土用の丑にうなぎの肝 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)
木曜日の仕事を終えて、「魚菜や」です。L字カウンター8席と、壁際の2人掛けテーブル席の合計10席分程度の狭い店内には、先客はひとり。「シロクマ」の川西清司マスターです。
私もそのとなりに腰を下ろし、まずは生ビールをもらうと、今日のお通しは冬瓜(とうがん)のコールドスープ。お洒落なカクテルグラスで供されます。タマネギなども入っていて、ふんわりと自然な甘みがあるのがいいですね。
これまでにも何度か書いたとおり、ここ「魚菜や」のお品書きには値段は書かれていません。呉の小料理屋のメニューは、値段が書かれていないところのほうが多いのです。
今日のお品書きは、小イワシ刺身、地ダコ刺身、カルパッチョ、ソーメンうりの酢もの、ズッキーニのステーキ、牛すじと新ジャガの煮込み、ゴーヤのサラダ、鯛のあら煮、長ししとう、うなぎ、メンパチの唐揚げ、チャンバラ貝、いわし天、たこ天といったところ。
これとは別に関西風と関東風のふたつの味が選べるおでんがあり、今日のネタは、アキレス、ロールキャベツ、しらたき、がんもどき、大根、厚揚げ、玉子、はんぺん、じゃが芋、こんぶ、ウインナーです。
「チャンバラ貝がおいしかったよ」
という女将・小栗良江さんのおすすめに従って、そのチャンバラ貝をもらうと、貝の味がものすごく濃厚で、旨味が強い。ツルツルッと平たい身が引き出しやすいし、先っぽの刀(かたな)の部分をつまむと食べやすいのもいいですね。
「シロクマ」の川西マスターは、牛すじと新ジャガの煮込みをもらって、呉は仁方の地酒、「雨後の月」の冷酒です。私も西条の「賀茂金秀(かもきんしゅう)」を冷酒でもらって、両方を注ぎっこしながら、二つの日本酒をきき比べます。
次なるつまみは、メンパチの唐揚げ。ほとんどのおかずは、大皿に用意されているものをつぎ分けて出してくれるので、あっという間に出てくるのです。
メンパチは小さな小さな、小イワシよりもさらに小さな魚ながら、これまたしっかりと濃い味わいなので、軟水で作られる広島の日本酒にとてもよく合うのです。
川西マスターは、このあたりで軽めに飲み終えて、これから「シロクマ」に出勤です。
「うなぎの肝があるけど食べる?」
と女将。そうか、今日は土用の丑の日なので、お品書きにもうなぎが載ってたんですね。ぜひその肝をいただいて、猛暑を乗り切りますか。
グッと濃厚なうなぎの肝に合わせて、日本酒もどっしりとした味わいの呉・安浦の地酒、「白鴻(はくこう)」の冷酒に切り換えます。
ゆっくりと2時間ちょっとの滞在。お勘定は2,900円でした。どうもごちそうさま。
冬瓜のコールドスープ / チャンバラ貝 / 引っ張り出した身 / メンパチの唐揚げ
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