薪の石窯だから美味い … 伊酒屋「ヴェッキオ(Vecchio)」(呉)
伊酒屋「ヴェッキオ」の店内に入るとすぐ目の前、店の中央部に大きな石窯(いしがま)がでんと鎮座しています。
店主・古家裕隆(ふるや・ひろたか)さんが、5年前(平成19年)にこの店を開くのに当たって重視したのがこの石窯。内装を仕上げてからでは店に入らないので、まずまっ先に石窯を据えてから、店の内装を仕上げていったんだそうです。
見た目は、ちょっと平たい“かまくら(雪のドーム)”風のこの石釜。セラミック製の窯のまわりを、耐熱モルタルでおおったものなんだそうです。
内部もまた、“かまくら”の内部のようにドーム状になっていて、入口の上部に煙突が伸びています。このドーム内の左端で薪(まき)を焼き、それ以外の中央から右側の部分にかけての平たい部分に食材を入れて、薪の火の輻射熱(ふくしゃねつ)で焼き上げるのです。
石窯の煙突は店の外に出て、ビルの屋上まで続いています。
「最初は店の外に出してすぐのところくらいまでの高さしかなかったんですが、その高さだと煙がうまく出て行かなかったんですよ。屋上の上まで伸ばして、やっとうまく煙が引くようになりました」と店主。
この石窯で、まず焼いてもらったのは、この店の名物料理でもある、季節の野菜のアルフォルノです。アルフォルノというのは窯(かま)で焼いた料理のこと。黒板に書きだされている10種類ほどの野菜の中から3種(700円)、もしくは5種(1,100円)を選んで焼いてもらいます。
今日は、初物(はつもの)の鹿児島産・そら豆と、徳島産・生しいたけ、広島産・小かぶ、高知産・塩トマト、そして種子島産・安納芋(あんのういも)の5品です。これら5品以外も、野菜はすべて国内産。なにしろ石窯で焼いて、添えられた岩塩をちょっとつけていただくというシンプルな料理なので、素材の良さが重要なのです。
この石窯で焼くと、ひときわ美味しいのがピザ。ピザを焼く前に、薪をどんどん投入して、野菜を焼くときよりも100度くらい高い状態にまでもっていってからピザを投入すると、あっという間に生地がふくらんで、チーズもとろけてできあがります。こうやって一瞬で焼き上げるのが、美味しいピザを作る秘訣なんだそうです。
今日のピザはモッツァレラチーズにトマトとバジルのマルゲリータ(1,600円)です。4種のチーズで作るクワトロフォルマージ(1,500円)も好きなんですよねぇ。
それにしても、店の中心に火があるというのは、なんだか心が落ちつきますね。この窯の火をながめているだけで、お酒の2~3杯は飲めそうです。
火を眺めながら飲む / 旬野菜の石窯焼き / ピザ・マルゲリータ
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