甘さが旨さ!肉うどん … そば処「平原(ひらはら)」(呉)など
関東で食べるそばのツユは、まっ黒いのに甘い。いっぽう、西日本で食べるうどんは、澄んだスープなのにしょっぱい。
これは関東のツユが、かえし(濃口醤油+みりん+砂糖)+ダシで作られているのに対して、西日本のツユは、濃厚なダシを少量の薄口醤油で味付けした吸い物風だからということのようです。
人の舌は、甘みがあるほうがコク(栄養素)があるように感じるので、西日本のうどんには、甘く煮たお揚げ(油揚げ)や、甘く煮た牛肉を入れることで、甘みを追加します。甘さが旨さなんですね。
生卵と絡(から)めるのにも、甘みが重要。関東の天玉そばがうまいのは、甘みのあるツユがあればこそ。この肉うどんであれば、生卵を投入しても美味しいんじゃないかな!
今日は広(ひろ)の「かわすじ」でちょっと飲んだ後、呉に戻ってきて、「平原」の肉うどん(400円)で〆ているところです。
「かわすじ」は、若いころによく通っていた「あわもり」の後継店として、去年の4月にオープンしました。
昭和28(1953)年の創業以来、昨年3月末まで、60年近く(58年)にわたって地元の呑兵衛たちに愛され続けた「あわもり」の伝統と雰囲気を受け継ぐべく、店はそのまま居抜きで使用し、おでんの値段も1本90円と「あわもり」のときのまま。泡盛(160円)や大瓶ビール(500円)も、そのままの値段を継承してくれました。
ただひとつ、そして致命的に残念なのが、「あわもり」のときは、どの時間帯に行っても、大きなおでん鍋いっぱいに、常に80本近いおでんが煮込まれていたのに対して、「かわすじ」になってからは、おでん鍋の中にはあまりネタが入っていなくて、注文を受けてから鍋に投入するものが増えたことです。
なので、注文した品が、たまたまおでん鍋の中にあって煮込まれていたらすぐに出てくるのですが、そうでない場合はしばらく待たないといけないのです。注文するとサッと出てくるのが、おでんのいいところだと思うんですけどねぇ。
しかも、どうしても煮込みが短時間になってしまうので、煮込みが浅い感じで、鍋の中の具材の量が少ないからか、煮汁のコクもちょっと足りないような……。
全体の雰囲気としては「あわもり」をよく継いでいると思うし、私が大好きだったカワ(豚の皮)やキモ(肺)などもそのまま残っていて、それはもう、うれしい限りで、今もときどき行きたい酒場なのですが、この点だけは、なんとかならないもんでしょうかねぇ。
3月に始まった、広島県の観光キャンペーン「おしい!広島県」じゃありませんが、私にとって、この「かわすじ」は、まさに『惜しいっ!』、いや『惜しくてたまらんっ!』という状況なのでした。
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コメント
おー、「おしい!広島県」!!!
その動画の2:28の辺りでマイクを手にしているのが実は私の知り合いの役者さんなのです。
偶々ですが彼自身も広島市出身で、出演を喜んでいました。
投稿: SaltyDog | 2012.06.29 11:24