つぶ貝をポン酢醤油で … 瀬戸内料理「源蔵(げんぞう)バスセンター店」(広島・紙屋町)
呉から高速バス(クレアライン)で広島に向かうと、終点は広島バスセンター。この7階の食堂街にあるのが「源蔵バスセンター店」です。しかも向かい合って2店舗!
1軒は寿司などもある、いかにも料理屋風のテーブル席主体の、ちょっと高級感がただよう「源蔵」で、もう1軒は長テーブルがずらりと並ぶ、いかにも大衆酒場風の「源蔵」。もちろん大衆酒場風のほうに飛び込みます。
正午過ぎの店内は、どのテーブルにもひとり以上の先客が座っている状態。入ってくる客は、このテーブルの空いているところ、空いているところへ、入れ込みで入っていくのです。
さっそく左端のテレビのすぐ下、男性二人が向かい合って飲んでいる横に相席させてもらい、すぐに注文を取りに来てくれたおねえさんに、
「つぶと熱燗!」と注文すると、
「熱燗は1合、2合?」
「1合で。」
「はいっ」と返事したおねえさんは、すぐに福美人の熱燗(350円)と、つぶ(420円)、それとポン酢の小皿に“まち針”が添えられたものを出してくれます。
先日来、何度か書いていますが、呉も含めて広島には、今でも最初から燗酒を呑む人が多いようで、その人たちはだいたい「熱燗!」と注文します。それでも本当に熱燗が出るわけではなくて、ほとんどの場合、普通の燗酒(=上燗)が出されます。
こっちに来て最初のうちは、「燗酒をお願いします」とお上品に(?)注文したりしていたのですが、それだと「はっ?」と聞き返されたりする。郷に入っては郷に従え。私も最近は「熱燗!」と注文することのほうが多くなっているのでした。
“つぶ”というのは、磯でとれる小さな巻貝のこと。塩ゆでしたものを、まち針や、店によっては安全ピンの先っぽで引っ張り出していただきます。
そのつぶの最初の1個め。尻尾の先までツルリンと切れずに出てきましたた。こうやってツルンととれると気持ちがいいなあ。
いつもはそのまま食べるんだけど、今日はポン酢醤油も出してくれているので、ちょっとつけて食べてみると、なんと、これがよく合う!
立石の「宇ち多゛」で、もつ焼きにお酢をかけてもらうのと似てるかもしれません。特にしっぽのあたりの、肝の味わいが濃厚な部分を、お酢が緩和してくれるのと同時に味を引き立ててくれて、『もっと食べたい!』という気分になります。
2個目もツルリンと全部出てきたので、今日はいいぞ、と思っていたら、3個目は途中でプッツリ。ちょうど身と肝の境目のところで切れちゃうんですよねぇ。
それ以降、針でつついた身を、まずちょっとだけ押し込んでから引き出してみたり、振動を与えるようにしながら引き出してみたりと、いろいろと試行錯誤を繰り返してみたのですが、『これなら完璧!』という手法は見つからない。いい手法をお持ちの方は、ぜひ教えてください。
今日の“つぶ”、最終的には五分五分くらいの成績となりました。でも一番最後の1個を、ツルリンと取り出すことができたので、いい気分で飲み終えることができました。
そしてお勘定は770円。もしかすると本店よりも、こっちのほうが安いかも。
・店情報
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コメント
うちの親父が巻貝の頂点部分(先の尖った部分)で底の部分を叩いて穴を開けて楊枝で入り口まで引き出してました。
親父達が馬鹿力なので参考にならないかもしれませんが。
投稿: うえけん | 2012.03.14 15:37
なるほど! 尖った側に空気抜きをもうければいいんですね!
でも、確かにあの殻を割るには力が要りそうです。
コメント、ありがとうございます。>うえけんさん
投稿: 浜田信郎 | 2012.03.24 18:48