鯉こくだけで肴は十分 … 「まるます家(まるますや)」(赤羽)
新宿駅西口・思い出横丁にある、うなぎ串焼きの名店「カブト」を出て、新宿駅から埼京線で移動すること15分。北の酒都・赤羽に到着です。
向かう先は、鯉とうなぎの「まるます家」。午後4時半の店内は予想どおり満席で、1階左手側(駅に近い側)の入口を入ったところにある待ち合わせ場所で待つことしばし。すぐに私よりも前にいた二人組が席に案内され、それから5分もたたずに私もダブル「コ」の字カウンターの左側の付け根部分に案内されました。
この店はお客も多いけど、回転も速く、しかも定位置でじっと待っていれば、お店のおねえさんたちが順番に案内してくれるので気も楽なのです。
今日は注文するものが決まっています。前回、妹たち夫婦と一緒に来たときに、すっごく美味しかった鯉こく(350円)です。
チューハイ(350円)とともに鯉こくを注文すると、
「鯉こくは、お味噌汁ですけど、いいですか?」
と確認してくれる店のおねえさん。
「はい。かまいません。」
前回は、いろんな料理をいただいてから、最後にみそ汁代わりに鯉こくを1杯いただいたところ、しっかりと大きい鯉の身が入っていて、しかも美味い。
(次に来たら、絶対にこれをつまみに一杯やらなきゃなぁ。これだけで十分かも。)
と思ったものでした。今日やっと、それを実現することができました。
待つことしばし。普通のみそ汁椀に1杯の鯉こくが出されます。見た目もまた普通のみそ汁そのものなのですが、具がザクッと大きく切った鯉だけに、その旨味がよく汁の中に出ています。
チューハイを飲み終えたところで、「富久娘」の燗酒をお願いすると、
「はいっ、カワイコちゃん、ホットでお願い」
と注文が通されます。
汁をちょっとすすっては、燗酒をちびり。身をちょっとつついては、燗酒をちびり。予想どおり、この一品だけで十分につまみになりますねぇ。もつ煮込みならぬ、鯉煮込みってとこでしょうか。
考えてみれば、鯉こくは「鬼平犯科帳」にもたびたび登場するほど、江戸時代から呑兵衛に愛されてきた一品ですもんね。
ちょうど1階の様子を見に来られた若女将ともお話をすることができ、さらに女将や社長にまでごあいさつをさせていただいて大感激。
午後5時を回ったころから、待ち行列もどんどん長くなってきます。私もそろそろ次のお客さんに席を譲らなきゃ。1時間ほどの滞在。お勘定は……、知らぬ間に社長がご馳走してくださってました。どうもありがとうございます。
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