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2011年12月

カレーうどんで締める … そば処「平原(ひらはら)」(呉)

カレーうどん


 おでんの「迷亭」を出て、そば処「平原」へ。今夜は無性にカレーうどんが食べたい気分だったので、「迷亭」の締(し)めの定番“あぶそば”を食べずに、ここ「平原」にやって来たのでした。

 現在の時刻は午後8時。この店は9時までの営業なので、残りあと1時間です。

 私は麺類が好きで、中でもうどんは子供の頃から大好きなので、ときどき無性にうどんで締めたくなることがあるのです。

 24時間営業の「ウエスト」や「なか卯」が近くにあってくれたらいいなあ、とよく思うのですが、残念ながら私が住んでいる呉中通り付近には、これらの店はないのでした。

 24時間営業ではないけど、「うどんの天」が午前2時まで開いてるので、一度、食べに行ってみなきゃなあと思いながら、まだ行けていません。

ドリンクセット さてさて「平原」。ここはテーブル席だけのお店なので、右手一番手前の二人用テーブルに座り、注文をとりに来てくれたアルバイトのおねえさんに、まずは生ビールと枝豆のドリンクセット(480円)を注文します。

 ドリンクセットは、生ビール(アサヒスーパードライ中ジョッキ、400円)か日本酒(千福上撰1合、380円)のいずれかに、枝豆(150円)かフライドポテト(180円)のいずれかを付けた、それぞれ単品で注文すると530~580円となるセットを、480円のサービス価格で出してくれるもの。そば前として、ちょいと一杯呑むのにちょうどいいセットです。

 この店には、このドリンクセット以外にも、天ざるそば(680円)または天ざるうどん(680円)と、生ビールまたは日本酒のセット(980円)や、鍋焼きうどん(600円)と生ビールまたは千福のセット(900円)などもあって、ちょっと呑みつつ、そばやうどんをたぐるといったこともできるようになっています。

 単品のつまみも寄せ鍋(480円)や刺身(480円)、天ぷら盛り合わせ(450円)、湯豆腐(200円)、チキンナゲット(230円)、板わさ(180円)、枝豆(150円)、フライドポテト(180円)、冷奴(150円)と、種類こそそれほど多くないものの、ひと通りはそろっているのでした。

 午後8時半になると、アルバイトのお姉さんは帰って、店の人(この時間は男性ふたり)だけで切り盛りする状態になります。

 私以外にもう一人いたお客さんも帰り始めたので、私もそろそろラストオーダーをしなくてはと、厨房の店主にカレーうどん(400円)を注文。するとその直後に、ひとり、またひとりと、それぞれ男性ひとり客が続けて入ってきて、カツ丼のセットなどを注文しています。なんだ。まだ急がなくてよかったんですね。

 ちょうど生ビールを飲み終えたところへ、カレーうどんが出てきます。具は鶏肉とネギ。

 この店は、そばもうどんも、自家製麺を使っているのですが、うどんの麺はどちらかというと柔らかめ。その柔らかいうどんが、とろみのあるカレー出汁とよく合います。

 汁まですっかり完飲して、1時間ほどの滞在。お勘定は880円でした。あぁ、おいしかった。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成23(2011)年11月17日(木)の記録》

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牡蠣おでんの季節到来 … おでん「迷亭(めいてい)」(呉)

かき


 木曜日の仕事を終えて、おでんの「迷亭」にやってきました。午後6時半の店内は、L字カウンター縦の辺、手前側に女性ふたり組、奥に男性客が二人(常連のひとり客×2)。L字の短辺と、長辺の奥2席が空いている状況です。店主から「奥へどうぞ」と声をかけてもらい、一番奥の席に座って、まずは生ビールを注文します。

 今週に入ってこの時期らしい寒い日が続いていて、今日も外はすごく寒かったのですが、店内は中央におでん鍋が据えられていることもあってとてもあったか。霜が付くほど冷やされたジョッキで出される生ビールが心地よく、一気に3ゴクン分くらい喉に送り込みます。プハァ~ッ、うまいっ!

 カウンター席だけの店内は、店主と、曜日替りの手伝いの女性一人の、2名で切り盛りしていて、今日の手伝いはキミちゃん。そのキミちゃんに、まずは豆腐を注文します。

 私はここの豆腐の大ファンで、ここに来ると、最初は必ずと言っていいくらい豆腐を注文しているのです。おでん鍋でじっくりと煮た豆腐を皿に盛り、まわりにレタスや貝割れ、そしておでん鍋の中で煮たシメジなどを添え、さらにたっぷりのカツオ節をトッピング。そのまま食べても十分においしいのですが、柚子胡椒を溶かしたポン酢醤油をちょいとつけると、さらにうまいのです。

 1杯目の生ビールは、あっという間に飲み干して、2杯目をおかわりすると、ちょうどビア樽も交換するところで、新しいビア樽での口開けの1杯となりました。ここの生ビールは、おかわりするたびに、冷凍庫からよく冷えた新たなジョッキを出して注いでくれます。

 豆腐もそろそろ終わるというところで、飲み物を「天狗舞」の燗酒に切り換えて、おでんは今日、最大のお目当てである牡蠣(かき)を注文します。牡蠣は注文を受けてからおでん鍋に入れられる一品。取っ手付きのザルに5個くらいの生牡蠣を入れて、ザルごとおでん鍋に浸けられます。

 ほとんど待つこともなく牡蠣ができあがってきました。「お好みでポン酢醤油をかけて」と言いながら出してくれましたが、まずはそのまま1個食べてみると、口中に牡蠣のうまみが広がります。牡蠣そのものの持つ塩っ気がちょうどいい塩梅(あんばい)。ポン酢醤油をかけると、味が締まった感じになってより食べやすくなりますが、牡蠣そのものの味がよくわかるのは、ポン酢醤油をかけないほうかな。

 この店では通常は音戸産の牡蠣を使うのだそうなのですが、今年はまだ育っていないので、今日の牡蠣は廿日市(はつかいち)のものだそうです。音戸の牡蠣だと、1個1個の大きさがそろって、もっともっとおいしいんだそうです。

 5個ほどの牡蠣をツルリ、ツルリと食べ終えて、続いては、がんもどきと平天をもらいます。がんもどきは自家製で具だくさん。平天は柚子味噌をつけて食べると、よりおいしくいただけます。

 燗酒を、銘柄おまかせでおかわりすると、今度は「亀齢萬年」を出してくれます。

 1時間半ほどの滞在。お勘定は3,500円でした。どうもごちそうさま。

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生ビール / とうふ / ひら天、がんもどき

店情報前回

《平成23(2011)年11月17日(木)の記録》

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関東風炭火焼鳥専門店 … 炭焼「鳥平(とりへい)」(呉)

さび焼、すなぎも


 昭和47(1972)年創業、まもなく創業40年を迎える、炭火焼き鳥の店、「鳥平」にやってきました。

 これまでも何度も書いていますが、呉には“とり屋”と呼ばれる形態の、焼き鳥屋を起源とした居酒屋がたくさんあって、そこで焼き鳥や、新鮮な魚介類を食べることができるのですが、それゆえか、逆に焼き鳥だけの専門店が少ないのです。

 ここ「鳥平」は、呉で初めてオープンした、関東風の炭火焼き鳥専門店。私自身は、十日ほど前に会社の大先輩(OB)に連れてきてもらったばかりで、今日が2度目の来店です。

 ここの焼き鳥は、ほどんどのものが1本125円で、2本1セットとして出されます。つまりひと注文が250円。

 この値段を、昔は高く感じたものですが、昔は安かった“とり屋”の焼き鳥も、今は2本320円くらいのところが多くなってきているので、現在は逆転して安くなっています。

 前回は、大先輩のおすすめのものを単品で何種類かいただいたのですが、今回はコースで注文してみることにします。

 コースはお通し+串12本の鳥平コース(2,300円)と、お通し+串19本+αのフルコース(3,400円)の2種類が常時選べます。予約の宴会時には予算に応じたコースを設定することもできるようです。

 今日は串12本の鳥平コースを選択。単品注文だと1種2本ずつですが、コースだと1種1本ずつで出してくれるのも、ひとり飲みの時にはありがたいところです。

 飲み物は、まずは瓶ビール(中瓶630円)をキリンでもらうと、すぐにお通し(315円)の大根おろしと、お新香(きゅうり、なす、大根)が出されます。

 店内は、ゆったり目のカウンター13席に、奥に座敷席があるほか、入口右手には小さな個室もあるようです。カウンターの中には店主(創業者)と、その息子さん(二代目)がいて、カウンターの外は店主の奥さんも含む3人ほどの女性が切り盛りしています。

 カウンター内、中央部の一段高いところに焼き台があって、すべての焼き鳥は、そこで店主自らが焼きます。その焼き台に、カウンター上の冷蔵ケース内に並べられているネタを持っていったり、焼き上がった焼き鳥をカウンターに出したりするのが息子さんの役割です。

 まず出てきたのは、すなぎも(125円)の塩焼きと、さび焼(160円)です。さび焼は、ささ身のわさび焼き。塩焼きしたささ身に、わさびを塗り、その上に大葉(シソの葉)が半切れ。出されたお皿には、くし切りのレモンも添えられています。

 焼き鳥や、もつ焼きは、天ぷらと同様に、出されたらすぐ、間髪入れずに食べることが重要です。絶妙の焼き具合になるように、店主が気合を込めて焼いてくれているので、その瞬間をいただくのが一番いいのです。

 串を手に持って、直接食べるようにすると、より早く、できたての熱々を食べることができるし、肉汁も出にくいのでいいようです。串を横ぐわえにして食べると、串のままでも食べやすいので、やってみてください。

 3品目は、つくね(125円)。ここのつくねは、ショウガがよく効いた独特な味わい。最初に来たときにも、このつくねが美味しかったので、今日もぜひ食べたいと思っていた一品だったのですが、ちゃんとコースの中にも入ってました。

 4品目は、かわ(125円)。カリッと塩焼きです。

 5品目は手羽先(270円)。先日来たときに、まずまっ先に注文した、大先輩お気に入りの一品です。

 ここまで5品連続でテンポよく焼き鳥が出されましたが、6品目に、ししとう(125円)が出されて一段落。手羽先を食べるのに、ちょっと時間がかかるので、カウンター上段の皿の上に、しばらくししとうがのったままの状態になっているのを見て、息子さんから店主に「ゆっくりめに」と声がかかります。

 ここで瓶ビールがなくなったので、燗酒1合(450円)をもらいます。

 ゆっくりめに出される7品目は、ちぎも(125円)。ちぎもというのはレバーのことで、きっと“血肝”と書くんだと思います。タレ焼きで、割りとしっかり目に火が通っています。といってもウェルダンという感じではなくて、ミディアムのちょいウェルくらいでしょうか。先っぽに鶏ハツがついていますが、ハツ単独のメニューはないようです。

 8品目の白玉(125円)は、ウズラの卵の串焼きです。1本に3個の卵が刺さっています。

 9品目に出された、いかにも肉肉しい一品は、この店の最高値焼き鳥、あいがも(315円)です。赤身の鴨肉の味わいが濃厚ですねぇ!

 続く10品目は、そろばん(125円)。これは“せせり”(首の肉)のことです。プリッとした食感がいいですねぇ。

 11品目のアスパラ(270円)は、細いアスパラ2本分を、長さ均等に3等分し、串にさして焼いたもの。都合、6切れのアスパラが、いかだ状に並んで焼きあげられます。細いアスパラも、ホクホクとした食感があるんですね。

 そして「これでコースは最後です」と言いながら出してくれた12本目は、かしわ(125円)です。かしわは鶏のもも肉です。

 以上、12本分を単純に合計すると2,015円なのですが、実はコース料金(2,300円)には、お通しの料金(315円)も含まれているようです。

 ちなみにフルコース(3,400円)は、この鳥平コースに、いかだ(125円)、なす(125円)、ぎんなん(210円)、とうふ(125円)、きのこ(270円)、なんこつ(125円)、玉ねぎ(125円)が加わった19本。これが「鳥平」の焼き鳥の全メニューです。

 お腹はいっぱいなのですが、せっかくなので冬季のみの鍋物も食べてみようと、燗酒1合(450円)をおかわりして、一口鍋(1,050円)を注文します。

 メニューには一口鍋と鳥平鍋(2,100円)、そして湯豆腐(630円)があるのですが、鳥平鍋は二人前以上からで、土鍋でコンロ付きで出され、一口鍋は、中の厨房で、小さな鉄鍋で仕上げられたものが、そのまま出されるとのことで、一口鍋にしたのでした。

 その一口鍋、ぶつ切りにしたネギ(いかだの串を抜いたもの)、肉団子(つくねの串を抜いたもの)、鶏の身が2~3切れのほか、キノコはエノキ、シメジ、シイタケの3種、野菜は白菜、ニンジン(1切れ程度)、青菜(銘柄不明)、そして豆腐が2切れ入った具沢山な鍋です。これを紅葉おろしを添えたポン酢醤油でいただきます。

 最後にサービスで出されるのは、鶏スープ。鶏スープは、鶏の出汁を塩で味付けし、刻みネギをちょっと浮かせたもの。ちょっと白濁した透明感のあるスープは、実にいい味わいです。

 鶏スープも飲み干しで、2時間弱の滞在。お勘定は4,800円でした。どうもごちそうさま。

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お通し、瓶ビール / つくね / かわ

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手羽先 / ししとう / ちぎも

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白玉 / あいがも / そろばん

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アスパラ / かしわ / 一口鍋と燗酒

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鶏スープ(サービス) / ぎんなん(前回) / とうふ(前回)

店情報

《平成23(2011)年11月16日(水)の記録》

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店情報: 炭焼「鳥平(とりへい)」(呉)

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  • 店名: 鳥平
  • 電話: 0823-23-9489
  • 住所: 737-0051 広島県呉市中央2-5-2 NSビル2F
  • 営業: 16:00-23:00(22:00LO)、月休
  • 場所: 呉駅正面にまっすぐのびる今西通りを北上し、「呉税務署入口」信号交差点を右折。1ブロック(100mほど)進んで左折した右手ビルの2階。呉駅から徒歩8分(450m)ほど。
  • メモ: 昭和47(1972)年創業。呉初の関東風炭焼きの焼鳥専門店。カウンター13+座敷38(掘りごたつ2卓8席、4~5名個室1室分も含む)の計51席。
    【料理】お通し315。〔焼き物〕つくね125、かしわ125、かわ125、ちぎも125、なす125、そろばん125、白玉125、とうふ125、すなぎも125、なんこつ125、ししとう125、いかだ125、玉ねぎ125、手羽先270、アスパラ270、きのこ270、さび焼160、ぎんなん210、あいがも315。 〔揚げ物〕とりの唐揚げ850、手羽先の唐揚げ850、軟骨唐揚げ650。 〔なま物〕サラダ650、馬さし1,050、合鴨のタタキ1,050、冷奴420。 〔鍋もの(季節限定)〕湯豆腐630、鳥平鍋(2名様より)2,100、一口鍋1,050。 〔ご飯物〕きじ丼700、梅茶450、のり茶450、むすび130。
    【飲み物】〔季節の飲み比べセット〕季節変わりで、各地の地酒三種が飲みくらべできる鳥平おすすめのセットです。単品でもお飲み頂けます。飲み比べのお酒の銘柄はお尋ねください。三種セット1,050、一グラス630。 〔おすすめの地方銘酒〕八海山(新潟・本醸造・四合瓶)3,600、久保田千寿(新潟・本醸造・四合瓶)3,600、宝剣(広島・純米・四合瓶)3,600、日本響(山形・純米吟醸・四合瓶)4,200、手取川(石川・純米・四合瓶)4,650、浦霞禅(宮城・純米吟醸・四合瓶)4,650。 〔ビール〕生ビール630、瓶ビール(各種)630、ノンアルコールビール525。〔酎ハイ〕酎ハイライム、レモン、柚子(各種)450。〔日本酒〕日本酒(一合)450・(二合)900。〔冷酒〕千福800、雨後の月1,200。〔焼酎〕焼酎(麦・芋)ロック、水割り、湯割り(各種)450。〔果実酒〕あらごし梅酒630、あらごし桃酒630、マダディアスパークリング525。〔本格焼酎キープ〕六調子(米)、村正(麦)、松露(芋)、吟香露(酒粕)、やきいも黒瀬(焼き芋)各3,150。 〔ウイスキー&ブランデー〕ウイスキー&ブランデー(水割り)525・(キープ)5,250~。 〔白ワイン〕シャトーリオン(山梨・ハーフサイズ)2,100、フェッツァー(カリフォルニア・ハーフサイズ)2,100、ソアーヴェ(イタリア・ハーフサイズ)2,100。〔赤ワイン〕シャトーリオン(山梨・ハーフサイズ)2,100、キャンティ(イタリア・ハーフサイズ)2,100、ラフォルジュ(フランス・ハーフサイズ)2,100。 〔ソフトドリンク〕オレンジ、コーラ、ウーロン茶 各315、こどもびいる(ジュース)420。
    【コース料理】鳥平コース(串12本等)2,300、フルコース(串19本、刺身盛り合わせ等)3,400、そのほか内容や予算に応じます。10名以上で飲み放題(1,890)も可。(2011年11月調べ)

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牛のジンギスカン焼き … 「関白(かんぱく)」(呉)

牛バラのジンギスカン焼き


 週末の法事のために、かみさんが呉にやってきて、一緒に夕食に向かった先はジンギスカン焼きとテール鍋の「関白」です。

 かみさんは呉出身の呉っ子なので、私よりも呉のことはよく知っているのですが、残念ながらお酒は飲めないので、酒場のことはほとんど知らないのでした。

 「関白」での注文は、牛バラのジンギスカン焼き(1,200円)と、そのジンギスカン焼きができるのを待つまでのつまみとしてホルモン煮(500円)を注文して、エビス大瓶ビール(700円)を1本もらいます。

 ホルモン煮は、内臓肉各種をさっとゆがいたものを、ポン酢醤油でいただくスタイル。けっこうボリュームがあるのですが、あっさりとしているのでスッと食べられます。ちょっとだけ食べたいという場合には、ハーフサイズも注文可能です。

 ジンギスカン焼きもまた、この店独自のスタイル。北海道が起源のジンギスカン焼きとはまるで違うもので、羊の肉はありません。ジンギスカン鍋を使うという点だけが似ているのかな?!

 そのジンギスカン鍋を、コンロでカンカンに空焚きし、その傍らでフライパンで湯を沸かし、牛バラ肉をさっと茹でます。鍋に生のキャベツと玉ネギをたっぷりと盛り、その上に、茹でた牛バラ肉をのせたら、先細チューブに入った油をチューッとかけると、炎がドォーンと上がってできあがり。

 これをちょっと薄めの焼肉のタレといった感じの、少し甘みのあるタレでいただきます。

 ふたりでホルモン煮とジンギスカン焼きを食べると、もうけっこうお腹いっぱい。ちなみに、牛バラのジンギスカン焼きも、ハーフサイズの注文ができるので、ひとりの時はハーフのほうがいいかもしれません。

 「関白」を出て、2軒目は屋台の「一二三」へ。お腹もいっぱいなので、メザシ(450円)とナスの塩もみ(350円)を注文し、私は焼酎の水割り(400円)をもらいます。

 今は少し離れたところに住んでいる、かみさんのお父さんも、その昔、この近くに住んでいた頃は、よく「一二三」に通っていたんだそうです。

 最後に「一二三」のお母さん(女将)とお父さんが共同作業で作るキンチャク(150円)をもらって、お客さんも増えてきたところでお勘定。

 3軒目はバー「アンカー(ANCHOR)」です。

 私はアンカー・リバティ・エールを、かみさんはジンジャーエールみたいなソフトドリンクをもらって乾杯し、つまみにはホット・チリ・オリーブをもらいます。かみさんはデザート代わりに巨峰のフローズンカクテル(ノンアルコール)を作ってもらって、本日の飲み納めとしたのでした。どうもごちそうさま。

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「関白」ホルモン煮 / 「一二三」焼酎水割りとメザシ / ナスの塩もみ

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キンチャクは手作り / キンチャク / 「アンカー」にて

・「関白」の店情報前回

《平成23(2011)年11月11日(金)の記録》

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ソイの煮つけで菊正宗 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

ソイの煮つけで菊正宗


 単身赴任先の呉にいるときは、「呉の地酒に瀬戸内海の魚」というパターンが多いのですが、都内の自宅に帰ってくると「灘(なだ)の清酒に北の魚」に引かれます。

 今日は「竹よし」で、ソイの煮つけ(850円)をつつきながら、菊正宗の燗酒(350円)です。

 ソイの正式な名称は、カサゴ目フサカサゴ科メバル属クロソイ。国内では東北・北海道方面で多くとれ、東日本では高級魚です。普通のメバルは瀬戸内海にも多いのですが、ソイは、私がよく行く呉の酒場では見かけたことがありません。

 「竹よし」の店主は、横浜の魚屋さんの次男坊として生まれ、実家の魚屋を手伝ったあと、大阪の魚料理の店で修業して、ご自身の店を開いたので、東京あたりの魚も、大阪あたりの魚もよくご存知で、どちらで好まれるタイプも出してくれます。

 たとえば夏には、“アナゴとハモの味くらべ”と称して、その両者を関東風、関西風の食べ方で楽しませてくれたり、東西高級魚の食べ比べをやったり。

「築地には日本中の魚が入るからうれしいねえ」と店主。たしかに。そこが築地のすばらしいところですよねぇ。

 今日、「竹よし」に到着したのは午後9時ごろ。木曜日なので、「竹よし」シスターズの四女・直(なお)ちゃんが店主を手伝い、カウンターには常連さんたちが、テーブル席には毎日新聞東京夕刊の連載「酒に唄えば」でもおなじみの鈴木琢磨(すずき・たくま)さんが同僚の方とともにいらっしゃっていて、お久しぶりのご挨拶。

 鈴木琢磨さんは、私が初めて出版した「酒場百選」の出版記念オフ会にもいらしていただいた他、「ひとり呑み - 大衆酒場の楽しみ」を出版した際には、ここ「竹よし」でインタビュー取材を受け、それを当時、鈴木琢磨さんが連載中だったコラム「今夜も赤ちょうちん」でご紹介いただいたのでした。

 鈴木琢磨さんも、ご自宅がこの近くなので、ときどき「竹よし」にもいらっしゃっているんだそうです。

 私はカウンターの奥のほうに座り、まずはアサヒスーパードライ中瓶(500円)と、刺身の“小”盛り合せ(650円)からスタート。通常は、普通の刺身盛り合せ(1,000円)がおすすめですが、ひとりでやってきて、「刺身以外にも何か食べたいな」というときは、“小”盛り合せの量が最適なのです。

 そして、菊正宗に切り換えて、ソイ煮つけ。

 閉店時刻の午後11時まで楽しんで、今日のお勘定は3,200円でした。どうもごちそうさま。

 さぁて。帰り道に「ペルル」で1杯飲んで帰ろかな。

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刺身“小”盛り合せ / 直ちゃんとソイ / 「ペルル」にて

店情報前回

《平成23(2011)年10月27日(木)の記録》

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転勤してもなおハマる … 長崎ちゃんぽん「山口山(やまぐちやま)」(呉)

博多風もつ鍋


 横浜に転勤していった先輩が、転勤後も宅配便で送り続けてもらっているというのが、「山口山」の博多風もつ鍋です。

 昭和54(1979)年創業、長崎ちゃんぽんと皿うどんが看板メニューの「山口山」で、博多風もつ鍋を出すようになったのは、創業から5年後の昭和59(1984)年ごろのこと。それ以来、ずっと「山口山」の人気メニューのひとつです。

 学生時代を博多で過ごした私にとって、もつ鍋はとても親しみある食べ物。当時、もつ鍋は他のつまみなどと比べても安くて、しかも、もつや野菜などの具材を何度でも追加注文できるので、我われ貧乏学生たちにとって、かっこうの酒の肴だったのです。考えてみると、飲み始めから、最後にチャンポン麺を入れて〆るところまで、もつ鍋だけで過ごすことがほとんどだったなあ。

 横浜に転勤していった先輩も、同じ学校の卒業生なので、きっと同じような飲み方をされていたんじゃないかと思います。

 「山口山」のもつ鍋(1人前900円)は、醤油味のスープに、牛もつ(腸)と、たくさんのキャベツとニラが入った、シンプルなタイプで、1人前から注文することができます。2人前以上を大鍋で注文すると、カセットコンロも一緒に出してくれます。

 先輩が宅配してもらっているように、お土産用のもつ鍋もあるんだそうで、こちらはスープと牛もつだけ。キャベツとニラは別に買ってきて入れるんだそうです。

 今日はキリンラガービール(中瓶、550円)をもらって、もつ鍋を1人前注文。1人前で注文した場合には、ひとり用の鉄鍋で、カウンター内の厨房で仕上げてから出してくれます。

 一緒に出される空の小鉢に、ちょっとずつ取り分けながら、もつを食べ、キャベツを食べ、そしてニラを食べ。そしてスープもおいしいなぁ。

 そしてこのもつ鍋には、なんといっても芋焼酎(黒霧島)の湯割り(500円)です。牛もつの脂(あぶら)の感じと、焼酎がよく合うんですよねぇ。

 鍋の具が少なくなってきたところで、具材を追加します。追加できる具材は、もつ(450円)、野菜(キャベツとニラ、250円)の他に、豆腐(150円)とキムチ(250円)が選べます。

 また〆用としてチャンポン麺(150円)や、うどん(150円)、そして雑炊(300円)が選べますが、これらは別に〆としてしか食べちゃいけないわけじゃなくて、つまみとしても注文可能。チャンポン麺を注文して、それを食べ終えてから、さらに雑炊にしてもらう人もいるんだそうです。

 今日は豆腐(150円)を追加。大鍋+カセットコンロの時(2人前以上の場合)は具材だけをお皿で持ってきてくれますが、1人前の鍋の場合は、いったん鍋を下げて、その鍋に追加の具材を入れて、再び厨房のコンロで仕上げてから出してくれます。

 スープが美味しいので、それで煮た豆腐もこれまたうまいですねぇ。すぐに焼酎の湯割り(500円)もおかわりです。

 今日はまだ、このあと1~2軒は寄って帰りたいので、チャンポン麺は投入せずにここで終了。お勘定は2,600円でした。どうもごちそうさま!

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もつ鍋を小鉢に取り分けて / 豆腐を追加 / 豆腐もまたうまし!

店情報前回

《平成23(2011)年10月22日(土)の記録》

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〔くれ便り〕 休日はランチで外食

 土日などの休みの日は、自然に目が覚めるまでゆっくりと寝て、昼食は自炊せずに外に食べに出ることも多いのです。いつも、酒場を中心に呉の店々をご紹介していますが、今日はランチも楽しめるお店を何軒かご紹介したいと思います。

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 「森田食堂」で、陳列ケースの中から秋刀魚(さんま)の塩焼(300円)を取ってきて、中ごはん(180円)に味噌汁(100円)で、合計580円の食事です。昼間でも飲むことが多い「森田食堂」ですが、この日は、この後にもちょっと所用があったので食事だけ。食事だけのお客さんも意外と多いのです。


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 老舗とんかつ店、「天武蔵(てんむさし)」の“かつ重”(780円)。この店には“かつ丼”というメニューはなくて、丼ものは“かつ重”のみ。その“かつ重”は、トンカツの卵とじではなくて、トンカツに野菜などが入った餡(あん)がかかったものです。単品で注文しても、キャベツと玉ネギのサラダが添えられます。


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 そば処「平原(ひらはら)」のカレーそば(400円)。具材は鶏肉と斜め切りにしたネギ。そば屋さんらしい、よく出汁の効いた汁(つゆ)に、カレーのスパイシー感が加わります。カレーうどんも同額で、そば、うどん共に手打ち麺です。ご飯とサラダ、小鉢の付いた定食は150円プラス(=550円)ですが、ランチタイムは500円のサービス価格となり、大人気です。


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 喫茶「サントス」のオムカレーライス(650円)。以前は、カレーが食べたくなると、よく喫茶「バンビ」に行っていたのですが、その「バンビ」はつい先日、残念ながら閉店となってしまいました。ここ「サントス」は、その「バンビ」からもほど近い、ビルの2階にある喫茶店。人気のオムカレーライスは、白いご飯に、トロトロの玉子をのせ、その上からカレーをかけた一品。他にもオムライス(600円)やカレーライス(500円)、カツカレーライス(700円)、ミートスパゲティー(500円)などのメニューが並んでいます。


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 またまた、そば処「平原(ひらはら)」。こちらは“ざるそば”(400円)です。これだけで満腹になってしまうほどボリュームがあります。麺類はすべて、プラス150円で定食(ごはん、おかず、サラダ)になり、定食にして食べる人が多いほか、丼物とのセットメニューなども豊富で、しかもたとえば“カツ丼とうどんのセット”が600円、“親子丼と天ぷらうどんのセット”が650円と、値段も安いのが大きな特長です。もっとも安い、かけそば、かけうどんはそれぞれ250円と、全体的に立ち食いそば屋なみの価格設定なのです。


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 こちらは「山口山(やまぐちやま)」の、ちゃんぽんセット(1,050円)。長崎ちゃんぽん(単品750円)に、半やきめしが付きます。ちゃんぽんの麺は、長崎からの直送品。長崎県のみに許可された食品添加物「唐(とう)あく」が使われていて、麺に独特のプリプリ感があります。夜は酒場として楽しんでいる人もいますが、基本的に食事の店で、タクシーの運転手さんも多数来店。平日の昼間には日替わりのランチ(600円)もあるほか、夏場は冷麺(750円)も大人気です。

 単身赴任社宅が、呉の旧市街地の中にある関係で、その近くの店に行くことが多いのですが、JR呉駅の近くや、呉港(大和ミュージアムなどもある)の近くにも、安くて美味しいランチが食べられるお店があるようです。

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2軒目も、またおでん … お好み焼き「のぶ」(呉)

「のぶ」のおでん


「おでん始めたよ。ハス(蓮根)が美味しいけど食べる?」

 店に入るなりそう聞かれて、思わず「うん、食べる食べる」と答えてしまったけど、考えてみれば今日は1軒目もおでん屋でした……。

 金曜日の今日は、先週に引き続いて、おでんの「迷亭」へ。年中おでんをやっている専門店なれど、やっぱりこの季節になると、おでん頻度が高まりますよねぇ。

 まわりに霜がつくほどキンキンに冷えたジョッキで、生ビールを1杯もらって、おでんは大根と、がんもどきから。ここのがんもどきは自家製で、中に野菜がたっぷりと入っています。

 生ビールに続いては、天狗舞(てんぐまい)をぬる燗でもらって、つまみはラッキョ。前回、「つまみはおでんしかない」と書きましたが、ラッキョなどのちょっとしたつまみもあるようです。

 さらに天狗舞のぬる燗をおかわりして、いろんなおでんにちょっとずつ添えて出してくれるシメジを、あえて単品で注文してみたところ、お皿にたっぷりと盛られたシメジには、さらにトッピングとして、さっと煮たカイワレ大根も添えられます。

 そして、とり竜田揚。これも毎回注文している大好物の一品です。

 最後は、これまたここに来ると必ず注文する豆腐をもらって、酒は真澄(純米吟醸)に切り替えます。

 豆腐には、大きく削ったカツオ節や三つ葉などがたっぷりとトッピングされていて、豆腐本体が見えないほど。これを柚子胡椒を溶いたポン酢醤油に、ちょっとずつ浸けながら食べるのがおいしいんですよねぇ。

 「迷亭」のお勘定は3,500円。そのあと、2軒目としてやってきたのが、ここ「のぶ」だったのです。

「ハスの他は、何を入れる?」

「じゃ、大根と巾着(きんちゃく)をお願いします。」

 「のぶ」はお好み焼き・鉄板焼きのお店なんだけど、必ず毎回、メニューにはないちょっとした煮物なども置いてあって、呑兵衛が飽きないようになっています。店は女将さんと、その妹さんが二人で切り盛りしているのですが、おふたりとも、この店をやる前にスナック系の酒場(呉でいうスタンド)にもいたことがあるんだそうで、呑兵衛の気持ちをよくご存知なのです。

 チューハイなどを飲みつつ、2時間ほどくつろいで、お勘定は3,000円。

 日付けも変わって3軒目は、バー「ANCHOR(アンカー)」へ。

 まずバランタイン17年をストレートでもらうと、お通しはエリンギの酢の物。2杯目は季節のフルーツ、生のザクロを使ったジャックローズを作ってもらいます。

 1時間ちょっとの滞在。お勘定は2,500円でした。どうもごちそうさま。

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「迷亭」大根、がんもどき / らっきょ/ しめじ

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天狗舞ぬる燗 / とり竜田揚 / 豆腐

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「アンカー」バランタイン17 / ザクロの実 / ジャックローズ

店情報前回

《平成23(2011)年10月21日(金)の記録》

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締めの定番、あぶそば … おでん「迷亭(めいてい)」(呉)

あぶそば(ほぐした状態)


 「迷亭」の締めの定番は『あぶそば』。油揚げの中にそば(日本そば)を詰め込んだものを、おでん鍋で煮て、同じおでん鍋で煮たシメジやカイワレ、最後に刻み海苔(のり)を添えて出してくれます。

 「迷亭」は、カウンター12席のみの、おでん専門店。ネタは、とうふ、大根、たこ、すじ、ウインナー、じゃがいも、つみれ、アスパラ、ひら天、えりんぎ、糸こんにゃく、ねぎ、玉子、がんもどき、きんちゃく、山芋、三ツ葉、しいたけ、とり竜田揚、はんぺん、あぶそば、厚揚、しめじ、こんにゃくなど、約30種類ほどで、値段は明記していませんが、1個100~500円ほどとのこと。昭和60(1985)年4月の創業なので、今年で創業26年となりました。

 店は丸い眼鏡の店主と、アルバイトの女性ひとりの、あわせて2名で切り盛り中。アルバイトの女性は曜日ごとにかわります。(複数の曜日を担当している方もいらっしゃるようです。)

 今日は生ビールをもらって、おでんは大根と豆腐からスタート。どのおでんを注文しても、そこに同じおでん鍋でさっと煮た野菜などを添えてくれるので、見た目にもいかにもお惣菜風になって嬉しいところ。

 私はここの豆腐が大好きで、来るたびいつも、早いうちに豆腐を注文してしまいます。

 生ビールを飲み干した後、「なにか燗酒を」とお願いしたところ、秋田の銘酒・飛良泉(ひらいずみ)生一本・山廃純米酒を40℃の燗で出してくれました。

 3品目は、とり竜田揚を注文。おでんのネタとしては珍しいとり竜田揚は、串に刺した状態で丸皿に並べられていて、注文を受けてからおでん鍋に入れられます。できあがるまでに少し時間を要するので、欲しいな、と思ったら早めに注文しておく必要があります。

 とり竜田揚が出てきたところで、飛良泉の燗酒をおかわり。とり竜田揚にも、シメジやカイワレ、生のレタス、そして紅ショウガが添えられます。おでんの出汁(だし)で煮込まれて、フニャッとなった衣の食感もいい。燗酒にもよく合います。

 となりのお客さんが注文したウインナーが美味しそうなので、私もウインナーを注文。ウインナーと言っても、大きめの魚肉ソーセージほどもあろうかという大きなもので、1本が1人前。これまた注文を受けてからおでん鍋に入れられ、できあがると食べやすいように、ひと口大に切り分けて出してくれます。ウインナーは、3杯目となる飛良泉の燗酒でいただきます。

 そして最後に、締めの定番『あぶそば』をもらって、お酒は雨後の月(うごのつき)の冷やおろしを冷酒で。締めの一品までもが酒のつまみになるというのが嬉しいのぉ。

 3時間ほどゆっくりして、今日のお勘定は5千円でした。どうもごちそうさま。

 帰り道に、呉最古のスタンドバー「どん底」に立ち寄って、ビールと竹鶴12年のロックをもらってお勘定は2千円。女将(昭和4年生まれ)のお元気そうな様子に安心しつつ、家路についたのでした。

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「迷亭」 / とり竜田揚 / おでんネタが並ぶ大皿

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ウインナー / あぶそば(出された直後) / 「どん底」にて

店情報前回

《平成23(2011)年10月13日(木)の記録》

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帝釈峡しゃも地鶏小鍋 … 小鍋立て「五鉄(ごてつ)」(呉)

しゃも鍋


 今夜は「五鉄」の軍鶏(しゃも)鍋(1,800円)で燗酒です。しかもこの軍鶏鍋が小鍋立て(こなべだて)で出されるところが池波正太郎ワールドですねぇ。

 ここ「五鉄」は、池波正太郎ファンの店主・蒲原明(かんばら・あきら)さんが、平成16(2004)年9月にオープンした酒場。「五鉄」という店名も、池波正太郎の時代小説の中によく登場する軍鶏鍋屋の名前から取っています。

 店内には池波正太郎の文庫本がずらりと並んでいて、飲みながら、ちょいと手にとって読むことも可能です。池波作品以外にも、杉浦日向子ものや、グルメ本、広島・呉関連の本なども並んでいて、ついじっくりと読み入ってしまいそうになります。

 店に入って、軍鶏鍋を注文し、まずは喉を潤すために瓶ビールを注文すると、キリンラガーの中瓶(600円)とともに、お通しの豆腐が出されます。

 この店のお通しは、必ずひと口サイズの豆腐。夏場は冷奴、冬場はおでん出汁で煮た湯豆腐が出されるのですが、トッピングはその時どきで替わっていて、飽きることがありません。今日は、おでんの豆腐に、チリメンジャコと白ゴマを混ぜた漬物がのっています。

 軍鶏鍋は、カウンター内の厨房で作ったものを出してくれるスタイル。ひとり用の鉄鍋に、すき焼き(東京風)の割り下と同じような、醤油とみりんをベースとした甘辛い出汁がはられ、帝釈峡(たいしゃくきょう)しゃも地鶏のもも肉、砂肝と、斜め細切りの白ネギ、ささがきのゴボウが具材として入って、熱々に煮込まれます。これを溶いた生卵にからめていただくのです。

 軍鶏鍋ができあがったところで、飲み物も燗酒に切り替えると、「今日はいいのが入ってますよ」と、「剣菱(けんびし)」の極上黒松(超特撰)の燗酒を出してくれました。

 赤みがかったあめ色のもも肉は、親鶏のもも肉並みの弾力感と、若鶏のジューシーさをあわせ持っていて、しかもその味わいが濃厚。皮のプリプリ感もものすごい。砂肝の旨味もいいですねぇ。

「池波小説の『五鉄』で出される軍鶏鍋は、軍鶏の内臓を割り下で煮たものなんですが、内臓は日持ちがしないこともあって、ここでは軍鶏肉を中心とした鍋にしてるんです」と店主。

 軍鶏鍋(1,800円)以外にも、すき焼き鍋(鹿児島黒毛和牛、3,000円)、黒豚鍋(鹿児島黒豚、1,300円)、キムチ鍋(1,400円)、レタスしゃぶしゃぶ(鹿児島黒豚、1,300円)などの小鍋立てがメニューに並んでいて年中食べることができるほか、夏場には浅蜊の小鍋立て(600円)などが、そして冬場には湯豆腐(500円)や牡蠣鍋(1,300円)などが、季節メニューとして加わります。

 燗酒をおかわりしつつ、鍋の中身を全部食べ終わったところで、残りの汁にうどん(300円)を入れてもらいます。

 店主・蒲原さんは麺好きでもあるようで、ご自分で麺を打つことこそしないものの、気に入った半生麺や乾麺などをいつも仕入れていて、おいしく食べさせてくれます。

 前に軍鶏鍋をいただいたときは、讃岐うどんの半生麺を入れてくれたのですが、今日は同じく讃岐うどんの半生麺ながら、細麺タイプ。江戸風の甘辛つゆが、細いうどんによく絡んで、締めの麺のつもりが、これ自体がいい燗酒のつまみになります。

 きっちりと汁まで飲み干して、1時間半ほどの滞在。お勘定は5,000円でした。どうもごちそうさま。

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「五鉄」 / お通しと瓶ビール / 締めのうどん

 翌日も、職場の仲間たちと「五鉄」の奥の小上がりでミニ宴会。そのときにいただいた料理の写真もご紹介しておきます。

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刺身盛り合せ(時価) / せせりの塩焼(500円) / 出し巻き(500円)

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地だこの天ぷら(800円) / プルダッ(鶏肉のピリ辛炒め、700円) / おでん

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山芋の鉄板焼(600円) / 牛すじの味噌煮込み(500円)&ご飯 / トマトサラダ(500円)

店情報前回

《平成23(2011)年10月6日(木)の記録》

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青い炎が上がって完成 … 屋台「燻(くん)」(呉)

カマンベールチーズのオレンジマーマレード焼き


 ポッと青い炎が上がって完成するのは、カマンベールチーズのオレンジマーマレード焼き(750円)。屋台の「燻」で出してくれる、人気メニューのひとつです。

 呉の蔵本通り沿いにずらりと並ぶ13軒の屋台は、大きく三つのグループに分けることができます。呉市が公募を行うより前から営業していた老舗屋台6軒に、平成14(2002)年の公募で新規参入した5軒、そして平成20(2008)年の公募で加わった2軒という3グループです。

 老舗屋台の特徴は、おでん、豚足、中華そばという三つのメニューが必ずあること。逆に平成14年公募組の大きな特徴は、それら三つのメニューがないこと。ここ「燻」も、平成14年公募組の1軒です。燻製料理や、店主・古田さんの作る創作料理が楽しめます。

 燻製料理は、毎日、黒板に書き出されていて、今日のメニューはスモークチキン(550円)、スモークササミ(500円)、スモークチーズとナッツ(450円)、スモークカモのサラダ(480円)といったところ。

 飲み物メニューも、生ビール(500円)、焼酎(麦・芋、400円)、日本酒(400円)の他、グラスワイン(白・赤、400円)、梅酒(400円)、泡盛(400円)、さらには珈琲焼酎(400円)や各種カクテル(500円)まで置いていて、まるで屋台じゃないみたい。私のお気に入りは珈琲焼酎(400円)です。

 今日は、月刊「くれえばん」の木戸編集長、そして私の連載の担当編集者のキティさんと3人で広(ひろ)の酒場めぐり。1軒目は、人ひとりがやっと通れるかどうかという路地の中にある「浪(なみ)」という居酒屋で、2軒目は「広酒場」です。広には大学などもあるからか、若いお店も多いのです。

 で、タクシーでビュンと呉に戻ってきて、3軒目として、ここ屋台の「燻」に入ったのでした。

 カマンベールチーズのオレンジマーマレード焼き(750円)の他にも、メキシカンタコス(1個400円)や鶏の生春巻(480円)といった、「燻」らしい料理をもらって、お勘定は3人で3,100円でした。どうもごちそうさま!

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珈琲焼酎(奥は梅酒、生ビール) / メキシカンタコス / 鶏の生春巻

店情報前回

《平成23(2011)年10月3日(月)の記録》

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たっぷり飲んだ帰り道 … 「ファイヤーチキン(FIRE CHICKEN)」(都立家政)

ジャンボファイヤーチキン串


「『ファイヤーチキン(FIRE CHICKEN)』という、それだけ聞くとものすごい店名なんだけど、実はごく普通の焼き鳥屋さんで、私はよく来てるんですよ。値段も安いんです」

 そう教えてくれるのは、私の自宅のすぐ近くにお住まいの荒木マタエモンさん。「竹よし」から、一緒に帰宅しようとトコトコと歩いていて、この店をご紹介いただいたのでした。

 入口上部に、赤文字で「FIRE CHICKEN」と書かれている様子は、まるでハンバーガー屋さんか何かのよう。とても焼き鳥屋さんとは思えません。

 しかし地元在住の呑兵衛・荒木マタエモンさんがよくいらっしゃってるとあっては、ちょっと寄って帰らないわけにはいきません。さっそくふたりで店内へ。

 店内はカウンター席とテーブル席。ホッピーや生ビールは450円で、サワー類はそれぞれ380円。焼き鳥は1本110~150円ほどで、1本ずつから注文できます。レバー、ぼんちり、すなぎも、はつ、かわ、といった人気メニューが1本110円というのが嬉しいですね。150円の品は、まきみ、はらみ、ふんどし、さえずり、せぎも、ふりそで、などの数が少ない限定串です。野菜串(ねぎ、たまねぎ、しいたけなど)はそれぞれ1本100円。

 さっそくホッピー(450円)をもらって、店名にもなっているジャンボファイヤーチキン串(280円)を注文します。

 ホッピーと一緒に出されるお通しは、小鉢に盛られた切干大根煮。ファストフード風の店の割りには(失礼!)、すごくきっちりと作られた切干大根煮で、その意外さにうれしい驚きを感じます。

 大きな金串で出されるジャンボファイヤーチキン串は、上に一直線にのせられたマスタードソースが辛いんですね。でも、それほど辛くはなくて食べやすい。

 焼き鳥以外にも、いろんな料理があって、それぞれ美味しそうなので、今度は1軒目として来てみたいお店です。

 今日は、昼間に汐留でTV番組の収録をしたあと、早めの夕方から日経新聞の取材で、新橋の北海道料理「炉ばた」へ。この店は、火曜日と土曜日に『炉ばた寄席』と称して、店内でプロの落語家の噺が聞けることでも有名。以前から気になっていた酒場でしたが、はじめて来ることができました。

 「炉ばた」では、刺盛(カンパチとマグロが3切れずつで980円)に、イカ一夜干(780円)、お店のおすすめの山芋そうめん(780円)などをもらって、「北の誉」の燗酒(二合徳利、780円)を二人で4本(都合8合)ほど。

 山芋そうめんは、山芋を素麺のように細切りにして麺つゆをかけたもの。温泉玉子とワサビが添えられていて、それらをグリグリとかき混ぜて、ズズズッとすすり込むようにいただきます。

 取材を受けたインタビュー記事を担当されているH記者も、ご自宅が近いことがわかり、2軒目は地元に戻って、都立家政の「竹よし」へ。

 日曜日の手伝いは、新しく「竹よし」シスターズに加わったリエさんです。まず1杯目に、そのリエさんがお土産に持ってきてくれた「菊水舟口(原酒)赤」をいただきつつ、こはだ酢(600円)に穴子柳川(850円)を注文。その後も、「高清水」(300mlボトル、600円)や、「菊正宗」燗酒(1合350円)を何本かいただきながら、日曜日なのに、すっかり酩酊の世界へ。

 日経新聞のH記者を都立家政駅で見送った後、荒木マタエモンさんと二人で、「ファイヤーチキン」に寄り道して帰ったという一夜だったのでした。あぁ、よく飲んだ。今宵もまた、とても楽しい夜でした。

店情報

《平成23(2011)年10月2日(日)の記録》

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店情報: 「ファイヤーチキン(FIRE CHICKEN)」(都立家政)

  • 店名: FIRE CHICKEN (ファイヤーチキン)
  • 電話: 03-5364-9155
  • 住所: 165-0033 東京都中野区若宮3-3-14
  • 営業: 18:00-02:00(01:30LO)、火休
  • 場所: 西武新宿線・都立家政駅の改札を出て左へ。商店街を(高円寺方面に)南下すること約3分(300m弱)、左手角にあるファストフード風の造りの店。
  • メモ: 〔鶏串〕ジャンボファイヤーチキン串(激辛)280、とりもも120、ねぎま120、自家製つくね120、にんにくま120、レバー110、ぼんちり110、すなぎも110、はつ110、かわ110、手羽先150、肉付なんこつ140、しいたけ肉詰め140、玉子付つくね200。〔鶏の限定串、数に限りあり〕まきみ150、はらみ150、ふんどし150、さえずり150、せぎも150、ふりそで150、ぺた150、かしわ150、ぎんかわ150、つなぎ150。〔野菜串〕ねぎ焼き100、たまねぎ焼き100、しいたけ焼き100、にんにく焼き100、ししとう焼き100。〔豚串〕ぶたばら140、かしら120、ぶたたん120、すたみな串200、豚バラチーズ140、豚バラ大葉140、豚バラもも140。炭火焼きフランクフルト150。 〔まずはじめに〕冷奴180、キムチ冷奴120、いかの塩辛250、ねぎいっぱいキムチ盛250、枝豆250、オニオンスライス250、おしんこ300。〔サラダ〕塩キャベツサラダ(大)500・(中)350・(小)250、大根明太サラダ350、わさび風味コールスロー350、冷やしトマト250。〔炙りもの〕炭火ししゃも300、炭火いかの丸焼き380、炭火厚揚げ炙り300。〔店長おすすめ〕ファイヤー特製もつ煮込み350、自家製鶏皮ポン酢350、台湾風冷製タン350、はつ煮350、レバー煮350。〔炒めもの〕豚キムチ炒め350。〔揚げ物〕ファイヤーオリジナル唐揚げ380、手羽中の唐揚げ380、フライドポテト350、インディアンポテト(カレー風味)350。〔最後の締めに〕鶏スープ茶漬け380、鶏そぼろご飯380、焼きおにぎり200。〔その他〕馬刺し550、だし巻き卵焼き350、ほくほく塩辛ポテト380。 〔鍋物〕あっさり塩とりナベ680、あっさりとり鍋(醤油)680、あったかキムチ鍋680、湯豆腐(ねぎ・えのき・白菜・しいたけ入り)480。〔鍋物の追加具材〕鶏肉(焼き鳥の値段)、もち100、キャベツ100、豆腐100、にら100、しいたけ100、雑炊300。 〔飲み物〕生ビール(アサヒスーパードライ)450、ホッピーセット(しろ・くろ)450、ホッピー中身250、ホッピー外身250、ハイボール400、ハイサワー(レモン、うめ、アップル、グレープフルーツ)各380、焼酎中身250、ライムサワー380、カルピスサワー380、ウーロンハイ380、トマトハイ380、緑茶ハイ380、珈琲ハイ380、豆乳ハイ380、日本酒(松竹梅)400、梅酒(うぐいすどまり)500、乙類焼酎(情け嶋・芋、大和桜・芋、くじら・芋、情け嶋・麦、里の曙・黒糖)各500、黒糖焼酎れんと(ボトル)3,800、黒糖焼酎里の曙(ボトル)4,200、水セット400、ウーロンセット400、緑茶セット400、ソフトドリンク(コーラ、ジンジャーエール、オレンジジュース、ウーロン茶、カルピス、カルピスソーダ、緑茶)各300。(2011年10月調べ)

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絶妙な焼き加減が特長 … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

レバー(塩)


 「ふくべ」を出て、すぐ近くの日本橋駅から地下鉄・東西線で中野へ。にっきーさん宇ち中さんと向かう2軒目は、もつ焼きの名店「石松」です。カウンター7席だけの店を、店主・三浦さんがひとりで切り盛りしています。

 「石松」のメニューはとてもシンプルで、豚のもつ焼きが9種類で、ほぼ1本100円、ナンコツだけが130円です。他には、鶏の焼き物(焼き鳥)が4種、牛の焼き物が3種、野菜が8種と、豚耳、冷奴などの一品ものが7種ほど。飲み物はホッピー(380円)、焼酎(250円)、瓶ビール(500円)、日本酒(400円)など。ボトルキープ(金宮が1,500円など)もできます。

 この店の大きな特徴のひとつが、注文を受けてから肉を切り分けて串に刺し、そのまま炭火で焼き上げて出してくれるところ。もともと肉が新鮮そのものなので、これよりも鮮烈なもつ焼きは、あまりお目にかかったことがありません。

 しかしながら、このやり方には短所もあって、それは時間がかかるということ。

 この時間を短縮するためのいい方法は、ほかの人の注文を聞いて、それが自分の欲しいものだったら、「私もそれください」と便乗注文をすること。これはこの店では、すごく自然な注文方法で、自分が注文したときにも、まわりのお客さんたちから「僕も1本、タレで」、「こっちも2本、塩でください」と便乗注文が入ります。

 そうすると、肉を切り分けて串に刺して、という下ごしらえを、数多く、効率的に棲ませることができるんですね。

 今日もキープしている金宮ボトルを出してもらって、黒ホッピー(ソト)で割って乾杯すると、まず出されるお通しは豚耳(280円)。焼き物はほぼ便乗注文で、ねぎま(1本120円)、ウィンナー焼(1本100円)、牛ミノ(1本150円)、レバー(1本100円)、シロ(1本100円)、カシラ(1本100円)、ガツ(1本100円)を、それぞれひとり1本ずつ焼いてもらいます。

 この1本1本の焼き具合の絶妙さが、三浦さんならではですねぇ! 焼きすぎず、焼けなさすぎず、本当にちょうどいい。三浦さんには、じわりじわりと焼けていく肉の内部が、すべて透視できてるんじゃないかと、いつも感心してしまいます。

 宇ち中さんはここで帰宅され、自宅が同じ方向のにっきーさんと私は、タクシーで西武新宿線・都立家政(とりつかせい)駅へ。メールで連絡がついた直ちゃんとも合流し、スナック「イルカ」の扉を開けると、予想どおり、ふぢもとさんも居た!(笑)

 たっぷりと飲んで歌って、今夜も楽しく長い夜となったのでした。

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ねぎま(塩) / ウィンナー焼 / 牛ミノ(醤油)

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しろ(タレ) / かしら(塩) / がつ(醤油)

店情報前回

《平成23(2011)年10月1日(土)の記録》

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