できたて熱々のそら豆 … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)
中野の「パニパニ」を出て、「もうお腹いっぱい」と自宅に向かうカミサンを見送って、私はひとり、都立家政(とりつかせい)の「竹よし」へと向かいます。
東京にも、比較的安価に、おいしい魚料理が食べられる酒場がたくさんありますが、ここ「竹よし」もそんな1軒。魚屋の次男坊として生まれた店主が、とにかく魚好きで、魚を料理している姿がとても楽しそうだし、一番安いお酒でも、私の好きな「菊正宗 上撰」(1合350円)というのも、この店に足しげく通う大きな理由かなあ。
店の創業は平成5(1993)年3月11日。今年の春、創業19周年を迎えました。
創業時から店主とおかみさんの二人三脚で、この店を切り盛りされていたのですが、そのおかみさんが平成18(2006)年12月25日にご病気で他界されてからは、店主ひとりががんばってこられました。ここ数年は、若くてきれいな女性陣が、曜日替わりでお一人ずつ手伝いに入っていることが多いので、店主も安心して魚料理に専念できるようです。
とは言うものの、魚料理を作るのは基本的に店主ひとりなので、カウンター6席、テーブル席6席(3席×2)の店内が満席に近くなると、フル回転で料理を作っても出が遅くなってしまうことも多くなります。
今日の店内もそんな状態。私が店に入ったのが午後8時過ぎと、もっともお客さんが多そうな時間帯ということもあって、『かろうじてカウンター席のひとつに座れた』という感じでした。
土曜日の手伝いは、キティちゃん。
まずは赤星(サッポロラガービール中瓶、500円)をもらって、最初の1杯をグッと飲み干し、ど~れどれとメニューを選びます。
「竹よし」のメニューは、カウンター内側の壁(バックバー)の上部にある、3枚のホワイトボードに毎日、手書きされます。今日のメニューは次のとおり。
〔さしみ類〕そい700、かつを700、かます700、アオヤギ400、盛り合せ1,000、小盛り合せ650、あじなめろう650。〔焼き魚〕あゆ500、紅さけ西京みそ漬700、あじ500、かます700、ぶりかま650、やりいか600、子持ししゃも2尾500。
〔煮物〕そい切身700、かじきぶつ切りと大根700、たいの卵600。
〔天ぷら〕盛り合せ1,000、大車えび2尾と野菜900。
〔その他〕たいかぶと酒蒸し700、うなぎ玉子とじ1,000、帆立貝と玉ねぎ炒め600、あさり酒蒸し600、あさりバター焼き600、北海真だこ450、まぐろ山かけ600、ほたるいか450、氷頭(ひず)400、もずく300、めかぶ300、スタミナ六品600、しおから(三日目)350、厚揚焼400、そら豆400、うど酢みそ350、山いも千切り350、マニアな人のやみつききゅうり300。
〔ごはんもの〕小海鮮丼700、小まぐろ丼700、にぎり寿司(まぐろ、たい、ひらめ、えび、とびうお、サーモン、こはだ、たこ、あじ、えんがわ、帆立貝、すじこ)各100。
さて店主は、と見ると、他のお客さんたちからの注文で、おおわらわの状態。こういうときに、常連さんたちは少しもあわてず、お酒をチビチビとやって、他の常連さんたちとの会話を楽しみながら、店主の手が空くのを待っています。私もそれに倣(なら)って、まずは魚料理以外のものでしのぎましょうね。
(私)「そら豆(400円)ならキティちゃんもできるの?」
(キ)「そら豆? やったことな~い」
と言いながらも、外の冷蔵庫から、そら豆を持ってきて、さやから取りだして、塩ゆでそら豆を作ってくれました。ありがとう、キティちゃん。
できたて熱々のそら豆と、冷たいビールがよく合うこと!
ビールも飲みきって、宮城の地酒「一ノ蔵」(500円)の冷酒に切り換えたころ、店主もやっと手が空いて、イカをさばき始めました。
(主)「今日は塩辛がよく出てねぇ。なくなっちゃったから作ってるんだよ」
私もそのできたばかりのフレッシュ塩辛をもらうことにしました。
ここのイカ塩辛(350円)は自家製で、メニューにも「1日目」「二日目」「三日目」と表示されています。店主によると「三日目」くらいが一番おいしいんだそうですが、できたて「1日目」のフレッシュな塩辛ファンも多いんだそうです。
次なる冷酒は、これまた宮城の「浦霞」(500円)です。各種の地酒類も、1合が500~600円くらいで飲めるのがうれしいですね。
その後も、常連さんが注文した、そいあら煮(←メニューにない!)をちょっと分けてもらったり、小マグロ丼(700円)をみんなで見せてもらったり。
この小マグロ丼は、ごはんの量が少ないから「小」と付いてるんでしょうが、そのごはんがまるで見えないほどマグロがてんこ盛りです! すっごぉ~~いっ。
ちなみに小海鮮丼と小マグロ丼はメニューにありますが、普通の海鮮丼とマグロ丼はありません。食べて飲んで、最後の〆には「小ごはん」くらいがちょうどいい、といったところなんでしょうね。
最後にもう一度、「一ノ蔵」(500円)をいただいて、ゆっくりと3時間ほどの滞在。今日のお勘定は2,750円でした。今回もごちそうさま。帰京したらまた来ますね!
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