広島の海の幸、山の幸 … 居酒屋「権八(ごんぱち)」(広島・銀山町)
九州出張からの帰り道、広島駅で途中下車して向かったのは、薬研掘(やげんぼり)にある居酒屋「権八」です。
「広島に、いい居酒屋があるので、機会があったら行きましょう」
仕事仲間のOさん(広島在住)に、以前からそう誘っていただいていたのが、今日、やっと実現。同じく仕事仲間&飲み仲間たちも集まって、総勢8人で、小上がりに並んだ2卓を囲みます。
店内は入って左手に9席ほどのカウンター席があり、右手と奥側には小上がりがあって、4人掛けの座卓が4卓ならんでいて、総席数は25席ほど。店頭の看板には「権八 薬研堀店」と書かれていますが、実は他には姉妹店はなくて、ここがいわゆる本店なんだそうです。
親子二代が、その奥様とともに切り盛りしている家族経営のお店で、お父さん(店主)は現役の猟師でもあり、冬場には自分で取ってきたイノシシの料理も出されるんだそうです。
まずはOさんのオススメである生レバー(牛レバ刺)に、魚は天然ブリ刺、そして蒸しタン(700円)が出されます。蒸しタンは、皿に敷いたレタスの上に蒸しタンをずらりと並べて、塩コショウ。その上にスライスしたタマネギと刻みネギを、タンが見えなくなるほどたっぷりとトッピングした料理。これに添えられたレモンを搾りかけていただきます。
「この店に来たら、ぜひこれも」と注文してくれたのは小イワシ焼(700円)。これは、焼き網の上に片側8尾ずつ、合わせて16尾の生の小イワシを並べて、炭火で焼きあげたもので、焼きたての熱々に、レモンをキュッと搾っていただくと、燗酒(2合700円)に合うわ合うわ。
そしてイノシシ焼です。鉄板皿の上で焼いて、その皿のまま出されるイノシシ肉は、癖もなくて食べやすい。こうやって海の幸と山の幸が一緒に楽しめるのが、広島のいいところですねぇ。
なお、この店のメニューは、印刷して各テーブルに置いてある定番のメニューと、カウンターのところに置かれた黒板に書き出されている日替わりの季節メニューの2種類で構成されています。定番メニューには値段が明記されていますが、黒板メニューには値段は表記されていません。この記事中、値段が書かれていない料理が、黒板メニューのものです。
カワハギ刺は、まるでフグ刺のように、丸い大皿に、大輪の花のようにきれいに刺身が並べられ、まん中には肝や皮などが置かれています。ポン酢醤油に肝を溶かし入れて、刺身に肝をからめるようにしていただくのがいいですねぇ!
「これも意外とオススメなんですよ」
と追加注文してくれたのはアボカドウニ。文字通り、アボカドとウニを一緒に食べる料理で、たっぷりとトッピングされている海苔が決め手の様子。黒板メニューながら、置いていることが多い一品なんだそうです。
「店主からのサービスです」
と出してくれたのはズガニ(藻屑蟹:モクズガニ)です。ズガニは店内に置かれた小さな水槽に並んでいて、注文を受けてゆでてくれます。甲羅をめくるとカニミソがたっぷり。かの上海蟹(シャンハイガニ)の同属異種だけあって、いい味わいですねぇ。
メニューには豚足や豚耳などもあるのですが、今日は豚尾もあるとのこと。首都圏の豚は、衛生上の理由から生後すぐに尻尾をカットしてしまうそうで、豚尾として売られているものの、太くて短いものですが、こちら広島の豚の尻尾は細い先っぽのほうまであって、くるりと曲がっている。まさに豚の尻尾というイメージどおりの形状ですね。さっそく1本注文すると、ひと口大にカットして焼き上げてくれました。
最後の締めとしていただいたのは、焼むすび(1人前400円)と、これまたこの店のオススメの一品である〔おじん〕(1人前1,200円)です。〔おじん〕は牛尾のスープ(テール・スープ)のこと。この店だけの言い方ではなくて、広島方面ではテールスープのことを〔おじん(尾芯)〕と呼ぶそうなのです。
「焼むすびをひとり1個ずつと、おじんもお椀でみんなに出してください」
そう言って注文してくれたので、焼むすびにしても、おじんにしても、本来、どのくらいの分量が1人前なのかはわかりませんが、表面がこんがりと焼かれた〔焼むすび〕も、トロトロに煮込まれた牛テールが入った、濃厚な〔おじん〕も、さすがは人気の一品という味わいです。
ここ「権八」は、広島のうまいものが食べられる居酒屋なんですね。ご紹介いただき、ありがとうございました。
・店情報
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コメント
広島に行ったら絶対に寄りたいです。みんなと一緒に行って、色々なものを楽しめるとよいのですね。
投稿: りゅうちゃん | 2011.05.06 01:48