま接客をしてくれること。オーセンティックバーでは当たり前のこのスタイル。昔は呉のスタンドバーもすべてそうだったんだそうですが、カラオケ全盛の時代に入った頃から、カウンターの中の女性も座るようになってきて、最近できた新しいスタンドバーは、最初からカウンターの中の女性も座るのが標準という造りになっています。

 ちなみに最老舗「どん底」も、カウンターの中は立つスタイルだったそうなのですが、女将さんが腰を悪くされてから、カウンターの中の椅子に「ごめんなさいね」と座るようになったんだそうです。

 キープボトルの角瓶をソーダ割りでいただきつつ、カラオケもちびちびと歌いつつ、2時間ほどの滞在。途中でボトルがなくなったので、新しいボトルを入れて、今日のお勘定は3人で22,000円(一人当たり7,300円強)でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成23(2011)年2月4日(金)の記録》

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呉呑兵衛の定番コース … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)

「一二三」で豚足


 広島からいらっしゃっているオオカワさんと巡る呉の酒場。3軒目は屋台へと向かいます。今日は金曜日なので「一二三」も開いています。

 「一二三」はリヤカー上の長方形空間の1長辺を調理場として使い、残る3辺はカウンターとして使える造り。ここに10人ほどの客が入れます。また、「一二三」は一連の屋台の並びの端っこにあるので、屋台の横の空間にも(屋外ながら)客が座れるように、小さなテーブルがひとつ用意されています。

 金曜、午後9時半過ぎのこの時間、まだ内側に空きがあり、座ることができました。

 焼酎(いいちこ、400円)を水割りと湯割りでもらって乾杯したら、まずは「一二三」名物の豚足(600円)を注文しておいて、その焼き上がりを待つ間に、おでん(各100円)のコンニャクと糸コンニャクをもらいます。

 1軒目は“とり屋”などでがっつりと飲み食いし、2軒目はスタンドでさらに飲み、そして3軒目は屋台で〆るというのは、呉の呑兵衛の定番コース。近年は、呉の街なかにも大手居酒屋チェーン店や地域のチェーン店などが数多く展開されていて、1軒目は“とり屋”に代わって、そういったチェーン店に行くことも多くなっています。また、人数が少ない場合には、1軒目はおでん屋や小料理など、個人経営の小さなお店に行くことも多いのです。

 今日はというと1軒目はおでんとおばんざいの「魚菜や」でスタートし、2軒目は呉で最古のスタンドバー「どん底」。現在のスタンドは、カラオケ主体の店が多いのですが、老舗「どん底」には創業当時からカラオケはありません。

 さぁ、豚足も焼きあがってきました。茹で冷ました状態で置いてある丸々1個分の豚足を、ひと口大に切り分けて、塩・コショウ・味の素で味付けして、鉄板で焼きあげてくれるのが呉の豚足の特徴です。

 東京などで食べる場合には、同じように茹で冷まして置いている豚足を、ひと口大に切り分けたものを、そのまま、冷たい状態のままで酢味噌をつけて食べることが多いので、呉のように焼いた豚足は新鮮。博多あたりでは、焼鳥を焼くのと同じ焼き台で豚足を炙ってくれるので、表面が炭火でカリッと仕上がっていて、これもこれで美味しいのですが、呉の豚足とはこれまたちょっと違う食感です。呉のは鉄板焼きなので、ねっとり、むっちりとした、いかにもコラーゲンといった弾力感に仕上がるんですよね。

 1時間ほどの滞在は、2人で1,600円(一人当たり800円)でした。どうもごちそうさま。

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「一二三」 / 糸こんにゃく、こんにゃく / 豚足

店情報前回

《平成23(2011)年2月4日(金)の記録》

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カクテルをつくる女将 … 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(呉)

カクテルをつくる女将


 「魚菜や」を出て、今日の2軒目は昭和28(1953)年創業、呉で最古のスタンドバー「どん底」に入ります。

 広島からいらしゃっているオオカワさんの「何かカクテルをお願いします」という注文に応じて、女将が作ってくれたのは美しいブルーの、ラムベースのロングカクテル、「ブルー・ハワイ」です。私はいつもの「竹鶴12年」を、いつものロックでもらいます。

 「どん底」のカウンターは、樹齢400年という欅(けやき)の1枚板。板とは言うものの、その厚みは15センチほどあり、奥行きも1メートルほどあるので、どかんと大きな木のかたまりのような感じです。このカウンターが、実にくつろぐんだなぁ。

 実はこのカウンター、1本の丸太として仕入れてきたそうで、店内の端から端までくらいの長さがあったそうで、大工さんも「これに鋸(のこ)を入れるのは残念だなぁ。こんな木は2度と手に入らないかもしれない」と切るのをためらうほどの名木だったそうです。

 その丸太の中心部あたりの15センチほどがカウンターになりました。残りの部分は天井の梁(はり)として使われたり、バックバー(カウンターの中の棚)の板として使われたりして、捨てる部分はありませんでした。その最後の1枚が、バックバーの最下段の棚板です。よく見ると手前のほうはある程度の厚みがあるのに、奥のほうへ行くとだんだんと細くなっている。こんな細いのに、上にたくさんボトルを並べても変形しないんですね。欅の強さを再認識です。

 床全面に赤いじゅうたんを敷き詰めているのも「どん底」の大きな特徴のひとつ。

「お父さんは中間色が大嫌いでね。赤か青か白。はっきりとした色が好きだったのよ」

 と亡きご主人のことを話してくれる女将さん。ご主人が亡くなったのは昭和も終わりに近づいた昭和63(1988)年の春のこと。

「お葬式が4月の5日でね。亡くなった共済病院から、火葬場のある焼山まで、道路沿いはずっと桜が満開。華々しく生きて、こんな店を作って、最後はお葬式まで。華やかな人生だったわねえ」

 それ以来、23年間、女将が一人でこの店を守ってきたのです。

 そこへ男性ひとり客が入ってきて、カウンターの奥のほうに腰を下ろします。女将に飲み物を注文しながら、

「この店に、浜田さんという方がよく来られるんですか?」

「え? 浜田さん? 私は知らんけどね」

 と答える女将。そうか。この店には私もたいていひとりでやってくるので、自分の名前を名乗ったことはありませんでした。女将にとって私は、『名前は知らないけど、ときどきやってくるお客さん』だったわけですね。

「え~と。私が浜田ですけど……」

 恐る恐る名乗ってみると、

「あぁ、あなたが浜田さん。ブログを見て横浜からきたんですよ。仕事のついでですけどね」

「そうだったんですか。それはどうもありがとうございます」

 この方は小野さんとおっしゃる横浜の方で、仕事で九州方面に出かけた帰りに、わざわざ呉まで足を延ばしてくれたんだそうです。なんとありがたいことでしょう。

 小野さんともいろいろとお話をさせていただいて、2時間ほどの滞在は、オオカワさんとふたりで11,000円(ひとりあたり5,500円)でした。どうもごちそうさま。

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ブルー・ハワイ / 竹鶴12年ロック / お通しのカキ煮物

店情報前回

《平成23(2011)年2月4日(金)の記録》

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おばんざいもまた人気 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

おでん魚菜や


 広島の酒場のことをいろいろと教えていただいているオオカワさんが呉にやってきて、「魚菜や」です。まずは生ビールをもらって乾杯すると、今日のお通しは白和え。

 「魚菜や」は、おでんが看板メニューですが、季節のおばんざいが食べられる小料理屋でもあります。本日のお品書きは、地ダコ刺、小いわし刺、小いわし天、タコ天、タラの芽天、豚角煮、牛すじとジャガ芋、煮さば、さばのはぶて焼、節分いわし、ホーレン草のごま和え、アスパラのバター焼、こうや豆腐、ポテトサラダ、メンパチの唐揚げ、タラの白子焼、アンコウの肝。おでんはアキレス、ロールキャベツ、こんぶ、がんもどき、じゃが芋、ごんにゃく、玉子、大根、きんちゃく、ウインナー、ごぼう天、はんぺんです。

 そういえば昨日(2月3日)は節分だったのに、なにも節分らしいことをしていないなぁ。単身赴任だと、そういう年中行事に無頓着になっちゃうんですよね。少しは節分らしくしようかと、〔節分いわし〕を注文したら、「それじゃ、豆もどうぞ」と、女将さんが小さな袋入りの節分豆をくれました。これがまたビールのつまみになりますねぇ。

 待つことしばし。出てきた〔節分いわし〕は、小イワシではなくて、東京でよく食べるような立派なイワシ(真鰯)を焼いたもの。大根おろしが添えられています。呉でもマイワシを食べるんですね。なんだか、新たな発見です。

 オオカワさんは〔タラの白子焼〕をもらっています。そうそう。タラの白子は、白子鍋や、白子ポン酢、ねっとりと生食(=白子刺身)などで楽しめますが、私自身は白子は焼いたのが一番好きですねぇ。芳ばしく焼けた外の薄皮をプチンと噛み切ると、中から白子ならではの、やわらかい甘みをともなった濃厚な旨みがウワッと口の中いっぱいに広がってくる。外は熱いんだけど、中はほんわかといい感じにあったかくて、それもまたいいんだなぁ。

 飲み物を音戸の地酒、「華鳩(はなはと)」の燗酒に切り換えて、つまみには〔メンパチの唐揚げ〕をもらいます。メンパチというのは、テンジクダイの呉・広島方面での呼び方らしく、その名のとおり目のパッチリとしたとても小さな魚です。頭を取って下ごしらえすると、半分くらいの大きさになってしまうんだそうですが、その唐揚げは比類がないほどうまいっ! 酒がグイグイと進む魚です。

 「華鳩」をおかわりして、関西風と関東風の出汁が選べるおでんは、関東風のほうのガンスをもらいます。このガンスは、広の岡本蒲鉾店のもので、他の店で作っているガンスに比べて野菜が多く、厚みもあるのが特徴。すぐに売り切れてしまう、岡本蒲鉾店の人気商品なんだそうで、「魚菜や」の女将さんもあらかじめ予約をして受け取りにいくほどなんだそうです。

 関西風の出汁のほうからはハンペンをもらいます。ハンペンは東京方面独特のおでん種かと思っていたら、こっちにも売ってるんですね。(残念ながら、チクワブや魚のスジはありません。)

 1時間半ほどの滞在は、ふたりで4,700円(ひとりあたり2,350円)でした。「魚菜や」の品書きには値段は書いていないけど、けっして高くはないのです。

 どうもごちそうさま。さあて、2軒目はどこに行こうかな!

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生ビールとお通し / 節分いわし / タラの白子焼

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メンパチの唐揚げ / がんす(関東ダシ) / はんぺん(関西ダシ)

店情報前回

《平成23(2011)年2月4日(金)の記録》

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毎月1品おすすめの酒 … バー「アンカー(ANCHOR)」(呉)

ジョニーウォーカー・スウィング


 今宵のウイスキーはジョニウォーカー・スウィング。ブレンデッドスコッチ、ジョニーウォーカーの17年ものです。

 ジョニーウォーカーの黒ラベルが12年、金ラベル(ゴールド)が18年なので、その中間的な位置づけなのですが、赤・黒・緑・金・青などのジョニーウォーカーは瓶の形がほぼ同じなのに対して、スウィングだけが涙滴を平たくしたような独特のボトル形状。しかも底の部分が平らではないので、その名のとおり、ゆらゆらとスウィングします。

 このスウィング、なんと1杯500円という驚きのサービス価格です。

「毎月1品、おすすめの酒(ウイスキーなど)をワンコイン(500円)で提供するようにしたんです。そのかわり、氷は普通の氷を使って、おひとり1杯限りですけどね」

 とオーナー・バーテンダーの森貞慶章さん。ここ「アンカー」では、ウイスキーなどをロックでもらうと、球形の氷が使われるのですが、毎月のサービスウイスキーについては普通のかち割り氷で出してくれるんですね。それでもバーの氷は、しばらく室温の中においている溶けにくくて、透明度の高い氷なので、十分においしいんです。

 ちなみに、スウィングは通常価格でも900円とそれほど高くないのが、ここ「アンカー」のいいところなのです。それでも1杯500円だと、通常の半額近い値段ですもんね。うれしい限りです。

 今日は「富士さん」で飲んだあと、2軒目として午後9時過ぎに「アンカー」へ。1杯目の飲み物としてギムレット(900円)をいただくと、今日のお通し(チャージとともに500円)は、豆腐とバジルのジェノバです。

 ギムレットを飲みながら、ふと見るとカウンター上にでんとスウィングが置いてあり、2杯目として、そのスウィングをいただいたのでした。

 1時間半ほどの滞在。お勘定は1,900円でした。どうもごちそうさま。

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シェイク中の森貞氏 / ギムレット / 豆腐とバジルのジェノバ

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《平成23(2011)年2月2日(水)の記録》

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仕事を終えてすぐ屋台 … 屋台「富士さん(ふじさん)」(呉)

店主


 水曜日の仕事を終えて、やってきたのは屋台が並ぶ赤ちょうちん通り。呉には、東京で言うところの『大衆酒場』がない(私が見つけられていない?)ので、その代わりに行くのが屋台だったり、大衆食堂だったり、とり屋だったりするのです。

 今日は一番北のほうにある屋台、「富士さん」に入ります。

 ほとんどの屋台は、リヤカーの上に屋根が付いたスタイルになっていて、屋台として組み立て終わったあとは、リヤカーの上部が厨房兼カウンターになる仕組みです。

 ここ「富士さん」は、四角いリヤカーの2辺をL字カウンターとして使えるようにしており、残る2編のうち、長辺が調理スペース。残る短辺は食器やテレビなどを置くための棚用に使われています。

 呉の屋台には電源と、上下水道が完備されているので、テレビなどを置くこともできるんですね。照明も蛍光灯です。

 午後7時の店内は、L字長辺の、テレビに一番近いところに、会社帰りのサラリーマンらしき男性ふたり連れが1組だけ。私は短辺のところに座り、「千福」の燗酒(400円)をもらって、おでん(全品100円)は厚揚げと鶏もつをもらいます。

 おでんの厚揚げというと、三角形のものが出てくることが多いのですが、この店の厚揚げは直方体です。鶏もつは、いわゆる玉ひも。体内卵と輸卵管です。こういうおでんも珍しいと思いませんか? こっち(広島県地方あるいは西日本エリア)では鶏もつのおでんは普通なのかなあ。

 「千福」の燗酒(400円)をおかわりして、おでんも大根と牛スジ(アキレス)を追加します。

 日本酒は「千福」と「白牡丹」の2種類から選べます。「千福」は呉のお酒ですが、「白牡丹」は東広島は西条のお酒。延宝3(1675)年創業と、広島のお酒の中でももっとも古い歴史を持つお酒です。この「白牡丹」は、口に含んだ瞬間に「甘っ!」と感じるほど甘口のお酒で、年配の方たちに大人気のようです。

 牛スジにはアキレスと切り出しの2種類があります。アキレスは、文字通りアキレス腱の部分。切り出しというのは筋肉をひと口大に切ったものなのでしょうか、ちょっと見には肉が刺されているように見える串です。

 新たなお客さんとして、これまた会社帰りらしき男女ふたり連れが入ってきます。こんな時間(午後7時半ごろ)ながら、すでに1軒目で飲み終えて、2軒目としてここ「富士さん」にやって来たんだそうです。

 「富士さん」は、おでんとラーメンのみならず、いろいろなメニューがそろっているのも特長のひとつ。がんす焼(150円)や砂ズリ(500円)、砂ズリピーマン(600円)、コーンバター(300円)、豚タン塩(300円)、山いもバター焼(400円)、餃子(400円)などの品書きが並びます。

 そんな中から砂ズリピーマン(600円)を注文し、3杯目となる「千福」(400円)もおかわりします。砂ズリピーマンは、その名のとおり砂ズリ(=鶏の砂肝)とピーマンとを鉄板で炒めて、塩コショウで味付けたもの。添えられたくし切りのレモンをキュッと搾りかけていただくと、いいつまみになります。

 ここ「富士さん」の創業は昭和49(1974)年と、屋台街の中でも老舗の1軒です。現在の店主のお父さんが初代で、屋台を始めたころは今の店主はまだ高校生。お父さんの手伝いをして、屋台を引いてきたりしていたんだそうです。

 もともとは店主ご夫妻でやっていたんだそうですが、お子さんが生まれてからは店主がひとりで切り盛り中です。お二人目のお子さんがまだ小さいので、もうしばらくは店主ひとりの日々が続きそうですね。

 最後に中華そばを小盛り(400円)でもらって〆。ここの中華そばは豚骨と鶏がらでとった、広島風とんこつ醤油ラーメンです。

 2時間ほどの滞在。お勘定は2,600円でした。どうもごちそうさま。

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「富士さん」 / 厚揚げ、鶏もつ / 大根、牛すじ(アキレス)

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砂ズリピーマン / 屋台内の様子 / 中華そば(小)

店情報前回

《平成23(2011)年2月2日(水)の記録》

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丸ごとメバルの南蛮漬 … お食事処「一つ家(ひとつや)」(呉)

丸ごとメバルの南蛮漬


 日曜日。今日も今日とて朝から寒い。最低気温はなんと氷点下2度です。今日から呉のカキ祭りが始まるので、ぜひ行ってみようと思っていたのですが、こう寒いと野外のイベントはちょっとねぇ。

 ちなみに呉のカキ祭りは、町ごと、漁港(漁協)ごとに行っているようで、1月末から2月末までのほぼ1ヶ月間の間(主として日曜日)に、市内のあちこちでカキ祭りが開催されるのです。呉だけではなくて、広島でも同じようなカキ祭りが行われているので、2月はカキ好きにはたまらない季節のようです。(私自身は、去年の4月に呉に転勤してきたので、カキ祭りのシーズンを過ごすのは、今が初めてです。)

 閑話休題。そんなわけで、寒さの今日はカキ祭りは断念。とりためたTV番組を見たり、本を読んだりして過ごしていると、なんと広島市内には雪が積もっているというニュース。窓を開けて外を確認してみると、呉には雪は降っていないようです。

 1日中、一歩も外に出ないというのもなんなので、夕食は外食することにします。先日、クワイの煮物がおいしかった「一つ家」にしてみましょうかね。日替わりで手作りの惣菜が出されるお店のようなので、どんな料理が食べられるのか楽しみです。

 店に着いたのは午後7時過ぎ。先客はご夫妻らしき男女二人連れで、左手にある直線カウンターの中央部に座っています。そこから1席空けて手前の席に座り、燗酒を注文しておいて、大皿に並ぶ今日の料理を観察します。

「フキがうまいよ!」

 ご夫妻のご主人にそうすすめられて、さっそくそのフキの煮物をいただきます。しゃっきりと硬めに仕上げたフキは、フッとほろ苦味が効いていて、いかにも初春らしい味わい。「千福」の燗酒によく合います。

 そこへ男性二人連れがやってきて、カウンターの最奥部へ。次にやってきた男性ひとり客は、先客のご夫妻と知り合いらしく、私とご夫妻の間に空いていた1席に腰を下ろします。さらに若い男女が入ってきて、カウンターの一番手前に座り、これでカウンターは満席です。私も、もうちょっと遅くに家を出ていたら、もう入れないところでしたねぇ。

 奥の男性二人はカンパチ刺を、私の右どなりに座った男性はタコの煮物を注文します。左どなりの男女ふたり連れは「お酒を燗で」とだけ注文すると、すぐにフキとタコが出されました。このお二人、どうやら相当の常連客のようで、いつも料理はおまかせで食べている様子です。

 先客のご夫妻が、私が入ってくるよりも前に注文していたらしい〔八宝菜もどき〕(=野菜たっぷり炒め)ができあがり、私も含めて他のお客さんたちにも、「隠れメニューよ」といいながら、女将さんがちょっとずつ分けてくれます。

 私が入ったときに、カウンターの中で野菜を切っていたのは、この〔八宝菜もどき〕用のものだったんですね。そこへ続々とお客が入ってきたので、野菜の量を増やして、みんなにもちょっとずつ分けられるように作ってくださったようです。

「“いいかげんな八宝菜”という名前で、メニューにも載せればいいのに」

 と先客の奥さん。この野菜たっぷりの八宝菜は、どうやらこの店の定番の隠れメニューのようです。

 この店の黒板メニューには、“てまのかかる天ぷら”とか“具の少ない茶ワンむし”といった、面白い名前の料理が並んでいるということは前回も書きました。その昔、この店の茶碗蒸しを食べたあるお客さんから、「茶碗蒸しなのにギンナンが入っていない」という指摘があったことから、メニューの表記を“具の少ない茶ワンむし”としたのだそうです。

 燗酒をおかわりして、大皿料理からはメバルの南蛮漬けを注文。大きなお皿に、これまた大きなメバルが数尾、ど~ん、ど~んと置かれているので、「まさかこれ1尾が1人前ということはないよなぁ。きっと切り分けられて出されるに違いない」と思いながら注文したのですが、これがなんと、この大きな1尾がドカンと丸ごと1人前。これはすごいっ。

「メバルはこのサイズじゃないと南蛮漬けにできないのよ。これより小さいと身離れが悪くてねぇ」と女将さん。メバルはもともと骨太の魚なので、小さいと食べるところがほとんどなくなっちゃうんでしょうね。ん~、南蛮漬けにしても、メバルはうまいだなぁ!

 左どなりの男女は、“てまのかかる天ぷら”を注文。最初の何品かは女将が出してくれて、メインディッシュは自分たちで選ぶようです。この天ぷらが、白子あり、小魚あり、野菜ありと、ひと品ひと品が違う食材で、しかも下ごしらえから目の前でやってくれる。なるほどこれは手間がかかってますねぇ。男性は継続的に燗酒を飲んでいますが、女性の前にはご飯とお茶が出されます。この男女もご夫婦のようで、ここで食事をすませて帰るんですね。

 メバルの南蛮漬けをきっちりと食べ終わったところでお勘定をお願いすると、「ご飯はいいの?」と女将さん。前に来たときに単身赴任だということを話したので、夕食の心配をしてくれたようです。

「大丈夫です。おいしいメバルをたっぷりといただきましたから。ありがとうございます」

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在。お勘定は3千円でした。どうもごちそうさま。

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「一つ家」 / フキ煮物 / 八宝菜もどき

店情報前回

《平成23(2011)年1月30日(日)の記録》

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〔くれ便り〕 寒くて飲み歩けない日 … カレーの店「仔豚(こぶた)」(呉)

カツカレー


 1月最後の土曜日。今日は朝から「大和ミュージアム」で開催されている「明治の呉と海軍 ~軍港と市民の暮し~」という特別展を見に行こうと思っていたのに、ここのところずっと続いている最低気温0度が今朝も続いて、まったく外に出る気が起こらない。瀬戸内海沿岸なので、松山と同じように温暖な気候かと思いきや、広島・呉方面は意外と寒いんですねえ!

 とはいうものの、今日が図書館の返却期限日なので、気温も上がった(といっても最高気温7度)遅めの午後に図書館を経由して、開店直後の生ビールの「オオムラ」へと入ります。こう寒いと、さすがに「オオムラ」もお客さんが少ないですねぇ。

 氷で冷却する「オオムラ」の生ビールは、もともとそれほど冷えすぎていなくてとても飲みやすいのが特長。今日のような寒い日でも、スッと喉に入ってくる心地よさで、グゥ~ッと1杯、思わず2杯。

 「オオムラ」で、ふわりとほろ酔いになって、景気をつけて酒場に出かけようと思っていたのに、生ビールを2杯飲んでも、やっぱり寒い。う~む。今日は飲み歩きはやめて、うまいもんでも食べて帰りましょう。

 数ヶ月前の〔呉だより〕で、『カレーライスも海軍発祥の食事なので、ここ呉にも、昔から続くカレーの店が数多くあります。しかも値段もそれほど高くないのがうれしいところです』ということを書きました。そのときは喫茶「バンビ」のカツカレーをご紹介したのですが、今日は「オオムラ」からもほど近い場所にある老舗のカレー屋、「仔豚」に行ってみることにします。

 黄色いファサードテントには、丸っこい字で「カレーの店 仔豚」と書かれていて、向かって右側の店内が見えるアルミ引き戸が入口です。

 店内は左手にUの字カウンター10席ほどがあって、その左奥が厨房。右手壁際には予備用らしいイスが何個か置いてあって、右手一番奥にテーブル席が1卓あります。

 カウンター席の一角に腰を下ろしながら、壁に掲示されたメニューを確認。飲み物はビール(370円)だけで、各種カレーライスとスパゲティ、そして定食類が500~1,000円で25品ほど並んでいます。そのうちの15品がカレーライス。普通のカレーライスが500円、カツカレーは630円、ハンバーグカレーが890円といったところです。

 店内は女性3人ほどで切り盛りしている様子で、そのうちのひとりが水を出しながら注文を聞いてくれます。今日もまた迷うことなく大好物のカツカレーを選択。すぐに皿に盛られたレタス&千切りキャベツが出されます。壁のメニューの末尾に『カレーはサラダ付き』と書いているのですが、キャベツサラダなんですね。カウンター上に置かれた自家製ドレッシングか和風ドレッシングを好みでかけていただくようになっています。水のコップは小ぶりなものですが、冷水ポットがカウンター上のそこここに置かれているので困りません。

 トンカツは注文を受けてから揚げるため、キャベツサラダを食べながら待つことしばし。ライスの上に揚げたてを5つにカットしたトンカツがのった丸い平皿と、それとは別にグレイビーボートに入れられたカレールウが出されます。

 本当は食べる分だけルウをかけながら食べると、ルウも冷めにくくていいんでしょうが、お腹もすいているので、一気に全部かけておいて、ガッツリといただきます。

 「バンビ」が比較的サラサラ系のルウなのに比べて、こちらは一般的な粘度をもったカレールウ。これといって大きな特徴がないということが特長のようで、老舗ならではのカレーらしいカレーが楽しめます。スプーンじゃなくて、フォークで食べるというのも特徴ですね。

 最後はあったかいお茶を出してくれてお勘定。カレーで身体をあたためて、大急ぎで家まで帰ったのでした。寒くて飲み歩けなかった土曜日のお話でした。

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「仔豚」 / キャベツサラダ / ルウをかけてフォークで食べる

《平成23(2011)年1月29日(土)の記録》

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店主夫妻もにっこりと … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)

店主夫妻もにっこりと


 「一つ家」から、れんが通りを抜けて、まっすぐに蔵本通りに出ると、そこがちょうど屋台街の入り口。ここから北に向かって13軒の屋台が並びます。

 1軒目がラーメンとおでんの「おばちゃん」、2軒目が炭火焼の「まんまる」、3軒目は餃子と混ぜそばの「呉空(ごくう)」、4軒目が牛タンとテール料理の「華智(かち)」、5軒目は創作料理の「(くん)」、6軒目はお好み焼き・鉄板焼きの「あしあと」、7軒目は博多ラーメンの「龍王」だけど今日はお休み。8軒目はラーメンとおでんの老舗「かさ」、9軒目がラーメンとおでんの他に串カツもある「だるま」ときて、ここで交差点を渡ります。残りはあと4軒です。

 交差点を渡った先にあるのが10軒目の「一二三」で、そのとなり(11軒目)がチキンスープのあっさりラーメンの「八起(やおき)」。12軒目がこのところホルモン焼きそばがよく取り上げられる「富士さん」ときて、ラーメンとおでんの「清龍軒」が13軒目で、ここで屋台街が終了します。

 そんな中から、今日もやっぱり「一二三」に入り、焼酎を湯割り(400円)でもらって、つまみにはおでん(1本100円)の平天とじゃが芋を取ってもらいます。

 「一二三」は、基本的に金曜と土曜の夜にしか営業していないので、開いているところを見ると、ついつい入ってしまうんですよね。考えてみたら、ほぼ毎日開いているような他の店にだって、毎週のように行くことはほとんどありません。『週に2日しか開いていないから』と思わせる貴重感が、「一二三」の人気の理由のひとつなのかもね!

 2杯目の湯割り(400円)は、その場でササッと作ってくれるナスの塩もみ(350円)でいただきます。

 さらに3杯目は、おでんのキンチャク(150円)で。他のおでん種が100円均一なのに、このキンチャクだけが150円なんですね。キンチャクの中身はお餅。市販の餅キンチャクは、中に入っている餅が小さくて、あまり食べた感じがしないので、自分たちでお揚げと、市販の杵つき餅を買ってきて、手作りで作るのがこのキンチャクなのです。大きな餅はボリュームたっぷり。今日はラーメンではなくて、キンチャクで〆ですね。

 2時間半ほどの滞在は1,900円でした。どうもごちそうさま。

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「おばちゃん」 / 「まんまる」 / 「呉空」

110128g 110128h 110128i
「華智」 / 「燻」 / 「あしあと」

110128j 110128k 110128l
「かさ」 / 「だるま」 / 「一二三」

110128m 110128n 110128o
ひら天、じゃが芋 / なす塩もみ / きんちゃく

店情報前回

《平成23(2011)年1月28日(金)の記録》

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おいしい料理で健康に … お食事処「一つ家(ひとつや)」(呉)

クワイの煮物


 呉の酒場というと、とり屋スタンド、そして屋台がよく知られていますが、こちらに転勤になって改めて気がついたのが、食堂や小料理屋などの存在です。

 食堂だと「森田食堂」や「くわだ食堂」、「寿食堂」などなど。食堂は朝早くから開いていて、朝早くから飲むことができるのが大きな特徴で、どの時間に行っても、必ずお酒を飲んでいる人を見かけます。

 小料理屋のほうは、女将ひとり、あるいは女将とそれを手伝う1~2名のスタッフくらいで切り盛りするカウンター席を主体とした料理屋で、もちろんお酒も飲める。きっちりと食事までできる店もあって、日替わりのおかずをつまみに晩酌を楽しんで、最後にご飯と味噌汁を出してもらってしめる、といった楽しみ方をしているお客さんもいます。

 表の看板には〔おでん〕と書かれているけれど、おでんのみならず、お惣菜もしっかりと充実していて、実質的に小料理屋と言っていいのが「魚菜や」です。四ツ道路の「寿里庵」や、広の宣伝酒場「春駒」なんかも、どっちかというと小料理屋に近いように思います。

 そして、このジャンルで、昨年4月に遊星ギアのカズさんからご紹介をいただいているのが本通3丁目の「一つ家」です。『ステーキから大皿料理まで、アテが充実、昼の定食も』というのが、カズさんのおすすめの言葉。今日は、その「一つ家」を初訪問です。

 実はつい先日、会社関係の飲み会の帰りに、先輩が連れて行ってくれたスタンドバーの名前が「二つ家(ふたつや)」だったのです。

(へぇ。「一つ家」もあれば、「二つ家」もあるんだなあ。)

 なんて思いながら店内に入り、お話をうかがってみると、なんと「一つ家」はお母さんが、そして「二つ家」(呉市本通3-1-11 晃輝ビル4F, 0823-21-9329)はその娘さんが、母娘でそれぞれ経営されているんだそうです。

 もちろん先輩は「一つ家」のほうにも行ったことがあって、「煮物なんかの、いわゆる〔おふくろの味〕がものすごく美味いんだよ」とのこと。楽しみですねぇ。

 「一つ家」の店内は、左手が店の奥に向かう直線カウンター8席ほど。右手奥の小上がりには4人掛けの座卓がひとつだけという、小ぢんまりとした造り。女将がひとりで切り盛りしています。

 午後7時の店内は、カウンターはほぼ満席ながら、小上がり席には先客はなし。みんなのコートやカバンを置くスペースとなっています。かろうじて空いていたカウンターの一番手前の1席に腰を下ろしつつ、目でメニューを探しますが見当たりません。

「ビールをお願いします」

(ビールなら絶対あるよね?)と思いながら、そう注文してみると、

「生ですか? 瓶ですか?」という返事。

「瓶のほうを…」と答えると、

「アサヒ?」と女将さん。

「はい。お願いします」

 すぐに出された瓶ビールは中瓶で500円。よ~く見ると、カウンターの向かい側の壁の上部に、壁の色と同化するくらい年季の入った短冊メニューがあって、そこに値段も書いてました。この色になってるということは、それだけ長いこと値段が変わっていないということですね。

 まずはグラス1杯のスーパードライをググゥ~ッと飲み干して、おもむろにカウンター上に並ぶ大皿の料理を選びます。

「この煮物は、サトイモ?」

「それはクワイなのよ。私がクワイが好きなので煮物にしてみたんだけどね。賛否両論。」

「へえ。じゃ、そのクワイの煮物、ください。」

 鶏肉などと一緒に煮込まれたクワイは、見た目はサトイモに似ているものの、口の中でホックリと噛み割ると、クワイならではの、ほろ苦い味わいが広がります。あぁ。私は好きだなあ、この味。この料理をうまいと感じるかどうかは、もともとクワイが好きだったかどうかによるのかもしれませんね。

 カウンター内の壁、中央部には、手書きの黒板メニューもあって、「てまのかかる天ぷら」とか「具の少ない茶ワンむし」といった面白い料理も並んでいます。

 次なる飲み物として燗酒を注文すると、「千福」(上撰吟松)が、丸っこい徳利で出されます。

 奥のお客さんたちの天ぷらとカキフライを作るときに、ちょっと数多く作ってくれて、私も含めてひとりで飲んでるお客たちにも、「ちょっと食べてみてください」と出してくれます。この天ぷらが、さっきの「てまのかかる天ぷら」なんですね。

 女将が「みんなにちゃんとしたものを食べてほしい」という思いで、この店を始めたのは昭和60(1985)年のこと。以来、昼は定食、夜は小料理(食事もOK)でやってきたんだそうです。

「うちの料理を食べ続けて、健康診断の数値が良くなった人もいるのよ」

 と笑う女将。いいもの、美味しいものを食べてもらいたいという思いが、それぞれの料理から伝わってきます。

 大皿の〔ゆで海老〕がおいしそうなので、それもいただいて、本日は終了。1時間40分ほど楽しんで、今日のお勘定は2,000円でした。どうもごちそうさま。

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電灯看板 / カキフライと天ぷら / ゆで海老

店情報

《平成23(2011)年1月28日(金)の記録》

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店情報: お食事処「一つ家(ひとつや)」(呉)

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  • 店名: お食事・ステーキ「一つ家」
  • 電話: 0823-24-2339
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通3-7-8
  • 営業: 11:30-14:00(月~木)&17:00-22:00、不定休
  • 場所: 「本通三丁目」信号交差点から、ローソンの角を本町側(れんが通りの反対側)に入り(入ってすぐ右手が、そば処「平原」)、すぐ先のY字を右に入った左手。
  • メモ: 昭和60(1985)年創業。日替わりの大皿料理(手作りお惣菜)500~。昼定食(お好み小鉢・お魚料理・ 味噌汁・香物・ご飯・フルーツ付き)800。(2011年1月調べ)

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女将の昔話をさかなに … 居酒屋「どん底(どんぞこ)」(呉)

竹鶴17年


 居酒屋チェーン店での宴会のあと、ひとりで「どん底」です。樹齢400年の欅(けやき)の1枚板でできた広いカウンター席に座り、「竹鶴17年」をロックでいただくと、お通しには小鉢のカキぬたが出されます。

 今日は私以外には客がいなくて、広い店内も女将も独り占め。この店の、そして呉の昔話を聞かせてもらいながら、ちびちびとなめるようにウイスキーをいただきます。

 「どん底」の創業店主である、故・垣内廣明(かきうち・ひろあき)さんは大正13(1924)年、兵庫県加古川市生まれ。海軍の水兵さんになるために呉にやってきて、21歳のときに終戦を迎えました。終戦後は、いったん加古川に帰っていたものの、海軍時代の上官二人に誘われて、再び呉にやってきて、四ツ道路(よつどうろ)あたりで、米兵向けのギフトショップ兼カメラ屋を開店。当時の四ツ道路は、闇市もたくさん出ている、にぎやかな場所でした。映画「仁義なき戦い」の舞台も、まさにこのあたりですね。

 そして、そのギフトショップの隣のビルにある旅行代理店に勤めていたのが、女将の八千江(やちえ)さんだったのです。その頃は、切符を求めて毎日行列ができるほど忙しかったのだそうです。

 そうやって、となり同士で働いていたお二人が知り合って、ご結婚されたのが昭和23年。廣明さんが24歳、昭和4年生まれの八千江さんは19歳です。それから5年、昭和28(1953)年の年末(12月8日)に、ここ「どん底」が創業しました。太平洋戦争の開戦記念日が、この店の開店記念日なんですね。

 場所は今の「どん底」と同じ場所で、敷地も今と同じもの。ただし、当時は30坪の敷地のまん中あたりの10坪ほどを使って、カウンターのみ10席の店でした。このときのカウンターは、ナラガシの1枚板を使ったもので、店の形状も、1階建てながら、今と同じように山小屋風の、天井が三角形に高いスタイルだったのだそうです。

 「どん底」という店名は、ゴーリキーの戯曲「どん底」から取ったものです。店主・廣明さんは小説家を目指す文学青年で、太宰治に深く傾倒。その後、呉市内の同好の士で作った、同人誌「バルカノン」にも参加しているほどでした。現在も店内にずらりと並ぶ書籍類は、廣明さんがご自身で買い集めてきたものです。

「日本人を相手に、ウイスキーが売れるんだろうか」

 開店当初はそんな心配が大きかったそうですが、その後の経済成長などもあって、店は連夜の大人気。カウンター10席ではとても足りなくなって、その脇にバラック造りのボックス席を増設し、それでも足りなくて、逆側にもボックス席を増設して営業するほど。それこそ休む暇もない忙しさが続いたのだそうです。

 ちょうど同じ頃に、スタンド「シロクマ」やカフェ「ラパン」、さらにはトリスバーの1軒として「呉トリス」なども続々とも開店しましたが、現在残っているのは、残念ながら「どん底」と「シロクマ」の2軒だけとなりました。

 まだまだいろんなお話を伺いましたが、それはまた次の機会に。2時間ほどの滞在は、3,500円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成23(2011)年1月26日(水)の記録》

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今宵のシメは五目炒飯 … 広東料理「大山元(だいさんげん)」(呉)

五目炒飯


 横浜勤務の時には、中華料理の店でもよく飲んでいました。一番よく行ったのが日ノ出町の「第一亭」で、それ以外にも野毛の「三陽」「萬里」「福仙楼」、中華街の「秀味園」「楽園」「龍仙」、新杉田の「福園」「中原亭」、極めつきは阪東橋の「酔来軒」などなどと、中華料理屋も、ものすごく身近な存在として、気楽に飲みに行っていたのです。

 横浜ほどではないにしろ、世界中どこの街に行っても必ずあるのが中華料理屋。きっと呉にもいい中華料理店があるだろうと探していたところ、ピクッと食指が動いたのが、四ツ道路(よつどうろ)近くの「大山元」と、本通3丁目バス停近くにある「西苑」という、2軒の広東料理のお店です。

 金曜日の今日は、広の「あわもり」で一杯飲んだ帰りに、まずは〆のチャーハンかラーメンでも食べてみようということで、そのうちの1軒、「大山元」にやってきました。

 店に向かって左端にある入口から店内に入ると、そこは店の奥に向かう細長い通路になっていて、右手壁の窓越しに厨房の様子を見ながら、店の奥へと進むと、ポンと視界が開けて、テーブル席が並ぶ店内へと至ります。

 金曜、午後9時の店内は先客は無し。テーブル席のひとつに腰を下ろすと、すぐに若い女性の店員さんが水とお茶、そして割箸を持ってきてくれます。この女店員さんは日本人のようですが、厨房にいる二人の男性は中国人らしく、中国語でなにか談笑しあっています。

 日本人がやっている居酒屋や料理屋では、特にお客さんがいる場合には、店員さんたちはあまり談笑しあったりしないところが多いのですが、中国人がやっているお店の場合、けっこう楽しそうに話したりしている光景をよく見ます。料理を作り終わると、厨房の料理人さんたちもホールに出てきて、1つのテーブルを囲んで談笑していたりする店もあるほどです。こういう小さなところにも、それぞれの国の文化の違いが垣間見えておもしろい。こうやって店内に中国語が飛び交っていると、『中華料理屋に来たなぁ』という気分も盛り上がります。

 さっそくテーブル上に置かれたブックレット形式のメニューを確認。メニューの多くは写真付きでわかりやすく、1番の〔前菜3種盛り合わせ〕から、79番の〔マンゴーアイス〕まで、それぞれのメニューに通し番号が付けられているので、番号でも注文可能です。

 これら約80種類のメニューの大半は、普通サイズと、小サイズが選べるようになっていて、「チェッ呉」サイトによると、普通サイズは4人前あるんだそうで、少人数の場合には小サイズのほうがいいようです。

 目当てのチャーハン、ラーメンはと見ると、五目炒飯が650円、海鮮炒飯が950円、大山元やきそばが700円、担々麺やチャーシュー麺が750円、などといったラインナップ。今日は、基本の五目炒飯(650円)を注文します。

 呉の食堂などでは、チャーハンは〔焼きめし〕と表記されていることが多いのですが、さすがにこの店では〔炒飯〕なんですね。それとも〔焼きめし〕と〔炒飯〕とは似て非なるもの?

 しばらくすると、ゴッゴッゴッと中華鍋をふる音が聞こえてきて、「お待たせしました」と五目炒飯が出てきました。おぉ、けっこうな量ですねぇ。八角らしいスパイシーな香りで、わりと濃い(茶色っぽい)色合い。“五目”と銘打っているだけあって、海老、ハム、ネギ、ニンジン、卵と具だくさん。サービスで卵と筍(たけのこ)のスープも添えられます。

 その五目炒飯をいただきながら、ここで飲む場合のメニューを確認します。飲み物はビール(生・瓶ともに500円)、紹興酒(ハーフボトル750円~、フルボトル1,500円~)、ワイン(赤・白、グラスで400円)、日本酒(500円)、焼酎(450円)と各種そろっていて、値段もそんなに高くはありません。

 料理のほうはけっこうボリュームフルのようなので、小サイズのものを、人数分の品数(つまり3人なら3種、4人なら4種)程度注文したので十分かもしれません。

 一人ならば点心で一杯やって、〆に炒飯か麺類かなぁ。点心は小龍包(650円)、焼売(500円)、焼き餃子(400円)、水餃子(400円)など、9種ほどそろっています。

 しかしながら、一人用の料理メニューはそれほど多くないし、カウンター席もないので、お酒を飲むときには4人程度のグループで来たほうが楽しめそうですね。料理だけを食べに来る分には、ひとりでも十分OKだと思います。

 けっこうなボリュームの五目炒飯ながら、スルッと食べ終えて、お勘定は650円でした。どうもごちそうさま。

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店内の様子 / テーブル上の調味料など / 五目炒飯

店情報

《平成23(2011)年1月21日(金)の記録》

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店情報: 広東料理「大山元(だいさんげん)」(呉)

  • 店名: 大山元
  • 電話: 0823-23-6707
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通1-4-12
  • 営業: 11:30-14:00 & 17:30-22:30、年中無休
  • 場所: 本通りの「四ツ道路」信号交差点から、亀山神社の方向に進むこと約80m、右手。呉駅からの総距離は900m(徒歩16分)ほど。
  • メモ: 公式サイトあり。2階に40人ほど入れる宴会場あり。駐車場8台分。
    《食べ物》〔前菜〕前菜3種盛り合わせ1,600・(小)1,100、前菜4種盛り合わせ2,200・(小)1,550、棒々鶏(バンバンジー)800、くらげの酢の物750、きゅうりの唐辛子和え400。
    〔スープ〕蟹肉入りフカひれスープ(中4~5人前)1,800・(小2~3人前)1,000・(おひとり用)600、鶏肉入りフカひれスープ(中4~5人前)1,800・(小2~3人前)1,000・(おひとり用)600、たまごスープ500・(おひとり用)300、コーンスープ600・(おひとり用)300、酢辣湯(スーラータン)750・(おひとり用)400。
    〔海鮮〕フカひれの姿煮5,000、あわびとアスパラ炒め2,400・(小)1,700、あわびかき油炒め2,400・(小)1,700、海老のチリソース煮1,200・(小)850、車海老のチリソース煮2,200・(小)1,550、ほたて貝柱のチリソース煮1,600・(小)1,100、海老のマヨネーズ和え1,200・(小)850、ホタテのXO醤炒め1,500・(小)1,050、海老の四川風唐辛子炒め1,300・(小)900、イカの四川風唐辛子炒め1,200・(小)850、海鮮炒め1,400・(小)1,000、アスパラとイカの炒め1,100・(小)800、海老のてんぷら1,200・(小)850。
    〔牛肉・豚肉・鶏肉〕牛肉の黒山椒炒め1,200・(小)850、牛肉とピーマンの炒め1,200・(小)850、牛肉のかき油炒め1,200・(小)850、豚肉の塩コショウ揚げ1,200・(小)850、豚の角煮1,300・(小)900、鶏肉の四川風唐辛子炒め1,200・(小)850、鳥の唐揚の甘酢ソースがけ1,000・(小)700、黒酢の酢豚1,000・(小)700、若鶏の唐揚げ700・(小)500。
    〔豆腐・玉子料理〕麻婆豆腐750・(小)550、蟹肉入り豆腐煮込み850・(小)600、かに玉800、海老とたまごの炒め1,000・(小)700、豚肉ときくらげの玉子炒め1,000・(小)700。
    〔野菜料理〕チンゲン菜の蟹肉あんかけ1,000・(小)700、ほうれん草の炒め700・(小)500、茄子の四川風炒め1,200・(小)850、小松菜と豚肉の炒め850・(小)600、八宝菜850・(小)600、空母赤城の酢豚1,000・(小)700。
    〔おこげ料理〕海鮮おこげ1,800・(小)1,250、牛肉のXO醤おこげ1,400・(小)1,000。
    〔ご飯・麺類〕海鮮炒飯950、五目炒飯650、ガーリックタコ炒飯700、魚炒飯700、天津飯700、麻婆丼750、中華丼750、海鮮あげそば950、海鮮やきそば950、焼きビーフン750、大山元やきそば700、上海やきそば750、フカひれ麺1,200、担々麺750、チャーシュー麺750。
    〔点心〕小龍包650、焼売500、海老餃子600、春巻き500、角煮パオ包み300、杏仁饅頭300、焼き餃子400、水餃子400、ごま団子380。
    〔デザート〕杏仁豆腐320、マンゴープリン320、マンゴーアイス320。
    《飲み物》〔ビール〕生ビール(アサヒ)500、瓶ビール(キリン)500、青島ビール500、ノンアルコールビール400。
    〔ワイン・中国酒・カクテル〕ワイン(赤・白)グラス400・ボトル2,500、紹興酒(陳年5年)H(ハーフボトル)750・F(フルボトル)1,500、(陳年8年)H1,500・F3,000、(陳年10年)H2,500・F5,000、茅台酒(まおたいしゅ)F8,000、桂花陳酒(けいかちんしゅ)赤・白(ロック)500・(サイダー割り)500、ライチカクテル(オレンジ割り)500・(サイダー割り)500、杏のカクテル(オレンジ割り)500・(サイダー割り)500。
    〔日本酒・焼酎・梅酒〕日本酒(あつかん・常温・冷酒)500、芋焼酎(黒霧島、しま美人、さつま白波、黒伊佐錦)(お湯割り・ロック・水割り)450、麦焼酎(きら麦、二階堂)(お湯割り・ロック・水割り)450、梅酒450、梅ワイン450。
    〔サワー〕レモン400、ライム400、巨峰400、青りんご400、梅400、グレープフルーツ400、カルピスサワー400。
    〔ソフトドリンク〕オレンジジュース200、カルピスソーダ200、カルピス200、コーラ200、サイダー200、ウーロン茶200、食後のコーヒー200。
    〔コース料理(2名より、予約不要)〕Aコース(前菜4種盛り合わせ、蟹肉入りフカヒレスープ、海老のチリソースとマヨネーズ和え、えび餃子、フカヒレ餃子、イカとアスパラの炒め、海鮮八宝おこげ、東坡肉(豚の角煮)、鶏肉の唐揚げの甘酢ソースがけ、海鮮ミンチのレタス包み、ホウレン草とえびの炒飯、ごま団子、杏仁豆腐)3,800/人、Bコース(前菜3種盛り合わせ、酢辣湯(スーラータン)、海老のチリソース炒め、春巻き、焼売、豚肉の四川風炒め、牛肉とピーマンの炒め、ホウレンソウの炒め、茄子の四川風煮込み、麻婆豆腐、五目炒飯、杏仁豆腐)2,800/人、ファミリーコース(前菜3種盛り合わせ、鶏肉入りフカヒレスープ、海老のマヨネーズ和え、若鶏の唐揚げ、焼売、豚肉の四川風炒め、かに玉、鶏肉の唐揚げの甘酢ソースがけ、麻婆豆腐、五目炒飯、杏仁豆腐)10,000/テーブル(3~4名)・14,000/テーブル(5~6名)、5千円以上のコースは予約にて。宴会コース(料理2,500~10,000/人。プラス1,500円で飲み放題。50名まで。営業時間外でも相談に応ず)。
    〔弁当〕13品目中華弁当(海老のチリソース煮、海老のマヨネーズ和え、牛肉とピーマンの炒め、酢豚、白身魚の四川風炒め、かに玉、春巻き、焼売、鳥のから揚げ、牛肉スライス、くらげの酢の物、白菜の唐辛子和え、ごま団子、ご飯)2,000、他にも予算に応じて準備可能。(2011年1月調べ)

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正統派のセンベロ酒場 … おでん「あわもり」(呉・新広)

おでん「あわもり」


 金曜日の仕事を終えて、広の「あわもり」に到着したのは午後7時過ぎ。ここ「あわもり」は3月末をもって閉店する予定なので、それまでの間は、少なくとも週に1回程度は行っておきたいなぁと思っているのです。

 今日も店内はほぼ満席。かろうじて空いていた、常連さんの隙間の1席に腰を下ろし、まずは大瓶のビール(キリンラガー、500円)をもらって、おでん(1本90円)は〔あつあげ〕からスタートです。

 出汁(だし)に醤油だけで味付けしているように見える「あわもり」のおでんですが、食べてみるとけっこうコクや甘みを感じるのは、それぞれの具材からのエキスが染み出しているからでしょうか。

 特にお腹が空いているときの一品めには、このフワフワ、熱々の〔あつあげ〕がいいんですよねぇ。この一品で、すっかりお腹も落ちついて、ガンガン飲める態勢に入ります。

 〔あつあげ〕で態勢が整ったところで、この店のツートップの人気商品、〔すじ〕と〔かわ〕です。〔かわ〕に使う豚の皮は、泡盛とともに鹿児島から仕入れているんだそうです。豚の皮だけのおでんって、他の店ではお目にかかったことがありません。コラーゲンたっぷりの、プリップリの食感が〔かわ〕の真髄です。これら2品は、冷めると旨みが減ってくるので、熱々の間に早めにいただくのがおすすめ。

 つづいて〔たまご〕〔じゃがいも〕という、それぞれ丸い食材を2本取ってもらいます。この店では、最初におでんを注文したときに、その人用のおでん皿と割箸が出され、それ以降の追加注文では、おでん鍋から、その横に置かれたお運び専用の皿に取り分けてから、各自の前にある皿のところに持って来てくれます。汁(つゆ)は入れないのがこの店のスタイル。それでもおでん鍋の出汁(だし)がどんどん減っていくんですよねぇ。

 次も丸い食材シリーズで〔いわしだんご〕。団子と言いつつも、その食感は練り物といっていいくらいしっかりとしています。この〔いわしだんご〕に合わせて、飲み物も〔御酒〕(200円)に切り換えると、目の前にコップが置かれ、ポットの燗酒が注がれます。

 テレビには、間寛平(はざま・かんぺい)が2年1ヶ月に及んだ世界一周マラソンを終えてゴールする姿が映し出されていて、多くの客がその様子に見入っています。

 おでんのほうは〔ひらてん〕と〔ねぎま〕を注文。〔ひらてん〕はすぐに出されますが、〔ねぎま〕は注文を受けてから鍋に入れられるので、同時に注文しておいても、ちょうど〔ひらてん〕を食べ終わったころあいで〔ねぎま〕ができあがるのです。

 このあたりで、他のお客さんたちが続々とお勘定を始めます。この店は午後9時までの営業なので、8時前後というのが、お客さんたちが引け始めるタイミングなんですね。ほとんどの人は千円札1枚からお釣りをもらって席を立ちます。まさに正統派のセンベロ酒場です。

「それでは私もそろそろ」とお勘定をお願いすると、おでん8本と大瓶ビールと日本酒で、今日は1,440円でした。瓶ビールを飲むと、ちょっとぜいたくな感じになっちゃうんですよねぇ。

「ごちそうさま」と店を出てから、今日は〔きも〕(牛の肺)を食べていないことに気がつきました。この店に来て〔きも〕を食べなかったのは初めてかも!

《追記》 「あわもり」は2011年3月末日をもって閉店いたしましたが、新しい店主が4月19日に、同じ場所、同じ値段、ほぼ同じ品揃えで、「かわすじ」という店名にて再開いたしました。

110121a 110121b 110121c
あつあげ / すじ、かわ / たまご、じゃがいも

110121d 110121e 110121f
いわしだんご / ひらてん / ねぎま

店情報前回

《平成23(2011)年1月21日(金)の記録》

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今年最初のトークの日 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

今年最初のトークの日


 毎月19日は、「魚菜や」の“トークの日”。ひとり3千円で「魚菜や」の全メニューが飲み食い放題になる(ただし2時間)、お客さま感謝デイなのです。

 いつもはお客さんが来てからお通しが出されますが、お客さんが多い“トークの日”には、あらかじめ全座席にお通しが用意されています。

 今日のお通しはフキ煮物、タコ煮物、ヤリイカ煮、百合根(ゆりね)、空豆、ぬた(ゲソ入り)の盛り合せ皿(八寸)と、ほうれん草のゴマ和え小鉢です。

 店内はL字カウンター10席に、壁際に2席のテーブル席の、全12席ほど。この空間を、通常は女将がひとりで切り盛りしていますが、“トークの日”や貸し切りの営業日などは、奥の厨房に手伝いの女性がひとり加わります。

 店に着いたのは午後7時前。空いている何席かのひとつに座り、まずは生ビール(サッポロ)を注文すると、「今日はサーバーのチューブを新しいのに替えたばかりだから美味しいわよ」と、きれいな泡立ちの生ビールを出してくれます。

 追いかけるように、つみれ汁と、タイとヒラメのカルパッチョが出されます。ふんわりとやわらかく仕上げられたつみれ団子がいいですねぇ。

 “トークの日”のお決まりメニュー(みんなに必ず出される料理)はここまで。この先は、いつもと同じようにおでんや、大皿に並ぶお惣菜などを好みで注文することができます。

 今日のお惣菜メニューは、小イワシ刺、〆サバ、タコ刺、小イワシ天、ポテトサラダ、牛スジとジャガイモ、鯛のあら煮、塩さば、ひじきの煮物、とり変り揚げ、玉ネギとエビのかき揚げ、手長ダコの煮物という13種。おでんはいつもと同じく、アキレス、ロールキャベツ、昆布、がんも、がんす、厚揚げ、豆腐、じゃが芋、さつま揚げ、こんにゃく、玉子、きんちゃく、ウインナー、ごぼう天の14種で、関西風のダシと、関東風のダシの二つが選べます。

 この店のメニューには、飲み物も食べ物も値段表記はありませんが、びっくりするほど高くはありません。普通に飲み食いして3~4千円程度といったところでしょうか。

 生ビールのあとは、「千福」を燗でもらって、料理は、ひじきの煮物をいただきます。

 この店の日本酒は「千福」「華鳩」「白鴻」「雨後の月」「宝剣」という、呉で造られた5銘柄。「千福(特選)」は、強い個性はないんだけど、飲みやすくて、バランスのいい日本酒です。

 ひじきの煮物には、豆やレンコン、ニンジンなどもたくさん入っています。こういう昔ながらのお惣菜が美味しいんですよねぇ、この店は。

 焼き魚も食べたくなって、塩サバを注文。「お腹のあたりと、尻尾のほうとどちらがいい?」と女将さん。う~ん。どっちも好きなんだけどなぁ。よくのった脂のうまみが楽しめるのがお腹側、ぎゅっと締まった魚肉の感触が楽しめるのが尻尾側。どちらも捨てがたい。ちょっと迷って、結局、まん中あたりの部位をもらいます。

 塩サバを食べ終えたところで、お酒を「華鳩」の“にごり酒”(冷酒)に切り換えて、つまみは〆サバです。呉で〆サバを注文すると、しっかりとよく浸かったものを出してくれる店が多いのですが、ここ「魚菜や」の〆サバは比較的あっさりめに浸けた、サバそのものの味わいがよく感じられるタイプ。これを生姜醤油でいただきます。

 “トークの日”にやってくるのは呑ん兵衛だけではありません。近所の商店で働いているおにいさんは、お酒はいっさい飲めないんだけど、“トークの日”には欠かさず参加されます。丼にたっぷりとついでもらった熱々のごはんをグイグイと食べながら、お惣菜やおでんを実に美味しそうに平らげていく。あっという間に丼ごはんがなくなって、おかわりを注文し、おでんをのっけたりしながら、湯気がいっぱい立ち上る2杯目のごはんも、これまたあっという間になくなって、3杯目。毎回、3合近いご飯をペロリなのです。すっごく勢いよく、しかもとても美味しそうに食べるので、見ているこっちも気持ちがいい。

 ただ同じ3合でも、お酒のほうは料理をちびちびつまみながら、ゆっくりと飲みますが、ごはんのほうは早いですねぇ! ガッガッガッと30~40分くらいで食べ終わってしまいますもんね。

 あっという間の2時間は3千円でした。どうもごちそうさま。

110119a 110119b 110119c
タイとヒラメのカルパッチョ / フキ、タコ、イカ、百合根、空豆 / ぬた(ゲソ)

110119d 110119e 110119f
ほうれん草ゴマ和え / つみれ汁 / ひじきの煮物

110119g 110119h 110119i
塩さば / 〆さば / 「魚菜や」

店情報前回

《平成23(2011)年1月19日(水)の記録》

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広島の海の幸、山の幸 … 居酒屋「権八(ごんぱち)」(広島・銀山町)

小イワシ焼


 九州出張からの帰り道、広島駅で途中下車して向かったのは、薬研掘(やげんぼり)にある居酒屋「権八」です。

「広島に、いい居酒屋があるので、機会があったら行きましょう」

 仕事仲間のOさん(広島在住)に、以前からそう誘っていただいていたのが、今日、やっと実現。同じく仕事仲間&飲み仲間たちも集まって、総勢8人で、小上がりに並んだ2卓を囲みます。

 店内は入って左手に9席ほどのカウンター席があり、右手と奥側には小上がりがあって、4人掛けの座卓が4卓ならんでいて、総席数は25席ほど。店頭の看板には「権八 薬研堀店」と書かれていますが、実は他には姉妹店はなくて、ここがいわゆる本店なんだそうです。

 親子二代が、その奥様とともに切り盛りしている家族経営のお店で、お父さん(店主)は現役の猟師でもあり、冬場には自分で取ってきたイノシシの料理も出されるんだそうです。

 まずはOさんのオススメである生レバー(牛レバ刺)に、魚は天然ブリ刺、そして蒸しタン(700円)が出されます。蒸しタンは、皿に敷いたレタスの上に蒸しタンをずらりと並べて、塩コショウ。その上にスライスしたタマネギと刻みネギを、タンが見えなくなるほどたっぷりとトッピングした料理。これに添えられたレモンを搾りかけていただきます。

 「この店に来たら、ぜひこれも」と注文してくれたのは小イワシ焼(700円)。これは、焼き網の上に片側8尾ずつ、合わせて16尾の生の小イワシを並べて、炭火で焼きあげたもので、焼きたての熱々に、レモンをキュッと搾っていただくと、燗酒(2合700円)に合うわ合うわ。

 そしてイノシシ焼です。鉄板皿の上で焼いて、その皿のまま出されるイノシシ肉は、癖もなくて食べやすい。こうやって海の幸と山の幸が一緒に楽しめるのが、広島のいいところですねぇ。

 なお、この店のメニューは、印刷して各テーブルに置いてある定番のメニューと、カウンターのところに置かれた黒板に書き出されている日替わりの季節メニューの2種類で構成されています。定番メニューには値段が明記されていますが、黒板メニューには値段は表記されていません。この記事中、値段が書かれていない料理が、黒板メニューのものです。

 カワハギ刺は、まるでフグ刺のように、丸い大皿に、大輪の花のようにきれいに刺身が並べられ、まん中には肝や皮などが置かれています。ポン酢醤油に肝を溶かし入れて、刺身に肝をからめるようにしていただくのがいいですねぇ!

「これも意外とオススメなんですよ」

 と追加注文してくれたのはアボカドウニ。文字通り、アボカドとウニを一緒に食べる料理で、たっぷりとトッピングされている海苔が決め手の様子。黒板メニューながら、置いていることが多い一品なんだそうです。

「店主からのサービスです」

 と出してくれたのはズガニ(藻屑蟹:モクズガニ)です。ズガニは店内に置かれた小さな水槽に並んでいて、注文を受けてゆでてくれます。甲羅をめくるとカニミソがたっぷり。かの上海蟹(シャンハイガニ)の同属異種だけあって、いい味わいですねぇ。

 メニューには豚足や豚耳などもあるのですが、今日は豚尾もあるとのこと。首都圏の豚は、衛生上の理由から生後すぐに尻尾をカットしてしまうそうで、豚尾として売られているものの、太くて短いものですが、こちら広島の豚の尻尾は細い先っぽのほうまであって、くるりと曲がっている。まさに豚の尻尾というイメージどおりの形状ですね。さっそく1本注文すると、ひと口大にカットして焼き上げてくれました。

 最後の締めとしていただいたのは、焼むすび(1人前400円)と、これまたこの店のオススメの一品である〔おじん〕(1人前1,200円)です。〔おじん〕は牛尾のスープ(テール・スープ)のこと。この店だけの言い方ではなくて、広島方面ではテールスープのことを〔おじん(尾芯)〕と呼ぶそうなのです。

「焼むすびをひとり1個ずつと、おじんもお椀でみんなに出してください」

 そう言って注文してくれたので、焼むすびにしても、おじんにしても、本来、どのくらいの分量が1人前なのかはわかりませんが、表面がこんがりと焼かれた〔焼むすび〕も、トロトロに煮込まれた牛テールが入った、濃厚な〔おじん〕も、さすがは人気の一品という味わいです。

 ここ「権八」は、広島のうまいものが食べられる居酒屋なんですね。ご紹介いただき、ありがとうございました。

110118a 110118b 110118c
生レバー / 天然ブリ刺 / 蒸しタン

110118d 110118e 110118f
いのしし焼 / カワハギ刺 / アボカドウニ

110118g 110118h 110118i
ずがに / 豚の尻尾 / 焼むすび、おじん

店情報

《平成23(2011)年1月18日(火)の記録》

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店情報: 居酒屋「権八(ごんぱち)」(広島・銀山町)

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  • 店名: 権八
  • 電話: 082-244-0347(FAXも同番号)
  • 住所: 730-0027 広島県広島市中区薬研堀1-7 ミヤビル1階
  • 営業: 18:00-01:30、日祝休(年末年始、盆も休)
  • 場所: 広電・銀山町(かなやまちょう)の電停を降りて、胡町、八丁堀方面に進み、歩道橋のある交差点(「薬研掘通北」信号交差点)を左折して、薬研掘通りを5ブロック(250m、徒歩4分ほど)進み、左手の「竜王ラーメン」の角を左折した数軒先、左手ビルの1階。銀山町電停からの総距離は350m(徒歩約6分)ほど。
  • メモ: カウンター9席、小上がり16席の、計25席。2名から予約可。〔定番メニュー〕一番搾り生ビール500、瓶ビール(中)500、薬酒500~、焼酎400、ウイスキー500、冷酒(千福300ml)800、日本酒(2合)700、チューハイ(ライム・レモン・ウメ・カルピス・巨峰))500、ウーロン茶200、ジュース200、おじん1,200、和牛ロース1,300、カルビ700、白肉900、ホルモン焼700、ホルモン炒め800、蒸しタン700、豚足・豚耳900、小イワシ焼700、あさり酒蒸し600、焼あさり700、クジラベーコン1,200、クジラフライ1,200、アスパラバター700、じゃがバター600、キノコバター500、鳥唐揚700、なんこつ唐揚600、コボー唐揚600、ニンニク唐揚600、揚げ出しもち600、小イワシ天800、白天1,000、レンコンはさみ揚げ900、盛天ぷら1,200、野菜天ぷら800、その他800~、権八丼1,200、おじや600、焼むすび400、お茶漬け500、すっぽん料理1匹コース15,000。〔黒板メニュー(例)〕皮はぎ刺、ハマチ刺、アワビ刺・バター焼、サザエ刺・つぼ焼、天然ブリ刺、タコの子、酢かき、カキフライ、焼カキ、なまこ、タコ刺・天ぷら、トラハゼ天、メバル煮付、オコゼ唐揚、サーロインステーキ、生レバー、小フグ塩焼・唐揚、水イカ焼、手長タコ、なす田楽、焼なす、アボカドウニ、ずがに、焼ハマグリ、いのしし焼、タン塩、タラ白子、ウナギ肝。(2011年1月調べ)

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〔コラム〕 九州出張「麺」紀行

天ぷらうどん

 一泊二日の九州出張で、朝食も取らずに、午前7時過ぎに呉駅を出発。あえて朝食を取らなかったのには、もちろんわけがある。今日もやっぱり広島駅構内の「駅うどん」で、朝食としてうどんを食べてから新幹線に乗り込もうと思っているのです。

 広島駅での新幹線の待ち時間は約20分なんだけど、それだけの時間があれば大丈夫。「駅うどん」のうどんはあっという間に出てくるのです。

 いつものように入口の食券売場で〔天ぷらうどん〕(340円)の食券を買って、「駅うどん」の店内へ。店員さんに食券を渡し、カバンを置いて、コップに水を入れたら、もう熱々の〔天ぷらうどん〕が出てきます。

 呉のうどんは〔細うどん〕といって、〔稲庭うどん〕と同じくらいの細さのうどんが主流ですが、広島のうどんは、松山などと同じように、普通にやわらかいうどんです。

 天ぷらは、広島も呉も同じ感じの、ほとんどが衣で、具はちょっとだけの〔かき揚げ天ぷら〕。最初のうちはカリッとしたままで表面に浮かんでいるのですが、食べ進むにつれてユルユルとふやけてきて、まるで〔たぬきうどん〕のように、溶け出した天ぷらの衣が、汁(つゆ)の表面を覆うようになってくるのです。

 本格的に食事にするときは、この〔天ぷらうどん〕に、〔いなり〕(1個80円)や〔まき寿司〕(2個100円)も加えることが多いのですが、今日はやや少なめに〔天ぷらうどん〕だけにとどめておきます。

ごぼう天うどん

 新幹線に乗り込むと、1時間ほどで博多に到着。ここから高速バスに乗って出張先に向かうのですが、その高速バスの時間を待つ間に、博多駅バスセンターの地下にある「太郎うどん」で〔ごぼう天うどん〕(370円)をいただきます。このために、広島駅の「駅うどん」で〔天ぷらうどん〕だけにとどめておいたのでした。

 博多のうどんは、噛む必要もないほどやわらかいのが大きな特徴。このゆるゆるの麺と、しっかりとした牛蒡(こぼう)の食感との対比がいいのです。

 〔ごぼう天うどん〕は、牛蒡のかき揚げ天ぷらなのですが、牛蒡の切り方は店によって違っていて、千切りの店、小口切りの店、斜め切りの店と様々です。ここ「太郎うどん」の〔ごぼう天〕は斜めにスライスしたタイプ。麺はそれほどやわらかくはなくて、先ほどの「駅うどん」(広島)のものと同じくらいです。

 この〔ごぼう天うどん〕を早めの昼食代わりにして、今日の仕事場へと向かい、仕事を終えて、再び博多駅に戻ってきたのは、翌日の早めの夕方。最後にこれだけは食べておきたいのが博多ラーメンです。博多ラーメンには、どうしても〔おろしにんにく〕を入れて食べたいので、仕事をすべて終えた帰り道に食べようと計画していたのです。

博多ラーメン

 予定の新幹線まで、あまり時間がないので、ここは博多駅在来線ホームにある立ち食いのラーメン屋、「はかたラーメン」で食べることに決定。

 シンプルに〔ラーメン〕(500円)をいただいて、最初は何も入れずに食べはじめて、徐々にニンニクを入れ、コショウを入れ、ゴマを入れ、紅ショウガを入れ、最後に辛子高菜を入れと味を変えて楽しみます。本当は、最初はニンニク、コショウ、ゴマくらいにしておいて、それ以外は替玉(かえだま)をしてから入れるくらいがいいらしいのですが、今日は時間がないので、1杯の間でどんどん味を変えていったのでした。

 来るときの新幹線は「のぞみ」だったのですが、帰りはJR西日本の「レールスターひかり」。この「ひかり」は、普通席でも、片側2列のグリーン席用シートが使われているので、ゆったりとくつろぐことができるのでした。

《平成23(2011)年1月17日(月)~18日(火)の記録》

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イタリア風モツ煮込み … イタリアン酒場「バーカロ・ウノ(BACARO UNO)」(広島・胡町)

イタリア風モツ煮込み


「現在、広島で最強の店じゃないかと思っているのがここです! この店は、どうしてもご紹介したかったんです」

 広島在住のオオカワさんと、「善吉」店主の鴉田(からすだ)さんが、そう言いながら連れて行ってくれた、今日の5軒目の酒場は、ちょっとお洒落なイタリアンバー「バーカロ・ウノ(BACARO UNO)」。

 昨年の11月に開店したという、まだまだ新しいお店ながら、値段の安さと味の確かさですでに人気店になっているんだそうです。生ビールが300円、グラスワインも300円から、前菜(アンティパスト)やサラダは300~500円。パスタやグリルも700~1,100円といったところ。ワインはボトル売りもしていて、棚に並んだワインには値段が明記されています。

 そんな中から〔モンテベッロ・ブリュト(Montebello Brut)〕というスパークリングワインをボトル(1,800円)でもらって、4人で乾杯です。

 店内はL字のカウンター8席に、4人がけのテーブル席が2卓と小ぢんまりとした造り。2階席もあるようです。

 料理は、おまかせでお願いすると、まず出されたのは〔もみじ豚のパテ〕(300円)と〔イタリア風モツ煮込み〕(300円)。トマトソースのモツ煮込みには、粉チーズをたっぷりとかけていただきます。それにしても、これらがそれぞれ300円というのが素晴らしいですねぇ。

 そして〔つぶ貝の香草バター焼き〕(500円)。他が安いので、500円が高級に感じてしまいますが、つぶ貝がたっぷりと使われていて、これまた安い! 〔バケット〕(100円)も追加でいただきます。

 〔生ハム パルマ〕(500円)は、カウンター上に置かれた、塊の生ハムを薄くスライスして出してくれます。メニューの一番最初に載っているのが、この〔生ハム パルマ〕なので、お店の目玉商品でもあるんでしょうね。

 2本目は、赤ワイン(ボルドーのメルローカベルネ)をボトル(2,700円)でいただいて、料理は〔チーズの盛り合わせ〕(500円)です。4種類のチーズが盛られています。

 これだけ楽しんでも、お勘定は4人で6,500円(ひとりあたり1,625円)というのがすごいなぁ。

 チラチラと雪が降り始めた中を、タクシーで広島駅へ。駅前でオオカワさん、鴉田さんと別れて、遊星ギアのカズさんと私は呉線の電車に乗り込み、長く楽しい広島での1日を終えたのでした。

 どうもありがとうございました。>オオカワさん、鴉田さん、遊星ギアのカズさん

110115a6 110115b6 110115c6
スパークリングワインで乾杯 / もみじ豚のパテ / つぶ貝の香草バター焼き

110115d6 110115e6 110115f6
生ハム パルマ / チーズの盛り合わせ / ボルドーの赤ワイン

店情報

《平成23(2011)年1月15日(土)の記録》

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店情報: イタリアン酒場「バーカロ・ウノ(BACARO UNO)」(広島・胡町)

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  • 店名: BACARO UNO
  • 電話: 082-249-7889
  • 住所: 730-0028 広島県広島市中区流川町2-17
  • 営業: 17:30-02:00、日休
  • 場所: 広電・胡町(えびすちょう)電停を降りて、三越と朝日生命胡町ビル(セブンイレブンの入っているビル)の間の路地を南下。2ブロック(150mほど)先の交差点(右手前角が「わがままおばさんのシュークリーム」)を右折し、次の交差点を左折。少し進んだ先、左手路地の奥。胡町電停からの総距離は280m(徒歩5分)ほど。
  • メモ: 平成22(2010)年11月5日(金)開店。1階はカウンター8席とテーブル(4席)が2卓。2階もあり。〔アンティパスト〕生ハム(パルマ)500、オリーブとケッパーベリー300、イタリア風モツ煮込み300、もみじ豚のパテ300、つぶ貝の香草バター焼き500、牛スジの赤ワイン煮込み500、白身魚のカルパッチョ500、真タコのカルパッチョ500、鴨の生ハム500、イイダコのトマト煮400、バケット100。〔サラダ〕グリーンサラダ400、シーザーサラダ500、きのこのサラダ500、旬野菜のバーニャカウダ500。〔グリル〕和牛ロース1,000、牛タン900、もみじ豚肩ロース800、骨付き仔羊1,100、本日の鮮魚(時価)。〔パスタ〕ペンネアラビアータ700、フジッリ ボロネーゼ800、フェットチーネ ボロネーゼ800、本日の生パスタ1,000。〔チーズ〕チーズの盛り合わせ500、ドライフルーツ300、グリッシーニ100。〔ビール〕生ビール(キリン一番搾り)300、モレッティ400、ノンアルコール(キリンフリー)300。〔グラスワイン〕スパークリング300、白・赤300。〔ソフトドリンク〕ウーロン茶200、赤いオレンジジュース300、ジンジャーエール300、サンペレグリノ300、エスプレッソ200。〔食後酒〕グラッパ300。〔ワイン持ち込み〕1本800円。(2011年1月調べ)

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