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2011年6月

二人では食べきれない … 焼肉・ホルモン「ほらふき」(呉)

ほらふき鍋


 横浜で一緒に仕事をしていたKさんが、出張で呉にやってきたので、仕事が終わってから呉の街に繰り出します。

 「魚と肉とどっちがいい?」と聞くと、若いKさんは「肉のほうがいいです」とのこと。それでは、と向かったのは、前々から行ってみたかった四つ道路(よつどうろ)の「ほらふき」です。

 白地に黒で「ほらふき」と染め抜かれたのれんをくぐり、店内に入ると、水曜、午後7時の店内は、すでにお客がいっぱい。

 店は右手に4人掛けのテーブル席が2つ。左手は小上がりになっていて、6人掛けの座卓が2つ。全体で20人ほどの大きさを、若い女将さんがひとりで切り盛りしている様子。テーブル席はすでに埋まり、座卓も手前側にはお客が入っています。

「おふたり? こちらの一番端っこのところに入ってもらえますか。予約が入ってるので相席になりますけど。」

 と小上がりの座卓の、一番奥の場所を指し示してくれます。

 荷物を置いて席に座ると、すぐにお絞りを出してくれながら「鍋でいいですか?」と女将。「はい、ほらふき鍋を1人前、お願いします。あと瓶ビール(キリンラガー大瓶またはスーパードライ大瓶、600円)をください」。

 看板メニューのほらふき鍋は1人前が1,800円。この時点では、『まずは名物のほらふき鍋を1人前もらって、それを食べ終わったら、何品か他の料理も注文して、最後にほらふき鍋の汁(つゆ)で雑炊にしてもらえばいいかな』なんて思っていたのです。

 しか~し。結論を先に言っておきますと、このほらふき鍋1人前だけで我われ2人は満腹以上。もう何も入らない状態になり、雑炊にも進めなかったのでした。

「3人くらいで食べてもらうとちょうどいいみたいね」と女将さん。恐るべし、ほらふき鍋。

 さてさて、注文を終えた時点に話を戻しまして、ビールと一緒に小鉢のお通し(ひとり100円)が2品出されます。このお通しはいろんな種類があるようで、我われは2人だったので2種類出してくれたようです。

 テーブル席には中央にひとつ、小上がりの座卓には1卓に2つずつコンロが埋め込んであり、これで鍋物を作ったり、焼肉を焼いたりします。

 まわりを見ると、ほとんどのコンロにほらふき鍋がのっています。一番入口に近いテーブル席にいる男女ふたり連れのみが、野菜を焼いたりしながら飲んでいるようです。このふたりはいかにも常連さんらしく、ビールがなくなると女性がトコトコとやってきて、「ビール、もらうね」と女将さんに声をかけながら、我われが座っている場所のすぐ横にある冷蔵庫からビールを持っていったりしています。

 ほとんど待つこともなく、我われのほらふき鍋もやってきました。「予約のお客さん用に用意してたのを先にお出ししますね」と女将さん。これはありがとうございます。奥ではすでに次の鍋がスタンバイされつつあります。

 コンロに据えられたほらふき鍋は、白菜、モヤシ、エノキ茸などの野菜がてんこ盛りで、その上から、この店独自の辛味ダレがかけられています。野菜の山越しによく見ると、豆腐や平天、うどんなども入っているのが見えますが、肝心のホルモンはこの状態で確認することはできません。たぶんこの野菜の山の真下あたりにあるんだろうなぁ。それほど野菜が多いのです。

 しばらくするとクツクツと沸き始めました。

 ニラとキャベツがてんこ盛りの博多のもつ鍋は、火が通ると野菜の山が沈み込んできて、できあがりがわかりやすいのですが、このほらふき鍋はモヤシが多いこともあるのか、けっこう待ってもあまり沈み込まず、相変わらず高い山の状態です。

 「混ぜてみましょう」とKさんが山ならしをしますが、それでも汁の上に野菜が顔を出しているような状態。そろそろ食べられそうです。

 瓶ビールをおかわりして、食べても食べても減らない野菜と奮闘(でもおいしい!)していると、やっとホルモンが見えてきました。センマイや腸などの牛ホルモンが、比較的大きなかたまりで何切れか入っています。

 我われ2人は、結局、この鍋だけでギブアップ。おいしいのですが、これ以上、お腹に入りません。

 まわりはと見ると、ほとんどの客が3~4人連れ。3人で1鍋がちょうどいいくらいで、4人だと、それにちょっと具材を追加したりしているようです。

 そして我われ以外のお客さんは、ほらふき鍋の最後はご飯と生卵を出してもらって、雑炊にして〆ています。

 冬場はいつもいっぱいのようで、予約をしてから来るのがよさそうです。

 1時間半ほどの滞在。お勘定は二人で3,200円(ひとりあたり1,600円)でした。どうもごちそうさま。次は3人以上で来なきゃね。

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「ほらふき」 / お通し2品 / グツグツ煮ても、まだ山は高い

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山をならしてできあがり / やっとホルモンも見えてきた / 満腹で雑炊に至らず..orz

店情報

《平成23(2011)年2月23日(水)の記録》

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店情報: 焼肉・なべ「ほらふき」(呉)

  • 店名: ほらふき焼肉・なべ ほらふき
  • 電話: (予約)0823-23-6620
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通2-7-12
  • 営業: 17:00-22:00(21:00LO)、日と第1・3月休
  • 場所: 本通りの「四ツ道路」信号交差点から、亀山神社の方向に進むこと100mほど、左手のセブンイレブンの先の角を左折したすぐ先、左手。呉駅からの総距離は1キロ(徒歩19分)ほど。
  • メモ: 4人掛けテーブル2卓、6人掛け座卓2卓の、合計20席。看板メニューの「ほらふき鍋」(1人前2,900円)は、この店独自の味付けのホルモン鍋。野菜たっぷりで1人前たのむと、3人が満腹になるほどの量。鍋のあとは“おじや”にして、「ほらふき鍋おじや」が楽しめる。駐車場有り。
    〔料理〕付け出し100/人。
    《鍋》ほらふき鍋(1人前)2,900(豆腐、もち、えのき、白菜、ネギ、タマネギ、天ぷら、もやし、ホルモン、ハチノス、うどん)、石鍋(1人前)1,500(ネギ、タマネギ、もやし、ホルモン)。〈鍋の追加食材〉豆腐300、もち300、天ぷら300、ネギ300、白菜300、玉ねぎ300、えのき300、もやし300、うどん300。〈ご飯〉大350、中300、小250。
    《焼肉》タン1,150、プルコギ1,200、カルビ1,100、ミノ950、ホルモン700、ハチノス650、トントロ650、豚バラ650。
    《一品料理》セン刺し700、豚足500、豚耳500、ゆで豚650、豚キムチ650、砂肝550、せせり550、チャンジャ焼飯650、チャンジャ450、チジミ600、枝豆ペペロン500、辛いやっこ400、もやし炒め500、キムチ400。
    〔飲物〕
    《ビール》生ビール600、瓶ビール(大)650、ノンアルコールビール400。
    《焼酎》レモン酎ハイ500、ライム酎ハイ500。
    《梅酒》梅酒水割り500、梅酒ロック500。
    《ウイスキー・ブランデー》ロック600、水割り450、ハイボール450。
    《日本酒》二合750、冷酒750、呉氏(カップ)750。
    《ソフトドリンク》コーラ300、オレンジ300、ウーロン茶300。
    (2023年8月調べ)

    〔食べ物〕ほらふき鍋(1人前)1,900(豆腐、もち、えのき、白菜、ネギ、タマネギ、天ぷら、もやし、ホルモン、ハチノス、うどん)、石鍋(1人前)800(ネギ、タマネギ、もやし、ホルモン)。(鍋の追加:白菜200、えのき200、玉ねぎ200、ネギ200、もやし200、うどん200、そば200、豆腐300、天ぷら300、もち300)
    タン1,100、プルコギ1,100、カルビー1,000、ミノ800、ホルモン600、ハチノス500、トントロ600、豚バラ600、豚耳400、豚足450、ゆで豚550、豚キムチ550、砂肝450、せせり450。
    キムチ250、チャンジャ350、ナムル300、もやし炒め400、チャンジャ焼飯550、セン刺し600。ご飯(大)250・(中)200・(小)150。
    〔飲み物〕生ビール550、ビンビール(大)600、ウイスキー水割り500・ハイボール500・ロック600、チューハイ(レモン・ライム)350、焼酎水割り・湯割り・ロック350、日本酒2合700、冷酒700、ウーロン茶200、コーラ200、オレンジジュース200。
    (2018年6月調べ)

    〔鍋物〕ほらふき鍋(1人前)1,900(豆腐、もち、えのき、白菜、ネギ、タマネギ、天ぷら、もやし、ホルモン、ハチノス、うどん)、石鍋(1人前)800(ネギ、タマネギ、もやし、ホルモン)。
    〔焼肉〕タン1,100、ロース1,100、プルコギ900、カルビー800、ミノ800、キモ700、豚バラ600、トントロ600、ホルモン600、ハチノス500。
    〔一品料理〕豚耳400、豚足450、ゆで豚550、豚キムチ550、チジミ450、チャンジャ350、キムチ250、辛いやっこ300、ナムル300、もやし炒め400、大根おろし300、砂肝いため450、チャンジャ焼き飯550。
    〔刺身〕セン刺し600。
    〔おすすめ:最後のおじや〕ご飯 大250・中200・小150。
    〔飲み物〕生ビール550、ビンビール(大)600、ウイスキー水割り500・ハイボール500・ロック600、チューハイ(レモン・ライム)350、焼酎水割り・湯割り・ロック350、日本酒一合350・二合700、冷酒700、オレンジ200、コーラ200、ウーロン200。
    (2014年11月調べ、2016年9月確認)

    〔鍋物〕ほらふき鍋(1人前)1,800(えのき、白菜、ネギ、玉ねぎ、天ぷら、もやし、ホルモン、ハチノス、うどん ※鍋の具材は追加可能)、石鍋(1人前)700(ネギ、玉ねぎ、もやし、ホルモン)。
    〔焼肉〕プルコギ900、ロース1,100、カルビー800、キモ600、豚バラ600、トントロ600、ホルモン500、ミノ800、タン1,100、ハチノス400。
    〔一品料理〕豚耳400、豚足450、ゆで豚550、豚キムチ550、チジミ400、チャンジャ300、キムチ200、ナムル etc 200、辛いやっこ300、もやし炒め400、大根おろし300、砂肝いため450、チャンジャ焼き飯550。
    〔刺身〕セン刺し600。
    〔おすすめ:最後のおじや〕ご飯 大200・中150・小100。
    〔飲み物〕生ビール550、ビンビール(大)600、ウイスキー水割り500・ロック600、チュウハイ(レモン・ライム)350、焼酎水割り350・ロック350、日本酒一合350・二合700、冷酒700、オレンジ150、コーラ150、ウーロン150。
    (2012年2月調べ)

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日曜、夜の屋台めぐり … 屋台「あしあと」&「かさ」(呉)

お好み焼き、生ビール

 呉の屋台街(赤ちょうちん通り)で唯一の鉄板お好み焼きの屋台が「あしあと」です。

 瓶ビールは置いていないということで生ビール(500円)を注文し、お好み焼きは肉玉そば入り(650円)を焼いてもらいます。

 「あしあと」のお好み焼きは広島風。クレープ上にのばした小麦粉の生地の上に、たっぷりの千切りキャベツとモヤシをのせ、豚肉を1枚ずつ丁寧にのばしながら敷き、その上にまた生地をかけてひっくり返して、じっくりと蒸らします。

 十分に蒸らしたところで、となりでそばを焼いて丸くまとめ、その上に蒸らし終えたお好み焼きをのせます。さらに黄身を軽くつぶした玉子の上に全体をのせて、ひっくり返し、ソースや青のりを振りかけたらできあがり。

 大きな鉄板の上をすべらせて、自分の目の前においてくれます。これをヘラでひと口大に切り分けながらいただくのです。

 切った断面が生地、野菜、豚肉、そば、玉子と断層状になっているのが広島風お好み焼きの大きな特徴です。野菜が多いのがいいですね。

 お好み焼きができあがったところで生ビール(500円)もおかわりします。生ビールはジョッキではなく、大き目のグラスで出されるので、すぐになくなってしまうのです。

 「あしあと」は開業3年。平成18年の公募で屋台街に新規参入したんだそうです。

「この制度があったから、私も店を出すことができたんです。」

 と話してくれる若き店主は倉橋島出身。修業先の鉄板は19ミリだったのですが、屋台ということでコンロの火力などを勘案して、ここ「あしあと」の鉄板は16ミリとしました。19ミリだと4枚のお好み焼きを一度に焼くことができますが、16ミリだと同時に3枚しか焼けないとのこと。ステーキ屋などでは20~25ミリほどある鉄板が使われているそうです。

 つまみとしてチビリチビリとお好み焼きを食べながら、2杯目の生ビールも飲み干して、麦焼酎(500円)を水割りでいただきます。

 私のとなりの席に入ってきた年配の女性は、どこかの酒場の女将さんという雰囲気の常連さん。焼酎の水割り(500円)とナスチーズ焼き(450円)を注文すると、まずは鉄板上で斜めにスライスしたナスが焼かれ、アルミホイルにのせて、その上にチーズをおき、ポン酢醤油で味付けします。しばらくすると、温まったポン酢醤油から、とてもいい匂いが漂ってきます。これはうまそうだなぁ。

 焼酎水割りを飲み干して、1時間ほどの滞在は2,150円でした。

店情報

            ◇   ◇   ◇

砂肝ネギ炒め、芋焼酎湯割

 今日の2軒目は同じく屋台の「かさ」。ずらりと並ぶ呉の屋台の中では、ここが一番の老舗で創業40年ほど。二代目店主がひとりで切り盛りしています。

 芋焼酎(黒霧島)を湯割り(400円)でもらって、つまみには砂肝ネギ炒め(400円)をもらいます。

中華そば(小) ほとんどの老舗屋台がそうであるように、ここ「かさ」も看板メニューは中華そば、おでん、豚足の3点セット。店内にはスープの寸胴、大きなおでん鍋、そして豚足などを焼き上げるための鉄板が据えられていて、砂肝ネギ炒めもこの鉄板で作ってくれます。

 最後は中華そば小(450円)で〆て、1時間弱の滞在は1,250円でした。

店情報

《平成23(2011)年2月20日(日)の記録》

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店情報: 屋台「かさ」(呉)

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  • 店名: かさ
  • 電話: (未調査)
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央3丁目周辺の蔵本通り(赤ちょうちん通り)
  • 営業: 18:30-02:00、月木休
  • 場所: JR呉駅から徒歩または市バス「中央三丁目」下車
  • メモ: 中華そば500・(小)450、豚足600、豚耳600、砂肝ネギ炒め400、豚キムチ炒め400、鳥のネギ炒め400、ゲソの玉ネギ炒め400、もやし炒め400、ギョーザ6個300、ソーセージ炒め300、ししゃも300、もろきゅう300、トマトスライス300、キムチ250、中瓶ビール(キリン、アサヒ)550、日本酒(白牡丹)400、にごり酒(華鳩)400、芋焼酎(黒霧島)400、麦焼酎(いいちこ)400、ジーマ400、チューハイレモン400、コーラ250、ラムネ250、おでん(厚揚げ、玉子、ちくわ、牛すじ、こんにゃく、大根、平天、じゃがいも、もち巾着、棒天、かまぼこ、がんす、ソーセージ)各100。(2011年2月調べ)

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店情報: 屋台「あしあと」(呉)

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  • 店名: 鉄板お好み焼き あしあと
  • 電話: 090-1180-3418
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央3丁目周辺の蔵本通り(赤ちょうちん通り)
  • 営業: 18:30-03:00、月休
  • 場所: JR呉駅から徒歩または市バス「中央三丁目」下車
  • メモ: カウンター8席、テーブル4席の全12席。広島風お好み焼き650、焼きそば550、カレー風焼うどん750、牛すじ煮込み400、ニラベーコン500、卵焼き明太子500、生ビール500など。(2011年2月調べ)

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屋台開店の準備に密着 … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)

屋台を引く店主夫妻


 このところ週末になると屋台の「一二三」に通い詰めています。

 堺川沿いに並ぶ13軒ほどの屋台のほとんどは、火曜日あたりに定休日となることが多いのですが、「一二三」は基本的に金曜、土曜の二晩のみの営業。店主自ら「幻の屋台じゃけえの!」と笑うほど、めったに開かない屋台なので、その営業に合わせて屋台に来ているうちに、「一二三」通いが定番になってきたのでした。(それだけ「一二三」の居心地がよかったということですね!)

 昨日(金曜日)は仕事仲間のひとりが誕生日を迎えたということで、わが職場のメンバーが行きつけにしている小鍋立ての店、「五鉄」でお祝いをし、新規開店のスタンド「木づ菜」にちょっと顔を出した後、「一二三」へ。4人でビール(中瓶550円)2本に焼酎湯割(400円)を1杯(←私の分)、豚足(600円)を1人前もらって、お腹のすいている二人は中華そば(500円)を半麺でもらって、お勘定は4人で3,100円(ひとりあたり775円)でした。

 今日(土曜日)はゆっくりと起きだして、ブランチとして喫茶「バンビ」でカツカレー(680円)を食べてパワーアップ! 夕方からの飲みに備えます。

 早めの夕方、社宅を出て蔵本駐車場へ。この近くに屋台専用の駐車場があるらしいのです。あ。あった。ほとんど探すこともなく、あっという間に屋台の駐車場は見つかりました。ふ~ん。屋台って、こんなにコンパクトに片付いちゃうんですね。

 屋台がオープンしているときは、風よけのビニールシートがあったり、のれんが出ていたりと、けっこうカラフルで大きいイメージなのですが、こうやって片付いている姿を見ると黒っぽくて小さい。でも、ずらりと並んでいる姿は壮観ですねぇ。

 午後4時を回るころから、三々五々、屋台の主たちがやってきて1台ずつ、蔵本通り沿いの定位置に引っ張り出されていきます。呉の屋台はしまっておく場所も、店を出す場所も、すべて指定席。決められたところに置かないといけません。

 「一二三」の店主夫妻もやって来ました。ここまで乗ってきた車を、屋台を出す場所の近くに停めると、お父さんだけが屋台の駐車場へと向かい、コンパクトに片付いている屋台を引っ張ってきます。

 コンパクトというのはどういう状態かと言いますと、これは呉市の「蔵本通りの屋台に関する要綱」というので決められていて、幅は1.5メートル以内で、普通のリヤカーの幅程度。長さは4メートル以内と、これはけっこう長め。高さは2.2メートル前後と、これは営業時の高さと変わりません。つまり、幅方向と長さ方向にだけ畳み込まれたものを、リヤカーとして引っ張ってくるんですね。

 最後の難関、「モスバーガー」前の信号交差点を渡ってくるところからは、お母さんも手伝いにいき、お父さんが引っ張って、お母さんが後押しをしながら横断歩道を渡ってきます。

 定められた設置場所に置いたらタイヤ止めをして、まずは屋根を開いて、その屋根の支えとなる壁の部分が設置されます。リヤカーの上に置かれていた椅子が下におろされ、畳まれていたカウンター部分も使用状態にセット。

 開いた状態にもサイズの制限はあって、幅方向(店でいうと奥行き)は3メートル以内、長さ方向(店でいうと間口)は4メートル以内、高さは2.2メートル前後と、幅以外は収納した時の制限と同じなのです。

 さらにリヤカーの上にのっていた流し台やコンロもおろされ、流し台は備え付けの上下水道装置と接続。コンロは、屋台が開く時刻に合わせて届けられたガスボンベに接続。そして電気コードを屋台用電源に接続したら、屋台内の蛍光灯に明かりがともります。

 リヤカーの内部に収納されている鍋や鉄板、食器類も次々に運び出されて、屋台内の定位置へとセットされていきます。

 忙しそうだったら手伝おうなんて思っていたのですが、お二人の役割分担はきっちりと決まっていて、動きにもムダがない。ここに私が入り込めば、ジャマになることはあっても、まったく助けにはなりそうにありません。さすが創業35年の老舗です。

 ひとしきり屋台の組み立てが終わると、車のトランクから下ごしらえを終えた食材やよく冷えたビールが、クーラーボックスのまま屋台の中に運び込まれ、おでんの鍋や、ラーメンスープの寸胴にも火が入ります。

 準備を開始してから2時間後の午後6時半。いよいよ「一二三」の開店です。

 まわりの屋台も同様に、午後4時半~6時半ごろまでの2時間ほどが、ちょうど屋台組み立てと開店準備作業の時間。おひとりで開店準備をしている店も少なくありません。

 開店と同時に「一二三」の店内に入ってきた母娘二人連れは常連さんの様子。まずは豚足をそれぞれ1人前ずつ(都合2人前)注文です。私もおでん鍋の前に陣取って、瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)をもらって、つまみはおでん(1本100円)の、ちくわ、厚揚げ、大根をもらいます。

 母娘二人分の豚足ができあがったところで、私も豚足(600円)を注文。

 私は豚足は最大2人前ずつしか焼けないと、この頃までは思い込んでいたのです。ふたの中にきっちりと納まって入るのは2人前までなんだけど、それを超えても、まるで帽子のようにてっぺんにふたを載せて焼くことができるということが分かったのは、この日よりしばらく後のことでした。

 豚足が焼きあがったところで、飲み物も焼酎湯割(400円)に切り換えます。このころまでには「一二三」の店内も、そろそろ満席模様。早い時間から人気が高いんですね。

 開店と同時に入った母娘はラーメンを二つ注文。それぞれが豚足+ラーメンというのはすごいですね。けっこうなボリュームです。

 この店に限らず、暮れの屋台は飲む人も多いんだけど、ラーメンだけを食べに来る人も多いので、満席に見えても回転は速い。しばらく近所を見学して歩いていると、すぐに空きができます。

 焼酎湯割をおかわりして、ゆっくりと2時間半ほどの滞在は2,250円でした。どうもごちそうさま。

 土曜日ということもあって、もちろんこのまま飲み終わるはずはなく、近くの屋台「(くん)」で「スモークチーズとナッツ」(450円)をつまみに珈琲焼酎(400円)を2杯ほどいただいたあと、もう一度「一二三」に戻って半ラーメン(500円)で〆たのでした。

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「バンビ」のカツカレー / 屋台専用駐車場 / 組み立て開始

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徐々に屋台になってきた / 明かりもともり鍋もスタンバイ / 日も暮れていよいよ開店

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まずはおでんとビール / 豚足を焼くお母さん / 豚足はボリュームたっぷり

店情報前回

《平成23(2011)年2月19日(土)の記録》

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煮魚が食べたくなって … 食事処「田形(たがた)」(呉)

煮魚(カレイ)


 風邪(かぜ)っぽかった体調も、二日ほど節制したらだいぶ良くなり、昨日は仕事関係の宴席のあとで、バー「アンカー(ANCHOR)」に行ってジントニックとギムレットを飲んだら、もうすっかり快復したような感じ。最後はやっぱり酒が効くんですね!(?)

 今日は今日とて、無性に煮魚が食べたくなって呉の街中へ。煮魚がおいしいところって、どこだろう?

 東京だとこういうときは「三州屋」(銀座)に行ったり、「竹よし」(都立家政)に行ったりするわけですが、呉だと意外に思い浮かばないなぁ。刺身がおいしい店はいっぱいあるんだけど。

 「森田食堂」や「くわだ食堂」などの陳列棚にも煮魚は並んでるんだけど、今食べたいのは、その場でさっと煮付けてくれた、熱々で、ふんわりととろけるような煮魚なんですよねぇ。

 あまりここといった店を思い当たらないので、以前から気になっていた社宅のすぐ近くにある、おでん屋兼お食事の店、「田形」に行ってみることにしました。

 以前、王子にあるおでん屋、「平澤かまぼこ」で、爆発的にうまい牛スジ煮込みに驚いていたら、店長の平澤慶彦(ひらさわ・よしひこ)さんが、「おでん屋なので、煮るのはプロですから」と話してくれたことを思い出したのです。

 入口引き戸を開けて店内に入ると、そこはカウンター5~6席程度の小さな空間。「いらっしゃいませ」と迎えてくれたのは、いかにも人が好さそうな、まさに近所のおばちゃんという感じの女将。この女将がひとりで切り盛りしているようです。

 すっと出されるお茶と割り箸。看板にも『お食事処』と書かれているくらいなので、食事だけのお客さんも多いのかもしれませんね。店内にはビールやお酒の値段くらいは書かれていますが、料理などのメニューは特にありません。

 「瓶ビールをください」と注文すると、アサヒスーパードライの中瓶(500円)と、お通しの切干大根煮が出されます。切干大根というと、通常は細切りにした大根を乾燥させた、細長い形態のものを思い浮かべますが、ここの切干大根は輪切りにした大根を乾燥させた、自家製のものなんだそうです。

 女将さんはとても話好きな様子で、この切干大根の作り方などを楽しそうに話してくれます。こうなるとこっちは楽ですね。フムフムとうなずきながら、ときどきビールをゴクリと飲んでおけばいい。

 呑兵衛には、自らが話題の中心になって、会話をぐいぐいリードしていくような『おひさまタイプ』の人と、自らはあまりしゃべらず、店内の話題に静かについていくような『お月さまタイプ』あるいは『お星さまタイプ』の人、そしてどんな話題にもわれ関せずでテレビの画面に集中していたり、文庫本に集中しながら飲んでるような『ブラックホールタイプ』の人がいるように思います。

 中でも多いのは『お月さまタイプ』の呑兵衛ではないでしょうか。私もおそらくそのタイプ。なので、女将さんなり、『おひさまタイプ』のお客さんなりがいろいろと話を進めてくれたほうが居心地よく感じることが多いのです。

「煮魚が食べたいんですけど、ありますか?」

 話しやすそうな女将さんなので、こちらの希望をストレートに伝えてみます。

「いいカレイがあったから2匹買ってきてるんだけど、これを煮魚にしましょうか」

「いいですねぇ。ぜひお願いします」

 ということで談笑しながら待つことしばし。大きなカレイが煮あがってきました。カレイと一緒に煮付けているのは豆腐と長ネギ。

 ど~れどれとカレイの真ん中あたりの身に箸を伸ばすと、期待どおりのふんわり感で、口に入れると熱々の身がとろけます。

 ん~~~~っ。これよ、これ! こういう煮魚が食べたかったんだ!

 さっそくこの魚に合わせて燗酒を注文すると、「1合ですか? 2合ですか?」と女将さん。カレイの大きさを考えて2合にすると、銘柄は呉の「千福」でした。地の魚には、地の酒がよく合いますよね。煮汁をたっぷりと絡めながらいただきます。

 お酒2合で、カレイ煮魚をすっかりいただいて、〆にご飯の小をお願いすると、それと一緒に漬物(白菜)と、みそ汁が出されます。

 このご飯のために取っておいたのが、カレイと一緒に煮込まれた豆腐。この豆腐をひと口分ずつ箸で割っては、これにも煮汁をよく絡めてご飯の上へ。それをご飯と一緒にガッとかきこみます。あぁ。どうしてこんなにうまいんだろう。

「ごはんもそうだけど、漬物とみそ汁もうまいですねぇ」と言いながら食べていたら、「これも自家製だからお土産にどうぞ」と立派な梅干を小さなパックに詰めてくれました。

「外食するときは、またうちにも来てくださいね」と女将さん。今日のお勘定は2,700円でした。どうもごちそうさま。

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ビールとお通し / 熱燗2合 / 〆のごはん

店情報

《平成23(2011)年2月17日(木)の記録》

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店情報: 食事処「田形(たがた)」(呉)

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  • 店名: 食事処 田形
  • 電話: 0823-26-8289
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通2-3-24
  • 営業: (未調査)
  • 場所: 呉駅を正面に出て、右前方の呉阪急ホテルの正面を通過して、バス通り(駅前大通り)を右へ。400m(徒歩7分)ほど先の「中通1丁目」信号交差点を左折。2ブロック先の信号交差点を直進し、さらに2ブロック。右前方にラーメンの「来々軒」がある四つ角を左折した先、右手。(「第2三とり」のとなり。「木村眼科」の近く。) 呉駅からの総距離は650m(徒歩12分)ほど。
  • メモ: カウンター主体のこぢんまりとした店。中瓶ビール500、日本酒1合500、チューハイ400など。(2011年2月調べ)

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〔くれ便り〕 うどん定食で満腹に!

うどん定食


 呉のうどん屋や食堂に行くと、よく見かけるのが「うどん定食」というお品書き。

 どういう内容かというと、ほとんどの店では「うどん+ごはん+おかず」という組み合わせで出されるようです。

 「うどん+ごはん」って、どっちも炭水化物じゃん、と思うのですが、この組み合わせにおいて、うどんは、みそ汁などの代わりとなる汁物のような存在のようなのです。

 首都圏でも「富士そば」、「小諸そば」、そして横浜出張のついでに時々立ち寄る「濱そば」などに、「カレーセット」とか「カツ丼セット」など、そばやうどんに、ミニカレーやミニカツ丼がついたセットメニューはよく見かけますが、「うどん定食」というのはそれらとはちょっと趣(おもむき)が違うようです。「うどん定食」には、なにしろシンプルに白御飯が付いてますもんね。

 大阪のほうでは、お好み焼きをおかずにご飯を食べるといったような話もよく聞きますが、「うどん定食」もそれに近い存在なのかもしれません。

 さて、時は戻って、今年の2月14日、月曜日のお話です。

 昨夜(日曜日の夜)、都内の自宅から単身赴任先の呉の社宅に戻ってきたわけですが、東京で飲み過ぎたのがよくなかったのか、ちょっと風邪(かぜ)っぽい。おまけに今朝は朝から雪模様で、気温も1度ほどとものすごく寒い。

(こんな日は会社の帰りにどっかで食べて帰ろう。)

 ということで入ったのが、呉市街・四つ道路(よつどうろ)交差点のすぐ近くにあるうどん屋、「つるや」です。

 飲んだ後の〆としては、うどんを1杯、ツルツルっとすすって帰るくらいがちょうどいいのですが、今日は夕食としていただくので、がっつりと食べなければなりません。さて何を食べようかと、まずはメニューをチェック。

 かけうどん430、わかめうどん480、きつねうどん480、肉うどん630、天ぷらうどん630、うどん定食680、鍋焼きうどん830、つるや鍋1,360、親子丼550、牛丼650、天ぷらそば630、いなり寿司120、おにぎり(梅・こんぶ)100、おでん各100、というのが料理のすべて。

 今日のうどん定食のおかずは、肉じゃがコロッケとのことなので、うどん定食(680円)を食べてみることにしました。

 待つことしばし。四角いお盆にのって出てきたのは、呉ならではの細うどんに、今日のおかず、そしてご飯、小鉢の酢物、漬物(タクアン2切れ)とボリュームたっぷり。

 肉じゃがコロッケは、肉じゃが+コロッケかと思いきや、コロッケの中身が肉じゃがなんですね! 刻んだキャベツとミニトマトが添えられています。


寄せ鍋定食


 翌、火曜日になっても、まだ体調は本調子ではなく、今日もまた帰り道に外食して帰ることに決定。今日は本通3丁目近くのそば処「平原(ひらはら)」に入ります。

 ここ「平原」には、「丼もの+そば or うどん」のセットメニューが16種類もあるし、定食メニューも8種類ほどあって、盛りだくさん。しかも、そのすべてが500~880円の中に納まっているんだからすごいではありませんか。

 ちなみに最高級880円のメニューは「にぎわい定食」。これには天ぷら、刺身、とろろ、フルーツ、ご飯に、そば/うどん/割子1段のいずれかが付きます。

 しかし今日は、壁に張り出されている冬だけの限定品、「寄せ鍋定食」(600円)にしてみます。これは一人用の寄せ鍋に、うどん、ごはん、サラダ(キャベツ)、漬物(白菜)が付いた定食で、まさにボリュームたっぷり。寄せ鍋には豆腐、鶏肉、白菜、白ネギ、椎茸、シメジ、エノキ、かまぼこが入っています。

 この寄せ鍋で、熱燗をキュッとやりたいところですが、体調が戻るまでがまん、がまん。ひとり暮らしはつらいのぉ!

《平成23(2011)年2月14日(月)~15日(火)の記録》

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〔コラム〕 太田和彦さんの『仕事インタビュー 私の職務経歴書』

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 無料の大容量ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」のサイト内にある、『仕事インタビュー 私の職務経歴書』というコーナーに、われらが太田和彦さんが登場されています。

 この内容が非常に興味深くて、しかもものすごく勉強になる。

◆「最良の店」は100軒に1軒ほど

 太田さんの経験上、もう1回行きたいような「よい店」に巡り合う確率は2割5分程度。つまり4軒に1軒の割合。その「よい店」のさらに2割5分が常連になりたい「さらによい店」で、そのさらに2割5分が、その店の近くに引っ越したいと思うくらいの「最良の店」なんだそうです。

 太田さんにとっての「最良の店」は全国で4軒ほどとのこと。その店がどこかは、残念ながら明かされていません。

◆居酒屋は、生きるために必要不可欠なもの

「東北の復興も、私は居酒屋から始まると思っています。阪神大震災のときも、居酒屋はいち早く店を開きました。それは、居酒屋が人間にとって、大事な場所だからです」と太田さん。

◆太田さんが居酒屋に行くのは週に2晩くらい

 太田さんはきちんと休肝日もとって、飲みに行くのは週に2晩程度。飲みに行くと決めた日を3日くらい前からワクワクとしながら待ち、当日は午後5時までに仕事を切り上げて、深夜までハシゴ酒を楽しまれるんだそうです。

 飲みに行くときは基本的にひとり。取材で原稿を書かなければならないときは、同行者がいると感度がにぶってしまうので、なおさらひとりなんだそうです。

◆太田さんも二日酔いになる!

 年を取るにつれ、お酒に弱くなられて、二日酔いは若いころよりもむしろ多いんだそうです。飲み過ぎた日には、寝る前にウコン、それでもダメなら「熊の胆(くまのい)」が効くそうですよ。

 私は飲む前のヘパリーゼと、飲んだ後、寝る前にたっぷりのグレープフルーツジュースかな。水分+ビタミンC+果糖で完璧です!

 「私の職務履歴書」というタイトルのとおり、このインタビュー記事では「居酒屋めぐりの大家(たいか)」としての太田さんの側面ばかりではなく、仕事の面にももちろん大きくスポットライトが当てられています。

 そしてインタビュー最終部分に掲載されている履歴書の「スキル」の項目には、

  1.「よい居酒屋」を見分ける観察眼
  2.旅と居酒屋へのあふれんばかりの愛情
  3.一流の職場で鍛えたデザイン力

という3点が挙げられているのでした。居酒屋ファン、そして太田ファン必読のインタビュー記事だと思います。
(URL: http://c.filesend.to/plans/career/body.php?od=110531.html

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沿線の飲み仲間たちと … やきとん「弐ノ十(にのじゅう)」(都立家政)

沿線の飲み仲間たちと


 久しぶりの「竹よし」の夕食会を終えて、そろそろ店を出ようかなというところへ、ピピピッとメールは、西武新宿線沿線の飲み仲間、ふぢもとさんです。

『「弐ノ十」で女子大生二人と呑んでますので、よろしければお越しください。』

 なんと! それはすぐに行かねば!

 「竹よし」のすぐ次の角にあるやきとん屋が「弐ノ十」。「竹よし」からはホンの30メートル。ゆっくり歩いても30秒ほどの近さです。

 ここ「弐ノ十」は、野方の「秋元屋」で修業を積んだアキさん(女性)が独立して、昨年(2010年)7月に開業したやきとん屋です。

 やきとん「秋元屋」が創業したのは、今から7年前、平成16(2004)年1月のことでした。あれよあれよという間に、「超」が付くほどの人気店になり、店はどんどん大きくなり、それにともなって店を手伝う人も増えてきました。

 そうやって店を手伝う人の中から、自分の店を構えて独立する人が出てきたのは、今から3年ほど前のことでした。

 中板橋の「万備(ばんび)」(平成20年4月開店)、富士見台の「くろちゃん」(平成21年6月開店)、上板橋の「ひなた」(平成22年1月開店)と、最初は東武東上線や西武池袋線といった、西武新宿線とは違う沿線上に店ができていたのですが、昨年3月、「秋元屋」のある野方のとなり駅、沼袋にやきとん「たつや」がオープンし、そして7月にはここ都立家政に「弐ノ十」がオープン。西武新宿線沿線は、沼袋、野方、都立家政と、各駅停車の3駅連続で「秋元屋」系のやきとんが楽しめるようになりました。

 さらに新井薬師前や沼袋、鷺ノ宮には「四文屋」グループも展開しているし、沼袋にはもつ焼き「ホルモン」という老舗もあるし、野方には「すっぴん酒場」もあるしということで、もつマニア垂涎の路線になりつつあります。

 さて「弐ノ十」。店内には10席程度のカウンター席があり、店の表にはビール箱を積み重ねた簡単なテーブル席が二つ。そのテーブル席のひとつに、ふぢもとさんと女子大生二人が…… と思ったら実は「竹よし」シスターズの長女(ちくちゃん)と四女(直ちゃん)で、ひと安心。ホントに女子大生だったら、話が合わなくて困るよね。

 ここ「弐ノ十」には、すでに何度か来ているのに、いつもすっかり酔っ払ったあとで、ちらりと立ち寄ることが多いので、自慢のやきとんや料理をまだ本格的にいただくことができていなくて、なかなかこのブログでご紹介できずにいたのでした。

 と言いつつ、今日もすでに「竹よし」の夕食会で満腹なので、煮込みの豆腐(200円)とウーロンハイ(350円)のみ。

 ごめんねアキさん。今度こそじっくりと飲みに来るからね。

 しか~し。このメンバーで飲んで、そのまま素直に終わるはずはなく、博多ラーメン「ばりこて」でお茶割りをたくさん飲んだあとラーメンで〆て、そこからふぢもとさん行きつけのスナック「イルカ」でカラオケ大会。さらに帰り道が同じ方向の直ちゃんとバー「エンジェル」にも立ち寄って、直ちゃんはワイルドターキー(バーボン)のロックで、私はレミーマルタンを使ったスティンガーで〆て、長い一夜を終えたのでした。

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やきとん「弐ノ十」 / 博多ラーメン「ばりこて」 / スナック「イルカ」

店情報前回

《平成23(2011)年2月12日(土)の記録》

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店情報: やきとん「弐ノ十(にのじゅう)」(都立家政)

【「弐ノ十」は2018年5月13日をもって閉店いたしました】

    弐ノ十
  • 店名: やきとん 弐ノ十(にのじゅう)
  • 電話: 03-3330-3313
  • 住所: 165-0032 東京都中野区鷺宮3-6-2
  • 営業: 16:30-24:00(日は -22:00)、月休
  • 場所: 都立家政駅下り線の改札を出て右へ、都立家政商店街を100メートル(徒歩2分)ほど北上し、右向こうにセブンイレブンがある交差点を左折した少し先、右手。駅からの総距離は約140メートル(徒歩約2分)。
  • メモ: 野方「秋元屋」で修業を積んだアキさん(女性)が独立して、平成22(2010)年7月6日に開業。

    〔串〕かしら100、タン100、ハツ100、レバ100、ナンコツ100、チレ100、子袋100、テッポウ100、ガツ100、ハラミ100、アブラ100、シロ100、バラ120、ネギマ120、とり皮120、セセリ120、ボンジリ120、チキンボール120、トマト肉巻き150、厚あげ150、手羽先200。〔野菜串〕長ねぎ120、しいたけ120、ししとう120、アスパラ120、にんにく120、にんにくのめ120。〔その他〕じゃがバタ200、栃尾あげ200。

    〔煮込み〕もつ煮350、豆腐200、たまご100。〔揚げもの〕とりから250、ハムカツ250、メンチ250、ササミカツ250、チーズあげ250。〔刺しもの(夏場は休み)〕レバ350、子袋350、とりわさ200。〔その他〕ポテトサラダ300、キャベツ100、冷とまと200、みそきゅうり200、冷やっこ200、ブロッコリー200、ガツ酢300、ジャンボシューマイ300、セロリ漬150、山いもしょうゆ漬150、甘らっきょ100、納豆つつみ200。(他にホワイトボードメニューあり。)

    〔ビール〕生500、サッポロラガー中瓶500。〔サワー〕チューハイ380(レモン60、グレープフルーツ110、梅干60)、バイスサワー380、ウーロンハイ350、緑茶ハイ350、トマトハイ380、豆乳ハイ380。〔ホッピー〕セット380、ナカ250、ソト250。〔日本酒〕菊正宗300、鮭川480、どぶろく480。〔焼酎〕金宮梅割り300、芋480、麦480。〔その他〕角ハイボール350、梅酒480、マッコリ350。〔ソフトドリンク〕サイダー250、ウーロン茶250、緑茶250、トマトジュース250、豆乳250。(2011年2月調べ)

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夕食会は氷見の寒ぶり … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

しゃぶしゃぶ用ぶり切身


 久しぶりに「竹よし」の夕食会に参加です。

 通算101回目の夕食会となる今回のテーマは「氷見の寒ぶり」。昨日のうちに富山湾氷見港から、大きな発泡スチロールケースで直送されてきたのは、重さ8.5キロという立派な寒ぶり。

 夕食会は午後5時に開始ながら、店に到着した順に生ビールが出され、三々五々飲み始めるのがいつもの夕食会スタイル。前菜としてサラダや枝豆が、カウンターやテーブルの上に並んでいて、それらをつまみながら参加者がそろうのを待ちます。

 開始と同時に出席することができるメンバーが全員そろったところで乾杯をして夕食会開始。ぶり料理の1品目として、大鍋のぶり大根煮が出されます。

 仕事などの都合で、午後5時に来ることができない人は、自分の都合に合わせて6時に来たり、7時に来たりしても大丈夫。夕食会は人数制限つき(店のキャパシティいっぱいの12人くらいまで)で事前予約制なので、その時点で、何時ごろ到着できるかを申告しておけば、料理は取っておいてくれるのです。

 続いてはぶり刺身。背の部分と腹の部分を盛り合わせてくれています。

 夕食会のときは、毎回その時季の旬の魚介類がテーマ食材として選ばれて、その食材をフルコースで楽しむことができるのです。完全予約制なので、どかんと立派な食材の仕入れが可能なんですね。

 ちなみに会費は5千円で、店内にあるお酒も飲み放題となります。私も1杯目の生ビールの後は、日本酒に切り換えます。寒ぶりにはやっぱり日本酒ですね。

 夕食会は、第100回までは毎月開催だったのですが、100回まで続いたのをきっかけに、それ以降は季節ごと(3ヶ月に1回程度)の開催となりました。今回が季節ごと開催の第1回目です。

 続いて出されたぶり照り焼きは、ひとりに大きなひと切れずつ。気に入った料理があればおかわりすることも可能ですが、ほとんどの場合、普通に出されるコースだけで満腹以上になってしまいます。

 ちょっとおまけでぶり卵の煮付けも出されたあと、合いの手として冷奴や玉子焼きなどの、ぶり料理以外のつまみも出されます。

 このあたりで、今日の出席予定者全員がそろい、改めて全員で乾杯し、ひとりひとりが自己紹介を兼ねて近況報告です。店主からは、今日のテーマ食材に関する説明や思い入れも疲労されます。

 自己紹介も終わると、カウンター上には固形燃料のミニコンロ、テーブル上には卓上ガスコンロが出され、ぶりしゃぶの準備が整います。

 ぶりしゃぶは、刺身よりは少し薄めに引いたぶりの切り身を、熱い出汁(だし)の中でちょっと泳がせて、サッと色が変わったころあいで、ポン酢醤油でいただく一品。ぶりの身の表面の脂分が飛んで、口に入れた感じがあっさりとするのが特長。脂ぎった刺身は、あまり大量には食べられませんが、こうやってしゃぶしゃぶにするといくらでも食べられそう。

 ぶりしゃぶの鍋で野菜もたっぷりといただいた後、鍋はいったんカウンターの中に引き上げられて、代わって出されたのは焼き網です。そして大皿にたっぷりと盛られているのは、なんと寒ぶりの内臓類(もつ)です。この焼き網で、ぶりのもつ焼きを作って食べるんですね! これはすごい。

 最後は、ぶりしゃぶ鍋に残っている、ぶりと野菜の出汁(だし)がたっぷりと出たスープを使って、ぶり雑炊です。ぶりの切り身も追加投入して、超豪華版のぶり雑炊となりました。

 午後9時半まで、たっぷりと4時間半もの夕食会に大満足。次回以降もまた楽しみですね。どうもごちそうさま。(なお、これに続く第102回目は、去る2011年6月11日(土)に開催されました。テーマ食材は鱧(はも)でした。)

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「竹よし」 / 今日の日本酒 / ぶり大根煮

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ぶり刺身 / ぶり照焼 / ぶり卵煮付

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ぶりしゃぶ / ぶりもつ焼き / ぶり雑炊

店情報前回

《平成23(2011)年2月12日(土)の記録》

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久しぶりニューボトル … 居酒屋「ペルル(ぺるる)」(鷺ノ宮)

久しぶりニューボトル


 荻窪(おぎくぼ)から路線バスで鷺ノ宮(さぎのみや)まで戻り、今日の3軒目は鷺ノ宮図書館のすぐ近くにある居酒屋「ペルル」です。

 「ペルル」の創業は昭和35(1960)年。初代店主の古川実(ふるかわ・みのる)さん(昭和2年生まれ)は、残念ながら昨年5月に亡くなりましたが、店主存命中にも店を手伝っていたみなさんが跡を継いで、現在も以前と変わらぬ営業が続いています。

 店に着いたのは午後8時前。この時刻は「ペルル」にとってはかなり早めの時間で、先客はカウンターの奥のほうに、Yさんがひとり座っているのみ。

 私もカウンター中央部に座り、キープしているウイスキーに、氷セット(おかわり自由、水付きで500円)と炭酸(300円)を出してもらって、ハイボールを作ります。

 おっ。もう1杯くらい飲めばボトルが空きそう。

「すみません。ブラックニッカの新しいボトルを出してください。」

 と、すかさず注文。ここでニューボトル(4,500円)を入れるのは、本当に久しぶりです。このボトル、実は4人の連名でキープしていて、無くした人が次のボトルを入れるという約束です。

 ところが、どういうわけだかこのボトルは、知らぬ間に連名キープのねもねもさんにっきーさんがニューボトルを入れてくれていることが多くて、私がボトルを入れたのは、これで3~4回目程度。8年も通ってるのにね!

 さて、今日のメニューは、湯豆ふ鍋700、氷見いか600、チーズ三点盛り600、サラミ500、ハムスター500、サラブレット500、ネギベー500、山うにクラッカー500、オリーブ盛り500、ジャガチーズ500、一口ギョウザ500、チーズもち500、ボイルドキャ別400、から付きアーモンド400、さつまあげ400、いちじく400、ワカメ300、チョコレート300、スモークド・タクアン300、といった品々。

 そんな中から、いちじく(400円)を選ぶと、カウンターの中にいるムーちゃんから、「このいちじくは、クリームチーズと一緒に食べるとおいしいですよ」というおすすめがあり、さっそくそのクリームチーズも一緒に出してもらいます。

いちじく&クリームチーズ いちじくは、乾燥させたものながら、そんなに硬く乾燥させているわけではなくて、実も赤くてソフトな食感。ムーちゃんのおすすめどおり、クリームチーズが爆発的によく合います。

 店にはDさん、S先生と、常連さんが続々と入ってきて、徐々ににぎやかになってきます。そのS先生がスパークリングワイン(CAVA)を1本開けて、みんなにおすそ分けしてくれます。

 ついには満員となった店内で2時間ほど楽しんで、今日のお勘定は6,200円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成23(2011)年2月11日(金)の記録》

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タラ湯豆腐でコップ酒 … 大衆食堂「富士食堂(ふじしょくどう)」(荻窪)

タラ湯豆腐


 「川勢」を出て、本日の2軒目は、その「川勢」の筋向かいにある大衆食堂「富士食堂」です。以前から気になっていたお店ではありますが、入るのは初めてですねぇ。

 店は「きっと昔は2軒だったんだろうなぁ」という感じの左右の部分に分かれていて、その両方に入口があります。店内はひとつの大きなスペースになっているので、どちらの入口から入っても大丈夫です。

 2軒分が1つになった店内は、ざっくりと言えば横に長い長方形で、一番右手が壁際に作り付けのカウンター8席。中央部に4人掛けテーブルが4卓、左手壁際に2人掛けテーブルが3卓と、奥の突き当りの壁際に2人分程度の小さなカウンター席があって、全体では32席程度のキャパシティです。

 大衆食堂らしく、ひとり客がほとんどで、2人連れが何組かいる程度。私も空いているテーブル席のひとつに座り、店内にずらりと貼り出された短冊メニューを確認するものの、飲み物のメニューは見当たりません。まわりのテーブルを見渡してみると、瓶ビールやチューハイなどを飲んでる人も多いようなので、飲み物(酒類)は置いているようです。

「お酒のあったかいのはありますか?」と聞いてみると、

「冷酒か、ぬる燗になります」と店のおにいさん。どうやらこの私服にエプロン姿のヒゲのおにいさんが、この店の店主の様子。ホールは店主ひとりで担当しており、奥の厨房に白衣に白帽子の、調理担当のおじさんが3人。全体として4人で切り盛りしているようです。他の人たちとのやり取りを聞いていても、ホールのおにいさんはぶっきらぼうな対応ながら、要所要所はきちんと抑えている様子。

お通しとコップ酒「じゃ、ぬる燗で」と注文すると、すぐに奥の厨房のヤカンから、お酒がグラスに注がれ、お通しの切干大根煮と一緒に出てきます。お酒の銘柄は「金宝」。ぬる燗といいつつも、燗をつけてしばらく時間がたってしまったのか、室温に近い状態です。

 つまみに「お湯豆腐」(350円)を注文すると、「タラ湯豆腐(500円)もありますよ」と店主。『無愛想ながら要所を押さえているなぁ』と感心するのは、こういう点なんですよね。タラが1片入ると、湯豆腐がグンとうまくなりますもんね。「ぜひそっちをお願いします」と、店主おすすめのタラ湯豆腐を注文します。

 ややあって、出てきたタラ湯豆腐は、ひとり用の金属鍋に、タラと豆腐はもちろんのこと、白菜、ネギ、キノコ類、ホウレン草、蒲鉾(かまぼこ)と具沢山。これを小鉢の刻みネギと削り節がたっぷりとポン酢醤油につけていただきます。これが500円というのは安いぞっ!

 大衆食堂には大きく分けて2種類があって、注文してから作ってくれる定食がベースの食堂と、陳列棚に並ぶおかずから好きなものを取ってきて、それとは別にご飯とみそ汁などを注文する“一膳飯屋(いちぜんめしや)”タイプの食堂です。東京など東日本では定食屋タイプが多く、広島など西日本では一膳飯屋タイプが多いように思います。ここ「富士食堂」も定食屋タイプ。

 客の多くは食事だけの客か、もしくは定食+ビールくらいのひとり客。新たに入ってくるお客さんは、一様にテレビ下に貼り出された10品ほどの短冊をながめては、そこに書き出された定食を注文しています。肉団子とニラ玉530円、ゴボー肉野菜煮550円、切干大根肉野菜煮550円、サバ唐揚580円、レバー生姜焼580円、白身フライ580円、マグロぶつ切り650円、イナダの西京焼きハムエッグ付き650円、マグロとイナダの合わせ刺身700円、そしてサバ味噌煮ハムエッグ付き650円の10品。中でも一番最後のサバ味噌煮ハムエッグ付きが大人気の様子。定食には冷奴とご飯、味噌汁、お新香(たくあん)が付いています。

 ゆっくりと1時間半ほどを過ごし、お勘定は900円。日本酒とお通しで400円だったんですね。

店情報

《平成23(2011)年2月11日(金)の記録》

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店情報: 大衆食堂「富士食堂(ふじしょくどう)」(荻窪)

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  • 店名: 富士食堂
  • 電話: 03-3391-0093
  • 住所: 167-0043 東京都杉並区上荻1-6-10
  • 営業: 11:30-15:00 & 17:15-20:00、日休
  • 場所: 荻窪駅北口を出て、右へロータリーを回り込むように進み、小さな横断歩道を渡って右手にある路地の中。
  • メモ: 店内はカウンター10席(8席+2席)、テーブル22席(4席×4卓、2席×3卓)。
    〔焼魚〕サンマ380、サバ380、鮭350、アジ380。〔刺身〕マグロ500、タコ420、イカ350、〆さば380。〔サラダ〕生野菜280、ポテト150、マカロニ150。〔鍋物〕サケ鍋630、肉豆腐480、煮込豆腐350、お湯豆腐350。〔一品〕イカ納豆300、マグロ納豆350、マグロぬた350、イカ丸煮380、タラコ350、明太子350。〔天ぷら〕なす、ピーマン、かぼちゃ、ゴボー天、きのこ類、各230。
    〔ご飯など〕味噌汁50、納豆60、ライス小150、並170、大盛200。豚汁野菜入り、しじみ汁、あさり汁、各150。味噌汁玉子入り100。
    〔日替わり定食(例)〕肉団子とニラ玉530、ゴボー肉野菜煮550、切干大根肉野菜煮550、サバ唐揚580、レバー生姜焼580、白身フライ580、マグロぶつ切り650、イナダの西京焼きハムエッグ付き650、マグロとイナダの合わせ刺身700、サバ味噌ハムエッグ580、サワラ焼オシタシ650、ヒレカツ650、かき鍋ライス950。
    〔黒板メニュー〕刺身盛り合わせ(3点おまかせ)800・(5点おまかせ)1,000、マグロとイナダ500、新カキフライ700、さけ鍋ライス780、キムチ鍋ライス780、かき鍋ライス950、肉どうふ鍋(定食)700、牛鍋(定食)700、鶏チリ鍋(定食)720、お湯豆腐(タラ)720。〔単品〕レバー炒め450、ピーマンなす炒め450、イカ丸煮380、生野菜280、山かけ480、月見とろろ330、鶏唐揚430、チキンカツ400、ヒレカツ450、マグロ納豆350、イカ納豆300、すじこ330、明太子350、たらこ350、めかぶトロロ180、もずく180。(2011年2月調べ)

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「やき屋」にふられて … うなぎ「川勢(かわせい)」(荻窪)

「川勢」


 東京の自宅に帰ってくると、行きたい酒場が何軒かあります。イカ料理全品170円の立ち飲み屋、「やき屋」もそんな酒場の1軒。午後4時半頃にわが家を出発し、バスで10分ほどの荻窪駅へと向かいます。

 あれっ!? やってないのかな、「やき屋」。

 営業中には路地の入口のところに出されている、「やき屋」の赤い看板が、今日は出ていません。路地に入って「やき屋」の前まで行ってみると、『工事のため、2月1日から15日まで休ませていただきます』という貼り紙。う~む残念。

〔その後の顛末: 結局「やき屋」はこのまま『立ち退きによる閉店』となってしまいました。かわいがってくれた常連さんたちのためにも、できるだけ近い場所で営業を再開すべく、現在、物件を探しているところだそうです。1日も早い再開を心から願っています。(2011年6月10日記)〕

 それじゃ、イカに代わって、ウナギといってみますか。

 「やき屋」からひと筋、荻窪駅側の路地の中にあるのが、うなぎ串焼きの「川勢」です。いつも満席か、やっと席が空いていると思ったら、すでに多くの品物は売り切れのことが多い「川勢」ですが、祝日の、この時間帯なら大丈夫なんじゃないかな!?

 うなぎ串焼きは、東京では割りとポピュラーなんですが、横浜は屏風浦(びょうぶがうら)の「うなぎや」くらいしかしらないし、呉ではまだ見たことがありません。広島にはあるのかなぁ?>だれとはなく

 その「川勢」は、5時に開店した直後なのに、すでに3人ほどの先客あり。さすがです。

 私もカウンターの一角に座り、燗酒(両関、320円)をもらって『一揃(ひとそろい)』を注文すると、すぐにお通し(30円)のキャベツとシソの実の浅漬けが出されます。この浅漬けを、うなぎ串焼き用の新品の串2本を箸代わりにしていただきながら、焼き上がりを待つのです。

 うなぎ串焼きは、最初に『一揃』の6本を食べてから、単品を追加注文するというのがこの店のルールです。

 まず出てきたのは、ばら焼(190円)、ひれ焼(190円)、きも焼(190円)の3本です。

 ばら焼は、うなぎの腹骨まわりの身を集めて焼いたもので、脂がのっていて旨みがあります。牛や豚の肋骨まわりの肉のこともバラ肉と言いますもんね。それと同じような語源なんでしょうか。

 ひれ焼は、うなぎの背びれ、腹びれなどをニラと一緒に巻きつけたもの。「ひれって、食べられるの?」と思う人もいるでしょうが(私も最初はそう思った)、思わずおかわりしたくなるほど美味しい串なのです。

 きも焼は、うなぎの内臓一式を串にさして焼いたもの。うなぎ専門店ではないところで、「うなぎ串」として出されるのがこれですね。内臓一式と言いつつも、肝臓(れば)は別です。肝臓は肝臓だけ10匹分くらいを1串に刺して、れば焼として出されます。

 続いて出てきたのは串巻(190円)と八幡巻(260円)。

 串巻は、縦に細長く割いたうなぎの身を、くねらせるように串に刺して焼いたもの。店によってはクリカラ焼とも呼ばれます。タレ焼きで出してくれましたが、塩焼きもまたおいしいし、背中の身と、腹の身でも味わいが異なるので、色んな楽しみ方ができます。

 八幡巻は、串巻と同じように縦に細長く割いたうなぎの身を、ゴボウの周りに巻きつけて焼き上げます。うなぎとゴボウとがいい相性なんですよねぇ。

 本当はこれに、れば焼(190円)が加わった6本が『一揃』で1,210円(各串の合計金額と同じ)ですが、今日はれば焼がないということで、かわりに短冊(たんざく、260円)が出されます。短冊はひと口大に切り分けたうなぎの身を、1串に3個ほど刺して焼いたもの。ミニ蒲焼といった感じの仕上がりになります。

 短冊が出たところで燗酒(320円)をおかわりすると、ポットで保温している燗酒が、受け皿付きのコップに注がれます。

 『一揃』もすべて出きったので、追加として、えり焼(190円)を焼いてもらって、大好物のひれ焼(190円)もおかわりです。えり焼というのは、うなぎの頭の部分の身を集めて串に刺し、焼いたもの。もつ焼きのカシラ(豚の頭まわりの肉)がおいしいのと同じように、うなぎのカシラもまたうまいのです。

 店はすでに満席。今日は大将(鈴木康治さん)の他に、若い頃の内藤洋子さんに似たお嬢さんも手伝っています。

 ここ「川勢」では、その日仕入れたうなぎ(30~40匹ほど)は、その日のうちに売り切って、売り切れたら閉店です。したがって、公式営業時間は午後5時から10時までとなっているのですが、ほとんどの場合は9時頃には閉店してしまっています。

 売り切れていなくても、遅くなればなるほどなくなっている品は多くなりますので、なるべく早く出かけることをおすすめします。

 ちなみにうなぎ串焼き用のうなぎは、すべて国産のものだそうです。

 また、ランチ営業もしていて、夜は1,200円のうな丼が、昼は900円で食べられるそうですよ!

 1時間ほどの滞在。燗酒2杯と、うなぎ串焼き8本で、お勘定は2,330円でした。どうもごちそうさま。

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「川勢」 / お通しと燗酒 / ばら焼、ひれ焼、きも焼

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串巻(手前)と八幡巻 / 短冊焼 / えり焼(手前)とひれ焼

店情報前回

《平成23(2011)年2月11日(金)の記録》

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最後はトマト割で乾杯 … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)

最後はトマト割で乾杯


 「石松」を出て、にっきーさんと二人でやってきたのは、鷺ノ宮駅近くの居酒屋「満月」です。

 入口が二つあるのは、昔は「満月」のとなりにあったラーメン屋さんが閉店したときに、その店舗も吸収合併して1軒にしたから。左側の入口から入るとカウンターのみ5~6席ほど。右から入るとカウンター6~7席に、二人用のテーブルが1卓あります。

 左と右とは、店内で一緒になることはなく、トイレは左側の入口側のおくだけあるので、右側の空間に入っている人たちがトイレに行く場合は、一度店の外に出て左側の空間に入りなおす必要があります。

 カウンターの上段には手作りの大皿料理がずらりと並んでいて、その中から好きなものを選ぶと、必要に応じて電子レンジで温めなおしたりして出してくれます。刺身や冷奴などは大皿には並んでいなくて、注文を受けてから作ってくれます。

 にっきーさんと二人で焼酎のトマト割り(300円)をもらって乾杯し、大皿の料理からは、にっきーさんはゲソ炒めを、私はおからをもらいます。

 店を切り盛りしているのは女将さんと、その息子のアキラ君。以前はご夫妻で切り盛りされていたのですが、今やアキラ君が大活躍で、深夜などはアキラ君ひとりが切り盛りしていることも多いような状態です。

 多くの大衆酒場が代がわりができないままなくなっていく中、ここ「満月」のようにちゃんと息子さんが店を継いでいくというのがうれしいですね。

 今日は横浜への出張のついでに、都内の自宅に帰宅したような次第。ただし、毎度のことながらなかなか自宅にはたどり着かず、ついつい何軒もの酒場をハシゴしてから、家族が寝静まる頃に自宅に到着するのでした。

 最近は出張するときの移動パターンが比較的定まってきていて、まず朝7時半頃に呉駅を出発するJR呉線で広島へ。広島駅に着いてから、新幹線に乗り換える20分ほどの間に、在来線1番ホームの「駅うどん」で朝食として天ぷらうどん(340円)をいただきます。

 ここのうどんは、食券を買って店に入ってから30秒そこそこで出てくるのがいいんですよね。とにかく早い。熱々の汁(つゆ)の中には、かまなくていいほどやわらかいうどん。そこにほとんどが衣で、ちょっとだけ小エビが入っているかき揚げ天ぷらと刻みネギがのっています。この天ぷらがフヤフヤとふやけてくると、汁の中に油分がまざって、これまたいい感じになってくるんですよねぇ。

 新幹線に乗ると、4時間弱で新横浜に到着。ちょうど12時半頃なので、昼食に新横浜駅在来線ホームの「濱そば」で、かき揚げ天玉そば(420円)を食べて、仕事へと向かうのでした。

 「満月」には2時間弱の滞在。お勘定は二人で1,300円でした。どうもごちそうさま。

110210j 110210k 110210l
おから、いかげそ / 天ぷらうどん@駅うどん / かき揚げ天玉そば@濱そば

店情報前回

《平成23(2011)年2月10日(木)の記録》

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東京で食べたいものは … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

つくね(塩・タレ)


 東京に帰ってくると食べたいのが“もつ焼き”、飲みたいのが“ホッピー”です。

 そんなわけで、中野駅南口の「北国」を出て、今度は北口側に広がる中野5丁目の酒場街へ。目指すは「石松」です。

 カウンターのみ、普通に座って7席、がんばって詰めても9席くらいの店内は、満席で入れないことも多いんだけど、今日はどうかな!?

 よしっ。空いてる!

 午後9時半の店内は、ちょうど入れ替わり時間帯なのか半分ほどの入り。奥のほうには常連にして、中野の酒場通でもあるSさんたちの姿も見えます。

 「こんばんは」と店内に入り、カウンターのまん中、やや前側に座り、ボトルキープしている金宮焼酎を黒ホッピーでいただきます。

 最近、ノンアルコールビールも各社から発売されていますが、ホッピーは実はノンアルコールではありません。アルコール度数1%未満という少量ながら、ちゃんとアルコールが入っているのです。少量といえどもアルコールが入っているのと、いないのと。こんなにも味が違うのかと思うくらい、ホッピーはうまいっ!

 白ホッピーとも呼ばれる、もともとのホッピーがプレーンな味わいなのに対して、後からできた黒ホッピーはその味わいにコクがあるのが特徴。チーズやカレーなどにもよく合うアルコールドリンクとなります。

 今日のお通しはセンマイ刺。ここ「石松」では、豚もつを中心に、少量ながら牛もつも仕入れているのです。

 西日本エリアでは、食肉は牛や鶏の流通が多いようですが、東京も含む関東圏では圧倒的に豚。テレビ番組などでもよく紹介されているとおり、カレーや肉ジャガに入る肉も、関東圏では豚肉が標準的です。

 そして、その豚肉が出れば出るほど、畜産副生物としての豚もつもどんどん出てくる仕組みです。

 食肉市場に豚が運ばれてくると、まず頭や手足の先、そして内臓が落とされ、それ以外の部分が精肉処理ルートへと回っていきます。この最初に落とされる、精肉ルートにのらない部分が豚もつなのです。

 だから、学校給食の需要が減る夏休みの時期などは、豚肉の流通量が減るため、それに合わせて豚もつの流通も減ってしまうんだそうです。

 せっかくSさんもいらっしゃるので、にっきーさんにもメールしてみると、これからこちらに向かってくれるとのこと。

 もつ焼きのほうは、先客の注文に便乗してネギマ(120円)やガツ醤油(100円)をいただきます。

 にっきーさんも到着。今飲んでいる金宮のボトルは、にっきーさんとも連名なのですが、このボトルのほかに、にっきーさんはブラックニッカ・クリアブレンド(ウイスキー)もキープされていて、それをソーダ割りでいただきます。

 そして、店主に無理をお願いして作ってもらったのがレバ刺です。

 昔は人気メニューだった「石松」のレバ刺ですが、現在のメニューにはレバ刺はありません。店主も自らは絶対に出しません。昔から通い慣れたお客さんから「危険は承知のうえで、どうしても(昔のように)レバーを生で食べたい。自己責任で食べるから出してくれ」と強要された場合にのみ、(レバーの鮮度や状態、季節などを勘案しながら)仕方なく出してくれることもあります。

 このレバ刺も、そうやって頼みこんで出してもらった一品。そうしてでも食べたいくらい信頼のできる店じゃないと、生肉や生の内臓は食べられないし、食べたくないですよね。

 さらには、これまた名物のツクネ(150円)をタレと塩で、それぞれ1本ずつ焼いてもらって、日付けが変わる頃まで2時間半ほどの滞在は、ふたりで1,800円でした。どうもごちそうさま。

110210g 110210h 110210i
黒ホッピーとお通し(センマイ) / ねぎま / がつ醤油

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《平成23(2011)年2月10日(木)の記録》

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お元気そうでひと安心 … 酒房「北国(きたぐに)」(中野)

玉子、すじ、昆布、つみれ


 JR中央線・中野駅の南口側の小さな路地の中にある酒房「北国」にやってきました。前回、この店に来たのは平成21(2009)年2月13日(金)のことなので、実に2年ぶりです。

 店に近づくと、店内から女将さんの元気そうな笑い声が聞こえてきました。あぁ、よかった。お元気なんだ。

 縄のれんをくぐり、ガラリと引き戸を開けて「こんばんは」と店内へ。

「あら、いらっしゃい。久しぶり」

 と笑顔を見せてくれる女将。奥の厨房では、姪御さんのユミさんも手伝っているようです。カウンターに並ぶ常連さんたちの姿もちっとも変わっていない。これが老舗の安心感ですねぇ。

 唯一変わっているのは、入口横のテーブル席を若いお客さんたちが囲んでいること。あとでわかったことですが、このお客さんたちは、常連さんの息子さんとその友人。何も変わらないようでいて、お客さんたちは世代交代したりしてるようです。

「なんにする? ビール?」

 と聞いてくれるのも以前のまま。

「いや、お酒をください。あったかいの」

「はいよ」と返事して、八戸(はちのへ)の地酒「八鶴(はちつる)」を燗づけて出してくれます。奥の厨房から、ユミさんが出してくれたお通しは身欠きニシンのマリネです。

 ここ「北国」の創業は昭和32(1957)年。今年で創業54年となります。呉のスタンド「シロクマ」と同じなんですね。それにしても片や「北国」で、こなた「シロクマ」ですか。どちらも寒そうな……(笑)。

 冬場だけの名物、おでんももらいましょう。まずは玉子とスジ、そしてツミレをもらうと、「はい、これはサービスね」と昆布も1つ、入れてくれます。

 ここの玉子は、殻付きのまま煮込まれているのが大きな特徴。ただし、生卵の状態からおでん鍋に入れて煮込むわけではありません。あらかじめゆで卵を作っておいて、それをおでん鍋に入れるときに、コツンと鍋のふちにゆで卵をぶつけて、殻にヒビを入れてからおでん鍋に投入します。このヒビの部分からおでんの汁(つゆ)が染み込むのですが、殻があるので煮くずれません。

 玉子をたのむと、殻を入れるための小皿も一緒に出してくれるので、アチチ、アチチと殻をむいていただきます。

 関東のスジは、西日本方面で人気のある牛スジ肉やアキレスではなくて、魚のスジ。紀文サイトによると、『白身魚のすり身に軟骨を加えて棒状に形づくり、ゆでたもの』だそうで、これを厚さ1.5センチほどにスライスしたものを、おでん鍋で煮込みます。

 関東には、この魚のスジとか、魚のすり身に山芋を加えてふんわりと形作ったハンペンとか、小麦粉を大きな竹輪状にしたチクワブといった、白いネタが多いんですよね。

 そうだ、せっかくなのでチクワブももらっときましょう。あとガンモドキもお願いします。チクワブも、呉のおでん屋には置いてないですもんねぇ。

 今日のおでん以外のメニューは、いかまぐろ(500円)、まぐろてり(400円)、えぼ鯛(430円)、氷頭なます(400円)、いか納豆(380円)、ほや塩辛(450円)、うどサラダ(400円)、みりん干(300円)、たたみ(400円)、まつも(400円)、白才漬(300円)といったところ。女将もユミさんも青森出身とあって、東北系のつまみが多いんですよね。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在。お勘定は1,400円でした。どうもごちそうさま。

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「北国」 / ニシンと八鶴(燗) / がんもどき、昆布、ちくわぶ

店情報前回

《平成23(2011)年2月10日(木)の記録》

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