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2012年6月

呉の豚足は鉄板で焼く … 屋台「一二三(いちにいさん)」(呉)

豚足


 屋台「一二三」の豚足は、豚の足先丸ごと1本分が1人前(600円)。

 呉市内では、同じように豚足を出してくれるお店が多いのですが、たいていは豚の足先を、パキンと二つに割った片方が1人前(600円程度)なので、物量あたりのコストパフォーマンスは、他店の倍なんですね!

 しかも「一二三」の豚足は、仕入れ先がいいのか、下処理がきちんとしていて、毛の剃り残しなどがほとんどありません。豚足の表面に短い毛が残っていると、食べたときにジャリジャリとして気持ち悪いことこの上ない。「一二三」の豚足は、そういうことがほとんどないのも嬉しいところです。

 逆に「一二三」の豚足の弱点は、ボリュームが多すぎて、中途半端な状態では注文できないこと。何人かで一緒に行った場合は大丈夫なのですが、ひとりだと完全に空腹のときじゃないと残してしまうほどの量なのです。(残ったらお持ち帰りできます。)

 さてこの豚足。全国的に、毛を剃るなどの下処理をして、下ゆでしてから販売されていて、首都圏の酒場では、それを冷たいままひと口大に切り分けて、辛子酢味噌をつけて食べることが多いんじゃないかと思います。

 屋台をはじめとする呉の酒場では、豚足はひと口大に切り分けて鉄板で焼くもので、塩・胡椒・うまみ調味料(味の素)で味付けをします。

 博多にいたころ(35年ほど前の学生時代)には、豚足というと、焼き鳥と同じように、焼き台の上に足先1本分をごろりとのせて塩をふって炙り、焼きあがったところでバラバラにして、皿に盛って出してくれます。これを焼き鳥と同じように、柑橘系の酸っぱいタレをつけならがいただくのが流儀でした。これもうまかったなぁ。懐かしい。

 私は博多で酒を飲むことを覚えたので、就職したあと東京に出て、はじめて冷たい豚足を食べた時は、それはびっくりしたものでした。そもそも豚足を置いている店があまりない。あるとき、メニューに豚足とあるのを見て、思わず注文したら、東京風の、辛子酢味噌をつけて食べる冷たい豚足だったのでした。

『えっ!? これは豚足ではない……』

 と思いながら、おずおずと食べ始めたものの、実際に食べてみると、この東京風の食べ方もおいしい。その土地、その土地の食べ方があるんですねぇ。今では東京風も、呉風(広島風?)も、博多風も、そして沖縄のてびちも、それぞれに好きです。

「オオムラ」 さて今日は、新生「オオムラ」のサーバー試運転の日。1年ちょっと休んでいたので、サッポロビールの人にサーバーを点検してもらった結果、真鍮(しんちゅう)製のスイング・コックの部分を作り直すことになったのでした。

 その新しいスイング・コックが今日届いたということで、試運転に参加させてもらったのでした。

 満を持していただいた新生「オオムラ」の生ビール。前よりもビールがよく冷えていて、美味しい感じがする!

(注: 新生「オオムラ」は、その後、正式名称をビヤハウス「オオムラ亜」として、2012年5月17日に営業を開始しています。)

 で、久しぶりの「オオムラ」の生ビールを味わった後、ここ「一二三」にやってきたのでした。

 「オオムラ」では、試運転中の生ビールを何杯かしか飲んでいないので、お腹が空いている。しかもビールの刺激と苦みで、食欲も増進している。

おでんと燗酒 ここは一発、ボリュームのあるものを、ということで豚足(600円)を注文し、その豚足が焼きあがるまでの酒のあてとして、おでんの厚揚げ(100円)、糸ゴンニャク(100円)、スジ肉(100円)をもらったのでした。飲み物は燗酒(400円)。おでんにぴったりです。

 豚足が焼きあがったところで、ちょうど燗酒も飲みきって、焼酎(いいちこ、400円)を水割りでもらいます。豚足にはやっぱり焼酎ですね!

 水割りといっても、ここの水割りは焼酎9に対して、水が1くらい。親父さんが焼酎好きなので「このくらい濃くないと旨くない」と、自分好みの濃さにしてくれてるのです。ほぼロックですね。私もこの濃さ、大好きです。

 そんなわけで、この店で焼酎を注文するときによく聞くセリフが「焼酎の水割りください。薄めで」。よその店の普通の濃さで飲もうとすると、この店では「薄め」と注文しないとダメなのでした。

 たっぷりの豚足を、文字どおり骨までしゃぶり尽くすようにいただいて、1時間半ほどの滞在。お勘定は1,700円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成24(2012)年5月11日(金)の記録》

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甘さが旨さ!肉うどん … そば処「平原(ひらはら)」(呉)など

肉うどん


 関東で食べるそばのツユは、まっ黒いのに甘い。いっぽう、西日本で食べるうどんは、澄んだスープなのにしょっぱい。

 これは関東のツユが、かえし(濃口醤油+みりん+砂糖)+ダシで作られているのに対して、西日本のツユは、濃厚なダシを少量の薄口醤油で味付けした吸い物風だからということのようです。

 人の舌は、甘みがあるほうがコク(栄養素)があるように感じるので、西日本のうどんには、甘く煮たお揚げ(油揚げ)や、甘く煮た牛肉を入れることで、甘みを追加します。甘さが旨さなんですね。

 生卵と絡(から)めるのにも、甘みが重要。関東の天玉そばがうまいのは、甘みのあるツユがあればこそ。この肉うどんであれば、生卵を投入しても美味しいんじゃないかな!

 今日は広(ひろ)の「かわすじ」でちょっと飲んだ後、呉に戻ってきて、「平原」の肉うどん(400円)で〆ているところです。

 「かわすじ」は、若いころによく通っていた「あわもり」の後継店として、去年の4月にオープンしました。

 昭和28(1953)年の創業以来、昨年3月末まで、60年近く(58年)にわたって地元の呑兵衛たちに愛され続けた「あわもり」の伝統と雰囲気を受け継ぐべく、店はそのまま居抜きで使用し、おでんの値段も1本90円と「あわもり」のときのまま。泡盛(160円)や大瓶ビール(500円)も、そのままの値段を継承してくれました。

 ただひとつ、そして致命的に残念なのが、「あわもり」のときは、どの時間帯に行っても、大きなおでん鍋いっぱいに、常に80本近いおでんが煮込まれていたのに対して、「かわすじ」になってからは、おでん鍋の中にはあまりネタが入っていなくて、注文を受けてから鍋に投入するものが増えたことです。

 なので、注文した品が、たまたまおでん鍋の中にあって煮込まれていたらすぐに出てくるのですが、そうでない場合はしばらく待たないといけないのです。注文するとサッと出てくるのが、おでんのいいところだと思うんですけどねぇ。

 しかも、どうしても煮込みが短時間になってしまうので、煮込みが浅い感じで、鍋の中の具材の量が少ないからか、煮汁のコクもちょっと足りないような……。

 全体の雰囲気としては「あわもり」をよく継いでいると思うし、私が大好きだったカワ(豚の皮)やキモ(肺)などもそのまま残っていて、それはもう、うれしい限りで、今もときどき行きたい酒場なのですが、この点だけは、なんとかならないもんでしょうかねぇ。

 3月に始まった、広島県の観光キャンペーン「おしい!広島県」じゃありませんが、私にとって、この「かわすじ」は、まさに『惜しいっ!』、いや『惜しくてたまらんっ!』という状況なのでした。

・「平原」の店情報前回)/「かわすじ」の店情報前回

《平成24(2012)年5月9日(水)の記録》

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グビッと梅しそサワー … 居酒屋「満月(まんげつ)」(鷺ノ宮)

梅しそサワーで豚しゃぶ


 都立家政の「竹よし」を出たところで午後11時半。明日は単身赴任先の呉に戻る予定なので、最後にもう1軒、「満月」に寄って帰りましょうか。

 都立家政と鷺ノ宮は、西武新宿線のとなり駅ですが、駅間距離は0.5キロと、この路線内で最短距離です。都立家政駅の踏切に立つと、間近に鷺ノ宮駅のホームが見えますもんね。

 だから、ゆっくりと歩いても10分くらいで鷺ノ宮まで着いてしまいます。

 日付けが変わる直前の「満月」は、8割ほどの入り。今いるお客さんは、私も含めてすべて電車を使わずに帰れる人たちばかり。相変わらず地元呑兵衛たちの人気店です。

「なんにする? トマト?(←トマト割のこと)」

 と先に聞いてくれるアキラ君に、

「いや、今日は梅しそサワーにしとく」

 と梅しそサワー(300円)を注文します。

 バイスサワーや梅しそサワーは、ほぼ同じような味わいのサワーです。バイスサワーが大田区大森に本店を置くコダマ飲料の商品なのに対して、梅しそサワーは中野区新井にある東京飲料(略称:トーイン)の商品(正式名称は“しそサワー”)なのです。

 だから、一般的にはこのエリアで普通に使われているのはトーインのサワーなんですが、飲み物に対しても強いこだわりを持っている「秋元屋」系列のやきとん店などでは、あえて越境(?)する形でバイスサワーを仕入れたりしてくれているわけなんですね。

 地域に根付いた居酒屋「満月」で使っているのはトーインのサワー。梅しそサワーの他にも、青りんごサワー、うめサワー、レモンサワー、グレープフルーツサワー、シークワーサー、すだちサワーなどが置いてあって、それぞれ1杯300円です。

 つまみのほうは、カウンター上段にずらりと並ぶ大皿料理から、豚しゃぶ(300円)を選ぶと、アキラ君が1人前の分量を取り分けて出してくれます。

 アキラ君は、ここ「満月」の店主の息子さんで、今のような深夜の時間帯は、ひとりで切り盛りしています。

 開店直後から夕方にかけては店主夫妻が二人で切り盛りしているらしく、アキラ君は夜になってから店に入ります。なにしろアキラ君はガタイがいいので、店主夫妻と3人でカウンターの中に入るときついんだろうなぁ。

 でも、アキラ君という、この酒場の若き後継者がしっかり育ってきて、店主夫妻もひと安心でしょうね。

 グビッと梅しそサワーを飲み干して、1時間ほどの滞在。お勘定は600円でした。どうもごちそうさま!

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居酒屋「満月」 / 梅しそサワー / 豚しゃぶ

店情報前回

《平成24(2012)年5月5日(土)の記録》

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できたて熱々のそら豆 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

できたて熱々のそら豆


 中野の「パニパニ」を出て、「もうお腹いっぱい」と自宅に向かうカミサンを見送って、私はひとり、都立家政(とりつかせい)の「竹よし」へと向かいます。

 東京にも、比較的安価に、おいしい魚料理が食べられる酒場がたくさんありますが、ここ「竹よし」もそんな1軒。魚屋の次男坊として生まれた店主が、とにかく魚好きで、魚を料理している姿がとても楽しそうだし、一番安いお酒でも、私の好きな「菊正宗 上撰」(1合350円)というのも、この店に足しげく通う大きな理由かなあ。

 店の創業は平成5(1993)年3月11日。今年の春、創業19周年を迎えました。

 創業時から店主とおかみさんの二人三脚で、この店を切り盛りされていたのですが、そのおかみさんが平成18(2006)年12月25日にご病気で他界されてからは、店主ひとりががんばってこられました。ここ数年は、若くてきれいな女性陣が、曜日替わりでお一人ずつ手伝いに入っていることが多いので、店主も安心して魚料理に専念できるようです。

 とは言うものの、魚料理を作るのは基本的に店主ひとりなので、カウンター6席、テーブル席6席(3席×2)の店内が満席に近くなると、フル回転で料理を作っても出が遅くなってしまうことも多くなります。

 今日の店内もそんな状態。私が店に入ったのが午後8時過ぎと、もっともお客さんが多そうな時間帯ということもあって、『かろうじてカウンター席のひとつに座れた』という感じでした。

 土曜日の手伝いは、キティちゃん。

 まずは赤星(サッポロラガービール中瓶、500円)をもらって、最初の1杯をグッと飲み干し、ど~れどれとメニューを選びます。

 「竹よし」のメニューは、カウンター内側の壁(バックバー)の上部にある、3枚のホワイトボードに毎日、手書きされます。今日のメニューは次のとおり。

〔さしみ類〕そい700、かつを700、かます700、アオヤギ400、盛り合せ1,000、小盛り合せ650、あじなめろう650。

〔焼き魚〕あゆ500、紅さけ西京みそ漬700、あじ500、かます700、ぶりかま650、やりいか600、子持ししゃも2尾500。

〔煮物〕そい切身700、かじきぶつ切りと大根700、たいの卵600。

〔天ぷら〕盛り合せ1,000、大車えび2尾と野菜900。

〔その他〕たいかぶと酒蒸し700、うなぎ玉子とじ1,000、帆立貝と玉ねぎ炒め600、あさり酒蒸し600、あさりバター焼き600、北海真だこ450、まぐろ山かけ600、ほたるいか450、氷頭(ひず)400、もずく300、めかぶ300、スタミナ六品600、しおから(三日目)350、厚揚焼400、そら豆400、うど酢みそ350、山いも千切り350、マニアな人のやみつききゅうり300。

〔ごはんもの〕小海鮮丼700、小まぐろ丼700、にぎり寿司(まぐろ、たい、ひらめ、えび、とびうお、サーモン、こはだ、たこ、あじ、えんがわ、帆立貝、すじこ)各100。

 さて店主は、と見ると、他のお客さんたちからの注文で、おおわらわの状態。こういうときに、常連さんたちは少しもあわてず、お酒をチビチビとやって、他の常連さんたちとの会話を楽しみながら、店主の手が空くのを待っています。私もそれに倣(なら)って、まずは魚料理以外のものでしのぎましょうね。

(私)「そら豆(400円)ならキティちゃんもできるの?」

(キ)「そら豆? やったことな~い」

 と言いながらも、外の冷蔵庫から、そら豆を持ってきて、さやから取りだして、塩ゆでそら豆を作ってくれました。ありがとう、キティちゃん。

 できたて熱々のそら豆と、冷たいビールがよく合うこと!

 ビールも飲みきって、宮城の地酒「一ノ蔵」(500円)の冷酒に切り換えたころ、店主もやっと手が空いて、イカをさばき始めました。

(主)「今日は塩辛がよく出てねぇ。なくなっちゃったから作ってるんだよ」

 私もそのできたばかりのフレッシュ塩辛をもらうことにしました。

 ここのイカ塩辛(350円)は自家製で、メニューにも「1日目」「二日目」「三日目」と表示されています。店主によると「三日目」くらいが一番おいしいんだそうですが、できたて「1日目」のフレッシュな塩辛ファンも多いんだそうです。

 次なる冷酒は、これまた宮城の「浦霞」(500円)です。各種の地酒類も、1合が500~600円くらいで飲めるのがうれしいですね。

 その後も、常連さんが注文した、そいあら煮(←メニューにない!)をちょっと分けてもらったり、小マグロ丼(700円)をみんなで見せてもらったり。

 この小マグロ丼は、ごはんの量が少ないから「小」と付いてるんでしょうが、そのごはんがまるで見えないほどマグロがてんこ盛りです! すっごぉ~~いっ。

 ちなみに小海鮮丼と小マグロ丼はメニューにありますが、普通の海鮮丼とマグロ丼はありません。食べて飲んで、最後の〆には「小ごはん」くらいがちょうどいい、といったところなんでしょうね。

 最後にもう一度、「一ノ蔵」(500円)をいただいて、ゆっくりと3時間ほどの滞在。今日のお勘定は2,750円でした。今回もごちそうさま。帰京したらまた来ますね!

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できたて塩辛 / そいあら煮 / 小まぐろ丼

店情報前回

《平成24(2012)年5月5日(土)の記録》

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ファイト一発入ります … 立ち飲み「パニパニ」(中野)

ファイト一発サワー


 「こどもの日」ながら、我が家の子供たち(ともに大学生)はどっかに遊びに行ってていないので、カミサンと二人で夕食を食べに出ることにしました。うちのカミサンはお酒が一滴も飲めないので、お酒が飲めない人でも大丈夫な店を選ばないといけません。

 せっかくなので、カミサンは行ったことがない店に行ってみようと、まず向かったのは、荻窪にあるうなぎ料理の人気店、「川勢」です。通常は日曜定休なのですが、ゴールデンウイークはどうかな? とちょっと心配しながら向かったのですが、不安は的中。残念ながら今日はお休みでした。

 阿佐ヶ谷の焼き鳥「川名」は開いているのですが、ここにはカミサンも何度か行ったことがあるのでパスして、中野へと出ます。

 中野では「川勢」の店主の修業先でもある、うなぎ串焼きの「川二郎」(こちらも通常は日曜定休)をのぞいてみますが、こちらも今日はお休み。そのすぐ近くにあるジンギスカンの「神居古潭」はまだ開店準備中(18:00が開店時刻)です。

 「う~む」と次なる候補店をちょっと考えて、「よしっ」と向かったのは昨夜も行った、立ち飲みの「パニパニ」です。

 「パニパニ」は、中野の誇る名立ち飲み店の1軒。商店街の会長さんも務めている店主ご夫妻が切り盛りしているし、もともと中華の料理人だったという店主の料理も美味しいので、まったく飲めないうちのカミサンもきっと大丈夫なはず! しかも、まだ早い時間だから、酔客もそれほど多くないだろう。そう思って向かったのでした。

 予想どおり、午後6時の「パニパニ」は先客はおひとり。

 まずまっ先に「ソフトドリンクはありましたっけ?」と聞いてみると、「サワーにできるものは、ほぼ全部、ソフトドリンクとしてお出しできますよ」とのこと。それはすごい。ここのサワーは、レモンサワー、梅サワー、パニパニサワー、ファイト一発サワー、ウーロンハイ、緑茶ハイ、アールグレイハイなどなどと幅広いですもんね。

 私はパニパニサワー(シークヮーサー入り、360円)を、カミサンはアールグレイ(冷たい紅茶)をもらって乾杯すると、今日のお通しはガーリックトーストです。

 ここの料理メニューは、黒板に手書きされています。今日のメニューは、自家製・皮から手作り焼きギョーザ(3個250円、4個330円)、沖縄産ゴーヤのおひたし(250円)、セロリ漬け(250円)、新しょうが甘酢漬(250円)、おつまみ茄子カレー(250円)、パン(100円)、パニパニトースト(290円)、モッツァレラとPトマトのカプレーゼ(320円)、えびとアボカドの和風あえ(290円)、おかかチーズ(290円)、カルシウムたっぷり・揚げ高野豆腐の含め煮(290円)、鶏手羽のうま辛煮(1本120円、注文は2本より)、やりいかのガーリックソテー(320円)、ラビオリ(320円)、豚ロースの味噌漬焼き(350円)、フィッシュ and チップス(380円)、舞茸の肉巻きアンチョビソース(320円)、タマゴと木くらげ炒め(380円)、チャーハン(490円)の20品ほど。いつもこれくらいですね。

 そんな中から、名物・焼き餃子(4個330円)と、舞茸の肉巻きアンチョビソース(320円)、えびとアボカドの和風あえ(290円)、おかかチーズ(290円)を注文。焼き餃子や、えびとアボカドの和風あえは、この店の定番の品と言ってもいい料理です。

 ここ「パニパニ」は平成18(2006)年7月の創業。もうちょっとで創業6周年という若い店ながら、創業してすぐから人気店になり、その状態が今までずっと続いているのです。

 飲み物のおかわりとして、ファイト一発サワー(390円)をもらうと、「ファイト一発入りま~す!」と元気よく健康ドリンク剤を注入してくれます。ドリンク剤そのものもいいのですが、この「ファイト一発入りま~す!」という明るい声がまたいいんですよねぇ。本当にファイトがわいてきます!

 料理の方は、タマゴと木くらげ炒め(380円)と、昨日もいただいたパニパニトースト(290円)を追加注文します。パニパニトーストは、スライスしたフランスパンの上に、チーズとマヨネーズ、エビをのせてトーストしたもの。3枚で1人前です。

 こういう料理を少量ずつ作るのって、手間もかかるし大変だと思うのですが、店主夫妻はそれを厭(いと)わず、一品一品、ていねいに仕上げていきます。この姿勢に、お客さんたちも引かれるんでしょうね。味ももちろんいいですけど。

 最後にパニ茶割りもいただいて、1時間半ほどの滞在は二人で3,900円。カミサンにとって、人生初の立ち飲み屋だったようです。どうもごちそうさま!

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お通しとパニパニサワー、アールグレイ / 焼き餃子 / 舞茸の肉巻きアンチョビソース

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メニュー黒板 / えびとアボカドの和風あえ / おかかチーズ

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タマゴと木くらげ炒め / パニ茶割り / パニパニトースト

店情報前回

《平成24(2012)年5月5日(土)の記録》

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ウイスキー黒ホッピー … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)ほか

ウイスキー黒ホッピー


 池袋の老舗大型大衆酒場「ふくろ」をあとに、本日の2軒目は、中野のもつ焼き「石松」です。

 実は、さっき「ふくろ」で飲んでいたとき、酒友・にっきーさんから「中野の『石松』に、秋元さんがいらっしゃってます!」というメールをいただいたのです。

 「石松」は東京西部エリアのもつ焼きの名店の1軒。他には野方「秋元屋」や、そこから独立したお弟子さんの店々をはじめ、荻窪「カッパ」、沼袋「ホルモン」、祐天寺「ばん」、武蔵小山「牛太郎」なども、このエリアの人気店です。

 その「石松」に、「秋元屋」の店主も行っているとなると、これはぜひ伺わなければ! と向かったのですが、残念ながら、「石松」に到着したところ(午後10時過ぎ)で、「秋元屋」店主はちょうど飲み終わって席を立つところ。ごあいさつだけさせていただきました。

 せっかくの「石松」ながら、連休中で食肉市場が開いていないので、食べられるものは限定的とのこと。それもまた珍しくておもしろい。

 飲み物は、最近にっきーさんがはまっているという、ウイスキーのホッピー割りをいただいてみます。これは、にっきーさんがキープしているブラックニッカ・クリアブレンドを黒ホッピーで割ったもの。ウイスキーのコクに、黒ホッピーのコクが加わって、しっかりとした飲み口のカクテルに仕上がっています。

 まず出されたお通し代わりの一品はチャンジャ。タラの胃袋の塩辛です。魚のモツもいいですねぇ!

 焼き物の1品目は、この店の名物の1つ、つくね(150円)です。これは鶏肉のミンチなので、食肉市場が開いていない今日でも出せるんですね。

 さらに土佐酢でいただく岩海苔や、肉としし唐の炒め物などをいただいてから、向かいの「パニパニ」に移動。「パニパニ」で飲んでいた女性二人組から、最近、この店の常連さんたちがすっかりはまっているという「ももクロ」(ももいろクローバーZという女性アイドルグループ)に関する話をたっぷりと伺って、午前1時前に中野駅へ。

 にっきーさんも私も、中央線では阿佐ヶ谷駅がそれぞれの自宅最寄り駅なので、阿佐ヶ谷駅で下車し、「最後にもう1杯」と入ったのは、その阿佐ヶ谷駅北口すぐのバー「アルフォンソ」です。

 「アルフォンソ」ではまず「オールドクロウ」(バーボン)のソーダ割りをもらって乾杯し、続いてにっきーさんは、「イエガーマイスター」という、何種類ものハーブが入ったドイツのリキュールをロックで、私は「サイドカー」(ブランデーベースのショートカクテル)をいただいて、午前2時過ぎにお開きです。

 私はこれで帰宅となったのですが、同じ日のにっきーさんのブログを見ると、にっきーさんはなんと、この後も「Goten's Bar」、そして「御天」と、2軒をハシゴされたようです。す、すごいっ!!

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「石松」チャンジャ / つくね(塩) / 岩海苔

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肉しし唐炒め / 「パニパニ」ぱにぱにサワー / パニパニトースト

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「アルフォンソ」オールドクロウ・ソーダ / サイドカー / イエガーマイスター

・「石松」の店情報前回)/「パニパニ」の店情報前回)/「アルフォンソ」の店情報前回

《平成24(2012)年5月4日(金)の記録》

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手づかみでえんどう豆 … 酒場「ふくろ」(池袋)

えんどう豆


 池袋にある大衆酒場「ふくろ」(公式サイト)にやってきました。

 池袋駅西口から徒歩1分ほどのところにある「ふくろ」は、昭和28(1953)年ごろにバラック建ての大衆酒場として創業。創業60年近い老舗酒場で、現在は3階建てのビル全体が1軒の大衆酒場として営業中です。

 その営業時間が午前7時から深夜0時まで(なんと17時間営業)というのもうれしいところ。朝から呑兵衛たちが集います。

 今日は所用を済ませてから池袋にやってきたので、店に到着したのは午後8時。連休中とは言え、この時間の店内はほぼ満席。店のおねえさんが、入口近くのカウンター角の両側のお客さんにちょっとずつ詰めてもらうように言ってくれて、かろうじてひとり分のスペースができました。

 まずは大瓶ビール(アサヒスーパードライ、450円)をもらうと、お通し(200円)として出されたのはトビッコの混ざった小肌酢です。

 つまみのほうは、ハムエッグ(350円)を注文。料理の注文はすべて、別の階にある厨房に通されて、できあがると料理専用の小さなエレベーターで注文した階に届けられます。

 今座っているこの席は、ちょうどその料理用エレベーターが見える場所。おっ。ハムエッグが届いた。あれがきっと私が注文した分ですね。

「はい、おにいさん、ハムエッグね。ピンクが醤油で、黒がソースだから」

 と言いながら、カウンター上に置かれている調味料を近くに持ってきてくれます。

 右どなりで飲んでいるおじさんは、ニシン塩焼き(450円)をつつきながら、燗酒(260円)をおかわり。このニシンがものすごくでかくて、皿からはみ出してます。ニシンやホッケなどは関東以北ではよくある魚なんでしょうが、呉(広島県)ではほとんど(というか私は1度も)見たことがありません。

 以前、阿佐ヶ谷「川名」や新杉田「濱大郎」で炭火焼きのニシンを食べていたら、中からカズノコが出てきて、ものすごくうれしかったことがありました。ホクホクに温まったカズノコの美味しかったこと!

 左側で飲んでいた若者カップルが帰った後は、いかにも常連さんらしき男性ひとり客がやってきました。席につくなりメニューも見ないでホッピーセット(中1合190円+外190円)に、えんどう豆(250円)と鮭ハラス焼き(400円)を一気に注文します。お通しとほぼ同時にえんどう豆も出て、おじさんはそれを手づかみで食べはじめます。

 私もホッピーセットを注文し、つまみにはジャーマンポテト(400円)ももらいます。ジャーマンポテトは櫛(くし)状にカットしたポテトと、ウィンナー、玉ねぎの塩胡椒炒めです。

 私が1杯目のホッピーを、まだ3分の1も飲んでないうちに、左のおじさんは2本目の焼酎(190円)に突入です。外(瓶入りホッピー)はまだ半分くらい残っています。ここのホッピーは氷を入れて作ると、中1(焼酎180ml)と外1(瓶入りホッピー360ml)で、ジョッキに3~4杯分くらいのホッピーができるのですが、外を半分くらい残したまま、2本目の焼酎に突入するというのは、ものすごい濃さですね! しかも最初の1本が空くスピードが速いこと!

 そのおじさんが注文していた鮭ハラス焼き(400円)も出てきました。これまたすばらしいボリューム。さすが常連さんですねぇ。安くてボリュームのあるつまみをよく知ってます。

 私のほうはジョッキ2杯分の氷入りホッピーを飲み終えたところで、中・外ともにまだ半分くらいあるのに、つまみがなくなりました。左のおじさんが食べてるえんどう豆(250円)があまりにも美味しそう(というよりも、手づかみのその食べ方が美味しそう)なので、私もそのえんどう豆をもらいます。

 小鉢にたっぷりともられたえんどう豆は、アジシオと一緒に出してくれますが、基本的にいい味が付いています。もっとしょっぱいのが好きならアジシオを振るという感じかな。箸(はし)だと1個ずつしかつまめないので、左のおじさんのように、手づかみでワシワシと食べるのがいいんですね。

 その左のおじさんは、さらにマカロニサラダ(350円)を注文して、ホッピーは中(190円)も外(190円)もおかわりです。すごぉ~いっ! これで焼酎は3合目だ! 出されたマカロニサラダにはソースをドブドブとかけて食べているのもすごいなぁ。正しい呑兵衛(のんべえ)だ。

 私は、最初にもらったホッピーセット(中1・外1)だけで、氷入りながらジョッキ4杯のホッピーを飲み干して、1時間40分ほどの滞在。お勘定は2,080円でした。いいですねぇ、「ふくろ」。

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ハムエッグ / ホッピーセット / ジャーマンポテト

店情報前回

《平成24(2012)年5月4日(金)の記録》

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本格的な酒場でもある … 長浜ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)

ラーメン


にっきーさんと私は、これから長浜ラーメンの『御天』に向かうので、編集長も一緒にお送りします!」

「私はひとりで帰れますから、大丈夫ですよ」

「いやいや、道すがらなのでご遠慮なく、どうぞどうぞ」

 と、美人編集長も、半ば無理やりタクシーに乗ってもらって、編集長の家を経由して「御天」へ。

 そのときは『これで編集長も無事に家までたどりついて、良かった良かった』と、とってもいいことをしたような気分で喜んでいたのですが、今考えてみると、編集長は我われと一緒にラーメンを食べるほどはお腹が空いていなかったんでしょうが、きっと大好物(?)の『深夜のマクドナルド』くらいは買って帰りたかったんじゃなかったのかなぁ。もしもこの夜、ひとりで『呑んだあとの空腹』に耐えていたとしたら、今さらながらごめんなさい。

 そんなわけで、にっきーさんと私は、この連休中2度目となる「御天」です。

 店の外でも感じるほどの強烈なトンコツ臭が、ここ「御天」の大きな特徴。このにおいに慣れ親しんでしまうと、福岡の長浜ラーメンのにおいが、なんだか物足りなく感じるほどです。

 ただし、このにおいを「好き」と感じるか、「嫌い」と感じるかは、人によってものすごく違いがあります。嫌いな人には、たまらないほどくさいにおいのようなのです。

 私自身は、18~24歳の6年間を福岡で過ごし、今までで一番ラーメンをよく食べていたのもその頃だったので、この長浜風の豚骨ラーメンの味わいや香り、そして麺の感じなどが強くインプットされてしまってるんでしょうね。

 ここ「御天」は、人気ラーメン店ながら、本格的な酒場でもあります。

 福岡のラーメン屋やラーメン屋台は、酒場を兼ねた飲めるお店も多くて、飲んで飲んで〆にラーメンといったような楽しみ方ができます。ここ「御天」は、その福岡のラーメン屋の感じをそのまま東京に持ってきているのです。

 呉の屋台も、おでん、豚足やホルモン炒め、中華そばが売りの店が多くて、やはり同じように飲んで飲んで〆にラーメンといけるのですが、こちらはラーメンの比重はそれほど高くはなくて、おでんも、豚足やホルモン炒めも、それぞれ同レベルの主役といった感じ。それに対して、「御天」などの長浜ラーメン系の店は、あくまでもラーメンが主役としてひとり立ちしていて、そこまでの助走期間として酒やつまみがあるという印象です。東京のそば屋と似てるんですね。

 今日もまた、いつものシークワサーサワー(400円)をもらって、つまみもこれまたいつもの、せん菜炒め(550円)です。

 せん菜(せんさい)のホームページによると、せん菜は緑豆を遮光して栽培した、細いもやしのような野菜。全国で唯一、栃木県壬生町の大栗京子さんが栽培しているんだそうです。

 シャキシャキとした食感がせん菜の身上で、ここ「御天」では、今いただいているせん菜炒め(550円)のほか、せん菜ナムル(300円)、豚キムチせん菜炒め(800円)、そして、せん菜ラーメン(850円)として提供されます。個人的には、シャキシャキ感がもっとも強いせん菜炒めが一番好きです。

 ひとしきり飲んだ後は、ラーメン(650円)で〆。

 厨房から流れてくる強烈なトンコツ臭の割りに、出されたラーメンのスープはそれほど臭くはなくて、味もあっさり目。とろりとした、粘度のあるスープの中から、長浜ラーメンならではの硬めの細麺をすすり込みます。

 これだけでもおいしいんだけど、小皿の生ニンニク(50円)をもらって、これをトッピングすると、さらにパンチが加わります。合わせてゴマと紅ショウガもトッピング。

 ある程度食べ進んでから、今度はテーブル上に置かれている辛子高菜をちょっと入れると、スープがガツンと辛くなって、また新たな味わいになってきます。この辛子高菜は猛烈に辛いので、入れすぎないように注意が必要です。ほんのちょっとで十分です。

 福岡にいた若いころは、2回くらいは替え玉(麺だけおかわり)をしていたものですが、さすがに今は替え玉まではたどりつけないことがほとんど。今日も替え玉なしで、もう満腹です。

 やぁ、おいしかった。どうもごちそうさま!

120502j 120502k 120502l
せん菜炒め / ラーメン(トッピング前) / 生ニンニク

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《平成24(2012)年5月2日(水)の記録》

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台湾屋台の三色たまご … 食酒「みちのくらさん」(西荻窪)

台湾屋台の三色たまご


 焼とり「よね田」を出て、西荻窪での2軒目は、『東北6県の美味しい日本酒と旨い酒肴』の店、「みちのくらさん」です。

 改めてこの日の倉嶋編集長のブログを読んでみると、

<これなんだっけ? こんなにおしそうな酒肴食べているのに、思い出せないのが実に悔しい。。。>

 と書かれているのが、冒頭の写真の酒肴。これは「台湾屋台の三色たまご」(470円)という料理で、ピータン、塩たまご、生たまごの3種を蒸しあげた、台湾屋台の逸品なんだそうです。

 店主の高橋さんは、この店を開く前の会社員の時代から食べ歩きが趣味で、あちこちの店で食べ歩いておられました。そのときの経験が、この店で出している料理に活かされているんですね。

 他にもカウンター向かいの壁(バックバー)にずらりと張り出されたメニューには、自家製焼き味噌(420円)、いのしし肉のラグー(フランスパン添え、650円)、くじら脂身の味噌漬け焼き(630円)、さば味噌のクリームチーズ和え(クラッカー添え、530円)、タラとシラスのアヒージョ(630円)、仙台牛すじのすき焼き風牛皿(680円)、くじらの貝焼き味噌(670円)、骨なし焼きてびち(680円)、仙台油麩の卵とじ(630円)、エロうま豆腐(熱々崩し豆腐、550円)、江戸の煮奴(630円)、珍味・あん肝の味噌和え(560円)、青森の熱々納豆汁(630円)、たっぷり野菜の水キムチ(630円)などなど、いかにもお酒に合いそうな酒肴の数々が並んでいます。

 まずは琥珀エビス樽生(中650円)をもらって乾杯し、お通し4種盛り(400円)のほか、台湾屋台の三色たまご(470円)や、たっぷり野菜の水キムチ(630円)などをもらって、東北の地酒へと突入します。

 ここでK記者が戦線離脱され、入れかわるように仕事を終えたにっきーさんが合流です。

 地酒のほうは、宮城「阿部勘」(800円)から、秋田「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)」(850円)、岩手「あづまみね」(850円)、岩手「日高見(ひたかみ)」(750円)、岩手「南部美人」(850円)、そして秋田「刈穂」(850円)と、東北地方の銘酒を次々に飲み進みます。

 午後7時過ぎから、11時まで、4時間近くも楽しんで、今夜のお勘定は12,480円(ひとり4千円ほど)でした。どうもごちそうさま。

120502a 120502b 120502c
お通し / たっぷり野菜の水キムチ / 台湾屋台の三色たまご

120502d 120502e 120502f
宮城「阿部勘」 / 岩手「あづまみね」 / 自家製味噌

120502g 120502h 120502i
岩手「南部美人」 / 秋田「刈穂」 / 竹の子

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《平成24(2012)年5月2日(水)の記録》

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大山地鶏と築地まぐろ … 焼とり「よね田(よねだ)」(西荻窪)

自家製ポテトサラダ


 ゴールデンウイークの9連休も、今日5月2日で5日目。都内のあちこちで呑んだくれてううちに、あっという間に折り返し点まで来てしまいました。

 今日は、JR中央線沿線きってのグルメタウン、西荻窪に向かいます。

 JR中央線沿線は各駅ごとに、ちゃんとした飲み屋街がある、呑兵衛にとっては垂涎の路線です。

 たとえば中野駅は北口側の中野5丁目の西側にあたるエリアほぼ全体が飲み屋街だし、高円寺は駅から周辺に延びる路地(=商店街)のそれぞれに飲み屋があるし、阿佐ヶ谷は駅の両側のガード周辺に飲み屋街が続いている。

 荻窪は駅の周辺が再開発できれいになっちゃったので、一見、飲み屋街はなさそうに見えるんだけど、北口右手の昔の闇市の名残が残る一帯には、相変わらず小さな酒場が軒を連ねていて、うなぎの「川勢」や、もつ焼き「カッパ」、駅横から移転後の新生「鳥もと」などが連日にぎわっています。北口左手のタウンセブンの裏手のほうや、南口商店街の中にごちゃごちゃと分け入ったあたりにも、小さな酒場が林立していて、呑兵衛心を刺激します。昨日の「やきや」も、そんな南口商店街の一角にあります。

 そして西荻窪。この駅の周辺には小さな店がひしめき合うように並んでいて、昔ながらの闇市の感覚が一番色濃く残っているように思います。なにしろここ西荻窪には、料理評論家の山本益博さんが住んでいたり、漫画家でエッセイストの東海林さだおさんの仕事場があったりもしますもんねぇ。

 さらにその次が吉祥寺。ここはもう説明の必要もないくらいの呑兵衛タウンですよね。昼から飲める「いせや総本店」もあるし!

 さて西荻窪。今日は南口側を出てすぐの路地の中にある焼とり「よね田」を目指します。

 今日はここ「よね田」で、読売新聞のK記者が取材中とのこと。その取材の主たる対象者は、ここ「よね田」ではなくて、「古典酒場」の倉嶋編集長なんだそうです。

 K記者の「仕事風景を取材させてください」という依頼に、「じゃ、『よね田』」と、倉嶋編集長がこの店を指定したんだそうです。(ことの顛末は倉嶋編集長のブログをご覧ください。)

(倉嶋)「K記者、ご存知ですよねぇ。取材は1時間程度で終わると思うので、K記者と一緒に飲みましょう」

(浜田)「はい、よく知ってます。読売新聞に連載させていただいてた時の担当の方でした」

 ということで、倉嶋編集長への取材が終わる頃合いを見計らって、私も「よね田」へとやってきたのでした。

 午後5時の「よね田」は、すでにびっしりと満席状態。こんな人気店なのに、1階にはカウンター19席しかないので、すぐに満席になってしまうのです。(このほか2階に12席分の座敷席があります。)

 えぇ~と。中の様子をうかがってみると、向かって右手カウンターの一番奥に倉嶋編集長の姿を発見。「すみません、すみません」と声をかけながら、カウンターに並ぶ人たちと、その後ろの壁のわずかなすき間を奥へと進み、確保しておいてくれた席に腰を下ろします。

(K記者)「はじめまして、Kです」

(浜田)「(あれっ? あれっ? 私が知ってるK記者と違うぞ?!)……。はじめまして、浜田です」

(K記者)「浜田さんがご存知のKは、私の妻です」

(浜田)「あ、そうだったんですね。その節はたいへんお世話になりました」

 なんと、ご夫婦ともに読売新聞の記者だったんですね。それはそれは。ご夫婦そろって来てくださったらよかったのに!

 場所が「よね田」だけあって、最初から飲みながらの取材だったようで、私も黒ホッピー(400円)と、ボリュームたっぷりの自家製ポテトサラダ(300円)をもらって参戦です。

 この店の目玉料理である、大山地鶏の焼き鳥や築地直仕入れのマグロは、すでにカウンター上にずらりと並んでいるので、それもつつかせてもらいます。

 この店は値段が安いのに量が多いので、1人前を二人で食べてちょうどいいくらい。そんな料理を3~4品も注文したら、3人くらいでかからないと食べきれないほどになってしまうのです。

 倉嶋編集長と二人で呑むほどに酔うほどに、『老舗大衆酒場の魅力』をK記者にコンコンと語っているうちに、ふと気がつけばもう午後7時。私が合流してからでも2時間の長っちりです。

「よ~し、二次会行こう、二次会!」

 と元気よく「よね田」を後にしたのでした。

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《平成24(2012)年5月2日(水)の記録》

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もうすぐ創業13周年 … 立ち呑み「やきや」(荻窪)

イカ塩辛で燗酒


 「斎藤酒場」を後に、十条駅から新宿経由で荻窪へ。十条~新宿間が10分強、新宿~荻窪間はちょうど10分ほどなので、待ち時間も含めて30分もあれば、もう荻窪です。

 そして荻窪での本日3軒目は、八戸直送のイカ料理で有名な、立ち飲みの「やきや」です。

 中央線沿線の呑兵衛たちには、つとに知られる荻窪「やきや」ですが、その創業は平成11(1999)年7月と、実はそれほど古い店ではありません。

 創業から11年半、平成23(2011)年1月末まで、荻窪駅北側に残る、戦後の闇市っぽい商店街の一角で営業をした後、建て替えによる立ち退きにより、同年7月1日から、荻窪駅南側にある現在の場所での営業となり、それを機に、店名も「やき屋」から「やきや」という平がな表記に改められたのです。新生「やきや」になってからは、まだ1年も経ってないんですね。

 この7月で創業13年となる「やきや」ながら、もっと老舗のような感じがするのは、北口にあった「やき屋」が、古いスナックだったらしい店を、そのまま居抜きで使っていたことと、店を切り盛りする女将さんや、調理を担当する店長(北口時代はゲンさん、今はチュウさん)のしっかりと落ち着いた人柄にあるように思います。

 現在の「やきや」も、前に同じ場所で営業していた店を居抜きで使っていますが、今度は比較的新しい(もしくは近年、内装をやり直している)ので、以前ほど『古い店』という感じではなくなりました。

 店のポリシーは一貫して『八戸直送の新鮮なイカ料理を立ち飲み価格で安価に提供する』という1点にあり、決してぶれません。現在も、ほとんどの食べ物メニューは、北口時代と同じく、1人前が170円(税込)です。

 この値段で、刺身などは注文を受けてから引いてくれるんだから驚きです。

『呑兵衛なんて、安く飲めればそれでいいんだろう?!』

 なんて思っている人もいるかもしれませんが、それは大きな誤解です。実は呑兵衛は安くて旨いものを出してくれる店はよく知っていて、まるで砂糖に群がるアリンコのように、どんどん呑兵衛が集まってくるのです。

 逆に『安かろう、まずかろう』なんて店は、あっという間に閑古鳥です。

 これはインターネット時代だからそうなじゃなくて、そんな手段がなかった昔から、呑兵衛同士の口コミで、呑兵衛から呑兵衛へと伝搬されていたようなのです。酒場の中で交わされる呑兵衛同士の口コミほど正しい情報はありませんものね。

 さて「やきや」。今日は酒友・ゆりちゃん(元・秋元屋冷蔵庫前)も手伝いに入っていて、カウンターの中で大活躍中。私もカウンター中央部の、ゆりちゃんとも話しやすい場所に陣取って、燗酒(北の誉、250円)とイカ塩辛(170円)からスタートです。

 このイカ塩辛ももちろん自家製。燗酒を飲むのに、これくらい合うつまみはないと、いつも思っている一品です。(冬場のイカ大根も、どんなお酒にでもよく合うのですが。)

 イカ塩辛は170円という値段ながら、小鉢にたっぷりと盛られていて、1合のお酒ではまったく足りません。「燗酒、おかわり!」といきたいところですが、ここらでキリッと冷たい飲み物も欲しくなったので、ホッピー(セットで320円)に切り換えます。

 氷入りのサワーグラスに定量の焼酎が注がれ、それとは別に瓶入りホッピーが出されるのが「やきや」のスタイル。グラスたっぷりまでホッピーを入れると2杯分の、グラスに8~9分目くらいまでだと3杯分のホッピー割りが作れます。

 その冷たいホッピーに合わせて、イカ生姜棒(200円)も追加注文。

 つまみ20品ほどが、ほぼ170円均一のこの店にあって、このイカ生姜棒と、シメサバ(220円)だけが170円よりも高級品なのです。

 というか、「やきや」で飲んでるときは、他との対比からか、この2品が光り輝くほど高級品に見えるのですが、今こうして冷静に文章を書いていると、200円や220円のつまみというのも十分に安いですよね。

 その高級イカ生姜棒は、刻んだイカの身が練り込まれた棒天です。長方形の皿からはみ出すほど長いそのイカ生姜棒を、注文を受けてから焼き台でじっくりと炙り、おろし生姜を添えて出してくれます。

 シャラッと醤油を回しかけてかぶりつくと、そのほんわりと温かい食感に、冷たいホッピーがよく合います。

 ナカ(ホッピーの焼酎のみ、160円)もおかわりして、1時間半ほどの滞在。お勘定は1,100円でした。どうもごちそうさま。

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《平成24(2012)年5月1日(火)の記録》

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コロッケ串カツセット … 「斎藤酒場(さいとうさかば)」(十条)

コロッケ串カツセット


 東十条の「埼玉屋」を出たのは午後6時。開店と同時(午後4時)に飲み始めたので、ゆっくりと2時間飲んでも、まだまだやっと夕方といった感じですねぇ。外も明るいこと。

 今日の2軒目として、十条駅の近くにある昭和3(1928)年創業の「斎藤酒場」を目指します。

 乗り換え案内のソフトで、東十条から十条を検索すると、東十条から赤羽に行き、乗り換えて十条に出るという、およそ10分(乗車6分、待ち4分)のルートが提案されますが、実は東十条、十条間は、直線距離で約500メートル、歩いて10分かからない距離なのです。

 十条、赤羽、東十条の3駅は、十条と東十条を底辺とし、赤羽を上側の頂点とする二等辺三角形の形を成しています。

 先ほども書いたとおり底辺の長さは約500メートル。頂点(赤羽)までの高さは2キロ弱なので、この二等辺三角形の面積は約0.5平方キロメートル。

 東京ドーム10個分くらいの小さなこのエリアに、数々の名酒場がひしめいていて、酒場ファンの間では『北区のゴールデントライアングル』とも呼ばれています。先ほどの「埼玉屋」や、今向かっている「斎藤酒場」も、このエリア内に数ある名酒場のうちの2軒です。

 そうこうしているうちに、もう「斎藤酒場」に到着です。

 午後6時過ぎと、これからがもっとも混んでくる時間帯ですが、そこはひとりの身軽さ。店内に入り、「いらっしゃい」と迎えてくれるおねえさんに、「ひとりです」と人差し指を立てると、「じゃ、ここか、ここでお願いします」と2か所ほどの“すき間”を指し示してくれます。

 店内はほぼ満席に見えるものの、おねえさんが示してくれた先には、たしかに一人なら入れそうな“すき間”がある。そのうちの一つ、入口から見ると、左手奥側のテレビ下のテーブルに割り込ませてもらいます。

 ここ「斎藤酒場」の店内の特徴は、形の違う木製のテーブルがいくつも並んでいて、カウンター席はないところ。(カウンター席っぽい雰囲気のテーブルが入口右手にありますが…。)

 だからひとり客でも、ふたり客でも、そしてグループでも、その人数分の空きがあるテーブルに入れてもらって詰めていきます。相席(あいせき)は当たり前という世界なんですね。これもまた老舗大衆酒場らしいところです。

 席に座るとすぐに、おねえさんが注文を取りに来てくれて、サッポロラガーの大瓶(490円)と、つまみはコロッケと串カツのセット(220円)を注文。すぐにビールと、お通しの落花生3個が出されます。

 テーブル席が並ぶホールは、おねえさん(おばさん?)たち女性陣が切り盛りしていて、男性陣は入口から見て右手にある間仕切りの奥の厨房で働いているようです。赤羽の「まるます家」も、ホールが女性陣、厨房が男性陣(女性も混ざってますが)というスタイルですよね。これがこの地域の老舗酒場の定番なのかなあ。

 コロッケと串カツのセットは、通常は2個が1人前で出されるコロッケ(220円)と、2本1人前で出される串カツ(220円)を、コロッケ1個・串カツ1個のセット(220円)で出してもらうという、正式なメニューには書かれていない裏メニュー。しかしながら、多くの常連客(特にひとり客)は注文するという、かなり表に近い裏メニューです。揚げたての熱々で出してくれるのがうれしいですね!

 「埼玉屋」で生レモンサワーを4杯も飲んでいるので、もう飲む量も十分なんだけど、せっかくの「斎藤酒場」をこれだけで帰るのはもったいない。もうちょっとこの空間を楽しんでいきたいなぁ。

 そこで燗酒(170円)と竹の子のキンピラ(180円)を追加注文。竹の子は大好きで、メニューにあるとよくもらうのですが、キンピラははじめてですねぇ。燗酒によく合います。

 1時間ちょっとの滞在。お勘定は1,060円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成24(2012)年5月1日(火)の記録》

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〔コラム〕 西日本新聞「土曜エッセー」で“酒場浴”

福岡流の焼き鳥


 本日(2012年6月16日)発売の西日本新聞朝刊の文化面「土曜エッセー」に、『万古不易な空間で“酒場浴”』という拙文が掲載されています。

 老舗大衆酒場の、世代を経て変わらぬ空間に身を置きながら、ゆったりと酒と肴を楽しむ。仕事帰りに銭湯にでも寄るような感覚で、昔から変わらぬ空間にどっぷりと浸かって“酒場浴”。我われ呑兵衛にとっては、“温泉浴”や“森林浴”よりも癒し効果抜群ですね。

 私自身、18~24歳までの多感な学生時代6年間を福岡で過ごしたこともあって、その福岡に本社を置く西日本新聞からの原稿依頼は、なんだかとっても嬉しい。

「福岡にいたころは、焼き鳥屋によく行ったねえ」

「そうそう。店に入ると、『いらっしゃいませーっ!!』と言いながら、太鼓をドーンドーンと鳴らしてくれるんだ」

「焼き台の横のほうには、黒じょかに入った湯割り焼酎が置かれてたりして、座るとすぐに、ザク切りのキャベツに酢をかけたお皿が出される」

「その上に、あいだに玉ネギを挟んだ焼き鳥を出してくれた」

「キャベツがなくなっても、どんどん足してくれる。キャベツはサービスだったから、焼き鳥よりも、むしろキャベツをたくさん食べながら飲んでたよなあ」

 学生時代を福岡で一緒に過ごした友人たちと集まると、今でもそんな話が出てきます。

 新歓コンパではじめて飲まされた芋焼酎の湯割りに、あっという間に撃沈。その後も飲んでは撃沈、飲んでは撃沈を繰り返しながら、ふと気がつくと、いつの間にか立派な呑ん兵衛に育っていたのでした。

 仕送り前で金銭的に苦しい時でも飲みに行く。そんなときにお世話になっていたのが、大学の近くの屋台です。今と違って、当時は住宅街のあちこちで屋台を見かけるような時代でした。

 コップ1杯(ちょうど1合分)の焼酎が120円。それとは別に空のコップをもう1個出してくれるので、屋台内に置かれたお湯のポットを使って、自分で焼酎の湯割りを作ります。

 五分五分に割るとコップ2杯分のお湯割りができるのですが、我われの場合は、できるだけ長く楽しめるように、もうちょっと薄めに割って、コップ1杯の焼酎から、3~4杯分の湯割りを作る。

 それに1本40円の焼き鳥を2本焼いてもらって、合計たったの200円で、友人たちと夜遅くまで議論に花を咲かせていたものでした。

 ひとしきり飲み終えた後の楽しみは、うどんやラーメンなどの麺類で〆ること。24時間営業の立ち食いうどんのチェーン店「ウエスト」や、深夜までやってるラーメン屋台(「花山」など)が、下宿先のすぐ近くにあって、深夜だろうが明け方だろうが困ることがない。

 丸天うどんに、ごぼ天うどん、余裕があれば、かしわにぎりももらう。酔った勢いで、ラーメンの替え玉競争もよくやりました。

 そんな飲み方がすっかり板につき、この街がすっかり自分の街のように思えてきたころ、卒業して福岡を離れました。

 焼き鳥屋に入ると太鼓が打ち鳴らされたり、酸っぱいタレのキャベツがどんどん出てきたり、焼き鳥の肉の間には玉ネギが一片ずつ刺さっていたり、24時間開いているうどん屋やラーメン屋でいつでも腹ごしらえができたり。

 まったく当たり前と思っていたそんなことが、ほかの町にはあまりないことを知ったのは、就職して福岡を離れてからのことでした。

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北区の人気やきとん店(3) … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

古典酒場Vol.9より


「今までに食ったことがないような美味いものを食わせてやるから、オレについてきな!」とみんなをリードしてくれる店主のもとで、『埼玉屋劇場』とも呼ばれる串焼きの世界を堪能中です。

 そんな「埼玉屋」の様子は、「古典酒場 Vol.9」(本当に旨いホルモン酒場特集号)の連載漫画『ホッピー育ての親 名物酒場店主のホッピー子育て奮闘記』(中川のぞむ・漫画、ホッピービバレッジ株式会社・監修)にも描かれています。(上の絵がその漫画の1コマです。)

 今日は客のみんなが、クレソンサラダ(420円)と店主おまかせの串焼き(各140円)9本セットをいただく定番コースを食べていて、1本目に和牛リブロースのレア、2本目に上シロ(豚の直腸)の塩焼きが出されたところです。

 続く3本目はレバ(岩中豚、140円)の塩焼き。これまでの2本を、出されるや否やといったスピード感で必死に食べていたのを見てくれていたのか、「おにいさんには、これくらいのがいいだろう」と、焼き台の上にずらりと並んだレバの中から、うんと若焼きにできあがったレバを1本取り上げて、だれよりも早く出してくれました。おぉ~っ。焼き台の横に座って良かったのぉ。もちろん大急ぎでいただくと、そのレバの甘いこと。

「今日のレバは甘いだろう?」と、他の客にも焼きあがったレバを配りながら店主が聞いてくれます。レバは見た目では味(特に甘みの度合い)はわからなくて、切って食べてみるしかないんだそうです。

 4本目はハツ(140円)塩焼き。5本目は同じ岩中豚の豚バラ(140円)と続きます。

 生レモンサワー(440円)も、おかわりをもらいます。冷たくて、ちょっと酸っぱいこの味が、口の中をビシッとリフレッシュしてくれるのです。

 最初に出してくれたクレソンサラダ(420円)も食べ終えたので、ここで大根サラダ(210円)を追加注文します。クレソンサラダは、クレソンと、拍子木切りの大根をポン酢醤油っぽいドレッシングでいただくもの。大根サラダは、クレソンサラダの大根の部分のみ、という一品です。このサラダのドレッシングに、塩焼きの焼き物をちょいと浸けて食べてもおいしいんですよね。

 6本目はチレ(豚の脾臓)。これをガーリックバターでいただくのが「埼玉屋」流です。チレはこの食べ方か、あるいは「秋元屋」やその系列店のような味噌焼きにするかが一番合うように思います。チレそのものはクニュクニュとした食感はおもしろいものの味はないので、あまり大きくカットするよりは、「埼玉屋」のチレ程度の適度な大きさにして、外部のソース(ガーリックバターなど)の味で食べさせるのがいいんでしょうね。

 7本目はカシラ塩、8本目はタン塩です。

 カシラは豚の頭(首から上)に付いている肉、タンは豚の舌です。食肉センターでは、頭、手足の先、内臓は落として枝肉とするので、その枝肉以外の部分がすべて“もつ”として扱われるのです。カシラなんて、ほぼ正肉と同じですよね。

 そして定番コースの最後の1本となる9本目。「さぁ、これが今日のメインディッシュだ」と言いながら出してくれたのはシャモ(軍鶏)です。

「まだ食べないでよ。これからソースをつけるからね」と店主が言っているところへ、厨房から出てきた息子さんと、奥さん(なのかな?)が、シャモの上にサルサソースをのせていってくれます。クゥ~ッ、うまいっ。

 本当はまだまだ食べていきたいんだけれど、もう生レモンサワーを4杯も飲んじゃったし、せっかくの東京なので、あと何軒かまわりたいし、ということで、今日は定番の9本コースだけでお勘定をお願いします。

 ちょうど2時間ほどの滞在。やきとん(各140円)9本に、生レモンサワー(440円)4杯、クレソンサラダ(420円)と大根サラダ(210円)で、本日のお勘定は3,650円でした。うぅ~、満足。どうもごちそうさま!

店情報前記事

《平成24(2012)年5月1日(火)の記録》

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北区の人気やきとん店(2) … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

土曜日、開店前の「埼玉屋」


 東十条の「埼玉屋」にやってきています。開店前から店の外で座って待ち、先ほど店内に入ったところです。

 今日はゴールデンウイーク中の平日だったので、それほどの行列もなく入れましたが、土曜日などは開店前から大勢の人が待っていることもあります。(上の写真は、ある土曜日に撮った、開店前の「埼玉屋」の様子です。)

 「埼玉屋」では、通常、クレソンサラダ(420円)と、店主おまかせの串焼き(各140円)9本の定番コースをいただくのがおすすめ。

 今日は客全員がその定番コースを選択です。というか、何度か来ていますが、全員が定番コースを選択する以外の流れは、あまり見たことがありません。(10年以上前に最初に来た頃は自由に注文することができたのですが、その後、だんだんと現在のスタイルに変ってきたもののようです。)

 まずまっ先に出されるクレソンサラダ(420円)に続いて、焼き物の1本目として出てきたのは和牛リブロース(140円)のレア(若焼き)タレ焼きです。以前はベリーレア(超若焼き)の状態で出してくれていたのですが、今は保健所の指導もあって、生に近い状態では出しにくいんだそうです。

「なにしろ道路の向かい側が北区保健所だからねぇ。『埼玉屋さん、お願いします』と言われると生で出すわけにもいかないんだよなぁ。本当は生で食べても美味しいリブロースなんだけどね」と残念そうに話してくれる店主。

 ここの焼き物は、天ぷらなどと一緒。ずらりと並んだ焼き物の状態を見ながら、いい焼き具合になったものをトンと皿の上に出してくれるので、間髪入れずにほお張らないといけません。これがこの店のやきとんを最もおいしい状態でいただく唯一の方法。連れとペチャクチャしゃべっている場合ではないのです。

 しかもリブロースなどの精肉類は、エイジングと言って、肉のうまみが出てくるまで、しばらく(何日間か)寝かした状態で出してくれるので、肉そのものの味わいがすばらしい。まさに生でも食べられそうな一品に、ほんのりと火を通してくれてるので、その温かみが感じられる短い時間のうちに完食しないといけません。

 2本目は上シロ(140円)の塩焼きです。上シロというのは豚の直腸のこと。テッポウとかトロと呼ぶ店もあります。もつのほうは、精肉と違って鮮度が命。この店では、やきとんに使う豚はすべて岩中豚(いわちゅうぶた)という銘柄豚のもの。とろりととろける軟らかさと、その軟らかさを噛み切ろうとするときに反発する弾力感との絶妙なバランスが、上シロならではの大きな特徴です。

「どうだい。こんなの食べたことがねえだろう」と、店主が初めてきた女性ふたり連れに声をかけます。「ほんと。おいしいです」とおふたり。

 ここは、もつ焼き好きの間では『埼玉屋劇場』とも呼ばれています。「今までに食ったことがないような美味いものを食わせてやるから、オレについてきな!」という役者が、焼き台の前に立つ店主で、コの字カウンターにずらりとならぶ我われが観客です。店主が「これでどうだ!」と打ち出してくる1本1本のやきとんを、「う~む」と唸りながらみんなで堪能するのです。

(つづく)

店情報前記事

《平成24(2012)年5月1日(火)の記録》

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北区の人気やきとん店(1) … やきとん「埼玉屋(さいたまや)」(東十条)

埼玉屋


 連休四日目の今日は、東京北部のもつ焼きの雄、「埼玉屋」にやってきました。

 少し早めにと思って、午後3時に店の前にやってきたのですが、この時点ですでに5人ほどの先客が、椅子に腰を下ろして待っている状態。その横に立って待っていると、少しして、ちらりと外の様子を確認しに来た店主の息子さんが私と、私の次に並んでいた人の分の椅子も出してくれました。なるほど、こうして椅子に座って待つことができると、開店前の行列もあまり苦にならないですね。

 開店時刻の午後4時になると、行列は全部で十数人といったところ。今日は連休中の平日なので少ないのかもしれませんが、開店時刻までに行けば、一巡目で入ることができそうです。

「椅子はそのまま置いておいてもらってかまいませんので、お入りください」

 開店ののれんを掛けに出てきた息子さんが、みんなにそう声をかけてくれ、並んでいる順に店内へと入ります。

 本当はどこに座ってもいいのでしょうが、私より前の5人が、コの字カウンター(コの字の右側が入口)の右手奥から順に座ったので、私もその次の席に座ると、そこがちょうど焼き台の横。やったーっ。ここで店主の焼きを見ながら食べるのがいいですよね。

 そして、私のすぐ後ろの人たちから、今度はカウンターの左手奥から順に入り、二人ほどは焼き台の正面に座って、まだ数席が空いた状態で、開店待ちをしていた全員がカウンター席に着きました。

 店頭に出してくれていた椅子を店内に戻し終えた息子さんが、カウンターの中に戻ってきて、まずはみんなの飲み物を聞いて回ります。

 メニューに並ぶ飲み物のうち、人気が高いのは生レモンサワー(440円)と生ホッピー(480円)の2種類。ほぼ100%の客が、そのどちらかを注文します。

 私はどちらも好きなのですが、今日は生レモンサワーを選択します。

 生レモンサワーにも生ホッピーにも、1升瓶のままシャリシャリに凍らせた、合同酒精の“ソフトゴードー”(アルコール20%)が使われます。ジョッキを用意して、シャリシャリの焼酎を入れるところまでは、どちらも同じ。生ホッピーの場合は、ここから生ビールサーバーで樽ホッピーを注ぎ、生レモンサワーの場合は炭酸水を入れて、生レモン半個分を絞り入れ、ジョッキのふちに塩を飾ってできあがり。この塩がいいんですよね。

 みんなの飲み物がほぼ出そろってきたところで、店の奥から店主の登場です。前掛けの紐をギュッと結びながら焼き台の前へ。座っている客の顔を見渡して、初めて思われる客がいると、「うちの店は初めて?」と声をかけます。

「私は初めてなんですけど、(となりの客を指し示しながら)連れは何度も来ていますので」

「あそう。じゃ、教えてあげてね」と、となりのお客さんに下駄を預けます。

「私たち、初めてなんです」という女性ふたり組には、

「好きにたのんでもらってもいいんだけど、ほとんどの人にはこちらがコースでお出しするクレソンサラダ(420円)と串焼き(各140円)9本セットを食べてもらってるんだよ。初めてならば、ぜひそれを食べてみてもらいたいな」と店主。

 そうです。これがこの店の定番コース(都合1,680円分)で、常連さんたちは、それに加えて、自分たちの好きなものを追加注文するのです。

 初めての客には店主が説明してくれますが、そうでない客は、黙っていると自動的に定番コースを出してくれます。店主が、連れの常連さんに「教えてあげてね」と言ったのは、そのことだったんですね。

(つづく)

店情報前回

《平成24(2012)年5月1日(火)の記録》

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〔くれ便り〕 テレビに初登場、ビヤハウス「オオムラ亜」

ビヤハウス「オオムラ亜」


 戦後すぐに開店した呉の老舗ビヤハウス「オオムラ」が、その店舗や生ビールサーバーをそのまま活かした形で、今年(2012年)5月17日に「オオムラ亜」として営業を再開しました。

 新たな店主は、實兼亜矢(じつかね・あや)さん。「オオムラ亜」の「亜」は、亜矢さんの「亜」です。

 そしてその「オオムラ亜」が、来る6月14日(木)、14:55〜16:40のRCCテレビ「イマなま3チャンネル」の中で紹介される予定です。

 この日の「イマなま3チャンネル」では、ビール特集として広島・呉の8軒ほどのビールが美味しい店が紹介される予定なんだそうで、そのうちの1軒が「オオムラ亜」です。

 この収録が行われたときに、ちょうど私も店内に居あわせたので、もしかするとチラリと映っているかも!

 残念ながら広島方面でしか放送されませんし、会社勤めの方はまだ働いている時間帯ですが、RCCテレビの放送エリアのみなさんは、ぜひ録画などしてご覧いただくとありがたいです。

 さて「オオムラ」。一昨年の暮れくらいに店主が体調を崩し、1年以上、ずっと休店状態でした。現在、店主は、ご自宅に戻られていますが、ドクターストップでもうお酒を飲むことができないんだそうで、「オオムラ」を閉めざるを得なくなってしまいました。

 この「オオムラ」の危機に、『呉を代表する老舗酒場の灯を消してはならじ』と立ち上がったのが亜矢さんだったのでした。

 亜矢さん自身も、大勢の常連さんに愛される酒場、「有象無象」をやっていて、しかも少し前に内装をやり直したばかりだったのですが、その「有象無象」を閉めるという大きなリスクを負ってまでの、ここ「オオムラ」の継承です。

 実は亜矢さんご自身も、前の「オオムラ」の常連さん。亜矢さんのお父さんも常連さんだったそうですから、2代続けての大常連さんなんですね。

 「オオムラ」を、新たに「オオムラ亜」として再開するにあたって、亜矢さんがもっともこだわったのが、「オオムラ」の生ビールサーバーをそのまま使うということと、「オオムラ」の持つ、老舗ならではの店の雰囲気をできるだけ維持すること。

 『継続と再生』をキーワードに、知り合いの建築屋さんたちとともに、1か月近くにわたる内外装のリフォームを行いました。

 その結果、昔の常連さんたちにも「そのまんまじゃのぉ」と言われるほど、見事に以前の「オオムラ」の雰囲気を継承しました。しかし実際には、新たにエアコンが付いたり(なんと「オオムラ」にはエアコンがなかった!)、トイレも新品になったり、瞬間湯沸かし器も付いたりと、以前の「オオムラ」と比べると、ずいぶん近代化(?!)しているのです。

 生ビールサーバーのほうは、サッポロビールにも来てもらって検査をした結果、注ぎ口(コック)の部分は劣化しているものの、その他は使えそうであることが判明。新たな注ぎ口を作ってもらって、それに付け替えましたが、スイングコックと呼ばれる、昔ながらの注ぎ口のタイプであることは不変。サッポロビールの担当者によると、今や国内にも数軒しか残っていないタイプの注ぎ口なんだそうです。

 故障していた樽生ビール用の冷蔵庫も修理して直したので、注がれた生ビールの温度は8℃前後と、ちょうど飲みごろ。

 生ビールの料金も、「オオムラ」時代と同じく1杯500円。

 つまみも、「オオムラ」のときにも人気のあった、のりチーズ、ポールウインナー、チーズかまぼこ、いかり豆、ピーナッツ、のし天、するめなどが、これまた値段も変わらず、それぞれ200円。

 それに加えて、「オオムラ」時代にはなかった、日替わりのポテトサラダ、マカロニサラダ、ピリ辛コンニャク、じゃこカツ、トマト、そら豆、いかなご釘煮などが、それぞれ300円で提供されるようになりました。

 『グッと1杯! 思わず2杯!!』というキャッチフレーズどおり、生ビールの味わいが軽やかで、何杯でも飲めそうなのは、前の「オオムラ」のときのまま。

 店は午後3時から8時まで、5時間の営業ですが、生ビールが売り切れると閉店です。7時を過ぎると、ちょっと危ないかな。店頭に並んだ何個かのちょうちんに灯がともっているのが、まだ生ビールが残っているというサインです。

・「オオムラ亜」の店情報

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店情報: ビヤハウス「オオムラ亜(おおむら・あ)」(呉)

オオムラ亜

  • 店名: ビヤハウス「オオムラ亜」
  • 電話: 0823-22-3832
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通4-3-19
  • 営業: 15:00-20:00(売切仕舞)、不定休
  • 場所: 本通4丁目信号交差点から市役所方面に進み、れんが通りを過ぎた先、右手。蔵本通りからは弥生橋西詰信号交差点を本通方面に進み、れんが通りの手前、左手。
  • メモ: 戦後すぐに開店した老舗ビヤハウス「オオムラ」の店舗や生ビールサーバーをそのまま引き継いで、平成24(2012)年5月17日に再開。新店主は元の「オオムラ」の常連さんでもあった實兼亜矢(じつかね・あや)さん。飲み物メニューは生ビール(500円)のみ。つまみは、のりチーズ、ポールウインナー、チーズかまぼこ、いかり豆、かえりちりめん、ピーナッツ、わさび豆、のし天、ドライソーセージ、海苔ピー、元祖ボール、あられ、するめ、枝豆などの定番メニューが各200円。日替わりのポテトサラダ、マカロニサラダ、ピリ辛コンニャク、じゃこカツ、トマト、そら豆、いかなご釘煮などが各300円。(2012年5月調べ)

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もつ焼きは東京郷土食 … やきとん「秋元屋(あきもとや)」(野方)

三冷黒ホッピー


 帰京すると絶対に食べたい・飲みたいものが、もつ焼きとホッピーです。

 ずっと東京にいる間はあまり気づきませんでしたが、もつ焼きもホッピーも明らかに東京フード、東京ドリンクで、他の地域では、少なくとも本物の味を楽しむことはできないんじゃないかと思います。

 もし「秘密のケンミンSHOW」で、東京都が取り上げることがあったら、どぜう鍋や蕎麦などとともにぜひ紹介してもらいたいくらいです。

 「もつマニア」(浜田信郎・監修、メディアパル、税込み1,365円)の『はじめに』でも触れさせていただきましたが、今のスタイルのもつ焼きやもつ煮込みは、明治時代に東京で発祥した食べ物です。

 江戸時代の武士の世が終わって失業した百万人もの下級武士のために、明治政府が酪農を推奨。東京は一大酪農地域になったのです。首都東京には外国人も多かったので、肉はどんどん消費されていたんですね。

 そして、明治の終わりごろには『やきとりといって、牛豚のモツを串に刺し、タレをつけて照り焼きにして食わせる町の屋台店が夜になると現れてきた』(角田猛著「いかもの・奇味珍味」1957年)のです。

 現在のもつ焼きは、豚の畜産副産物(食肉加工センター等で発生する食肉以外の部分)が主たる材料です。

 “もつ焼き”という呼び方は主として東京下町で使用されていて、他に“やきとり”(ひらがな表記のことが多い)や“やきとん”を使う店もあります。

 “もつ焼き”という呼称を使っている店は、立石の「宇ち多゛」や「江戸っ子」、「ミツワ」、さらに浅草の「喜美松」や「千代乃家」などなど。この「千代乃家」が“もつ焼き”という呼称を使い始めた元祖なんじゃないかと言われています。(参考:辻バードさん千代乃家紹介

 “やきとり”を使っているのは恵比寿の「たつや」や渋谷の「山家(やまが)」、そして東京ではありませんが、「秋元屋」の師匠である蕨(わらび)の「喜よし」などなど。

 “やきとん”は、東十条の「埼玉屋」をはじめ、「秋元屋」およびその系列の各店が使っています。

 「秋元屋」の店主・秋元宏之さんは、平成16(2004)年に「秋元屋」を開店するときに、「宇ち多゛」のように“もつ焼き”と名乗るか、「埼玉屋」のように“やきとん”と名乗るかを検討して、最終的に“やきとん”と名乗ることにしたんだそうです。

 一方、ホッピーは、みなさんもご存じのとおり、東京・赤坂に本社を置くホッピービバレッジ株式会社(明治43(1910)年創業)が、昭和23(1948)年に製造・販売を開始した、この会社独自の麦酒様清涼飲料です。調布工場で製造されたホッピーは、鮮度が大事。目の行き届く範囲に販売しているため、首都圏を中心としたエリアで見かけることが多いのです。

 連休三日目の今日は、家族で「スタミナ苑」(阿佐ヶ谷)で焼肉を食べた後、私だけ、さらにもう1軒と「秋元屋」へ。

 まずは「菊正宗」(小、300円)を燗酒でもらって、煮込み(350円)と、お新香(200円)を注文したものの、残念ながらお新香は売り切れ。「ごめんね~」と奥の厨房から出てきてくれたよっちゃんと、お久しぶりのごあいさつ。

 「秋元屋」野方店で働いていたみなさんが、次々に自分の店を開いて独立されたこともあって、昔からずっと続いていらっしゃる店員さんは、よっちゃんだけくらいになってしまいました。

 昔から『癒しのよっちゃん』と呼ばれているとおり、毎日大忙しの「秋元屋」店内にあって、いつも笑顔のよっちゃんに、常連さんたちはみんな癒されるのです。

 2杯目には、冒頭の写真にある三冷黒ホッピー(400円)をもらって、つまみはじゃこおろし(250円)と、生白がつ(120円)と、うずら(100円)を1本ずつ、それぞれ塩で焼いてもらいます。

 向かって左側の旧店舗の焼き台前で、1時間ほどの滞在。お勘定は席料が100円ついて、1,620円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成24(2012)年4月30日(月)の記録》

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恒例、フルさんの征西 … 焼鳥割烹「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)ほか

皮にんにく串


 ゴールデンウイークの連休になると、麻布十番方面に住んでいる、呑んだフルさんが阿佐ヶ谷「川名」にやってくるのが恒例になっています。

 今年は連休二日目の今日、「川名」の奥の座敷を予約しての宴会です。

 集まったのはフルさん、伊野由有子さん、宇ち中(うちちゅう)さん、荒木マタエモンさん、ゆりちゃん、小西康隆さん、おっとこまえH氏ことハッシーさん、そして私の8人。

 生ビールで乾杯した後は、今日のホワイトボードメニューから、まぐろ刺(399円)や、かつおたたき(399円)、鮭西京漬焼(294円)、皮にんにく串(168円)、竹の子(168円)、ぽてとさらだ(231円)。そして定番のメニューからは、豚軟骨もつ煮込み、にら玉子焼きなどなど。飲み物も、生ビールから生グレープフルーツサワーへと切り換えます。

 料理研究家の伊野さんは、「うちにあるお酒だけでできる 大人女子カクテル74&カンタンおつまみ44」(伊野由有子・著、講談社のお料理BOOK、2012年4月20日発売、1,000円)という新しい本を出されたんだそうです。

 遅れていたここっとさんが到着された「川名」を〆て(8人で14,595円。ひとり1,820円ほど)、2軒目はタクシーに分乗して「竹よし」へ。

 ここで、今日は職場の飲み会だった、にっきーさんも合流し、ふぢもとさんと直ちゃんもきてくれました。

 「竹よし」自慢の魚介類をいただきながら、日本酒を飲んだり、焼酎を飲んだり。このメンバーが集まるのは本当に久しぶりなのに、集まったらすぐに前のとおりに話が盛り上がるのがおもしろいなあ。

 遠くから来ている人もいるので、午後10時半ごろには解散。

 ここが地元の伊野さん、にっきーさん、そして私の3人は、長浜ラーメンの「御天」に移動。シークワーサーサワーで乾杯し、つまみには、せん菜(さい)ナムルをいただきます。

 せん菜というのは、「御天」でしかお目にかかったことがない、細いもやしです。いつもは、せん菜炒めをもらうのですが、せん菜ナムルというのもあったんですね。はじめていただきました。

 そして〆のラーメンは、伊野さんがインド式ラーメン(=カレーラーメン)、にっきーさんが、これまた珍しいトマトラーメン。私は普通のラーメン+生ニンニクです。

 バリカタの細いラーメン。そしてアンモニア臭にも近い強烈なとんこつスープ。これが「御天」のラーメンですねえ!

 昨夜に続いて、今日も長くて楽しい一夜となったのでした。

120429a 120429b 120429c
ぽてとさらだ / かつおたたき / 豚軟骨もつ煮込み

120429d 120429e 120429f
竹の子 / まぐろ刺 / にら玉子焼き

120429g 120429h 120429i
鮭西京漬焼 / わさび菜 / 伊野さんの新著

120429j 120429k 120429l
店主からサラダ / 「竹よし」ホタテ炒め / あさりバター焼き

120429m 120429n 120429o
貝刺身盛り合せ / 頭と尻尾焼き / かに雑炊

120429p 120429q 120429r
「御天」せん菜ナムル / インド式ラーメン / ラーメンと生にんにく

・「川名」 の店情報前回
・「竹よし」の店情報前回
・「御天」 の店情報前回

《平成24(2012)年4月29日(日)の記録》

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〔コラム〕 古典酒場×ホッピー ほろ酔いと~く

ほろ酔いと~く


 今日からゴールデンウイークの9連休に突入し、朝早くに単身赴任先の呉を出発して、自宅のある東京へ。しかし、今日の行先は自宅ではなくて、赤坂サカスBIZタワーにある居酒屋「DO-ZO」。今日はここで「古典酒場×ホッピー チャリティほろ酔いと~く」が開かれるのです。

 それにしても赤坂サカスとは、おしゃれだなぁ。歩いている人たちの姿が違う! ホッピービバレッジ本社って、こんなおしゃれなところにあるんですね!

 実に1年半ぶりとなる「ほろ酔いと~く」ながら、出演者はいつもと変わらず、渋谷和宏さん(日経BP局長)、ホッピーミーナさん(ホッピービバレッジ社長)、倉嶋紀和子さん(「古典酒場」編集長)、そして私の4人。控室で、ホッピーを飲みながらの打ち合わせも話が弾みます。

 会場のほうも、午後2時の開場とともに入った人からどんどんホッピーが飲める仕組み。会場も、控室も、どんどんテンションが上がっていくのです。

 そして午後2時半、ほろ酔いと~くのスタートです。

 乾杯用のお酒は、この日のために倉嶋編集長が入手してくださった、酔仙酒造の「酔仙 初酒槽(はつふね)」(去年12月に製造されたもの)。「初酒槽」はゆく年を想い、来る年を迎えるために年末に造られる特別なお酒で、数量限定のとても珍しいものです。

 冒頭の写真は、その「酔仙 初酒槽」(本醸造生原酒)の一升瓶越しに、会場の様子を写したものです。

 こんなにも大勢のみなさんにお越しいただきまして、本当にありがとうございました。とても楽しい、あっという間の「ほろ酔いと~く」でした。

 二次会は、ホッピービバレッジのみなさん、そして古典酒場の関係者のみなさんとともに、銀座のバー「Mitani-Ya」へ。

 渋谷和宏さんは、明日の朝、日テレの「シューイチ」の生放送に出演しないといけないので、残念ながら早々とご帰宅。前はテレビ朝日によく出演されていたのに、このところアチコチのテレビ番組に出演されてるんですね!

 しかしながら、今日、お客さんのひとりと参加してくださった赤坂「鳥通」の上岡料理長もいらっしゃっていて、おとなりでお話しさせていただくことができました。上岡料理長も愛媛県出身でびっくりでした。

 「Mitani-Ya」には、三冷ホッピーが置いてあって、みんなでホッピーをグイグイ。イケメンご兄弟が二人でやっているこのバーは、料理もおいしいので、ホッピービバレッジの若手社員のみなさんもうれしそう。彼ら、彼女らは「ほろ酔いと~く」の間、会場でずっと働いてくれていたので、ここでやっと食事です。

 午後9時過ぎまで、たっぷりと飲んで食べて、お開きになったところで、倉嶋編集長と、クラシマ・プロダクツの経理を担当されている愛子さんと3人で八重洲の「俺のイタリアン」へ。ここで、お友達と3人で飲んでいた、銀座「ロックフィッシュ」の間口さんと合流です。

 間口さんも愛媛県の出身。愛媛は東西方向に、東予(とうよ)・中予(ちゅうよ)・南予(なんよ)という3つの地域に分けられるのですが、「鳥通」の上岡さんが東予、私が中予、そして「ロックフィッシュ」の間口さんが南予の出身です。

 今日は愛媛の人が多いなぁ、と思いながら飲んでいたら、間口さんと一緒に飲んでいたバッカスさんは、呉のご出身とのこと。「え~、そうなんですか」と呉の話で盛り上がっていたら、我われのすぐ近くにいた、この店の若い店員さん(女性)も呉の出身だそうで、これまたびっくり。瀬戸内海沿岸率が高いですねぇ!

 そんなこんなですっかりと酔っぱらって東京駅へ。京浜東北線で帰る愛子さんと別れ、倉嶋編集長と私は中央線で荻窪へ。さすがにもう飲めないので、ここで解散となったのでした。

 早起きして呉を出て、日付けが変わって荻窪まで。とってもよく飲んだ連休初日でした。

 「ほろ酔いと~く」にお越しいただいたみなさん、改めまして、ありがとうございました。

《平成24(2012)年4月28日(土)の記録》

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自家製タレでせん刺し … 焼肉・なべ「ほらふき」(呉)

せん刺し


 やっと風邪も治って、今日は呉の地域情報誌である月刊「くれえばん」の取材で「ほらふき」です。

 はじめていただいた、せん刺し(600円)には、自家製の赤いタレが添えられています。見た目はとっても辛そうに見えるのに、実際に食べてみるとそんなことはなくて、酸味が効いたいい味わいでした。

 ここに来る客、ほぼ全員が注文するという定番の名物が、ほらふき鍋。1人前が1,800円ながら、この1人前で、女性であれば3人が満腹になる量があります。男性でも二人ではちょっときびしい。

 この店を一人で切り盛りしている女将・永野薫(ながの・かおる)さんは二代目。創業者である初代女将は、二代目のお母さんで、ほらふき鍋はお母さんが考えたオリジナルの鍋物なんだそうです。

「もともとは家(うち)で食べていた家庭料理だったんだけど、25年ほど前にこの店を開いたときに、それをこの店で出すようにしたんですよ」

 と二代目女将。初代女将を7年ほど手伝った後、3年前に初代女将が引退し、店を引き継ぎました。

ほらふき鍋 そのほらふき鍋は、鍋の底のほうにごく少量の鶏ガラスープを入れ、ホルモン(牛腸)、ハチノス(牛胃)、天ぷら(平天)、うどん、白菜、玉ねぎ、ねぎ、えのき、もやしを盛り込んでいきます。ど~んと盛られた具材は、鍋の上に20センチほどの山になるボリューム。

 この具材の上に、ニンニクや唐辛子のほか、12種類以上もの野菜や果物などを混ぜ合わせた、自家製の味噌タレをかけて火にかけます。

 なにしろ野菜が多いので、グツグツと煮え始めると野菜からどんどん水分が出てきて、最終的にはちょうど鍋の深さと同じくらいの水分量になるのです。

 全部食べてもまだ足りない場合は、それぞれの具材ごとに追加注文することが可能です。

 最後はご飯を投入して、おじやにするのがこれまた定番の食べ方。このときチャンジャ(300円)を入れてパンチを効かせたり、生卵を溶きいれてマイルドにしたりしながら楽しみます。

 この日の取材記事は、現在(平成24年5月21日~6月20日)発売中の「月刊くれえばん 2012年6月号」(税込370円)に掲載されています。

店情報前回

《平成24(2012)年4月25日(水)の記録》

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〔くれ便り〕 「山乃家」の鍋焼きうどん定食

鍋焼きうどん定食


 風邪を引いたのか、なにやら午後から熱(ねつ)っぽい。昨夜、アユの初物、ギザミの初物と、初物を2品もいただいたので、身体がビックリしちゃったのかなあ。

 そんなわけで、せっかくの金曜日ながら、とっとと帰って爆睡して治そうと、終業時刻と共に会社を出ます。飲みに行かないときは、単身赴任社宅で自炊することが多いのですが、今日はその元気もない。

 帰り道に温かい、力が付きそうなものを食べて帰ろうと、老舗のうどん店、「山乃家(やまのや)」へ。

 「山乃家」は、呉の街なかに2店舗あって、ネット上などでは花見橋店、中通店と区別されていますが、実際の店舗は、どちらも「山乃家」と書かれているだけです。

 花見橋店のほうが本店っぽいのですが、こちらは店が閉まるのが早くて、午後6時半ごろまでしか開いていません。中通店のほうは、午後9時ごろまで開いているので、ちょっと遅くなっても大丈夫。

 メニューはどちらもほぼ同じです。

〔うどん・そば〕かけうどん・そば330、月見うどん・そば430、昆布うどん・そば430、力うどん・そば430、木の葉うどん・そば430、かき揚げうどん・そば480、肉うどん・そば530、天とじうどん・そば530、キムチうどん450、鍋焼きうどん580、中華そば530、和風中華そば500、ざるうどん・そば(夏のみ)550。

〔定食もの〕うどん・田舎そば定食(麺、温むすび、おかず三品)590、キムチうどん定食(麺、温むすび、おかず三品)650、和風中華そば定食(麺、温むすび、おかず三品)680、鍋焼きうどん定食(麺、温むすび、おかず三品)700、ざるそば・うどん定食(夏のみ、麺、温むすび、天ぷら二品)700。

〔どんぶりもの(お吸い物付き)〕玉子丼550、牛丼600、かき揚げ丼600。

〔どんぶりセット(ミニうどん付き)〕玉子丼セット700、牛丼セット750、かき揚げ丼セット750。

〔御米もの〕温むすび(2個)240、おいなり(2個)180、しんこ巻き(3本)270。

〔飲みもの〕ビール(小瓶)アサヒ400。

 花見橋店のほうには、これらに加えて「山乃家定食(590円)」があります。

 麺はもちろん、呉ならではの「細うどん」。メニューの中にも『細うどんは美味しいおつゆを、たくさん絡めて召し上がれるよう、普通より細切りにしてあります』と書かれています。しかもこの店の麺は、厳選素材を使った自家製生麺なんだそうです。

 実は「細うどん」という名称で呼ばれ始めたのは、ここ5~6年ほど前くらいからじゃないかと思います。それまでは普通に「うどん」としか呼んでなくて、普通に「うどん」なのに、冷麦に近いくらいの細いうどんが出てくるのがおもしろかったのです。(麺の細さは、稲庭うどんなどと同じ感じです。)

 終業とともに会社を出たので、まだ花見橋店も営業中。久しぶりに花見橋店のうどんを食べることにしました。

 温かくて、力が付きそうなものというと、やっぱり鍋焼きうどん定食(700円)かな!

 鍋焼きうどんは、木のフタが付いた、黒い鉄鍋で出されます。中通店の鍋焼きうどんは銀色の鍋(フタも同じ素材)で出されるのに、これも両店で違うんですね!

 具材は、かけうどんにも付いてくる刻み揚げ、天かす、とろろ昆布に刻みネギの4品に加えて、生卵と、甘辛く煮た牛肉がのっています。

 「山乃家」のうどんのダシは、ほんわりと甘みがあるのが大きな特徴。この甘みのあるダシに、プチュンとつぶした生卵の黄身の味わいが実によく合います。

 定食で注文したので、この鍋焼きうどんに、温むすびが2個と、おかず3品が付いてきます。温むすびは、あったかご飯を目の前でおむすびにしてくれたもの。おかずは玉子焼き(1切れ)と、高野豆腐(1切れ)が定番の2品で、これに日替わりでキンピラ、ヒジキ、煮しめなどの1品が付いて、合計3品になるのです。今日はヒジキの炒め煮ですね。

 汗をいっぱいかきながら汁まですべて完食し、外の陳列ケースのところでお勘定。

 よ~し、これで満腹になったから、社宅に帰って買い置きの風邪薬を飲んで寝るぞ!

《平成24(2012)年4月20日(金)の記録》

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