赤ナマコの酢物で燗酒 … お食事処「一つ家(ひとつや)」(呉)
晩酌付きの夕食を食べようと向かったのは「一つ家」です。日曜、午後7時半の「一つ家」は、カウンターに5人(男性ひとり、男女カップル、2~3席空いて男性二人)、右手小上がり1卓に3人(男性2+女性1)と大にぎわい。
女将さんが「どうぞ」と声をかけてくれて、カウンターの空き席に座ります。ちょうど小上がり用の牛ヒレステーキを仕上げているところだったので、出されたお絞りで手を拭きながらゆっくりと待ち、女将さんの手が空いたところで瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶)と、つまみには大皿に並んでいるホウレン草の胡麻和えと、サバの煮付けをもらいます。
季節がらなのか、身体が求めていたのか、ゴマたっぷりのホウレン草がものすごく美味しくて、一気に食べ進みます。
サバ煮付けは、大皿から取り分けるときに女将さんが「どれにする?」と聞いてくれて、胴のあたりをもらったのですが、これが脂がのっていてものすごくうまいっ。
こっちに来て改めて再認識したのが、瀬戸内海のアジやサバのおいしさでした。地元の人たちの話題に上らないのは、きっとこの味が普通と感じてるからなんでしょうね。
ビールが残り1杯になったところで、燗酒を大徳利(おおどっくり)で注文すると、「千福(上撰吟松)」をチロリにそそぎ、ヤカンの湯で湯煎した後、それを大徳利に移し、その大徳利をまたヤカンで湯煎して仕上げてくれます。このひと手間が美味しい燗酒になるんだな。
つまみには、ホワイトボードに書かれている赤ナマコを注文。大根おろしもたっぷりと入った酢の物に、一味唐辛子を多めに入れて、ピリッといただく。このコリコリ感がナマコの真骨頂ですね。燗酒ともよく合うこと!
ここ「一つ家」には、NHK大河ドラマ「平清盛」のロケのときに、主演の松山ケンイチも食事に来たらしいのですが、女将さんはちっとも気が付かなかったんだそうです。
「気が付かんということは、私好みの顔じゃなかったんじゃね」と笑う女将に、
「面食いなのにね」と、カウンター席に座っている常連のおねえさん。
そこに入ってきたのは、常連さんらしきご夫婦。満席で遠慮して帰ろうとする二人に、「ええわいね。みんなが詰めてくれるけえ、入りんさい」と女将さん。その言葉どおり、カウンターのみんながキュキュッと詰め合って、二人分の席ができました。
その常連さんご夫婦は、おかずを何品かとって、刺身も食べ、そしてこの店の名物の牛ヒレステーキを注文。カウンター内の鉄板上で、大きなニンニクの粒3個くらいを包丁で5ミリ幅くらいにスライスし、そのニンニクをちょっと炒めて、牛ヒレ肉の塊を置く。この牛肉の美しいこと。肉は丸っこい長方形を底辺とする、高さ10センチほどの四角錐台(しかくすいだい)。その上に、鉄板焼き用の蓋(ふた)をかぶせたら、そのまましばらく放置します。
他のお客さんたちと、しばらく会話を楽しんだあと、おもむろに鉄板の蓋を取ると、高さが半分(5センチ)ほどになって、いい感じに焼けています。
そのヒレ肉をひっくり返して、裏面を少し焼きながら、キャベツをザクザクっと切って投入。ヒレ肉を端から順に2センチ幅ずつくらいにスライスして、その断面もちょっとだけ焼いたら、コンロ上に皿となる鉄板を置いて着火。その上にヒレ肉、ニンニク、キャベツを少しずつ移していってタレをかけると、全体が牛ヒレ肉とキャベツの肉野菜炒めのような感じでできあがりました。これはうまそうだ。
この神戸牛の牛ヒレステーキは4,200円だそうです。
午後9時もまわったので、ごはんとみそ汁をもらって〆。出てきたごはんのつややかなこと! 一所懸命食べていたら、「おいしそうに食べるのぉ」と、右隣で芋焼酎湯割りを飲んでいるおっちゃんが感心してくれます。
ごはんも食べ終えて、2時間弱の滞在。お勘定は3千円でした。どうもごちそうさま。
ほうれん草胡麻和え、さば煮付け / ごはん、お新香 / みそ汁
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コメント
はじめまして
美味しそうですね
友達もナマコが大好きで海までナマコを採りに行き毎晩晩酌で食べてます
うちはクレソン栽培をしているのですが、最近居酒屋さんからの注文が多いです
投稿: しげちゃん農園 | 2012.03.10 10:01