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2012年1月

窯焼き料理で白ワイン … 伊酒屋「ヴェッキオ(Vecchio)」(呉)

窯焼き料理で白ワイン


 伊酒屋「ヴェッキオ(Vecchio)」の大きな特徴は、店に入るとドンと目に飛び込んでくる、紅白に彩られた大きな石窯(いしがま)です。この店のアルフォルノ(窯焼料理)は、すべてこの石窯で焼き上げられるのです。

 今日は横浜から出張でやってきたAさんと二人でやって来て、その石窯の前のカウンター席に陣取ります。店主・古谷さんが石窯で調理をする様子そのものが、酒の肴になるのです。

 けっこうおしゃれな店内だし、出てくる料理もおしゃれなので、女性ばかりのグループや、カップルが多いのですが、我われのようにおじさん二人でやってきても大丈夫。古谷さんはソムリエでもあるので、おいしいワインにありつくことができます。

 まずは生ビール(サントリー・ザ・プレミアムモルツ、600円)をもらって乾杯し、料理の1品目は、この店の名物、野菜の石窯焼きを注文します。その日、注文することができる野菜は、石窯の奥の黒板に、産地表記付きで書き出されていて、その中から好みの野菜を選びます。3種なら700円、5種なら1,100円。

 今日、黒板に並んでいるのは、玉葱(広島)、カブ(福岡)、しいたけ(広島)、マイタケ(東広島)、ポットベラ(静岡)、蓮根(岩国)、山芋(鳥取)、里芋(鹿児島)、安納芋(種子島)、カボチャ(北海道)、金時人参(香川)の11種類。この中から、玉葱、しいたけ、ポットベラ(大きなマッシュルーム)、蓮根、山芋の5種を選びます。

 石窯は、その名のとおり石(耐火煉瓦なのかな?)で作られた、大きなドーム上の窯。そのドームの片側の隅っこで薪(まき)を燃やし、薪のない部分に金属皿やアルミホイル上に置いた食材を並べて、ドームの中の輻射熱でジワッと焼き上げるのです。

 ビールを2杯ほど飲んだ後は、ワインに移ります。Aさんが白ワイン好きなので、イタリア産の「ピノグリ・シャルドネ」をボトル(3,000円)でいただきます。これが、この店では一番安いワインで、グラスだと600円です。

 料理の2品目はサザエの窯焼き(500円)。まずはサザエを殻ごと石窯で焼いて、ある程度焼けたところで、殻から中身を取り出し、それを小さく刻んでバターと一緒にココット皿に入れて、また石窯にいれて焼き上げたらできあがりです。

 醤油をかけた和風のサザエの壺焼きもおいしいけれど、バターの風味たっぷりのこのサザエ石窯焼きもいいですねぇ! ワインが進みます。

 続いてはピザ。イタリアンが大好きなAさんの、「やっぱり基本はマルゲリータでしょう!」というご意見に、私もまったく同意。すぐにマルゲリータ(1,600円)を注文します。

 カウンター席に座っていると、生地を丸くのばすところから、マルゲリータ用のトッピング(トマト、モッツァレラ、バジル)を生地の上にきれいに乗せていくところ、そして石窯の中で焼き上げていく様子などを逐一観察することができておもしろい。

 できあがったマルゲリータは、生地のモチモチ感もいい感じで、実においしい。

 この店や、上の階にあるラウンジ「レジェンド」(経営が同じで、「ヴェッキオ」の料理を注文することができます)に来ると、必ず食べているのがこのマルゲリータ。大勢でやってくることが多いので、いつもひとり1切れずつくらいしか食べられないのですが、今日は二人で1枚なので、たっぷりと楽しめます。

 ワインもなくなりましたが、「ピノグリ・シャルドネ」はもう在庫がないとのこと。店主・古谷さん(ソムリエ)が、「同じくらいの価格帯のもので、いいものを選びましょうね」と、おすすめの白ワインを出してくれました。メニューに載っていないワインもたくさん置いているようなので、古谷さんに相談しながらワイン選びをするのがいいと思います。

 最後に店主おすすめの自家製タリアテッレ(1,500円)という、きし麺のような平麺のパスタをいただいて締めくくります。

 2時間半ほど、ゆっくりと楽しんで、お勘定は二人で13,000円(ひとりあたり6,500円)でした。どうもごちそうさま。

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野菜の石窯焼き(5種) / サザエの窯焼き / 石窯で焼くマルゲリータ

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マルゲリータ / 自家製タリアテッレ

店情報前回

《平成23(2011)年12月15日(木)の記録》

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tamさんと呉で飲む … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)

〆さば、地ダコ刺


 横浜在住の飲み友達・tamさんが、仕事で呉にやって来られたので、呉の酒場へと繰り出します。

 まずは焼き鳥と活魚料理がいっぺんに味わえるという“とり屋”の1軒、「三とり本通店」の小上がり席で、“ちょっと一杯セット”を2人前もらってスタートです。

 “ちょっと一杯セット”は焼き鳥4本と小鉢2品に、飲み物がその種類によって2~3杯ついて1,500円という、飲み始めにちょうどいい、とてもお得なセットです。

 今日の「三とり本通店」は、宴会の予約が入っているということで、とても忙しそう。我われも“ちょっと一杯セット”で景気をつけて、1時間ほどで次の店へと向かいます。(お勘定は、ひとり1,500円ずつ。)

 2軒目は、おでんとおばんざいの「魚菜や」です。こちらもまたお客さんがいっぱい。水曜日なのに、今日はみなさん、飲みに出かける日なんですかねぇ。

 詰めても10席分くらいしかないカウンターは満席ながら、壁際の2人用テーブル席が空いていたので、そこに陣取り、安浦(呉市)の地酒、「白鴻(はくこう)」を2合、燗酒でお願いしておいて、燗を待つ間に生ビールを2杯もらいます。

 ここ「魚菜や」では、酒の燗は、おでん鍋のわきで、錫(すず)のチロリでつけてくれるので、ちょっと時間がかかるのです。

 生ビールと一緒に出されたお通しは、小鉢の白和え。これをつつきながら、毎日、その日の仕入れによって手書きされる「おしながき」を確認します。

 今日の「おしながき」は、地ダコ刺、〆さば、ウニ、すがき、カキフライ、カキバター焼、タコ天、ポテトサラダ、牛すじの煮込、沖縄のもずく、かつをの南ばん漬、太刀魚の変り焼、くわいの唐揚げ、わけぎぬた、春菊と油揚げのおひたし、ごぼうのきんぴら、鶏手羽先の塩焼。

 おでんは、アキレス、ロールキャベツ、しらたき、厚あげ、こんにゃく、玉子、がんもどき、がんす、こんぶ、ごぼう天、ウインナー、大根、じゃが芋、たこ、カキ、です。

 この店のカキ(牡蠣)は、このあたりで“岩ガキ”と呼ばれている、天然のカキなので、本来は“すがき”、“カキバター焼”、“おでんのカキ”あたりの、カキ尽くしでいきたいところなのですが、残念ながらtamさんはカキが苦手とのこと。カキがダメな人は、徹底的にダメですもんねぇ。これだけは致し方ありません。

 それでは、と注文したのが、地ダコ刺に〆サバ、太刀魚の変り焼、そして分葱(わけぎ)ぬた。呉の多くの小料理屋がそうであるように、この店の「おしながき」にも値段は書かれていませんが、おばんざいはそれぞれ1品400円から。刺身は時価です。

 タコもねぇ、呉は、というか瀬戸内海は美味いんですよ。前にも書いたことがありますが、呉の美味いもんと、横須賀の美味いもんは似ています。でもタコ以外は呼び名が違うのがおもしろい。呉だとタコ、小イワシ、ツブ貝。横須賀だとタコ(久里浜)、シコイワシ、シッタカですよね。佐世保や舞鶴でも、同じようなものが美味しいと、旧軍港の共通性みたいになるんですけど、どうなんでしょう。

 「白鴻」の燗酒に続いては、「宝剣(ほうけん)」をぬる燗で2合。カウンター席のすぐ近くには、月刊「くれえばん」の木戸編集長や、読売新聞ジャーナリストの藤野さんもいらっしゃっていて、話もはずみます。

 最後に「宝剣」冷やおろしを冷酒で1合いただいて、お勘定は二人で6,000円(ひとり3,000円)。

 3軒目はtamさんのほか、木戸さん、藤野さんとも一緒に、スタンド「シロクマ」で飲んで終了。やぁ、楽しかった。ぜひまた呉にも来てくださいね。>tamさん

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「三とり本通店」 / 「魚菜や」太刀魚の変り焼 / 「シロクマ」

・「魚菜や」の店情報前回

《平成23(2011)年12月14日(水)の記録》

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日曜日も賑わう人気店 … やきとん「たつや」(沼袋)

「たつや」


 日曜日、午後5時半の「たつや」は、もうお客さんでいっぱい。2010年3月にオープンした、まだまだ若い店なのですが、すでに沼袋を代表する人気店になっています。

 カウンター席だけの店内ながら、そのカウンターが何箇所か折れながら店の奥に向かって進んでいるので、角の部分が多く、ちょっとしたテーブル的にも使えるのが大きな特徴です。

 入口を入ってすぐの、店主・たっつんさんの近くに座り、まずは三冷白ホッピー(380円)と、レバテキ(350円)をニンニクで注文すると、持って来てくれたのは、たっつんさんの奥さん、まるたんさんです。

「なんで? 日曜日は手伝ってるの?」

「ううん。人が足りなかったので、急きょ」と、まるたんさん。店はたっつんさんと、まるたんさん、そして手伝いの男性の3人で切り盛り中です。

 ここ「たつや」には、いつも食べることのできる定番メニューと、日替りの手書きメニューがあり、先ほど注文したレバテキは、今日の日替りメニューの中の一品。レバ刺に代わるものとして誕生したメニューのようで、かたまりのままの豚レバーの表面を炙ってスライスしたものです。

 「たつや」もそうですが、名店と呼ばれているもつ焼き屋は、仕入れも仕込みもしっかりとしているので、本当は生(刺身)で食べても問題ないんだろうと思います。このままレバ刺が食べられなくなってしまうのは、実に残念ですね。あぁ~、チュルンととろけるレバ刺が食べたい!

 今日の日替りメニューは、次のとおりです。

〔冷製〕レバテキ、コブクロ刺、ガツ刺の3品は、薬味にニンニク、ショウガ、柚子胡椒が選べて各350、はらみたたきポン酢250、しろポン酢120。

〔ドリンク〕たつやのハイボール、ヨーグルト割り、オールフリー割り、レモン牛乳割り、ハイッピーレモン、コーラ割り、クエン酸サワー 各380、追加のもろみ酢100。

〔焼きもの〕甲州地鶏ねぎま120、甲州地鶏せせり120、甲州地鶏手羽先200、ウィンナー炒め200、スパムチーズ200、青ねぎ串120、オクラ串120、てっぽうおろし120、たんした100、たんもと120、のどぶえ120、身欠きニシン350。

〔逸品〕自家製塩辛(5日目)250、青のり200、のりチーズ250、豚足350、わさび菜おひたし200、ゴーヤおひたし200、ヤーコン200、金魚屋印ごぼう漬け150、金魚屋印ピクルス150。

 う~む。“たんした”と“たんもと”って、どう違うんだろうなぁ。東京では、このところよく“クエン酸サワー”を見かけるなぁ。“身欠きニシン”や“自家製塩辛”といった魚介類のメニューもあるのが「たつや」の大きな特徴として定着しましたね。

 焼き物は、カシラ、テッポウ、チレを味噌で1本ずつ(各100円)いただいて、飲み物は「菊正宗」(300円)の燗酒をもらいます。みそ味だけに、日本酒にも合うんですよ!

 続いて、店主・たっつんさんがほれ込んだという日本酒、新潟の「玉風味」(300円)の燗酒に切り換えて、つまみには“もつミック酢”(200円)と“おしんこ”(200円)をいただきます。

 “もつミック酢”は、ガツなどのもつの酢漬け。“おしんこ”は自家製だそうで、カブ、白菜、キュウリ、ニンジンなどが、たっぷりと盛られています。

 この“おしんこ”がことのほか美味しくて、「玉風味」の燗酒もおかわりです。

 ゆっくりと2時間ほどの滞在。お勘定は1,830円でした。

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レバテキ / テッポウ、カシラ、チレ / おしんこ、もつミック酢


 「たつや」を出たところで午後7時半。このまま帰ると、あまりにも早すぎる(?)ので、帰り道に「竹よし」へ。

 今日、日曜日の手伝いはリエさんで、カウンター席には荒木マタエモンさん、ふぢもとさん、直ちゃん、オージロウさんといった常連さんたちがずらりと勢ぞろい。

 カワハギの頭(かぶと)煮(800円)をもらって、「菊正宗」(350円)の燗酒を3つ。3時間近く楽しんで、「竹よし」のお勘定は1,850円でした。

 「たつや」で飲んだ分と合わせると、ホッピー1杯に、日本酒(燗酒)を6合。う~む、ちょっと飲み過ぎましたか。

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「竹よし」 / カワハギ頭煮 / 天ぷら盛り合せ

・「たつや」の店情報前回

《平成23(2011)年12月11日(日)の記録》

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特選船盛り囲んで宴会 … 伊勢料理「志摩(しま)」(横浜)

特選船盛り囲んで宴会


 今日は10人ほどのメンバーで、「さかなマニア」(浜田信郎・監修、メディアパル、税込み1,365円)でもご紹介させていただいた「志摩」に集まって飲み会です。

 あらかじめ電話して、10人分の席と、刺身の3~4人用の特選船盛り(6,000円)のみ予約しておいたのでした。

「あとの料理は、当日お願いしますので」

「はいはい。わかりました。お待ちしてます」

 こういう予約の仕方もできるのです。他にも、冬場であればカニ鍋(2,940円)もおすすめですし、飲み放題付きの伊勢料理コース(5,250円)なども幹事さんは楽でいいかもしれません。となりの座敷は、この伊勢料理コースだったようですが、ものすごいボリュームの料理が出ていました。

 ここ「志摩」の創業は昭和29(1954)年。創業57年となる、季節の魚介と幅広いメニューが売りの老舗居酒屋です。店内はカウンター8席に、テーブルが78席、さらに座敷が94席で、総席数180席の大箱店です。

 まずは生ビール(525円)で乾杯し、すぐに出された船盛りをつつきながら、料理を選びます。

 印刷されて、見開きの「おしながき」に書き出されている定番メニューだけでも、刺身15品、煮物7品、野菜5品、焼物13品、揚げ物12品、その他の一品料理14品、そしてご飯ものが10品の合計76品。それに、「本日のおすすめ」という手書きのホワイトボードメニューが30品ほど加わって、全部で100品以上の料理が並びます。

 よ~く見ると、「本日のおすすめ」の中に挙げられているものの中に、定番メニューとして出ているものもあるので、実際にはちょうど100品くらいでしょうか。これらの他、壁に張り出されている短冊メニュー(鍋ものなど)もありますので、注文する品を選ぶのもひと苦労といった感じです。

 そんな中から注文した品は、自家製出し巻玉子焼(370円)、本日のカマ焼き(840円)、里いも煮付(420円)、生野菜サラダ(525円)、蓮根はさみ揚(735円)、手造りさつま揚(630円)、メゴチ天婦羅(735円)、白魚かき揚(630円)といった品々。それぞれが好きなものを次々にたのんだ結果がこうなったのですが、揚げ物が多いですねぇ。

 飲み物のほうは、燗酒(松竹梅「豪快」の中徳利が580円)や、芋焼酎「一刻者」(石蔵甕貯蔵720mlボトル、3,675円)をボトルでもらい、お湯割りや水割り、ロックでいただきます。

 午後6時に宴会を開始したときは、我われの他に、一組か二組という比較的静かな状態だったのですが、午後7時を回ったところで広い座敷席もほぼ満席。ものすごいにぎわいです。

 しかしながら、個室ではないものの、適度に仕切りが付いているので、グループごとの会話はとてもしやすい状況。これはいいですね。こういうところも人気の理由なんでしょうね。

 最後は五目ぞうすい(525円)で〆て終了。お勘定は、ひとり4千円ほどでした。

 ここ「志摩」は、昼どきは食事処として営業しており、日替りランチが500円で、そのほかに何品か並ぶランチメニューも700~800円ほど。入口に並ぶ納豆、玉子は勝手に取っていく仕組みで、ご飯もおかわり自由ということで、近隣のサラリーマンが行列するほどの人気店なんだそうです。

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伊勢料理「志摩」 / お通しのサラダ / 自家製出し巻玉子焼

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本日のカマ焼き / 里いも煮付 / 生野菜サラダ

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蓮根はさみ揚 / 手造りさつま揚 / メゴチ天婦羅

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白魚かき揚 / 芋焼酎「一刻者」石蔵甕貯蔵 / 五目ぞうすい

店情報前回

《平成23(2011)年12月10日(土)の記録》

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早い時間は尻尾も温か … 豚の「味珍(まいちん)」(横浜)

豚の尻尾


 横浜駅西口・狸小路にある「豚の味珍」にやってきました。前回来たのが平成21(2009)年12月17日なので、実に2年ぶり。すっかりご無沙汰してしまっていました。

 それぞれ別会計の、本店1階・2階、新店1階・2階の4店舗の中で、今日は濱の酒場通・伊東さん行きつけの本店2階に入ります。

 土曜日、午後4時半の店内は、先客はひとり。L字カウンター(Lの左上が入口)の最奥部、Lの短辺の付け根に座っているところを見ると、この先客も常連さんのおひとりなんですね。本店2階では、常連さんが奥のほうに集まって座ります。

「いらっしゃい。久しぶり」と迎えてくれる本店2階の店長・川野恭一さん。店長も少しも変わっていなくて、ひと安心です。

 カウンターの入口から3つめくらいの席に座り、キリンビール(中瓶、550円)をもらい、豚の尻尾(700円)を注文して、それを待つ間に辣白菜(ラーパーサイ、300円)という白菜の漬物ももらいます。

 まずはグラス一杯のビールを飲んで喉を潤し、すぐに目の前の小皿に練り辛子とお酢を入れてグリグリとかき混ぜ、仕上げにラー油をちょっと落としてスタンバイ。ここ「豚の味珍」では、豚の出を待っている間に、こうやって自分の流儀に沿ったタレを作って準備しておくのが決まりごとのようになっているのです。おろしニンニクを入れたり、醤油を入れたりする人もします。

 タレの準備も終わったところで、辣白菜を一口。そのまま食べてももちろんおいしいのですが、これにタレをつけて食べても、ピリッと感じてまたうまい。

 そうこうしているところへ、豚の尻尾が出てきました。おぉ。この時間帯だと、まだ湯気が立つほどあったかいんですね。

 他の地域がどうなのかは知りませんが、首都圏の豚は衛生上の理由で、生まれてすぐに豚は尻尾を切り落とさなければならないらしく、「豚の尻尾」として陳列棚に並んでいるものも、最大直径4センチほど、長さ15センチほどの円錐台(えんすいだい)の形なのです。これを3本ほどとって、ひと口大に切り分けてくれたものが1人前です。

 それを1個、箸(はし)で取って、先ほど作った辛子+お酢+ラー油のタレにつけ、そのまま口の中に放り込みます。尻尾なので、まん中に直径1センチ、長さ1センチくらいの骨(脊椎の延長上の骨)が連続して並んでいるのですが、そのまわりに付いている身は、プリンとゼラチン上で、歯を使うこともなくチュルリととろけます。そのチュルトロを口の中で舐めまわしているうちに、最後は小さな骨だけが数個残ってきます。これをコン、コン、コンと皿の上に落として、次の一切れへと向かうのです。

 ここの尻尾はいつもおいしいと思うのですが、こうやってあったかいと、またひとしおですねぇ!

 中瓶ビールを飲み干したところで、飲み物を“やかん”に切り換えます。“やかん”というのは、焼酎(380円)のこと。金属製の、背の高い魔法のランプのような形状の“やかん”で注がれるので、“やかん”と呼ばれるようになったようです。

 氷をもらったり、缶入りのウーロン茶(鉄観音茶)を一緒にもらってお茶割りにしたりするお客さんも多いのですが、私自身はシンプルに梅割りで飲むのが好きです。梅シロップは、“やかん”のとなりに置いている、ジョニ黒の瓶に入れられています。

 豚の尻尾を食べ終えても、まだ少し焼酎が残っているので、腐乳(フールー、150円)という中国産の発酵豆腐をもらいます。沖縄の“豆腐よう”とも近い感じなのですが、“豆腐よう”が少し甘い感じがするのに対して、腐乳はあまり甘みはなくて、チーズのような感じです。小皿に一切れ出してくれるのを、爪楊枝の先っぽにつけて舐め舐め、焼酎の梅割りをいただきます。

 1時間ほどの滞在。お勘定は2,080円でした。どうもごちそうさま。

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辣白菜、ビール、タレ / やかん(焼酎) / 腐乳

店情報前回

《平成23(2011)年12月10日(土)の記録》

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仕事仲間とカキづくし … 「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)

かき鍋


 東京から呉にやって来た仕事仲間たちと一緒に、5人でカキ(牡蠣)を食べに向かったのは「本家鳥好」です。

 呉は、カキ(むき身)の生産量が日本一の市。ちなみに2位は江田島市、3位は広島市、4位は二日市市と、全国の生産量の7割を広島県が占めているのです。

 「本家鳥好」の店内は、カウンター8席と座敷20席の全28席と、それほど広くないというか、呉の“とり屋”にしては狭い。これは店主・上瀬弘和(かみせ・ひろかず)さんの『すべての客席に自分の目が届く範囲内で』というポリシーに基づくもので、今もその考え方は変わっていません。

 今日は5人なので、座敷の一卓を囲み、まずは生ビール(600円)と、みそだき(300円)からスタートです。

 『お客さんが注文しないものは出さない』というのも店主のポリシー。だから昭和26年の創業当時からお通しも出していませんが、そのかわり、すぐに出てくるつまみとして“みそだき”が用意されているのです。

 みそだきは、鶏の皮の味噌煮。鶏の皮を水炊きにして串を刺し、それを白味噌、赤味噌を調合した鶏のスープに入れて、2時間ほどじっくりと煮込んでできあがります。首都圏の、もつ煮込みと同じような感覚のつまみですね。注文すると、あっという間に出てきて、通常は七味唐辛子をふりかけて、串のままいただきます。2串が1人前です。

 さぁ、そしていよいよカキ料理。最初にもらったのは、この店ならではのカキの造り(800円)です。

 ここのカキは、音戸は田原のカキ打ち場から、毎日直接仕入れてきます。

「生(なま)で出すもんは、他人(ひと)の手を介さない」

 というのも店主のポリシーで、店で出すカキは、50年間ずっと同じカキ打ち場から直接仕入れてきています。このカキ、むき身ながら、小分けされた袋の中ではまだ生きているそうで、それを注文に応じて一袋ずつ開けて使うのです。

 カキの造り(刺身)は、そのカキ8個が1人前。添えられたワサビを多めにのせて、ちょっと醤油をつけて口に含むと、おいしそうなカキの香りと、最初の醤油の風味の後に、カキ自身の持つ塩っけが口いっぱいに広がります。

 カキは動かない貝なので、貝柱意外はほぼ内臓。グイッとかみ締めると、そのカキの甘みと、濃厚な旨みがドーンと押し寄せます。

 このカキの造りにぴたりと合うのが、燗酒です。ここの燗酒は、吉浦(呉市)の地酒「水龍(すいりゅう)」で、1合瓶が450円です。

 続いてはカキの天ぷら(800円)。これも1人前8個で、先ほどの造りと同じカキに衣をつけて、さっと天ぷらにしたものを、そのままいただくのがこの店の流儀。カキそのものの持つ塩味で、十分おいしくいただけるのです。

「天つゆは、意外と味と風味が強いので、カキの味わいが損なわれるんですよ」

 と話してくれるのは、店主の息子さんの正智(まさとし)さん。店は店主・弘和さん夫婦と、正智さん夫婦の4人で切り盛りしているのです。

 できたて熱々のカキの天ぷらは、刺身の旨さとはまた違う旨さが味わえます。

 続いてはカキ鍋(800円)。ひとり用の鉄鍋に、鶏スープにカキ、ニラ、豆腐、シメジ、エノキ、白菜などの具材を入れて煮込み、味噌で味付けしたもの。みそ汁程度のそれほど濃くない味付けなので、逆に素材の味をよく感じることができます。

 カキ鍋をはじめとする鍋物は、3人前以上であれば、前日までに予約しておけばコンロ付きの大鍋で出してもらうこともできます。大鍋のときは、あとでご飯をもらって雑炊にすることもできるのですが、「たいていのお客さんは汁まで全部飲み干してしまうので、なかなか雑炊に行きつかないんですよ」と正智さん。たしかに、もとの鶏スープに、カキの旨みと、味噌のコクが加わって、この汁だけでもつまみになりそうです。

 4品目のカキ料理は、カキ串焼き(2本で400円)です。注文を受けてから、生カキに串を打ち、焼鳥と同じように、焼き台で焼き上げてくれる一品です。これもできたて熱々を、カキの味だけでいただきますが、焼きガキならでは香ばしさが大きな特徴です。

 そして酢ガキ(500円)。カキ造りやカキ天ぷらがとても強烈な印象を与えるので、その影に隠れがちですが、鮮度のいいカキで作ると、酢ガキも違います。カキの臭みや、水っぽさを、まったく感じないのが、この店のカキのいいところなんですね。

 カキ料理の最後はカキフライ(800円)。これはもう冬の定番。笑ってしまうくらい美味しいのがいいですね。でも、このカキにソースをかけちゃうのは、おいしいんだけど、ちょっともったいないような気もします。

 せっかく東京から来ているので、生け簀(いけす)で泳いでいる雑魚(じゃこ)をから揚げにしてもらいます。雑魚というのは小魚の総称。生け簀の魚は、これまた『生(なま)で出すもんは、他人(ひと)の手を介さない』という店主のポリシーから、すべて店主が自分で釣ってきたものばかり。その中から、小さい魚をより分けて、から揚げにしてくれるのです。今の時季は、メバルの小魚が多いそうです。小さいほど味が濃い感じで、しかも骨まで全部食べられるのがいいですね。

 3時間弱の滞在。飲み物もたっぷりといただいて、お勘定は5人で21,600円(ひとりあたり4,320円)でした。どうもごちそうさま。

 現在(2012年1月22日)発売中の月刊「くれえばん 2012年2月号」の『呉酒場礼賛 第11話』でも、ここ「本家鳥好」をご紹介させていただいています。店舗(本屋やコンビニ)での販売は呉市内だけですが、「くれえばん」のサイトから購入することもできます。

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みそだき、じゃこから揚げ / かき造り / かき天ぷら

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かき串焼き / 酢がき / かきフライ

店情報前回

《平成23(2011)年12月8日(木)の記録》

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あんこうどぶ汁カレー … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

あんこうどぶ汁カレー


 「竹よし」は右手の直線カウンター6席と、左手のテーブル席6席の合計12席という、小さな魚料理と天ぷらのお店。この空間を魚好きな店主と、それを曜日替わりでサポートする女性スタッフの二人で切り盛りされています。

 店主はもともと横浜の魚屋の次男坊として生まれ、ずっとその店を手伝っていたのですが、近くにスーパーなどができた関係で魚屋は廃業。おにいさん(長男)とふたりで魚料理屋に切り替えました。その後、店主は大阪での魚料理修業を経て独立し、横浜で魚料理店をやったあと、平成5(1993)年に、今は亡き女将さんのつてをたよって、この地に現在の店を開いたのでした。

 そんなわけで、東京の地にありながら、関東の魚料理も、関西の魚料理も、どちらも味わえるお店が誕生したのです。しかもその値段が安いというんだから、さらに嬉しさ倍増ですね。

「築地には日本中の魚介類が入るからありがたいね」と店主。

 そんな「竹よし」の今日のメニュー。刺身類は、かわはぎ1,000、活〆関さば1,000、真いか550、赤貝ひも400、盛り合せ1,000、小盛り合せ650、たら白子(生食/ボイル/塩焼)650、しめさば550。

 焼き魚は、本まぐろのあご900、いか丸焼550、秋さば切身550、関さばの頭と尾750、子持ちはたはた650、ぶりかま650、さらわ西京みそ漬650、めだいかぶと500。

 煮魚は、そい切身煮付700、さわらの卵煮付600、あこうだいあら煮1,000、かわはぎかぶと煮800。

 その他として、あさり酒むし550、あんきも酒むし600、かきふわふわ焼650、焼きはまぐり600、沖縄産もずく300、すじこ500、辛子明太子500、スタミナ六品(まぐろ、山いも、おくら、ねぎ、玉子、納豆)600、粒うに400、いかわた味つけ400、自家製しおから(二日目/五日目)350。

 さらに、あんこうから揚げ800、かさご姿あげ800、(小)海鮮丼800、あんこうどぶ汁シーフードカレーライス800、つまみ用あんこうどぶ汁シーフードカレー650。

 以上、合計36品のメニューが、4枚のホワイトボードに書き出されています。マグロなどのように、常備している魚の一部は書き出されていなかったりするので、本当はもっと品数があります。

 まずはサッポロラガービール(赤星中瓶、500円)をもらって、刺身(小)盛り合せ(650円)を注文すると、マグロ(赤身)、関サバ、カワハギ、赤貝ヒモの4品を、2切れずつ盛り合わせて出してくれます。カワハギの肝も添えてくれているのが、うれしいなぁ。

 中瓶ビールはあっという間に飲み干して、冷酒(北の誉300ml瓶、600円)をもらいます。

 ゆっくりと刺身を堪能した後は、飲み物を「菊正宗」(350円)の燗酒に切り換えて、あんこうどぶ汁シーフードカレーを、つまみ用(ライス抜きでルーのみ、650円)でいただきます。

 水分は加えず、あんこうの肝だけを焦げつかないように鍋で炒っていくと、あん肝から出る水分で、ねっとりと濃厚な汁(つゆ)ができあがります。これがどぶ汁です。このどぶ汁で、あんこうの七つ道具を煮たものが、ここ「竹よし」のあんこう鍋なのですが、今回はそのどぶ汁にカレー粉を入れて、カレーにしちゃったんですね。

 注文すると、そのどぶ汁カレーを皿に盛り、ホタテ、カニ、エビという北海の海の幸をトッピングで加えてくれます。

 あん肝の旨みたっぷりの大ぜいたくなこのカレー。ごはんにかけてもらって、あんこうどぶ汁シーフードカレーライス(800円)としていただくこともできます。

 2時間の滞在。お勘定は2,750円でした。どうもごちそうさま!

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刺身(小)盛り合せ / カワハギの肝付き / サワラの卵煮付(ひと口分)

店情報前回

《平成23(2011)年12月4日(日)の記録》

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店主自慢の牛ハツ炙り … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

店主自慢の牛ハツ炙り


 「まるます家」からの帰り道、別の電車に乗るアヤパンマンさんと赤羽駅で別れ、同じ電車で帰途についていた倉嶋編集長と中野駅で別れて、『最後にもう1軒!』と向かったのは「石松」です。東京に帰ってきたら、やっぱりもつ焼きも食べたいですもんね。

 カウンター7席のみで、いつも満員御礼状態の「石松」ながら、ひとりだったのと、着いた時間(午後10時20分ごろ)も良かったのか、スルッと入ることができました。

 ボトルキープしているキンミヤ焼酎を出してもらって、割りものは黒ホッピー(ソト)をもらいます。今日のお通しは豚耳です。

 あとはいつものように、みんなの注文の流れに乗っかって、一緒に注文していれば大丈夫。

「それは、ガツを用意してますか? じゃ、私も1本」

 目の前でガツ(豚の胃袋)の下ごしらえが始まったので、まずはここから便乗注文です。

 ここ「石松」では、店主・三浦さんが、毎日、もつの仕入れのために品川の食肉市場に出かけていきます。その日使う豚もつや牛もつなどをクーラーボックスに入れて、中野に帰ってくるともう夕方。事前に下ごしらえをして串を打っておく時間もないので、お客の注文に応じて、もつの大きな塊(かたまり)から切り分けて串に刺し、そのまま炭火の焼き台で焼き上げて出してくれるのです。

 仕入れも、仕込みも、そして夜遅く(朝早く?!)までの店の営業も、すべて店主ひとりでこなすので、どうしてもこういう流れになってしまうんですね。

 しかしながら、そのおかげで、我われも他の店では食べられないくらいの、ものすごい鮮度のもつ焼きを、三浦さんの肉の内部が見えているとしか思えないような素晴らしい焼き加減で食べることができるのでした。

 魚の刺身だと、注文を受けてから刺身を引いて出してくれるのは当たり前ですが、もつ焼きの世界で、注文を受けてから、大きなもつを切り分けて… なんてやってくれるところは、あまりありませんもんね。

 注文を受けてから下ごしらえ開始なので、その分、時間はかかってしまうのですが、常連さんたちはそれをよく知ってて、ほとんどの人が便乗注文。だから、いったん何かの下ごしらえを始めると、カウンターに並ぶお客さんたちから「俺も」「私も」「こっちは塩とタレで1本ずつ」なんて注文が飛び交うのです。

「ガツの次は何にする?」と聞いてくれる店主・三浦さん。次の注文が入ってなかったりすると、それまであまり自力注文をしていない(便乗注文ばかりしていた)人を中心に、リクエストを受け付けてくれるのです。

「レバはぜったい食べたいです!」と、豚レバを塩焼きで注文すると、まわりからも便乗注文が入ります。

 首都圏以外だと、豚レバが食べられる機会は本当に少ないので、これは絶対はずせません。豚レバのみならず、ガツ(豚の胃)も含めて、そもそも豚のもつ自体をあまり見かけません。呉の街も、地酒も、地魚も、いろんなものがすごく好きなんだけど、豚もつがないことだけが、今でも残念でならないのです。

「タン下も食べる?」と三浦さん。

「食べる!食べる!」

 もちろん二つ返事でもらいます。ふだんはないものがあったりすると、店主のほうから「食べる?」と聞いてくれたりするのです。

 続く牛ミノは醤油で。“醤油で”とお願いすると、もつ焼きを素焼きで焼き上げた後、仕上げにちょっと醤油をつけて焼いてくれます。個人的には、ガツ、ミノ、テッポウあたりは、醤油がものすごくよく合うように思います。

 そして、三浦さんの自慢の一品、牛ハツの炙りです。これは串焼きではなくて、大きな牛ハツ(心臓)の塊(かたまり)を、そのまま炭火の上で炙って、ローストビーフのようにスライスして出してくれる一品。“焼きの三浦”の真骨頂が感じられる、絶妙な焼き加減が楽しめます。ただし、いつもあるわけではありません。

 最後はビシッとシロたれで〆て終了。1時間半ほどの滞在で、お勘定はよく覚えていないけど1,500円前後。やっぱり「石松」のもつ焼きは安くて美味しいなぁ、と再認識した一夜でした。

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豚耳と黒ホッピー / ガツ醤油 / レバ塩

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タン下 / 牛ミノ醤油 / シロたれ

店情報前回

《平成23(2011)年12月3日(土)の記録》

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閉店まぎわに滑り込み … 鯉とうなぎの「まるます家」(赤羽)

「まるます家」


 「古典酒場」の倉嶋編集長、日本酒大好きなアヤパンマンさんと3人で、本日開店の浦和の「おがわ」に出かけた帰り道、二次会に行こうと途中下車したのは赤羽。向かうのは昭和25(1950)年創業の老舗酒場、鯉とうなぎの「まるます家」です。

 営業は午後9時半までの「まるます家」に3人で滑り込んだのは8時50分! あと40分だ!

「ジャンチュー(ジャンボ酎ハイ、950円)と、モヒートセット(ミントとライム、100円)を3人前。料理は鯉こく(350円)と、うな丼… えっ? うな丼ないの? じゃ、うな重(1,000円)、それと、すっぽん鍋(750円)もお願いします。」

 閉店時刻が近いので大急ぎで注文します。

 ジャンチューは、ハイリキプレーンの大瓶(1リットル)で、アルコールは7%。氷入りのジョッキを別に出してくれるので、これに注いでいただくのですが、ここにモヒートセットのミントとライムを入れてつぶすと、簡易モヒートができあがるのです。(本当のモヒートはラム+ソーダ+ミント+ライム+砂糖です。)

 まず出てきた鯉こくを回し飲み。鯉こくは、鯉のみそ汁。ここ「まるます家」の鯉は、専用の養殖場で育てた、クセのない鯉なので、洗いにしないでも食べられるし(鯉生刺600円)、鯉こくにしてもおいしいのです。鯉の大きな切り身が入っています。

 うな重も登場。ここのうなぎは、銀座あたりだと3千円くらいするものを、千円そこそこの赤羽価格(?)で出しているんだそうで、身のふっくら感と、脂のうま味がたまりません。タレがしみ込んだご飯の部分も、いいつまみになりますねぇ!

 1本のジャンチュー(ジョッキ約4杯分)では当然足りず、すぐさま2本目に突入です。

 そして、すっぽん鍋。この店のすっぽん鍋のおかげで、すっぽんはなんだか身近な存在になっていますが、他の店で食べると、今もやっぱり高級品ですよね。ありがたいことです。

 それにつけても、たくさん呑んだ後の汁もののうまいことといったら!

 ある程度、お腹が満たされたあとは、箸先につけてなめるほどの珍味と、あったかい汁もの(スープ)くらいがあれば、それだけでいくらでも呑めるような気がします。

 最後はご飯を入れてもらって、すっぽん雑炊にして〆たかったのですが、残念ながら時間切れ。「もう厨房の火を落としちゃったから、ごめんね」とのこと。

 それにしても、ぎりぎりの時間にやってきて、「まるます家」名物の、鯉とうなぎに加えて、すっぽんまでいただくことができたので良かった良かった。

 お勘定は3人で4,300円(ひとりあたり1,430円ほど)でした。どうもごちそうさま。今度はもっと早めに来ますね!

 長時間お付き合いいただき、ありがとうございました。ぜひまた飲みに行きましょう! > 倉嶋さん、アヤパンマンさん

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鯉こく / うな重 / すっぽん鍋

店情報前回

《平成23(2011)年12月3日(土)の記録》

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すべてが呑ん兵衛好み … 料理・酒「おがわ」(浦和)

料理・酒「おがわ」の坪庭


 CS放送・旅チャンネルで、長年にわたって太田和彦さんの「居酒屋紀行シリーズ」を制作してこられた小川洋一さんが、全国の酒場を巡った経験を生かして、ご自身の居酒屋を開業されました。

 店の名前は、料理・酒「おがわ」。店のロゴデザインは、太田和彦さんが手がけられ、コンセプトは「ゆっくり酒と料理を楽しめる店」です。住宅街にあるご自宅を改装されたお店なので、大衆酒場というよりは、美味しい肴をつまみながら、ちょっとおしゃれに日本酒や焼酎が楽しめる静かな料理屋さんといったスタンス。小川の流れる坪庭はあるし、目の前は大きな公園(常盤公園)だしということで、本当にゆったりとした感じです。

 入口から左に折れこんで入っていく店内は、L字カウンター8席に、4人用テーブルが2卓、L字短辺の背後には4人用の小ぢんまりとした小上り席もあって、その奥が坪庭になっています。この空間を店主・小川さんと、料理を手伝う若い男性(板前さん)の二人で切り盛りされるようです。お忙しい時は奥様も手伝われるのでしょうか。

 そんな「おがわ」に、開店日の今日(2011年12月3日)、「古典酒場」の倉嶋編集長、日本酒大好きなアヤパンマンさんと3人で予約して出かけました。

 店内が狭いこともあって、予約できるのは4人まで。それ以上の人数で行きたい場合には、通常営業以外の時間帯であれば大丈夫だそうです。

 テーブル席に座り、乾杯のビールはサッポロラガービール(赤星)大瓶(650円)をもらいます。「おがわ」ではあえて生ビールサーバーはおかず、そのかわり瓶ビールがサッポロラガーと黒ラベル、エビス、キリン一番搾りから選べます。

 お通しは6種類ほどある大皿料理から1品を選ぶ仕組み。単品だと、それぞれ350~480円ですが、お通しとしてもらう場合は250円。今日の大皿料理は、自家製おから(480円)、自家製肉じゃが(480円)、自家製ポテトサラダ(350円)、じゃこピーマン(350円)、蓮根のきんぴら(350円)、春菊とお揚げのお浸し(350円)です。

「今日は、牛肉とトマトのビール煮(500円)も選べますよ」ということで、3人でおから、ポテトサラダ、そしてビール煮を選びます。

 小川さんが開いた店だけあって、地酒もずらりと26種類。1合が460~900円で、5尺ならば半額。すべてのお酒が燗づけ可能というところも素晴らしいではありませんか。

 浦和(埼玉県)のお店らしく、埼玉の地酒も多いので、まずはその埼玉の「花陽浴(はなあび) 無濾過生原酒 おりがらみ」(800円)をいただいてから、樽がデンと置かれている「旭正宗」(埼玉)の燗酒へと進み、あとはもう燗酒、燗酒、燗酒。飛ぶような勢いで徳利が空になっていくのが怖ろしいなぁ。

 呑兵衛好みのする珍味も、八丈島のクサヤチーズ(600円)、琵琶湖の鮒ずし(300円)、自家製塩辛(300円)、茗荷ととびっこの和え物(380円)、宇都宮「庄助」のゆず味噌(400円)、白浜のウツボの一夜干し(500円)、会津若松のニシンの山椒漬け(500円)、宇和島のからすみ(600円)といった品ぞろえ。引かれるでしょう! 八丈島のクサヤチーズをもらいます。

 クサヤが酒に合い、チーズが酒に合い、それらが合体した味がこれまた間違いなく酒に合う! クサヤチーズのひと切れを皿に取り、チビチビとなめるように齧りながら燗酒をいただきます。

 魚介類は、マグロは築地から、その他は船橋・足立から仕入れるそうで、今日の刺身はスズキ洗い(800円)、イナダ(700円)、アジたたき(600円)、ホーボウ(700円)、カマス酢締め(600円)にアオリイカ(700円)。これらも含めて、すべての料理メニューが3桁(千円未満)におさまっているのもいいですねぇ。

 スズキの洗いと、倉嶋編集長が大好物だというアオリイカ、そして小川さんおすすめのサバの粕漬け焼き(600円)をいただきます。

 たっぷりと「旭正宗」の樽酒燗をいただいたところで、最後のトドメが、やはり埼玉の「神亀 ひやおろし」(860円)。冷酒でキュッといただくと、あまりののど越しの良さに、もはや酔ったことにすら気づかないくらいの心地よさで泥酔モードへ。

 これでお勘定がひとり当たり4千円ほどというんだから安いではありませんか。

 今日は埼玉の地酒ばかり飲んでたので、残念ながら飲めませんでしたが、小川さんが開店前から言っていた「本格焼酎の炭酸割り」も、この店では正規メニューとして載っています。味と香りのいい本格焼酎のハイボール。ぜひ試してみたいですね。次回の宿題です。

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お通し3種 / クサヤチーズ / 生野菜(ラディッシュ・日野菜蕪・からし菜)

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「旭正宗」樽酒 / スズキ洗い / アオリイカ

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サバ粕漬け焼き / 「神亀」ひやおろし / 小川が流れる坪庭

店情報

《平成23(2011)年12月3日(土)の記録》

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店情報: 料理・酒「おがわ」(浦和)

    料理・酒「おがわ」
  • 店名: 料理・酒「おがわ」
  • 電話: 048-831-0426
  • 住所: 330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤4-3-15
  • 営業: 17:00-22:00LO(土日祝は16:00-21:00)、火休(夏季・年末年始休あり)
  • 場所: 浦和駅西口を出て右へ。そのまま線路際を北浦和方面へ。 イトーヨーカドーの角を左折し、最初の信号(中山道に出たコンビニの角)を右折。 ロイヤルパインズホテル(センチュリーシティー)の角を左折。 二つ目の信号(角にスパゲティ店)を右折した先、左手。浦和駅から歩いて10分弱。
  • メモ: 平成23(2011)年12月3日開店。カウンター8席、テーブル4人席×2、小上り4人席。
    〔日本酒1合(5尺は半額)、すべて燗も可〕旭正宗 純米酒 純(埼玉)460、帝松 純米酒 さけ武蔵(埼玉)500、花陽浴 袋吊無濾過生原酒(埼玉)720、花陽浴 無濾過生原酒 おりがらみ(埼玉)800、神亀 純米(埼玉)800、神亀 ひやおろし(埼玉)860、陸奥八仙 特別純米ひやおろし(青森)740、白瀧 純米ひやおろし(秋田)580、東北泉 雄町純米(山形)740、麓井 輝ら星の如く吟醸(山形)740、写楽 純米蔵の華(福島)680、天明 本生純米(福島)680、大七 生もと純米(福島)700、風が吹く 山廃純吟生(福島)860、満寿泉 純米酒(富山)600、獅子の里 酒食べ 純米吟醸(石川)740、黒龍 特選吟醸(福井)900、初亀 急冷美酒(静岡)500、房島屋 熟成酒(岐阜)500、三千盛 特醸辛口(岐阜)640、瀧自慢 神の穂 純米酒(三重)700、竹鶴 純米酒(広島)600、獺祭 純米大吟醸 50%(山口)760、旭若松 純米無濾過生原酒(徳島)900、石鎚 純米吟醸槽絞り(愛媛)800、辛醸美田 大辛口山廃純米(福岡)700。 〔果実酒(ロック、炭酸割り、同料金〕鶴梅 ゆず 7%(和歌山)600、鶴梅 完熟にごり 10%(和歌山)600。 〔本格焼酎(前割(冷・燗)、ロック、水割、お湯割り、炭酸割り、すべて同料金)〕麦冠 情け嶋 麦 25%(八丈島)400、しま千両 芋 25%(鹿児島)400、八幡 かめしこみ 芋 35%(鹿児島)450、龍宮 黒糖 30%(奄美大島)450、長雲 一番橋 黒糖 30%(奄美大島)500、宮之鶴 泡盛 30%(沖縄)400、春雨 ゴールド 泡盛 30%(沖縄)450、富乃宝山 芋 25% 四合瓶(鹿児島)5,000(水、お湯、氷はサービスだが、飲み切りでキープ不可)。 〔ワイン(グラスのみ)〕秩父ワイン 源作印 白・赤(埼玉)500。 〔ビール〕サッポロラガービール(赤星)大瓶650・中瓶550、サッポロ生ビール黒ラベル大瓶650・中瓶550、エビスビール中瓶570、キリン一番搾り中瓶550、キリンフリー(ノンアルコール)小瓶350。 〔ウイスキー(ストレート、ロック、水割り、炭酸割り、すべて同料金)〕イチローズモルト600。 〔その他〕ウーロン茶150、緑茶150、オレンジジュース200。
    〔定番メニュー(1年を通して提供)〕お通し(大皿から選ぶ)250。〈大皿料理〉おから(自家製)480、肉じゃが(自家製)480、ポテトサラダ(自家製)350、じゃこピーマン350、本日のきんぴら350、本日のお浸し350。〈刺身〉マグロの脳天/すきみ(築地より)700、やまかけ500、マグロ納豆500、鯵のなめろう500、本日の刺身(船橋・足立より)600~800。〈野菜料理〉季節の野菜山椒あんかけ(浦和の有機野菜)600、ぬか漬け(自家製)300、月見芋350、長いもの千切り300、本日の生野菜(浦和有機の野菜)500。 〈魚料理〉鯵の干物(沼津)500、きびなごの干物(沼津)380、シシャモ完干し(広尾)500、たたみいわし(腰越)350、たらこの粕漬け(自家製)550、本日の魚粕漬け(自家製)600、本日の焼き魚600、本日の煮魚550。 〈肉料理〉牛肉とトマトのビール煮500、牛肉のしぐれ煮500、生ハム(麺房亭)700、もち豚焼豚(自家製)600、比内地鶏のモモ焼き(能代)700、比内地鶏の手羽焼き(能代)600、比内地鶏の蒸し鶏(能代)500。 〈卵料理〉だし巻き卵(自家製)500、茗荷卵とじ400、卵黄の味噌漬け(自家製)350。 〈豆腐料理〉栃尾油揚げ(新潟)550、寄せとうふ(豆一)450、冷奴(豆一)280、湯奴(豆一)280、生湯葉あんかけ(豆一)600、本日の白和え400。 〈珍味〉クサヤチーズ(八丈島)600、鮒ずし(琵琶湖)300、塩辛(自家製)300、茗荷ととびっこの和え物380、ゆず味噌(庄助)400、ウツボの一夜干し(白浜)500、ニシンの山椒漬け(会津若松)500、からすみ(宇和島)600。 〈〆〉本日の〆(毎日変わります。うどん、お茶漬け、炊込みご飯など)450。 〔本日のおすすめ(2011年12月3日の例)〕〈刺身〉鱸(スズキ洗い)800、鰍(イナダ)700、鯵(アジたたき)600、ホーボウ700、カマス(酢締め)600、アオリイカ700。〈きんぴら〉蓮根350。〈お浸し〉春菊とお揚げ350。〈白和え〉柿の白和え400。〈魚粕漬け〉鯖(サバ)600、鱸(スズキ)600。〈焼き魚〉カマス600。〈生野菜〉ラディッシュ・からし菜・日野菜蕪500。〈〆〉卵雑炊450。 〔季節のおすすめ(2011年12月の例)〕柿の山葵和え400、里芋煮500。(2011年12月調べ)

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刺身はいつも天然もの … 小鍋立て「五鉄(ごてつ)」(呉)

刺身はいつも天然もの


 仕事関係の懇親会で、6人で「五鉄」にやってきました。

 「五鉄」の店内は、ゆっくりと作られたL字カウンター11席がメインで、その他には奥に8人用の掘りごたつ席があるのみ。今日のようの6人で来た場合には、奥の掘りごたつ席がぴったりです。ただし、この掘りごたつ席は1卓しかないので、予約をして出かけたほうが賢明です。

 普段は店主・蒲原明(かんばら・あきら)さんがひとりで切り盛りされていますが、今日の我われのように、あらかじめ予約が入っていると、手伝いの女性が入ります。

 店主の蒲原さんは、若いころから食べ歩きが趣味で、あちこちを食べ歩いた経験を活かして、会社を退職されたあと、平成16(2004)年9月にこの店を開いたのでした。

「最初のころは、ホワイトボードに書ききれるくらいの品数(5~6品)しかなかったんだよ」と店主。それが7年間の間に1品、また1品と増えていって、今は40品を超えるメニュー数になっているのです。

 席に着くと、まず出てくるお通しは年中必ず豆腐料理の小鉢です。夏場は冷奴が出たりするのですが、冬場はおでん鍋で煮た、味の付いた豆腐に、ちょっと漬物などがトッピングされたものが出されます。このお通しが、とても呑兵衛好みでいいんですよねぇ。そういえば自由が丘の名店「金田」のお通しも、必ず豆腐の小鉢です。

 予約のときに、幹事さんが刺身盛り合せは注文しておいてくれたらしく、乾杯が終わるとすぐに刺身盛り合せの大皿が出てきました。「五鉄」の魚介類は天然ものしか仕入れません。それもまた店主のこだわりなのです。今日の刺身はブリ、スズキ、ヒラメ、イカ、そしてウニです。

 ここの刺身には、ぜったい燗酒! 乾杯の生ビールが終わったら、すぐに燗酒に切り替えます。

 特にこの加工していない生のウニが好きなんですよねぇ。箸の先にほんの一つまみのウニに、ちょっとだけ醤油をつけて口中へ。そのウニを舌と上あごの間でクニュッとつぶすと、ウニの甘みと香りがフワンと広がります。それをしばらく味わったところで燗酒をクイッ。ッカァ~~~ッ。これはいい!

 そしてだし巻き卵(500円)。これも、この店に来ると必ず注文する一品で、できたて熱々の大きな玉子焼きが出されます。

 結局、いつもの料理をあれやこれやと注文しながら、3時間半ほど燗酒を飲みまくって、最後は和風ペペロンチーノという説明書きがある五鉄パスタ(800円)で締めて終了。お勘定は6人で33,600円(ひとりあたり5,600円)でした。う~っ、平日なのに飲みすぎたかも。

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だし巻き卵 / カキフライ / 五鉄パスタ

店情報前回

《平成23(2011)年11月30日(水)の記録》

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天ざると千福のセット … そば処「平原(ひらはら)」(呉)

天ざると千福のセット


 年中無休で、昼11時から夜の9時まで中休みなしに、丼物と麺類のセットや、麺類を含んだ各種定食が安価に楽しめることで人気の、そば処「平原」。安価ながらも、そばも、うどんも自家製麺で、天ぷらは通し揚げ(注文を受けてから揚げる)というのも嬉しいではありませんか。

 土曜日の今日は、そんな「平原」で、ゆっくりと晩酌付きの夕食をとりにやってきました。

 ずらりと並んだテーブル(店内はテーブル席のみ)のひとつに座り、まずは『生ビールと枝豆のセット』(480円)を注文します。生ビール中ジョッキの単品は400円、枝豆の単品は150円のところ、セットにすると70円(13%)割り引きになるのです。

 東京だと、町々にそば屋があって、多くの店で昼からビールや酒を飲んでる人を見かけるのですが、呉には純粋にそば屋というのは見かけません。ここ「平原」にしても、その看板に“そば処”と明記しているものの、多くのお客さんはうどんを注文していて、飲んでいるお客はあまりいないのです。

 「森田食堂」、「くわだ食堂」、「寿食堂」などの大衆食堂では、早い時間帯であっても、呑んでる人をよく見かけますので、呉の呑兵衛で、早い時間から呑みたい人たちは大衆食堂に集まってくるんでしょうね。

 生ビールが残りわずかになったところで『天ざるそばと千福のセット』(980円)を注文します。天ざるそばの代わりに天ざるうどんにすることも、千福(日本酒)の代わりに生ビールにすることも可能です。こちらは単品で天ざるそば(680円)と千福(380円)を注文するのと比べて80円(7.5%)の割り引きとなります。

 すぐに出される燗酒をチビチビとやりながら待つことしばし。出てきた天ざるは、えび天2本に、はす(蓮根)、しいたけ、大根、インゲンといった野菜天と、それとは別にせいろそば(海苔はかかっていない)です。だから本当は天せいろとか、天もりといったほうが正しいのかもしれません。そばつゆを入れる器が、そば猪口(ちょこ)ではなくて、上に広がった形の小鉢なのが、ざるそばとの違いです。このほうが天ぷらを浸けやすいですもんね。薬味には刻みネギと大根おろし、そしてワサビが添えられています。

 熱々の天ぷらをつまみながら燗酒を呑み、時々そばもたぐります。丼物のごはんもつまみになるように、そばもまた、それだけでもいいつまみになるんですよねぇ。

 この天ざるのセット以外には、『えび天入りの鍋焼きうどんとお酒(ビール又は日本酒)のセット』(900円)があって、まるで鍋物でお酒を飲むかのような感覚で、鍋焼きうどんを楽しむことができます。

 最後にそば湯を出してもらって、そば湯でのばしたそばつゆを肴に燗酒を呑み干します。

 1時間ほどの滞在。お勘定は1,460円でした。生ビールと燗酒に、つまみ(枝豆)と天ざるをいただいて1,500円未満というのが嬉しいですよね。

 2軒目は今週も屋台の「一二三(いちにいさん)」。燗酒(白牡丹、400円)3杯と、おでん(各100円)に、ナスの塩もみ(350円)で2時間ほど過ごして1,750円。

 3軒目は、「どん底」で竹鶴12年(ピュアモルト・ウイスキー)を水割りを飲みつつ1時間ほど。お勘定は2,000円。

 そして4軒目は「BAR ANCHOR(アンカー)」で、今度は宮城峡12年(シングルモルト・ウイスキー)をロックでもらって1時間ほど。お勘定は1,500円でした。

 「BAR ANCHOR」を出たのは、日付が変わった午前0時半。「平原」に入ったのが午後7時だったので、5時間半で4軒のハシゴ酒でした。やぁ、今夜もよく飲んだ。

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「平原」生ビールと枝豆のセット / 天ざるの天ぷら / そば湯を入れて

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「一二三」おでんに燗酒 / ナスの塩もみ / 「どん底」竹鶴12年

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お通しの枝豆 / 「BAR ANCHOR」宮城峡12年 / お通しのドライフルーツ

・「平原」の店情報前回

《平成23(2011)年11月26日(土)の記録》

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ポーク・シャリアピン … 屋台「燻(くん)」(呉)

ポークステーキ・シャリアピンソース


 金曜日の今日、4軒目の酒場としてやってきたのは屋台の「燻」。そろそろ日付が変わろうという時間帯に注文したのは、コーヒー焼酎の湯割り(400円)に、つまみはポークステーキ・シャリアピンソース(600円)。この「えっ?! それって屋台のメニューなの?」というような組み合わせが「燻」ならではですねぇ。

 いつもは冷たいまま飲むコーヒー焼酎を、今日は湯割りでもらってみたのですが、これもいい。でもアルコール飲料であることをほとんど感じないのは危ないなあ。特に、今日のように4軒目といったケースでやってくると、ほとんど食後のコーヒーとしか思えないくらい。気がつくと、がっつりと酔ってしまっているという飲み物ですね。

 今日の1軒目は「三とり本通店」。例によって“ちょっと一杯セット”(1,500円)を燗酒で注文すると、今日の小鉢はエビと薩摩芋のサラダに、牛そぼろとブロッコリーの煮物。焼き鳥4本は、串カツ、梅じそささみ串、串焼き(たれ)、手羽先です。

 今日は午後7時前に店に入ったので、女将さんのほかに、アルバイトの学生も二人入っています。カウンターがいっぱいだったので、その背後のテーブル席(4人卓)を、ぜいたくに一人で使わせてもらって飲んだのですが、アルバイトの学生二人が、横を通り過ぎるたびにちらりと確認して、チロリが空いてると「次を持ってきますか?」と気を効かせてくれるのが嬉しいですね。

 焼き鳥も食べ終えて、今日は鶏のもつ鍋(530円)を追加。このメニューが実は前々から気になっていたのですが、注文したのは今日が初めて。ひとり用の鉄鍋で出されるもつ鍋は、鶏スープで、鶏もつ、豆腐、白菜、春菊、玉子などを煮たもので、味はついているのでそのままいただきます。この鶏もつの代わりに鶏肉が入ると、かしわ鍋(530円)になります。スープ豆腐(320円)は、鶏スープで豆腐を煮たもので、他の具材は入りません。

 「三とり本通店」で1時間半ほど過ごして、お勘定は2,030円。2軒目はバー「ANCHOR(アンカー)」に入り、まずはアンカー・リバティエール(800円)をもらうと、お通し(チャージも含まれて500円)はポテトサラダです。

 「ANCHOR」には生ビールは置いていなくて、ビールはアンカー社の3種類と、ギネス・スタウトの、それぞれ瓶ビールのみ。これをきれいに泡立てて注いでくれます。

 今日は1軒目のスタートから燗酒だったので、この時点でいただくビール(エール)がおいしいですねぇ!

 ビールの後は、ハイランド・シングルモルトウイスキー「クライヌリッシュ(CLYNELISH)14年」をストレートで。このウイスキーは、今月のサービス・ウイスキーなので、ふだんなら1杯が900円のところが500円とお得なのです。ただしひとり1杯まで。

 3杯目はバーボン・ソーダ(バーボンの炭酸割り)を、メーカーズマーク(900円)で作ってもらいます。炭酸のシュワシュワ感が、特徴のあるバーボンの甘みと香りを、より感じさせてくれます。

 2時間ほどゆっくりして「ANCHOR」のお勘定は2,700円。

 夜も10時半を回ったので、ここらで屋台に繰り出します。まずはいつもの「一二三(いちにいさん)」へ。金曜日だけあって、「一二三」もお客がいっぱいで、この寒空の下、屋台の外側にも張り出して飲んでいる状況。そこは一人の気楽さで、お客さんたちにキュキュッと詰めてもらって屋台の中へと入ります。

「焼酎(いいちこ)の水割り(400円)と、おでん(各100円)は大根と平天(ひらてん)をお願いします。」

 そのおでんをつつきながら、この屋台でよく合う常連さんたちと談笑のひととき。せまい空間なので、常連同士、すぐ知り合いになっちゃうんですよね。それがまた屋台の良さでもあります。

 屋台の中、10人分くらいの空間は、ラーメンだけのお客さんもいるので、まるで呼吸をするように満席になったり、ガランと空いたりを繰り返すことが多いのですが、今日はズゥ~ッと満席状態。外で席が空くのを待ってる人もいるほどなので、私も1時間弱で切り上げて(お勘定は600円)、4軒目となる「燻」へと、屋台のハシゴをしたのでした。

 「燻」の店主と話をしながら、ゆっくりと2時間ほどの滞在は、ちょうど1,000円でした。どうもごちそうさま。

 ここから単身赴任社宅までは歩いて5分ほどなのがありがたいところです。時刻は午前1時半。さあ、そろそろ帰って寝ますか。

111125a 111125b 111125c
「三とり本通店」 / ちょっと一杯セット / セットの焼き鳥

111125d 111125e 111125f
もつ鍋(とり) / 「アンカー」リバティエール / お通しのポテトサラダ

111125g 111125h 111125i
クライヌリッシュ14年 / バーボンソーダ / 「一二三」おでん

・「燻」の店情報前回

《平成23(2511)年11月25日(金)の記録》

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日曜日はすべて早めに … お食事処「寿(ことぶき)」(呉)

お食事処「寿」


 日曜日の今日は午後3時半から呑み始めたので、1軒目の「三とり本通店」を出ても、まだ5時前。“ちょっと一杯セット”の3合の酒で、いい感じのほろ酔いなのに、まだ冬場の空が明るいのがいいではありませんか。

 そんなわけで、今日の2軒目は、日曜日でも朝の10時から通し(=中休みなし)で営業しているお食事処「寿」です。

 実は先ほど、「三とり本通店」の女将さんが、「『寿』は若い人が継ぐことになって、お客さんも増えてきてるらしいですよ」という情報を教えてくれたのでした。

 店の外観は以前と変わってないものの、店頭に、いかにも若い人が書いたっぽい文字で書かれた「本日のおすすめ」ボードが出ていたり、その内容もハムカツ(300円)や、あつあつシチュー(350円)だったりと、なんだか雰囲気が違います。

 しかしながら、入口引き戸をガラリと開けて店内に入ると、そこはいつもと変わらぬ「寿」の、大衆食堂ならではのたたずまいでひと安心です。

 ずらりと並ぶテーブル席のひとつに座り、注文を取りに来てくれた女将さん(昭和3年生まれらしい)に、燗酒(400円)と、店頭の「本日のおすすめ」にもあったシチュー(350円)を注文します。

 すぐに出される燗酒は、金属製のチロリに入った1.5~2合ほどの量。シチューは、厨房の鍋からつがれるのかと思いきや、すでに1人前ずつ盛り分けたものが、入口横の陳列棚に並んでいて、それを電子レンジで温め直してくれます。これがまた、わが家で晩ごはんに出てくるようなクリームシチューっていうところが、いかにも大衆食堂って感じで、いいです。

 店内を見渡してみたところ、店を継ぐらしき若い人は、この時間帯にはいないようで、女将さんの他、いつものおばちゃんたち、あわせて2~3人でフロアを切り盛りしています。もしかすると後継ぎの若い人は厨房のほうにいるのかな?

 客層はというと、これまたいつもと変わらず、私も含めてみんなオヤジひとり客。それぞれ、1テーブルに一人ずつ座って、めいめいにビールや酒、焼酎などを飲み、おでんやおかずをつまんでいます。

 ここは入口の上の方にテレビが置かれていて、ほとんどの客がそっちに向いて座るので、なんだか教室みたいですね。

 シチューを食べ終えたところで、立って陳列棚のところまで行き、今日のおかずの確認です。鯛のカブト煮(350円)がいかにも美味しそうなんだけど、大きすぎるよなぁ。これだけで超満腹になってしまいそう。う~む。

 ちょっと迷って、けっきょく玉子焼き(2切れで150円)をチョイス。おばちゃんに渡して、電子レンジでチンと温めてもらいます。

 燗酒はグラスにきっちり3杯分。やっぱり2合は入ってたのかな。

 となりのおじさんは、「熱燗おかわり。半分ね!」と半量の日本酒を注文。なるほど、そういう注文もできるんですね。

 玉子焼きで燗酒を飲み終えて、1時間半ほどの滞在。お勘定は900円でした。

 店を出たところで、時刻は6時20分。日も落ちて、暗くなりましたねぇ。でもちょうど屋台も開く頃なので、今日もまた「一二三(いちにいさん)」へと向かい、焼酎(いいちこ)の水割り(400円)をもらって、つまみはおでん(各100円)のスジの赤いの、白いのと玉子。スジの赤いのは、牛スジ肉の肉の部分で、白いのはアキレス腱の部分です。さらにキンチャク(これのみ150円)ももらって、1時間弱の滞在。お勘定は850円でした。

 屋台「一二三」を出て午後7時15分。次に向かったのは、そば処「平原(ひらはら)」です。ただし呑むのではなくて、この店では食事で締め。今日はコメのごはんが食べたい気分なので、親子丼を単品(450円)でもらいます。

 ここ「平原」は、安くて種類が多いセットメニューや定食メニューが大人気。たとえば今回単品でもらった親子丼の場合、セットメニューになると、親子丼とうどんのセット(550円)、親子丼と天ぷらうどんのセット(650円)、親子丼とざるうどんのセット(700円)、親子丼と天ざるうどんのセット(800円)などが選べます。もちろん、うどんは、そばに代えることも可能です。

 また、すべての麺類は、プラス150円で定食(ごはん、おかず、サラダ)になる。おかずは日替りの3種から選べます。その3種はたいていの場合、冷やっこ、アジフライと、煮物(切干大根や、ひじきなど)です。

 待つことしばし。出てきた親子丼には、よくカツオ出汁(だし)が効いた味噌汁と、小皿の漬物が付いています。なるほど、単品の親子丼(450円)と、親子丼とうどんのセット(550円)の違いは、わずか100円ですが、単品のほうには、うどんの代わりに味噌汁が付くんですね。

 これまたそば屋らしい、よく出汁の効いた親子丼をいただいて、午後8時には単身赴任社宅に帰宅したのでした。

 日曜日は、呑み始めも、呑み終わりも、すべてが早い。この時間に呑み終わると、明日にも影響が出なくていいのですが、なかなかこの時間に呑み終えることができないんですよねぇ。今日は、我ながらすばらしい!(自画自賛)

111120d 111120e 111120f
「寿」燗酒 / シチュー / 玉子焼き

111120g 111120h 111120i
「一二三」アキレス、スジ肉、玉子 / もちきんちゃく / 「平原」親子丼(単品)

・「寿食堂」の店情報前回

《平成23(2011)年11月20日(日)の記録》

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日曜は早めにスタート … 居酒屋「三とり本通店(さんとりほんどおりてん)」(呉)

セットの焼き鳥


 日曜日の今日は、早めの夕方に呑みかた開始。夜遅くまで飲むと、明日からの仕事がしんどいので、すべて、早め早めに行動です。

 呉で早くから呑もうと思うと、なんといっても「森田食堂」や「くわだ食堂」といった大衆食堂が一番なのですが、残念ながら日曜日は開いていません。大衆食堂系では、かろうじてお食事処「寿(ことぶき)」が、日曜日でも朝の10時から開いています。

 そば処「平原(ひらはら)」も、正月三が日以外は無休で、昼前11時から営業開始。ただし、ここの飲み物はビールと日本酒だけです。

 昼になると、焼き鳥屋なんだけど生簀(いけす)もあるという“とり屋”の営業も始まります。「第三とり八」は11時に、「第一三とり」は11時半に、そして「とり八茶屋」は土日のみ12時から、そして「三とり本通店」は13時ごろから営業開始です。「とり八茶屋」以外は、平日でもこの時間から開いています。

 そんな中、今日は午後3時半に「三とり本通店」でスタート。なぜここを選んだかというと、この店には呑兵衛の強い味方、『ちょっと一杯セット』があるからです。

 『ちょっと一杯セット』は、瓶ビール2本 or 生ビール2杯 or 酒3杯 or 焼酎(湯割り、水割り)3杯 or チューハイ2杯のいずれかに、焼き鳥4本と小鉢2品が付いて1,500円という、実態として“ちょっと一杯”なんて言ってる場合ではないほど充実したサービスセット。ほとんどの場合は、“これでもう十分”となってしまうセットなのです。

 今日も店に入って、女将の前のカウンター席に座るなり「セットを燗酒でお願いします」と注文。

 すぐにチロリにきっちり1合入った燗酒(千福の普通酒)とグラスが出され、追いかけるように今日の小鉢2皿と、焼き鳥についてくるキャベツの皿が出されます。

 今日の小鉢は、カブと柿の酢の物とオムレツ。毎日の小鉢は、女将さんが、家庭の主婦が作るのと同じように、その日の仕入れや、昨日の残りものなどを利用して作るので、毎日、違うものが出てくるのです。

「週に何日も来てくれる人がいるから、違うものを出さなきゃね」と女将さん。

 この店は、夕方からは手伝いの学生が入るものの、それまでの間は女将さんがひとりで切り盛りしています。

 この店では、日本酒(千福1合)は単品で注文すると420円。焼き鳥は1人前2本で210円なので、日本酒3合と焼き鳥4本だけで、もう1,680円になる計算。それにさらに小鉢が二つ付いて1,500円なんだから、やっぱり安いですよねぇ。

 「お待たせ」と出された焼き鳥は、串カツ、ずり、串焼き、きもの4本。この4本の種類も、日によって替わるんだそうです。ちなみに串カツは、串焼きにする焼き鳥に衣をつけてカツにしたもので、串に刺さったチキンカツなのが面白いところ。呉の“とり屋”の串カツは、みんなそうなのです。

 さらにこの店の焼き鳥の特徴として、肉の間に刺さっているのがネギではなくて玉ネギだということ。博多の焼き鳥は、たいてい玉ネギが刺さっているのですが、呉では珍しいですよね。

「お客さんに教えてもらって、玉ネギを使うようになったんよ。ネギは嫌いな人は残すけど、玉ネギにしたら残す人がおらんようになったね」とのこと。

 チロリで3合のお酒は、グラスに8分目くらいに注いで6杯分になります。

「料理のほうが足りんようになる人が多いんよ」と女将さんが言うとおり、ゆっくりとしたペースで飲んでいたら料理がなくなってしまい、ホワイトボードメニューに書きだされている今日のメニューから、里芋とツクネの煮物(320円)を追加。これできっちりと3合の燗酒を飲み干して、1時間ちょっとの滞在。お勘定は1,820円でした。どうもごちそうさま。

111120a 111120b 111120c
「三とり本通店」 / セットの焼き鳥4本 / 里芋とツクネの煮物を追加

店情報前回

《平成23(2011)年11月20日(日)の記録》

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余市×宮城峡=竹鶴! … バー「岩崎(いわさき)」(呉)

余市×宮城峡=竹鶴


 土曜日なので「一つ家」だけでは終わらず、2軒目は屋台の「一二三」へ。「一二三」は、基本的に金曜日と土曜日にしか出ていないので、週末になると足しげく通っているのです。

 焼酎(いいちこ)の水割り(400円)をもらって、つまみはおでんの玉子(100円)と、ごぼう天(100円)をもらいます。

 ここ「一二三」の焼酎水割りは、濃いことで有名。おとうさんご自身が焼酎が好きなので、「焼酎はこれくらい濃くないとおいしくない」といって、氷入りのグラスに8~9割の焼酎を入れて、残りほんのわずかの部分に水を入れてくれるのです。よく知っているお客さんは「焼酎水割りを、薄めでお願いします」なんて注文をするほど。

 その濃い目の焼酎水割り(400円)をもう1杯おかわりして、つまみにはメザシ(9尾1人前で450円)を炙(あぶ)ってもらいます。このところ、このメザシがお気に入りで、来るたびに必ず注文しているような気がします。瀬戸内海のメザシはうまいっ!

 「一二三」には午後11時過ぎまで、1時間強の滞在で、お勘定は1,450円。

 もうちょっと呑んで帰ろうかな、と立ち寄ったのは、8月に一度行ったことがあるバー「岩崎」です。今回が2度目。オーナーバーテンダーが岩崎さんだから「岩崎」という店名。岩崎さんも、バー「ANCHOR(アンカー)」の森貞さんと同じく、バー「ナポレオン」の出身です。

 1杯目に「竹鶴17年」をロックでもらうと、

「ニッカでピュアモルトというのも珍しいでしょう?」と岩崎さん。

「えっ? そうなんですか?」とボトルを見てみると、確かにピュアモルトと書いてある。サントリーには「山崎」などのピュアモルトウイスキーが多いのですが、ニッカはシングルモルトばかりかと思ってました。

 ピュアモルトもシングルモルトも、どちらも100%モルトウイスキーじゃないと名のれない名称ですが、シングルモルトが単一蒸留所のモルトウイスキーなのに対して、ピュアモルトは複数の蒸留所のモルトウイスキーをヴァッテッドした(混ぜた)ものでもいいことになっています。

「調べてみると、竹鶴は、ニッカの余市と宮城峡の二つの蒸留所で作られたモルトウイスキーのヴァッテッドモルトらしいんですよ」

 なるほど、そういうことだったんですね。「竹鶴」は、すごく好きなウイスキーなのに、そんな基本的なことも知らずに飲んでました。

 ニッカからは「余市」と「宮城峡」という、二つのシングルモルトウイスキーも出されていて、それらのボトルも並べて見せてくれました。

 「竹鶴」のロックのあと出されたチャーム(お通し)は、スモークチーズ、パルメジャーノなどのチーズのミニ盛り合せです。

 今宵最後の1杯は、アイラモルト「アードベッグ10年」のストレートです。「アードベッグ」も、この店には3種類あって、それらも並べて見せてくれました。こうやって、ウイスキーやカクテルなどの飲み物の勉強ができるところも、オーセンティック・バーのいいところですよね。

 これまた1時間ほどの滞在。お勘定は2,900円でした。どうもごちそうさま。

111119g 111119h 111119i
「一二三」ごぼう天、玉子 / めざし / 「岩崎」アードベッグ

店情報

《平成23(2011)年11月19日(土)の記録》

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店情報: バー「岩崎(いわさき)」(呉)

    BAR岩崎
  • 店名: BAR岩崎
  • 電話: 0823-23-6663
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通3-1-11 晃輝ビル4F
  • 営業: 17:00-01:30、無休
  • 場所: 本通三丁目信号交差点を、れんが通り方向に入り、左手のそば屋「信州」の先、左手にある晃輝ビルの4F。
  • メモ: バー「ナポレオン」出身の岩崎英記さんが開いたオーセンティックバー。(2012年3月調べ)

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〆サバで呑んで鯛めし … お食事処「一つ家(ひとつや)」(呉)

シメサバで燗酒


 昨夜(金曜日)は、仕事関係の飲み会と、「魚菜や」の“トークの日”が重なって、まずは仕事関係の一次会で、老舗焼肉店「加瀬多」へ。

 がっつりと焼肉を食べて、みんなで二次会に向かう途中で、ひとりでちょいと抜け出して「魚菜や」の“トークの日”に参加。小さいカワハギの煮つけが、ひとりに1尾ずつついて、呉の地酒が進みます。

 「魚菜や」で飲み終えて、みんなが二次会をやっているラウンジ「レジェンド」に向かうと、予想どおりまだまだ盛り上がっいて、合流成功。

 二次会を終えて、最後に残った3人でバー「アンカー」に入ったのは午前1時半。生のザクロで作るジャックローズを作ってもらって、カマンベールフランベもいただきます。結局、飲み終えたのは午前3時ごろ。いやぁ、よく飲みました。

 そんなわけで、今日(土曜日)は昼ごろ起き出して、朝食兼昼食は、喫茶「ぼんぼん」でちゃんぽん(650円)。この店は朝5時から開いているのですが、閉まるのも午後2時と早いのです。ふだんはどういうお客さんが来るんでしょうね。

 それから夜までは単身赴任社宅で過ごし、午後8時ごろ、夕食に向かったのはお食事とステーキの店、「一つ家」です。

 呉の多くの小料理屋は、メニューに値段表記がありません。「魚菜や」もそうだし、ここ「一つ家」もそうです。

 煮物などの料理は、カウンター上段の大皿に並んでいて、それを見て選びます。刺身やステーキ、玉子焼きなどは、黒板に書き出されていて、注文を受けてから調理してくれます。

 まずはアサヒの中瓶ビールをもらって、つまみにはハス(レンコン)、ゴボウ、厚揚げなどの煮物をもらうと、「今日はヒジキもおいしいよ」と女将さん。それももらいます。

 ビールがなくなったところで、燗酒(千福・上撰)を大徳利で注文し、つまみにはシメサバを切ってもらいます。プリッと大きなシメサバがいいですねぇ。

 最後は鯛めしと味噌汁をもらって食事にしますが、この鯛めしが、それだけで燗酒が飲めるほどいいつまみになります。

 ゆっくりと2時間弱の滞在。お勘定は3,800円でした。どうもごちそうさま。

111118a 111118b 111118c
「魚菜や」カワハギ煮つけ / 「アンカー」カマンベールフランベ / スティンガー

111119a 111119b 111119c
「ぼんぼん」ちゃんぽん / 「一つ家」煮物でビール / シメサバ

111119d 111119e 111119f
鯛めし / 漬物 / 味噌汁

・「一つ家」の店情報前回

《平成23(2011)年11月19日(土)の記録》

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〔コラム〕 今年のテーマは「居酒屋を研究する」

 新しい年を迎えて、もう1週間が過ぎました。遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

 平成17(2005)年以降、毎年、年頭に今年のテーマを決めて、その1年間はなるべくそのテーマに沿うように活動してきました。

 昨年(2011年)のテーマは「呉・広島方面を楽しもう!」。平成22(2010)年4月に呉に単身赴任し、はじめての年頭だったので、呉を中心とした広島県や、その周辺エリアの酒場に精力的に出かけていこうというテーマを掲げたのでした。

 幸い、昨年(2011年)4月から、月刊「くれえばん」に『呉酒場礼賛』の連載もさせていただき、このことが呉酒場めぐりの大きなモチベーションアップにもつながりました。

 しかし、残念ながら、呉以外の、広島や竹原、近隣の島しょ部や山間部には、あまり出かけることができませんでした。いいところがいっぱいありそうなんですけどねぇ。交通の便が悪いので、なかなか足が向きにくかったのでした。

 そんなわけで、「呉・広島方面を楽しもう!」については70点くらいのでき、といったところでしたが、昨年1年間で一番の問題だったのは、飲むのが忙しくて、ブログの更新すら滞りがちになってしまったことでした。

 呉に単身赴任になったときには、「首都圏に比べると、酒場の数は少ないはずだから、時間が余ったら酒場に関する文献調査などもしてみたいな」と、淡い期待を抱きながらやって来たものでした。

 しかし実際に呉に来てみると、たしかに酒場の絶対数は、首都圏に比べると少ないのですが、飲みに行く機会は、首都圏にいたときよりも増えたのです。考えてみれば、「酒場の数」と「飲みに行く数」とはまったく関係ありませんもんね。特に週末(土日)に飲み歩くことが多かったのが、ブログの更新が滞る大きな要因となりました。

 そこで今年は、「居酒屋を研究する」ということを明示的に掲げて、週末ののんびりとした時間を確保しつつ、当初考えていたような文献調査などもやっていきたいと思ったような次第です。

 これまでも新聞、雑誌等に記事が載るときに、『居酒屋研究家』と紹介されることが多かったのですが、実態としては『ただの呑兵衛』で、ほとんど居酒屋の研究なんてことはしていませんでした。この機会に、ちょっとでも研究できればと思っています。

 それでは今年もよろしくお願いいたします。

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