東京名店めぐり4軒目 … 「鍵屋(かぎや)」(鶯谷)
宇ち中さん、丁稚さんと向かう本日の4軒目は、台東区根岸にある老舗酒場、「鍵屋」です。
「鍵屋」は、幕末の安政3(1856)年に酒問屋として創業し、昭和初期からその一角でお酒が飲めるようになりました。戦後、昭和24(1949)年に本格的な居酒屋に転身。現在の店は大正時代の建物を元にしたもので、楓(かえで)の丸太をスパッと半分に割った重厚なカウンターと、店の奥の百日紅(さるすべり)の柱に、店の風格を感じます。
しかしながら、今日は3人連れなので小上がりの座卓へ。
「春は『桜正宗』、秋なら『菊正宗』と、季節の花で飲むのもいいよね」
と春らしく「桜正宗」(正一合、530円)をもらうと、今日のお通し(サービス)はトコロテンです。正規のメニューにもあるトコロテン(正規メニューでは420円)が、お通しで出されるというのも珍しいですね。もちろん正規メニューよりも、量は圧倒的に少ないんでしょうが。
3人いると、いろいろと注文することができます。
土曜日だけの限定メニュー・玉子焼き(540円)は、大きくカットした玉子焼き2切れの横に、こんもりと大根おろしが添えられています。どうして「土曜日限定」なんでしょうね。いつも作ると大変なので、週に1回だけ、それを土曜日に決めた、ということなのでしょうか。でも「土曜日限定」と書かれていると、土曜日に来ると『注文しなきゃ!』って感じになっちゃいますよね。
続いては「秋冬限定」の湯どうふ(730円)。鱈(たら)が一切れ入っているのがいいではありませんか。
そしてお新香(470円)は、カブ、白菜、キュウリ、紅ショウガの盛り合せで、小鉢のふちに練り辛子が添えられています。
この店の料理はすべて、昔からずっと伝わっているものばかりで、作り方も昔のままを引き継いでいるんだそうです。終戦後の呑兵衛も、高度成長期の呑兵衛も、バブル期の呑兵衛も、そして現在の呑兵衛も、みんな同じものをつつきながら、同じように燗酒を飲んでたんだなぁ。
1時間40分ほどの滞在。お勘定は3人で4,400円(ひとり1,470円)ほどでした。
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