〔くれ便り〕 テレビに初登場、ビヤハウス「オオムラ亜」
戦後すぐに開店した呉の老舗ビヤハウス「オオムラ」が、その店舗や生ビールサーバーをそのまま活かした形で、今年(2012年)5月17日に「オオムラ亜」として営業を再開しました。
新たな店主は、實兼亜矢(じつかね・あや)さん。「オオムラ亜」の「亜」は、亜矢さんの「亜」です。
そしてその「オオムラ亜」が、来る6月14日(木)、14:55〜16:40のRCCテレビ「イマなま3チャンネル」の中で紹介される予定です。
この日の「イマなま3チャンネル」では、ビール特集として広島・呉の8軒ほどのビールが美味しい店が紹介される予定なんだそうで、そのうちの1軒が「オオムラ亜」です。
この収録が行われたときに、ちょうど私も店内に居あわせたので、もしかするとチラリと映っているかも!
残念ながら広島方面でしか放送されませんし、会社勤めの方はまだ働いている時間帯ですが、RCCテレビの放送エリアのみなさんは、ぜひ録画などしてご覧いただくとありがたいです。
さて「オオムラ」。一昨年の暮れくらいに店主が体調を崩し、1年以上、ずっと休店状態でした。現在、店主は、ご自宅に戻られていますが、ドクターストップでもうお酒を飲むことができないんだそうで、「オオムラ」を閉めざるを得なくなってしまいました。
この「オオムラ」の危機に、『呉を代表する老舗酒場の灯を消してはならじ』と立ち上がったのが亜矢さんだったのでした。
亜矢さん自身も、大勢の常連さんに愛される酒場、「有象無象」をやっていて、しかも少し前に内装をやり直したばかりだったのですが、その「有象無象」を閉めるという大きなリスクを負ってまでの、ここ「オオムラ」の継承です。
実は亜矢さんご自身も、前の「オオムラ」の常連さん。亜矢さんのお父さんも常連さんだったそうですから、2代続けての大常連さんなんですね。
「オオムラ」を、新たに「オオムラ亜」として再開するにあたって、亜矢さんがもっともこだわったのが、「オオムラ」の生ビールサーバーをそのまま使うということと、「オオムラ」の持つ、老舗ならではの店の雰囲気をできるだけ維持すること。
『継続と再生』をキーワードに、知り合いの建築屋さんたちとともに、1か月近くにわたる内外装のリフォームを行いました。
その結果、昔の常連さんたちにも「そのまんまじゃのぉ」と言われるほど、見事に以前の「オオムラ」の雰囲気を継承しました。しかし実際には、新たにエアコンが付いたり(なんと「オオムラ」にはエアコンがなかった!)、トイレも新品になったり、瞬間湯沸かし器も付いたりと、以前の「オオムラ」と比べると、ずいぶん近代化(?!)しているのです。
生ビールサーバーのほうは、サッポロビールにも来てもらって検査をした結果、注ぎ口(コック)の部分は劣化しているものの、その他は使えそうであることが判明。新たな注ぎ口を作ってもらって、それに付け替えましたが、スイングコックと呼ばれる、昔ながらの注ぎ口のタイプであることは不変。サッポロビールの担当者によると、今や国内にも数軒しか残っていないタイプの注ぎ口なんだそうです。
故障していた樽生ビール用の冷蔵庫も修理して直したので、注がれた生ビールの温度は8℃前後と、ちょうど飲みごろ。
生ビールの料金も、「オオムラ」時代と同じく1杯500円。
つまみも、「オオムラ」のときにも人気のあった、のりチーズ、ポールウインナー、チーズかまぼこ、いかり豆、ピーナッツ、のし天、するめなどが、これまた値段も変わらず、それぞれ200円。
それに加えて、「オオムラ」時代にはなかった、日替わりのポテトサラダ、マカロニサラダ、ピリ辛コンニャク、じゃこカツ、トマト、そら豆、いかなご釘煮などが、それぞれ300円で提供されるようになりました。
『グッと1杯! 思わず2杯!!』というキャッチフレーズどおり、生ビールの味わいが軽やかで、何杯でも飲めそうなのは、前の「オオムラ」のときのまま。
店は午後3時から8時まで、5時間の営業ですが、生ビールが売り切れると閉店です。7時を過ぎると、ちょっと危ないかな。店頭に並んだ何個かのちょうちんに灯がともっているのが、まだ生ビールが残っているというサインです。
・「オオムラ亜」の店情報
| 固定リンク | 0
コメント
先日、約20年ぶりに訪れました。
外観は約二十年間は通り過ぎるだけの記憶でしたが、ガラス窓に亜なる文字が時代を感じさせるように、
かすれた感じで書かれていましたので、あれ?こんな字を書いてたかな?と思いながら入店しました。
「オオムラ亜」ということで納得しました。
訪れた日は、丁度暑い日で、エアコンは確か無かったよなーと思いながら、カウンターに座って周囲を見ると、
当日は動いてないだけで、目立たないように壁と同じような色を塗った室内機が付いていました。
それで室外機が外にあったんだなと納得しながら、さらによく観察すると、レトロな照明器具が付いたりと、
女性らしい細かい工夫が色々されていましたね。
これで昔のように真夏に汗を垂らしながらビールを呑むことはないなと妙な安心感(それはそれで想い出ですが)
真夏に来ても、快適に、グット1杯・・これも懐かしい言葉です・・そして、思わず2杯・・なんて、やれそうです。
昔なつかしい、しかし綺麗に手入れされた冷蔵庫から昔どおりの入れ方で注がれたビールを、あのカウンターに
座って呑んでいると、一瞬でしたが20年前30年前にタイムスリップした感覚になってしまいました。
私が最初に来た時代と、客層は変わったとは思いますが、あの味が再び味わえる、店内もそのままに、嬉しいですね。
亜矢さんのお母さん、ビールはあまり呑めないという連れの女性(結局彼女も2杯呑みましたが)とカウンターで
話したりして過ごしていると、常連さんで満席になってきましたので失礼しました。
投稿: 千福徒歩15分 | 2012.06.12 04:07