屋台開店の準備に密着 … 屋台「一二三(いちにさん)」(呉)
このところ週末になると屋台の「一二三」に通い詰めています。
堺川沿いに並ぶ13軒ほどの屋台のほとんどは、火曜日あたりに定休日となることが多いのですが、「一二三」は基本的に金曜、土曜の二晩のみの営業。店主自ら「幻の屋台じゃけえの!」と笑うほど、めったに開かない屋台なので、その営業に合わせて屋台に来ているうちに、「一二三」通いが定番になってきたのでした。(それだけ「一二三」の居心地がよかったということですね!)
昨日(金曜日)は仕事仲間のひとりが誕生日を迎えたということで、わが職場のメンバーが行きつけにしている小鍋立ての店、「五鉄」でお祝いをし、新規開店のスタンド「木づ菜」にちょっと顔を出した後、「一二三」へ。4人でビール(中瓶550円)2本に焼酎湯割(400円)を1杯(←私の分)、豚足(600円)を1人前もらって、お腹のすいている二人は中華そば(500円)を半麺でもらって、お勘定は4人で3,100円(ひとりあたり775円)でした。
今日(土曜日)はゆっくりと起きだして、ブランチとして喫茶「バンビ」でカツカレー(680円)を食べてパワーアップ! 夕方からの飲みに備えます。
早めの夕方、社宅を出て蔵本駐車場へ。この近くに屋台専用の駐車場があるらしいのです。あ。あった。ほとんど探すこともなく、あっという間に屋台の駐車場は見つかりました。ふ~ん。屋台って、こんなにコンパクトに片付いちゃうんですね。
屋台がオープンしているときは、風よけのビニールシートがあったり、のれんが出ていたりと、けっこうカラフルで大きいイメージなのですが、こうやって片付いている姿を見ると黒っぽくて小さい。でも、ずらりと並んでいる姿は壮観ですねぇ。
午後4時を回るころから、三々五々、屋台の主たちがやってきて1台ずつ、蔵本通り沿いの定位置に引っ張り出されていきます。呉の屋台はしまっておく場所も、店を出す場所も、すべて指定席。決められたところに置かないといけません。
「一二三」の店主夫妻もやって来ました。ここまで乗ってきた車を、屋台を出す場所の近くに停めると、お父さんだけが屋台の駐車場へと向かい、コンパクトに片付いている屋台を引っ張ってきます。
コンパクトというのはどういう状態かと言いますと、これは呉市の「蔵本通りの屋台に関する要綱」というので決められていて、幅は1.5メートル以内で、普通のリヤカーの幅程度。長さは4メートル以内と、これはけっこう長め。高さは2.2メートル前後と、これは営業時の高さと変わりません。つまり、幅方向と長さ方向にだけ畳み込まれたものを、リヤカーとして引っ張ってくるんですね。
最後の難関、「モスバーガー」前の信号交差点を渡ってくるところからは、お母さんも手伝いにいき、お父さんが引っ張って、お母さんが後押しをしながら横断歩道を渡ってきます。
定められた設置場所に置いたらタイヤ止めをして、まずは屋根を開いて、その屋根の支えとなる壁の部分が設置されます。リヤカーの上に置かれていた椅子が下におろされ、畳まれていたカウンター部分も使用状態にセット。
開いた状態にもサイズの制限はあって、幅方向(店でいうと奥行き)は3メートル以内、長さ方向(店でいうと間口)は4メートル以内、高さは2.2メートル前後と、幅以外は収納した時の制限と同じなのです。
さらにリヤカーの上にのっていた流し台やコンロもおろされ、流し台は備え付けの上下水道装置と接続。コンロは、屋台が開く時刻に合わせて届けられたガスボンベに接続。そして電気コードを屋台用電源に接続したら、屋台内の蛍光灯に明かりがともります。
リヤカーの内部に収納されている鍋や鉄板、食器類も次々に運び出されて、屋台内の定位置へとセットされていきます。
忙しそうだったら手伝おうなんて思っていたのですが、お二人の役割分担はきっちりと決まっていて、動きにもムダがない。ここに私が入り込めば、ジャマになることはあっても、まったく助けにはなりそうにありません。さすが創業35年の老舗です。
ひとしきり屋台の組み立てが終わると、車のトランクから下ごしらえを終えた食材やよく冷えたビールが、クーラーボックスのまま屋台の中に運び込まれ、おでんの鍋や、ラーメンスープの寸胴にも火が入ります。
準備を開始してから2時間後の午後6時半。いよいよ「一二三」の開店です。
まわりの屋台も同様に、午後4時半~6時半ごろまでの2時間ほどが、ちょうど屋台組み立てと開店準備作業の時間。おひとりで開店準備をしている店も少なくありません。
開店と同時に「一二三」の店内に入ってきた母娘二人連れは常連さんの様子。まずは豚足をそれぞれ1人前ずつ(都合2人前)注文です。私もおでん鍋の前に陣取って、瓶ビール(キリンラガー中瓶、550円)をもらって、つまみはおでん(1本100円)の、ちくわ、厚揚げ、大根をもらいます。
母娘二人分の豚足ができあがったところで、私も豚足(600円)を注文。
私は豚足は最大2人前ずつしか焼けないと、この頃までは思い込んでいたのです。ふたの中にきっちりと納まって入るのは2人前までなんだけど、それを超えても、まるで帽子のようにてっぺんにふたを載せて焼くことができるということが分かったのは、この日よりしばらく後のことでした。
豚足が焼きあがったところで、飲み物も焼酎湯割(400円)に切り換えます。このころまでには「一二三」の店内も、そろそろ満席模様。早い時間から人気が高いんですね。
開店と同時に入った母娘はラーメンを二つ注文。それぞれが豚足+ラーメンというのはすごいですね。けっこうなボリュームです。
この店に限らず、暮れの屋台は飲む人も多いんだけど、ラーメンだけを食べに来る人も多いので、満席に見えても回転は速い。しばらく近所を見学して歩いていると、すぐに空きができます。
焼酎湯割をおかわりして、ゆっくりと2時間半ほどの滞在は2,250円でした。どうもごちそうさま。
土曜日ということもあって、もちろんこのまま飲み終わるはずはなく、近くの屋台「燻(くん)」で「スモークチーズとナッツ」(450円)をつまみに珈琲焼酎(400円)を2杯ほどいただいたあと、もう一度「一二三」に戻って半ラーメン(500円)で〆たのでした。
「バンビ」のカツカレー / 屋台専用駐車場 / 組み立て開始
徐々に屋台になってきた / 明かりもともり鍋もスタンバイ / 日も暮れていよいよ開店
まずはおでんとビール / 豚足を焼くお母さん / 豚足はボリュームたっぷり
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