本格的な酒場でもある … 長浜ラーメン「御天(ごてん)」(下井草)
「にっきーさんと私は、これから長浜ラーメンの『御天』に向かうので、編集長も一緒にお送りします!」
「私はひとりで帰れますから、大丈夫ですよ」
「いやいや、道すがらなのでご遠慮なく、どうぞどうぞ」
と、美人編集長も、半ば無理やりタクシーに乗ってもらって、編集長の家を経由して「御天」へ。
そのときは『これで編集長も無事に家までたどりついて、良かった良かった』と、とってもいいことをしたような気分で喜んでいたのですが、今考えてみると、編集長は我われと一緒にラーメンを食べるほどはお腹が空いていなかったんでしょうが、きっと大好物(?)の『深夜のマクドナルド』くらいは買って帰りたかったんじゃなかったのかなぁ。もしもこの夜、ひとりで『呑んだあとの空腹』に耐えていたとしたら、今さらながらごめんなさい。
そんなわけで、にっきーさんと私は、この連休中2度目となる「御天」です。
店の外でも感じるほどの強烈なトンコツ臭が、ここ「御天」の大きな特徴。このにおいに慣れ親しんでしまうと、福岡の長浜ラーメンのにおいが、なんだか物足りなく感じるほどです。
ただし、このにおいを「好き」と感じるか、「嫌い」と感じるかは、人によってものすごく違いがあります。嫌いな人には、たまらないほどくさいにおいのようなのです。
私自身は、18~24歳の6年間を福岡で過ごし、今までで一番ラーメンをよく食べていたのもその頃だったので、この長浜風の豚骨ラーメンの味わいや香り、そして麺の感じなどが強くインプットされてしまってるんでしょうね。
ここ「御天」は、人気ラーメン店ながら、本格的な酒場でもあります。
福岡のラーメン屋やラーメン屋台は、酒場を兼ねた飲めるお店も多くて、飲んで飲んで〆にラーメンといったような楽しみ方ができます。ここ「御天」は、その福岡のラーメン屋の感じをそのまま東京に持ってきているのです。
呉の屋台も、おでん、豚足やホルモン炒め、中華そばが売りの店が多くて、やはり同じように飲んで飲んで〆にラーメンといけるのですが、こちらはラーメンの比重はそれほど高くはなくて、おでんも、豚足やホルモン炒めも、それぞれ同レベルの主役といった感じ。それに対して、「御天」などの長浜ラーメン系の店は、あくまでもラーメンが主役としてひとり立ちしていて、そこまでの助走期間として酒やつまみがあるという印象です。東京のそば屋と似てるんですね。
今日もまた、いつものシークワサーサワー(400円)をもらって、つまみもこれまたいつもの、せん菜炒め(550円)です。
せん菜(せんさい)のホームページによると、せん菜は緑豆を遮光して栽培した、細いもやしのような野菜。全国で唯一、栃木県壬生町の大栗京子さんが栽培しているんだそうです。
シャキシャキとした食感がせん菜の身上で、ここ「御天」では、今いただいているせん菜炒め(550円)のほか、せん菜ナムル(300円)、豚キムチせん菜炒め(800円)、そして、せん菜ラーメン(850円)として提供されます。個人的には、シャキシャキ感がもっとも強いせん菜炒めが一番好きです。
ひとしきり飲んだ後は、ラーメン(650円)で〆。
厨房から流れてくる強烈なトンコツ臭の割りに、出されたラーメンのスープはそれほど臭くはなくて、味もあっさり目。とろりとした、粘度のあるスープの中から、長浜ラーメンならではの硬めの細麺をすすり込みます。
これだけでもおいしいんだけど、小皿の生ニンニク(50円)をもらって、これをトッピングすると、さらにパンチが加わります。合わせてゴマと紅ショウガもトッピング。
ある程度食べ進んでから、今度はテーブル上に置かれている辛子高菜をちょっと入れると、スープがガツンと辛くなって、また新たな味わいになってきます。この辛子高菜は猛烈に辛いので、入れすぎないように注意が必要です。ほんのちょっとで十分です。
福岡にいた若いころは、2回くらいは替え玉(麺だけおかわり)をしていたものですが、さすがに今は替え玉まではたどりつけないことがほとんど。今日も替え玉なしで、もう満腹です。
やぁ、おいしかった。どうもごちそうさま!
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