蒸して焼くのが骨付焼 … 活魚・やき鳥「本家鳥好(ほんけとりよし)」(呉)
(前編からの続き)
骨付焼(ほねつきやき)も、呉の“とり屋”の名物料理のひとつ。親鶏(おやどり)のもも肉を、骨付きのまま焼いたもので、たれ焼きと塩焼きが選べて、それぞれ1本600円。メニューには「たれ焼は柔らかく、旨みをぎゅっとひきだし、塩焼は親鶏ならではの味わいと歯ごたえを楽しめます」と書かれています。
「たれ焼きと塩焼きは、違うものなんですか?」と確認してみると、たれ焼きが蒸して柔らかくしたもも肉にタレをつけて焼き上げるのに対して、塩焼きは生のもも肉をそのまま焼いていくんだそうです。なるほど。
たれ焼きは、歯が立ちにくいほど硬い親鶏のもも肉を、なんとか食べやすくするための工夫が入ってるんですね。この焼き方もまた「本家鳥好」で独自に考案したものなんだそうです。今日はそのたれ焼きのほうをいただいてみることにしました。
たれ焼きの骨付焼は、すでに蒸し終わっていて火が通った状態なので、焼き台での調理はあっという間。ほとんど待つこともなく骨付焼が出てきました。
おぉ。確かにこれは食べやすい。とても柔らかくて、骨からの身ばなれもいい。それでいて親鶏ならではのうまみも、肉の中にきっちりと閉じ込められています。タレがからまった表面の皮の部分もいいですねぇ!
次回は、しっかりと硬い、塩焼きのほうもぜひ試してみたいと思います。
ささみ天ぷら(400円)も、呉の“とり屋”では当たり前のメニューだけど、他の土地では見かけない料理のひとつ。中通4丁目の「利根」が元祖と言われています。その「利根」では、ささみを丸ごと天ぷらにして、三杯酢をかけて出されますが、ここ「本家鳥好」では一口大に切ったささみを天ぷらにし、天つゆでいただきます。
そして最後の締めに注文したのは“やきめし”(500円)。
“やきめし”もまた、なぜか呉ではよく見かける料理です。呉のどこの“とり屋”に行ってもメニューに載ってるし、普通の食堂や喫茶店にもあるし、昔住んでた独身寮のスナックのメニューにもありました。炒飯(チャーハン)じゃなくて、あくまでも“やきめし”であるところがポイントなんですよね。もしかすると隠れた呉の名物なんじゃないかとも思えるほど。でも、呉だけじゃなく、広島や大阪など、もっと広くの鉄板文化圏(?)に共通する料理なのかもしれませんね。
鶏の油でジャージャーと炒めてできあがる、「本家鳥好」の“やきめし”は、具も玉ネギとネギだけと、ものすごくシンプル。ギトッとするほど油が多いように見えるんだけど、実際に食べてみると、そうでもないというのもおもしろい。これが鶏油の特徴なのでしょうか。玉ネギの自然な甘みもいいなぁ。
この“やきめし”にウスターソースをたっぷりとかけて食べるのも、昔からの呉っ子の流儀なんだそうですよ!
「本家鳥好」の〆のメニューは、この“やきめし”の他に、オムライス(800円)、おじや(500円)、そして白飯の小(150円)と大(200円)と少数精鋭。オムライスやおじやも人気が高いそうです。
同じ“とり屋”でも、たとえば「三とり本通店」には、親子丼(630円)、かつ丼(800円)、天丼(800円)や、おむすび(2個300円)、お茶づけ(420円)まであるし、「鳥八茶屋」ではなんと、にぎり鮨(1,240円)も出してくれます。
閉店時刻(午後10時)まで、じっくりと3時間半も腰を据えて、大瓶ビール(600円)1本と燗酒(450円)4本でのお勘定は4,800円でした。
うぅ~、よく食べた、よく飲んだ。どうもごちそうさま!
| 固定リンク
コメント