初めて来てから11年 … 酒亭「武蔵屋(むさしや)」(桜木町)
戦後間もない昭和21(1946)年に、横浜・野毛(のげ)の地に創業して、今年で65年。野毛の誇る、日本を代表すると言ってもいい酒場、「武蔵屋」です。
料理は年中変わらず、まず玉ねぎの酢漬け、おから、たら豆腐の3品が出され、2杯目のお酒とともに納豆が、そして3杯目のお酒でお新香が出されて終了です。この料理5品とお酒3杯のセットが2,200円。
3杯を越えるお酒は出してくれませんが、途中で飲み終えるのは可能。お酒1杯と料理3品だけで帰ると1,100円、お酒2杯と料理4品までで終えると1,700円です。
お酒以外には瓶ビール(キリン)が置いてあって、3杯のお酒を飲み終えるまでの間なら、(おそらく何本でも)飲むことができます。ビールは小瓶が500円で、大瓶なら700円。ビールを注文すると、そのつまみとして小皿に盛られた豆を出してくれます。
料理も追加することができて、コハダの酢の物や、ニシンの煮付け、煮貝、キヌカツギなどがそれぞれ1品400円です。
私がこの店に最初にやってきたのは平成12(2000)年10月6日(金)のこと。当時は都内に勤務していて、横浜への出張の帰りに、初めて「武蔵屋」に立ち寄ったのでした。
『ものの本によると「看板も暖簾もないので、見つけられないかもしれない」とのこと。大体の周辺マップと、店の住所である「野毛町3-133」というのとを頭に入れて、桜木町から歩き始めました。
5分ほど歩き、住所表記からいえばこのあたりかなぁ、というところに、周囲の状況からは完全に浮きあがった木造の一軒家が…。たしかに看板も暖簾もないのだけれど、中からは居酒屋独特のざわめきが聞こえてくる。うむ。ここに違いない。』
その日の記事には、そう記録されています。最初は、お酒3杯と料理5品のペース配分がうまくできなかったなぁ。
その1ヵ月後くらいに2回目、さらにその1週間後くらいに3回目くらいの来店を果たしますが、その3回目のときの記事のタイトルが「どっぷりと居酒屋浴」。
現在も、いろんなところで“酒場浴”とか、“居酒屋浴”という言葉を使っていますが、その言葉を使ったのは、このときが初めてだと思います。
『くつろげるバーの条件として、いつもと同じバーテンダーがいて、いつもと同じ雰囲気で、いつもと同じお酒が飲めるというのがあるそうなのですが、居酒屋についても言えるかもしれません。いつもとちっとも変わらない、というのは非常に落ち着くように思います。
まるで温泉につかっているかのようなくつろいだ気分で、ゆっくりとゆったりとした時間が流れます。「居酒屋浴」とでも言えばぴったりなのかなぁ。しらずしらずのうちに1時間半程度の時間が過ぎていたのでした。』
それから11年。小さいおばちゃん(店主姉妹の妹さん)がお休みしているのがちょっと残念ですが、それ以外は少しも変わらず、今日もまたどっぷりと“酒場浴”が楽しめました。
1時間半ほどの滞在。小瓶のビール+お酒3杯のセットで、お勘定は2,700円でした。どうもごちそうさま。
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