正統派のセンベロ酒場 … おでん「あわもり」(呉・新広)
金曜日の仕事を終えて、広の「あわもり」に到着したのは午後7時過ぎ。ここ「あわもり」は3月末をもって閉店する予定なので、それまでの間は、少なくとも週に1回程度は行っておきたいなぁと思っているのです。
今日も店内はほぼ満席。かろうじて空いていた、常連さんの隙間の1席に腰を下ろし、まずは大瓶のビール(キリンラガー、500円)をもらって、おでん(1本90円)は〔あつあげ〕からスタートです。
出汁(だし)に醤油だけで味付けしているように見える「あわもり」のおでんですが、食べてみるとけっこうコクや甘みを感じるのは、それぞれの具材からのエキスが染み出しているからでしょうか。
特にお腹が空いているときの一品めには、このフワフワ、熱々の〔あつあげ〕がいいんですよねぇ。この一品で、すっかりお腹も落ちついて、ガンガン飲める態勢に入ります。
〔あつあげ〕で態勢が整ったところで、この店のツートップの人気商品、〔すじ〕と〔かわ〕です。〔かわ〕に使う豚の皮は、泡盛とともに鹿児島から仕入れているんだそうです。豚の皮だけのおでんって、他の店ではお目にかかったことがありません。コラーゲンたっぷりの、プリップリの食感が〔かわ〕の真髄です。これら2品は、冷めると旨みが減ってくるので、熱々の間に早めにいただくのがおすすめ。
つづいて〔たまご〕〔じゃがいも〕という、それぞれ丸い食材を2本取ってもらいます。この店では、最初におでんを注文したときに、その人用のおでん皿と割箸が出され、それ以降の追加注文では、おでん鍋から、その横に置かれたお運び専用の皿に取り分けてから、各自の前にある皿のところに持って来てくれます。汁(つゆ)は入れないのがこの店のスタイル。それでもおでん鍋の出汁(だし)がどんどん減っていくんですよねぇ。
次も丸い食材シリーズで〔いわしだんご〕。団子と言いつつも、その食感は練り物といっていいくらいしっかりとしています。この〔いわしだんご〕に合わせて、飲み物も〔御酒〕(200円)に切り換えると、目の前にコップが置かれ、ポットの燗酒が注がれます。
テレビには、間寛平(はざま・かんぺい)が2年1ヶ月に及んだ世界一周マラソンを終えてゴールする姿が映し出されていて、多くの客がその様子に見入っています。
おでんのほうは〔ひらてん〕と〔ねぎま〕を注文。〔ひらてん〕はすぐに出されますが、〔ねぎま〕は注文を受けてから鍋に入れられるので、同時に注文しておいても、ちょうど〔ひらてん〕を食べ終わったころあいで〔ねぎま〕ができあがるのです。
このあたりで、他のお客さんたちが続々とお勘定を始めます。この店は午後9時までの営業なので、8時前後というのが、お客さんたちが引け始めるタイミングなんですね。ほとんどの人は千円札1枚からお釣りをもらって席を立ちます。まさに正統派のセンベロ酒場です。
「それでは私もそろそろ」とお勘定をお願いすると、おでん8本と大瓶ビールと日本酒で、今日は1,440円でした。瓶ビールを飲むと、ちょっとぜいたくな感じになっちゃうんですよねぇ。
「ごちそうさま」と店を出てから、今日は〔きも〕(牛の肺)を食べていないことに気がつきました。この店に来て〔きも〕を食べなかったのは初めてかも!
《追記》 「あわもり」は2011年3月末日をもって閉店いたしましたが、新しい店主が4月19日に、同じ場所、同じ値段、ほぼ同じ品揃えで、「かわすじ」という店名にて再開いたしました。
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コメント
仙台で、千円でベロベロになる店は皆無だと思います。あるとすれば、仙台駅前西口の「さくら野百貨店」の裏にある「ちだや」か、「立ち食いそば」みたいな店の「葵」しか、考えられません。他にあったかな?
投稿: りゅうちゃん | 2011.05.07 12:05