アサリたっぷりの貝汁 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)
「今日は貝汁もありますよ」と女将に言われて、さっそく注文。
「たっぷりの汁が、酒飲みにはいいのよ」と大きな椀で出してくれた貝汁の、アサリの数が多いこと! 身体にも良さそうだけど、味わいが濃厚で、いいつまみにもなるなぁ。貝汁に合わせて「華鳩」の燗酒をもらいます。
昔は、呉の近くにもアサリを取る人がいて、その貝を使った貝汁が、この店の名物料理だったのです。だから、呉の呑兵衛の中には「魚菜や」というと、「あぁ、あの貝汁の店じゃろ?」という人も多いほど。
ところが近年は北朝鮮などのアサリが増えたこともあって、近くのアサリは入りにくくなった。それで、めったにメニューに登場しなくなったのだそうです。
先週の金曜日(3月25日)は、東京本社に転勤するTさんの送別会で、某居酒屋。ここは呉の“とり屋”の1軒(しかも老舗)なのですが、その価格設定の高いこと! 大瓶ビールは700円で、ウーロンハイはなんと550円! “とり屋”名物の鶏皮みそ煮も、ここでは500円で、焼き鳥の多くや串かつ、ささみ天ぷらなども1本200円で2本から注文。それほどたくさん飲み食いした感じはなかったのに、5人でのお勘定は34,000円(一人あたり6,800円)。昔は“とり屋”と言えば、安く飲める酒場の代名詞だったのに、今はそうでもない店もあるんですね。びっくりしつつ「シロクマ」から、屋台の「一二三」で〆。
週末(土・日)は故郷・松山で過ごし、月曜日は休肝日。
火曜日(3月29日)は、閉店まであと3営業日となった広の「あわもり」で大瓶ビール1本(500円)に、おでん(各90円)を5本もらって、お勘定は950円。ちょうど帰ろうとしたところへ、「シロクマ」のマスターたちがやってきて、「あわもり」の店内で合流して飲み直し。その後、みんなで呉に戻って「どん底」。同行の秋山さんのボトル(IWハーパー)を出してくれて、バーボンソーダをいただきました。
水曜日(3月30日)も「あわもり」に出かけたものの、超が付くほどの満席状態で入れない。近くにある“とり屋”、「第五鳥八」で中瓶ビール(500円)に、鶏皮みそ煮(150円)を注文すると、お通しはアサリぬた。さらに小イワシ刺(600円)と燗酒(剣菱、300円)を追加して、お勘定は2,200円。「あわもり」に再チャレンジするも、さっきよりもさらにお客が増えていて(座れずに後ろで待っている人が多くて)、断念。
今日(3月31日)は、最後の「あわもり」訪問はあきらめ、ひとりゆっくりと「魚菜や」で、「あわもり」の閉店を惜しむことに決めて、「魚菜や」へ。まず生ビールをもらうと、今日のお通しは筍(たけのこ)の木の芽和え。竹の子は大好きなので、これはうれしいなぁ。
カツオのたたきをもらって、飲み物は「千福」の燗酒。ここの「千福」は特選(昔の特級酒)で、ものすごく飲みやすいのです。
「これもどうぞ」と出してくれたのはフキノトウ味噌。粒々とした口当たりは、胡桃(くるみ)の実が入ってるんだそうです。これもいい。
ちびちびとフキノトウ味噌をなめながら、前割(まえわり)焼酎を燗でもらいます。ここの前割焼酎は、「黒霧島」を水で割って甕(かめ)に寝かしているもので、これをロックで出してもらうか、燗をつけて出してもらうかします。あらかじめ水で割っているので、ロックと言っても、結果的には水割りと同じ濃さです。その場で「黒霧島」を水割りにしたり、湯割りにしたりするよりも、全体的にまろやかな味わいになるようです。
その前割焼酎の燗をおかわりし、つまみは若竹煮。若竹煮の竹の子は熊本産。ワカメも天然物だそうで、フキとガンモも添えられています。
その若竹煮も食べ終えて、次は何をもらおうかなぁ、と思案していたところで、冒頭でご紹介したように、「今日は貝汁もありますよ」と声をかけてくれたのでした。
たっぷりの貝汁を食べ終えて、今日のお勘定は4,400円でした。どうもごちそうさま。
昨年の4月1日に呉に転勤(単身赴任)になってから、今日でちょうど1年が過ぎました。そして新入社員時代からよく通っていた老舗酒場「あわもり」も今日閉店。最後の1年間、足しげく通うことができて本当に良かったと思います。
しかし、考えてみるとあっという間の1年でした。さぁ、明日からの2年目もガンガン飲むぞ!
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