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店主自慢の牛ハツ炙り … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)

店主自慢の牛ハツ炙り


 「まるます家」からの帰り道、別の電車に乗るアヤパンマンさんと赤羽駅で別れ、同じ電車で帰途についていた倉嶋編集長と中野駅で別れて、『最後にもう1軒!』と向かったのは「石松」です。東京に帰ってきたら、やっぱりもつ焼きも食べたいですもんね。

 カウンター7席のみで、いつも満員御礼状態の「石松」ながら、ひとりだったのと、着いた時間(午後10時20分ごろ)も良かったのか、スルッと入ることができました。

 ボトルキープしているキンミヤ焼酎を出してもらって、割りものは黒ホッピー(ソト)をもらいます。今日のお通しは豚耳です。

 あとはいつものように、みんなの注文の流れに乗っかって、一緒に注文していれば大丈夫。

「それは、ガツを用意してますか? じゃ、私も1本」

 目の前でガツ(豚の胃袋)の下ごしらえが始まったので、まずはここから便乗注文です。

 ここ「石松」では、店主・三浦さんが、毎日、もつの仕入れのために品川の食肉市場に出かけていきます。その日使う豚もつや牛もつなどをクーラーボックスに入れて、中野に帰ってくるともう夕方。事前に下ごしらえをして串を打っておく時間もないので、お客の注文に応じて、もつの大きな塊(かたまり)から切り分けて串に刺し、そのまま炭火の焼き台で焼き上げて出してくれるのです。

 仕入れも、仕込みも、そして夜遅く(朝早く?!)までの店の営業も、すべて店主ひとりでこなすので、どうしてもこういう流れになってしまうんですね。

 しかしながら、そのおかげで、我われも他の店では食べられないくらいの、ものすごい鮮度のもつ焼きを、三浦さんの肉の内部が見えているとしか思えないような素晴らしい焼き加減で食べることができるのでした。

 魚の刺身だと、注文を受けてから刺身を引いて出してくれるのは当たり前ですが、もつ焼きの世界で、注文を受けてから、大きなもつを切り分けて… なんてやってくれるところは、あまりありませんもんね。

 注文を受けてから下ごしらえ開始なので、その分、時間はかかってしまうのですが、常連さんたちはそれをよく知ってて、ほとんどの人が便乗注文。だから、いったん何かの下ごしらえを始めると、カウンターに並ぶお客さんたちから「俺も」「私も」「こっちは塩とタレで1本ずつ」なんて注文が飛び交うのです。

「ガツの次は何にする?」と聞いてくれる店主・三浦さん。次の注文が入ってなかったりすると、それまであまり自力注文をしていない(便乗注文ばかりしていた)人を中心に、リクエストを受け付けてくれるのです。

「レバはぜったい食べたいです!」と、豚レバを塩焼きで注文すると、まわりからも便乗注文が入ります。

 首都圏以外だと、豚レバが食べられる機会は本当に少ないので、これは絶対はずせません。豚レバのみならず、ガツ(豚の胃)も含めて、そもそも豚のもつ自体をあまり見かけません。呉の街も、地酒も、地魚も、いろんなものがすごく好きなんだけど、豚もつがないことだけが、今でも残念でならないのです。

「タン下も食べる?」と三浦さん。

「食べる!食べる!」

 もちろん二つ返事でもらいます。ふだんはないものがあったりすると、店主のほうから「食べる?」と聞いてくれたりするのです。

 続く牛ミノは醤油で。“醤油で”とお願いすると、もつ焼きを素焼きで焼き上げた後、仕上げにちょっと醤油をつけて焼いてくれます。個人的には、ガツ、ミノ、テッポウあたりは、醤油がものすごくよく合うように思います。

 そして、三浦さんの自慢の一品、牛ハツの炙りです。これは串焼きではなくて、大きな牛ハツ(心臓)の塊(かたまり)を、そのまま炭火の上で炙って、ローストビーフのようにスライスして出してくれる一品。“焼きの三浦”の真骨頂が感じられる、絶妙な焼き加減が楽しめます。ただし、いつもあるわけではありません。

 最後はビシッとシロたれで〆て終了。1時間半ほどの滞在で、お勘定はよく覚えていないけど1,500円前後。やっぱり「石松」のもつ焼きは安くて美味しいなぁ、と再認識した一夜でした。

111203m 111203n 111203o
豚耳と黒ホッピー / ガツ醤油 / レバ塩

111203p 111203q 111203r
タン下 / 牛ミノ醤油 / シロたれ

店情報前回

《平成23(2011)年12月3日(土)の記録》

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コメント

良いですね!カウンター7席のみ!考え方が違ったら申し訳ないのですが「同じ釜の飯(仲間)」状態ではないかと。お店にお越しになっている皆様はたぶんお近くの方ばかりでしょうから。私もそのような店を探してみたいです。

投稿: おおぽん | 2012.01.21 12:39

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受信: 2012.06.25 09:14

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