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2012年7月

台風を連れて来たのは … ビヤハウス「オオムラ亜(おおむら・あ)」(呉)

呉らしいつまみ


「私、雨女ですから…」。自らそうおっしゃるとおり、非常に強い台風4号を引き連れて来呉されたのは、「古典酒場」の倉嶋編集長

 6時ごろ呉に最接近という予報で心配していたのですが、その後、速度を上げて四国南方を通過。夕方には天候も回復しました。

 倉嶋編集長と行く呉酒場さんぽ。1軒めは5月に再開したばかりのビヤハウス「オオムラ亜」の生ビール(500円)で乾杯です。

 今日は月刊「くれえばん」の木戸編集長や、私の連載担当の菅原さんがカウンター席を確保して待っていてくださったほか、月刊「くれえばん」編集室のみなさんたちが、奥のテーブル席に勢ぞろいです。

 前回、倉嶋編集長が呉に来られたのは、2年前のこと。そのころはまだ先代(二代目店主のころ)の「オオムラ」でした。

「前よりも、生ビールの冷えがいいですね」

 さすが倉嶋さん! よく覚えてますねぇ。

 この店の生ビールは、電気冷蔵庫で冷やされた樽生ビールが、昔ながらの氷冷サーバーを通ってジョッキに注がれる方式。前の「オオムラ」の晩年は、前段の電気冷蔵庫が故障していて、後段の氷冷サーバーだけで冷やすという状態になっていたんだそうです。

 「オオムラ亜」として再開するのにあたって、電気冷蔵庫も修理したので、前段と後段の両方で冷やせるようになったのでした。

 つまみには、がんす、いか天、花ソーセージなど、呉らしいものを盛り合せてくれます。

 がんすは魚のすり身に、刻んだ玉ねぎや一味唐辛子などを混ぜこんで、平たい長方形に整えて、パン粉をつけて揚げた練り製品。そのままでも食べられるほか、ちょっと炙ったり、おでんに入れたりしても楽しめます。

 花ソーセージは、福留ハムで昭和26年から作られている広島名産のひとつ。断面が桜の花の形をしているのが大きな特徴です。

 「オオムラ亜」の生ビールで、しっかり下地を作ったところで、次の店へと向かいます。

店情報前回

《平成24(2012)年6月19日(火)の記録》

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夏のおでんもいい感じ … おでん「迷亭(めいてい)」(呉)他

夏のおでんもいい感じ


 久しぶりにやってきたのは「迷亭」。ここはカウンター12席だけのおでん屋で、夏でも、冬でも、酒の肴はおでんがメイン。おでん以外のメニューは1~2品あるかどうかといったところ。日本酒や焼酎の品ぞろえもいいので、酒好きには人気の酒場なのです。

 土曜日の今日は、昼前までゴロゴロと過ごして、昼食は「関白」のラーメン定食。自慢の牛テールスープを使ったラーメン(単品600円)に、昼だけ小鉢が2品(今日は冷奴とハムカツ)に、ごはん、お新香がついて800円とお得な定食。一緒に出してくれるレモンを、ラーメンに搾りいれていただきます。

 いったん社宅に戻って、午後6時頃いつものビヤハウス「オオムラ亜」へ。エビすり身揚げ(300円)とイカナゴ釘煮(200円)をつまみに、生ビール(500円)を6杯いただいて、2時間で3,500円。

 そしてここ「迷亭」へとやってきて、まずは秋田の「ゆきの美人」(600円)を冷酒でもらって、おでんは豆腐を注文します。ここに来ると、いつも1品めは豆腐ですね。

 ここのおでんは、ちょっと何かを添えてくれて、一品料理風に出してくれるのがいいところ。豆腐のおでんには、おなじおでん鍋でさっとゆがいた貝割れと、たっぷりの削り節を添えてくれます。

 カウンター上に置かれている小鉢にポン酢醤油と柚子胡椒を入れて、それをつけて食べてもおいしい。

 今日はヤオギモ(=フワ、牛の肺)もあるとのことで、それも出してもらうと、これはおでんではなくて、甘辛く煮つけたもの。この調理法が広島では定番のようです。

 2杯目は山形・麓井(ふもとい)の、きもと純米本辛「圓」(600円)をもらって、おでんは鶏の竜田揚げ。

 これまた2時間ほどの滞在は、1,900円でした。どうもごちそうさま。夏のおでんもいいですねぇ!

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「関白」ラーメン定食 / 「オオムラ亜」店内の様子 / 「迷亭」豆腐

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やおぎも / とり竜田揚げ / 東北の冷酒で

・「関白」(前回) / 「オオムラ亜」(前回) / 「迷亭」(前回

《平成24(2012)年6月16日(土)の記録》

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広島湾の小イワシ刺身 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)他

広島湾の小イワシ刺身


 1週間のうち、いちばん思いっきり飲むことができるのが金曜日。

 このところ、ほぼ毎日のようにそうですが、今日も1軒目は「オオムラ亜」の生ビール(500円)からスタート。ここの生ビールは本当に飲みやすくて、店のキャッチフレーズどおり「グッと1杯! 思わず2杯!」といくらでも飲める感じです。ピーナッツ(200円)と、あご野焼ちくわ(300円)をつまみに、3杯の生ビールをいただいて、1時間弱の滞在。お勘定はちょうど2千円でした。

 2軒目は「魚菜や」。まずは呉(仁方)の地酒「宝剣」を冷酒でもらうい、つまみには小イワシの刺身を注文します。

 広島湾で地物の小イワシをとることができるのは毎年6月10日から。刺身で食べるのに適した大きさのものは、それから2か月間ほどの間しかとれないので、まさに今が地物の小イワシ刺身の季節なのです。

 店内はほぼ満席状態。私はかろうじて空いていた、L字カウンターの右端に座ると、となりはスナック「Aki」のアキさん、そのとなりは広島工大の上嶋先生、さらに一番遠い左端には月刊「くれえばん」の木戸編集長と、常連さんがそろっています。

 となりのアキさんは、ゴーヤとグレープフルーツのサラダをつまみつつ、今ちょうど小イワシの天ぷらもできあがってきたところ。

 普段営業のときは女将さんひとりで店を切り盛りしているので、料理も1品ずつ順番に。アキさんの小イワシ天ぷらのあと、私が注文した小イワシ刺身を作ってくれます。

 小イワシの刺身に合わせて、お酒も「千福」の燗酒に切り換えて、つまみもポテトサラダを追加します。ここのポテトサラダは具だくさんで大好きです。

 最後に「今日はたまたまご飯をたいてるけど、食べる?」と出してくれた小さなおむすびを何個かいただいて〆。お勘定は3,100円でした。どうもごちそうさま。

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小イワシ天ぷら / ポテトサラダ / ミニおむすび

・「オオムラ亜」(前回) / 「魚菜や」(前回

《平成24(2012)年6月15日(金)の記録》

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ロンサカパ・モヒート … バー「両歓(りょうかん)」(新広)

ロンサカパ・モヒート


 先日、立石の「二毛作」で飲んでいた時に、店主の日高さんから、「同級生のご主人が、呉で『両歓』というバーをやってるんですよ」という話を伺いました。

「『両歓』は呉では有名なバーの1軒なんですけど、まだ行けてないんですよ。呉に戻ったら、ぜひ行ってみます」ということで、今日、その「両歓」へとやってきたのでした。

 店内は、オーセンティックバーとしては、比較的明るい感じで、まず目に付くのはゆったりとしたソファー席(ボックス席)の存在。その奥が横に長いカウンター席(8席ほど)になっていて、私は右端の席に陣取ります。

 カウンターの中にいるのは、オーナーバーテンダーの石本和大さんと、手伝っている若い女性がひとり。1品目は、表の手書き看板に書かれていたロンサカパ・モヒート(1,260円)を注文します。

 ロンサカパ(Ron Zacapa)というのは、グアテマラ産のラム。注文を受けてから摘(つ)んできたミントの葉でモヒートを作ってくれるのがいいですね。

 店の奥から出てきた和服姿の女性は、石本さんのお母さん。この店はもともと、昭和30年代に開店したスナックだったんだそうで、石本さんのお母さんが女将(ママ)でした。

 「ナポレオン」での修業を終えた石本さんがこの店に戻ってきて、スナックからオーセンティックバーに転向したんだそうです。

アードベッグ10年 その女将が「いらっしゃいませ」と、モロッコ豆の煮物の小鉢を出してくれます。今でも、こうした料理などを作って、息子さんをサポートしているし、スナック時代から常連だったお客さんも多いんだそうです。

 2杯目にサイドカーを、そして3杯目にアードベッグ10年をストレートでいただいて仕上げると、今日のお勘定は4,200円。

 「アンカー」、「岩崎」、そして「両歓」と、「ナポレオン」出身のバーテンダーさんたちが大活躍しているのがいいですね!

店情報

《平成24(2012)年6月13日(水)の記録》

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店情報: バー「両歓(りょうかん)」(新広)

    BAR両歓
  • 店名: BAR両歓
  • 電話: 0823-71-6009
  • 住所: 737-0125 広島県呉市広本町1-2-7
  • 営業: 19:00-02:00、日休(月祝の場合、日曜営業の場合もあり)
  • 場所: 広交差点近く〔たつみ横丁〕の中央部。JR新広駅からも、広駅からも徒歩10分ほど。
  • メモ: カウンター席とボックス席で合わせて24席。テーブルチャージ(チャーム付き)840。ウイスキー各種840~。カクテル各種840~。ガーリックトースト630、自家製レーズンバター840、手作り生チョコレート840、鶏と木の子のミニグラタン840、MIXピザ1,260、本日のおすすめパスタ1,260、ふわとろオムライス1,260、エスカルゴのあつあつガーリックバター焼1,470、じっくり煮込んだビーフシチュー1,580、チーズの盛り合わせ1,680など。(2012年6月調べ)

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ラッキー続きの日曜日 … 屋台「一二三(いちにいさん)」(呉)他

なす塩もみで焼酎


 土曜、日曜は松山の実家に帰省。呉~松山間は高速船で1時間、フェリーでも2時間の距離なので、呉に単身赴任してきて以来、1ヶ月に1度くらいのペースで帰省しています。

 18歳で高校を卒業して以来、ずっとよその土地で暮らしてきたので、今またときどき故郷でのんびりと過ごせるのは嬉しい限り。

 日曜日の夕方、実家を出発して、呉港に到着するのは午後8時ごろ。

 屋台のラーメンで夕食にしようと、呉港から、蔵本通りをまっすぐ北上し、呉の屋台街“赤ちょうちん通り”へと向かいます。

 「一二三」の他、何軒かの屋台が出ているのを確認しておいて、その先の角を右に折れて、やよい通りをのぞいてみると、なんと8時半が近いのに、まだ「オオムラ亜」の提灯(ちょうちん)に灯がともっています。

 この提灯は、生ビールがあることの目印。売り切れると店は開いていても、この提灯の灯が消えて、新たな客は入れなくなるのです。

 逆にこの提灯に灯がともっているということは、本来の閉店時刻(午後8時)は過ぎているけど、まだビールがある証拠。

生ビール 「オオムラ亜」では、生ビールを劣化させないために、必ず樽が空になってから閉店するので、最後の一樽(20リットル)を開けるタイミングによっては、閉店時刻を過ぎても、店が開いていることもあるのでした。

 そんなわけで「オオムラ亜」で、生ビール(500円)を4杯いただいてから、「一二三」へと戻り、なす塩もみ(350円)をつまみに焼酎(いいちこ)の水割り(400円)を1杯飲んだあと、ラーメン(500円)で〆。

 普段は金・土だけ営業している「一二三」ですが、その金曜日が雨だったので、今週は土・日の営業になったんだそうです。

 そんなわけで、ラッキーにも、いつもなら閉店している時間帯の「オオムラ亜」で飲め、いつもなら営業していない曜日の「一二三」で〆ることができたのでした。

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「オオムラ亜」名刺 / 「一二三」正面の防寒シートなし / 中華そばで〆

・「オオムラ亜」(前回) / 「一二三」(前回

《平成24(2012)年6月10日(日)の記録》

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鱧だ!鮎だ!穴子だ! … 料理屋「灘(なだ)」(呉)他

鮎の塩焼き


 金曜日の今日はビヤハウス「オオムラ亜」で、イカナゴの釘煮(200円)をつまみに生ビール(500円)を3杯ほど飲んだ後、魚を食べようと料理屋「灘」へと向かいます。

 「灘」は手前が細長いカウンター席(6席)で、その奥がちょっと広がって4人掛け3卓のテーブル席。総席数18席の店内を、店主・灘さんと手伝っている女性、そして学生アルバイトの3人で切り盛りしています。

 人気の「灘」は、いつもお客さんでいっぱい。今日も奥のテーブル席にもグループ客がいるほか、カウンター席も男性ひとり客と、男女二人連れの2組が座っていて、私もその中間あたりに座ります。

 いつものように剣菱の燗酒(400円)を注文して、料理は「おまかせ三品(みしな)」(2,500円ほど)を注文します。

 おまかせ三品というのは、メニューに明記されているわけではないのですが、毎日、筆で手書きされている70品以上のメニューに迷った場合には、もっともおすすめの注文の仕方。グループの場合は事前予約が必要ですが、ひとり、二人ならその場でおまかせ三品を注文することが可能です。

 お通しの筍(たけのこ)煮をつつきながら待つうちに、まず出されたのは鱧(はも)の焼造りです。骨切りした鱧を炙り、ミョウガとワサビ、芽ジソを添えて出してくれるのを、梅肉醤油でいただきます。

 2品めは鮎の塩焼き。6月となると鮎ですよねぇ。ぷっくりと肥えていて見るからに美味しそう。思わず燗酒もおかわりです。

 造り、焼き物ときて、3品めは穴子(あなご)の胡麻揚げです。野菜天もたっぷりと添えられているのがうれしいですね!

 最後は賀茂泉の燗酒(400円)をいただいて、2時間ほどの滞在。

 金曜日なので、さらにお好み焼きの「のぶ」、屋台の「富士さん」とハシゴして、社宅に帰り着いたのは午前2時前でした。

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「灘」お通し(筍煮)と燗酒 / 鱧の焼造り / 穴子の胡麻揚げ

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「オオムラ亜」いかなご釘煮 / 「のぶ」とろろ焼き / 「富士さん」もやし炒め

・「オオムラ亜」(前回) / 「」(前回) / 「のぶ」(前回) / 「富士さん」(前回

《平成24(2012)年6月8日(金)の記録》

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〔コラム〕 炒飯弁当で飲んで、天ぷらうどんで〆

炒飯弁当


 月曜・火曜と二日間の都内での仕事を終えて、東京駅構内にある崎陽軒の売店で、駅弁とビールを買って新幹線へと乗り込みます。

 「半魚人Aの陸(おか)ボケ日記」でシウマイ弁当(750円)の存在を知って以来、新幹線の中でちょっとビールを飲んで、食事まで済ませるときは、そのシウマイ弁当を買うことが多かったのです。

 逆に午前中の移動などで、飲まない場合に買うのが横濱チャーハン(540円)。冷めてもパラリとほぐれるチャーハンがいいのです。

炒飯弁当 今日は飲むからシウマイ弁当かな、と思いながら売店に行ってみると、炒飯弁当(780円)という弁当があるのを発見。今日はこれを試してみることにします。

 この弁当、シウマイ(3個)もチャーハンも入っているのはいいんだけれど、割り箸はなくて、プラスチックの先割れスプーンだけで食べないといけないのが玉にきず。酢物や筍煮などはちょっと食べにくいですね。

 ほんわりと酔って、お腹も満足し、広島までの4時間を、ほぼ眠りながら過ごします。

 広島駅に到着したのは午後9時半ごろ。

 呉行きの電車まで待ち時間があるし、1番ホームの「駅うどん」(06:00~22:00、年中無休)がまだ開いている時間なので、ちょっとうどんを食べて帰りましょう。

 ここでの定番は天ぷらうどん(340円)。店内では“うどん”というと、天ぷらうどんのことを指します。

天ぷらうどん 食券を渡してから1分以内に出してくれるのも人気の理由。電車の待ち時間にも安心して食べることができます。

 “わらじ”と言われるほど大きな天ぷらながら、具は小エビが2~3尾入っているだけで、そのほとんどは衣。たぬきうどんと同じように、この衣を汁(つゆ)に溶かし込みながらいただくのです。

 ちなみに、かき揚げうどん(420円)というメニューもあって、こちらを注文すると、普通のかき揚げ天ぷらがのってきます。

《平成24(2012)年6月5日(火)の記録》

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焼き餃子で焼酎ロック … 博多ラーメン「ばりこて」(都立家政)

焼き餃子で焼酎ロック


 「竹よし」を出て、今日の2軒目は、そのすぐ近くにある「ばりこて」です。

 行くたびに必ず飲んでいる「ばりこて」ですが、ここは本格的な博多ラーメンの店。客のほとんどはストイックにラーメンに没頭していて、飲んでる人はあまり見かけません。

 しかしながら、メニューには生ビール中500円・小300円、中瓶ビール500円、淡麗250円、焼酎(麦・芋・黒糖)380円、お茶ハイ350円、冷酒580円と各種アルコール飲料が並んでいるほか、肴(さかな)も、ひとくちめんたい150円、博多焼きぎょうざ8個300円、茹でぎょうざ5個300円、おつまみ各種(味噌ずり・鳥皮ポン酢・がめ煮・もつ煮込み・めんたいポテト・レンコンつくね・めんたいだし巻)280円、おつまみチャーシュー300円とそろっていて、いかにも飲んでくださいと言わんばかり(と勝手に解釈しています)。

 そんなわけで今日も、黒糖焼酎(380円)をロックでもらって、つまみは博多焼き餃子(300円)を選びます。

 もともとは日曜定休だった「ばりこて」ですが、最近、日曜営業、水曜定休に変更したんだそうです。この辺りは住宅街なので、休日(土・日)ににぎわう店も多いのです。

 黒糖焼酎のロック(380円)をおかわりし、味噌ずり(280円)を注文。味噌ずりは、砂肝とコンニャクの味噌煮込みといった感じの料理で、刻みネギをかけて出してくれます。

 カウンター内では、ちょうど新しい辛子高菜を作ろうとしているところ。九州から仕入れたという高菜漬けをフライパンに入れ、たっぷりの唐辛子を入れて炒めます。

「へぇ。辛子高菜は自家製なんですね」

 と声をかけると、辛子高菜にする前の高菜漬けと、できあがったばかりの辛子高菜ををちょっとずつ小皿に入れてくれました。

 最後は博多ラーメン(600円)を半麺のバリカタで作ってもらって〆。1時間ほどの滞在は1,320円でした。どうもごちそうさま。

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味噌ずり / 辛子高菜と高菜漬け / 半ラーメンで〆

店情報前回

《平成24(2012)年6月3日(日)の記録》

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常連さんとの話も弾む … 魚料理「竹よし(たけよし)」(都立家政)

きんき姿煮


 日曜日の今日は、自宅から徒歩10分ほどのところにある行きつけの魚料理店、「竹よし」です。

 平成5(1993)年に開店したこの店に、最初にやってきたのは平成13(2001)年7月のこと。鷺ノ宮の酒場でとなりあったお客さんから紹介してもらったのがきっかけでした。

 何度も書いていることですが、呑ん兵衛同士の口コミほど正しい情報はありません。どこの町でも、自分が気に入った酒場が1軒でも見つけられれば、あとはその酒場で出会った常連さんの口コミに頼れば、次から次へ芋づる式にいい店を知ることができるのです。

 まずはサッポロラガービール(中瓶500円)に、つまみは注文を受けてから作ってくれる、熱々のそら豆(400円)をもらいます。

 店主の手が空いているときは、まず最初に刺身の“小”盛り合せ(650円)を注文することが多いのですが、店主は先客が注文した料理に取り組んでいる真っ最中。そこでリエさんにそら豆をお願いしたのでした。

 他の常連さんたちと楽しく話をしているうちに、店主の手も空いてきた様子。向こうのお客さんから「くじら竜田揚げ」(700円)の注文が入ったので、私も同じものを便乗注文。それに合わせて、飲み物も菊正宗の燗酒(350円)に切り換えます。

 昔はスジっぽいイメージが強かった鯨の竜田揚げですが、今の鯨は肉がやわらかくて、ジューシー。すばらしい食感です。

 もう1本、菊正宗をもらったあと、今度は黒松剣菱(550円)を燗でいただいて、つまみは「こはだ酢」(600円)。店内には続々と常連さんたちが集まってきて、ますますにぎやかな日曜日の夜になってきました。

 さらに黒松剣菱をもう1本おかわりして、つまみに「うなぎくりから焼き」(1本350円)を1本焼いてもらいます。

 ゆっくり、じっくり4時間ほど楽しんで、今日のお勘定は4,150円でした。

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熱々そら豆 / くじら竜田揚げ / こはだ酢で剣菱

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大分産はた / 姿煮用のきんき / うなぎくりから焼き

店情報前回

《平成24(2012)年6月3日(日)の記録》

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〔コラム〕 〆は「松屋」のミニ牛めし

「松屋」のミニ牛めし


 本日の〆は「松屋」のミニ牛めし。

 「松屋」の牛めしには、並盛り(280円)、大盛り(380円)、特盛り(480円)の他に、小盛り(ミニ、230円)もあるので、飲んだ後の〆にはちょうどいい。ミニでもちゃんとみそ汁が付いているというのも、うれしいではありませんか。

 「なか卯」の和風牛丼にもミニ(250円)がある他、親子丼やカツ丼にもミニがあり、「すき家」では、すべての丼ものが、ミニ、並盛、中盛、大盛、特盛、メガという6種類から選べます。(残念ながら「吉野家」にはミニの設定はありません。)

 実は牛丼も、もつ焼きやホッピーと並んで、東京に帰ってくると食べておきたい料理のひとつ。単身赴任中の呉の中心街には、牛丼が食べられるファストフード店がないのです。

 中心街を離れると、「なか卯」(新広)や「すき家」(海岸通り)もあるのですが、飲んだ帰りにふらりと立ち寄れるほど近くはありません。

 ラーメンや、うどんは、呉でも夜遅くまで食べることができるのですが、ご飯もので〆たい気分のときが困るんですよねぇ。

 我慢しきれず、近くのコンビニでおにぎりを買って帰ったり、冷凍の五目炒飯を買って帰ったりすることもあるのですが、家に帰っちゃうと眠いほうが先になって、結局、食べずに寝ちゃったりするのです。(健康的にはそのほうがいいのかもしれませんが…。)

 そうそう。この冷凍の五目炒飯。「セブン-イレブン」で100円で売っているのですが、これが意外と(失礼!)おいしくて、しかも量も少なめなので、まさに呑ん兵衛向け。冷凍庫に常備しておくと、ちょっと小腹がすいたときにはぴったりです。

 そんなわけで東京の自宅に帰ってくると、「御天」や「ばりこて」などでラーメンで〆るのに加えて、「松屋」や「なか卯」などの小さな丼もので〆る機会も多くなっているのでした。

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店情報: 「駅うどん(えきうどん)」(広島駅構内)

    駅うどん
  • 店名: 広島駅1番ホーム2号うどん売店
  • 電話: 082-261-1678(広島駅弁当鉄道部)
  • 住所: 732-0822 広島県広島市南区松原町1-2
  • 営業: 06:00-22:00、無休
  • 場所: JR広島駅在来線1番ホーム(南口改札と直結しているホーム)の岡山寄り(南口出口のすぐ近く)
  • メモ: 〔うどん・そば〕かけ290、天ぷら340、きつね340、玉子340、天玉390、かき揚げ420、肉450、肉天500、牛すじ500、スペシャル600。ざる350、冷山かけ350、冷おろし350、ぶっかけ赤390。うどん・そば大盛券80、冷たい麺大盛券100。
    〔トッピング〕とろろ50、きつね50、わかめ50、玉子50、天ぷら50、かき揚げ天130、肉160。
    〔ごはんもの〕おむすび(鮭・梅)各90、いなり1個80・2個160、巻寿司2個100、もぐり寿司200。
    〔セット〕天ぷらうどん・そば+いなり2個450、天ぷらうどん・そば+おむすび2個470、ラーメン+おむすび2個580。 〔その他〕ラーメン450、缶ビール240、持帰りうどん380、うどん・そば回数券(11枚綴り)3,400。
    経営は広島駅弁当株式会社。(2012年7月調べ)
  • HTML版(2003年以前): (02.06.08)(99.08.09)

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ブラックニッカソーダ … 居酒屋「ペルル」(鷺ノ宮)

ブラックニッカソーダ


 沼袋「たつや」で合流した、黒ぶたさん・金魚屋さんご夫妻や、その飲み友のみなさんとともに、沼袋の酒場をさらに2軒ハシゴし、鷺ノ宮駅にたどり着いたのは午後10時前。まだ居酒屋「ペルル」が開いている時間なので、ちょっと顔を出して帰りましょう。

 「ペルル」の創業は昭和35(1960)年。今年で創業52年となる老舗バーです。創業店主・古川さんが亡くなって、はや3年になりますが、店は古川さんがご存命中にも手伝っていたスタッフのみなさんを中心に、代わりあって切り盛り中。今日は山田さんとリエさんのお二人です。

 キープしているブラックニッカのボトルを出してもらって、カウンター上に置かれている氷と水で、水割りを作るのですが、氷も水も使い放題で、ひとり500円。今日は炭酸(1本300円)ももらって、ソーダ割り(ハイボール)にしていただきます。

 つまみはホワイトボードに書き出されていますが、それほど大きく変更があるわけではなくて、ほぼ定番のメニューが並びます。

 氷見いか(600円)、チーズ盛り(600円)、チーズ&いちじく(600円)、サラブレッド(500円)、チーズもち(500円)、パラスパ(500円)、長崎ひと口ギョーザ(500円)、山うにクラッカー(500円)、ハムスター(500円)、枝付き干しブドウ(500円)、オリーブ盛り合せ(500円)、辛みそ大根(400円)、オクラ(400円)、ボイルドキャベツ(400円)、ハンペンチーズ(400円)、ミックスナッツ(400円)、シュウマイ(400円)、アスパラ(400円)、冷奴(400円)、玉ねぎのさつま揚(400円)、鳴門わかめ(300円)、塩キャベツ(300円)、麦チョコ(300円)、浅漬け(300円)、キュウリ(200円)、トマト(200円)、魚肉ソーセージ(100円)など。

 そんな中からミックスナッツ(400円)をいただいて1時間半ほどの滞在。お勘定は1,200円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成24(2012)年6月2日(土)の記録》

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もつ焼きで大切なのは … やきとん「たつや」(沼袋)

かしら、たん(塩)


 「まるます家」を出て赤羽駅東口から、高円寺駅北口行きの路線バスに乗ること約30分。野方(のがた)に到着します。

 このバスは赤羽始発なので、まず間違いなく座れて、運賃も210円と安い。しかもほとんどの区間が大通り(環七通り)なので、乗り心地もいい。さらには、酔いにまかせて、ぐっすりと寝いってしまった場合でも、終点が高円寺なので、それほど遠くなく、しかも必ず起こしてもらえるということで、いいことづくめの路線なのです。

 野方のバス停から少し歩いて、今日の4軒目は沼袋「たつや」です。1軒目の「宇ち多゛」で、もつ焼きが売り切れてたので、ここでその思いを果たそうという考えです。

 入口を入ってすぐの、店主がいる焼き台近くに座り、クエン酸サワー(380円)に、追加のもろみ酢(100円)をもらって、焼き物は、れば、てっぽう、はらみを1本ずつ(各100円)、自慢の味噌焼きでお願いします。

 冷めてもおいしい味噌焼きの発祥は、埼玉は蕨(わらび)の「喜よし」。そこで修業をした秋元さんが野方に「秋元屋」を開き、その「秋元屋」で修業した藤井さんが、沼袋「たつや」を開き、ということで「喜よし」の大将から見ると、ここ「たつや」の店主・藤井さんは孫弟子にあたります。

 もつ焼きで大切なのは、「仕入れ」と「仕込み」と「焼き」だろうと思います。

 最近、東京以外でも豚のもつ焼きが食べられる店が出てきましたが、これら三拍子がすべてそろった店は、なかなか見当たりません。特に「焼き」がむずかしいようですね。

 びっくりするような素晴らしいもつ焼きを、いつでも食べることができるということのありがたさ。東京の人たちは、もっと認識したほうがいいかもしれませんよ!

 他にも何本かのもつ焼きをいただいて、1時間半ほどの滞在。今日のお勘定は1,740円でした。どうもごちそうさま。

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もろみ酢とクエン酸サワー / れば(味噌) / てっぽう、はらみ(味噌)

店情報前回

《平成24(2012)年6月2日(土)の記録》

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鯉のうま煮で丸眞正宗 … 鯉とうなぎの「まるます家(-や)」(赤羽)

鯉のうま煮で丸眞正宗


 「宇ち多゛」→「二毛作」と、下町・立石の名酒場をハシゴして、今日の3軒目は赤羽の「まるます家」です。

 立石~赤羽間は直線距離で約12キロ。京成立石駅から、青砥、日暮里、田端と3回乗り換えて約35分。酒場ファン垂涎の2拠点(立石と赤羽)は意外と近いのです。

 到着したのが午後3時半と、昼には遅く、夕方には早い時間帯であったにもかかわらず、やっぱり「まるます家」はほぼ満席。しかしながら、ダブル「コ」の字カウンターの、向かって右側の内側に、ひとり分の空きがあり、そこに入れてもらいます。

 飲み物は、北区で造られた「丸眞正宗」の生酒(300mlボトルが700円)をもらって、肴は鯉のうま煮(800円)を注文します。

 表の看板に「鯉とうなぎのまるます家」と書かれているとおり、この店の看板メニューは鯉とうなぎ。うなぎは、このところの値上がりで、「まるます家」でも値上げを余儀なくされていますが、鯉のほうは前のまま。うま煮の他にも、鯉のあらい(400円)、鯉の生刺(600円)、鯉こく(350円)が選べます。

 ここの鯉は、信州佐久の養殖業者から仕入れたもので、生刺(なまさし)で食べられることからもわかるとおり、クセも臭みもまったく感じたことがありません。

 鯉のうま煮は、内臓ごと輪切りにした鯉を、醤油(濃口)、酒、砂糖、みりんでじっくりと煮込んだもの。全体が茶色に色づき、ほろりと身がほぐれます。

 内臓と皮が、特に美味しいなぁ。

 鯉のうま煮をいただいた後は、さっぱりと生野菜(400円)を注文すると、レタスや玉ネギ、トマトにワカメなどが、ガラス食器に山盛りで出されます。

 午後5時過ぎまで、のんびりと1時間40分ほどの滞在。お勘定は1,900円でした。

 この店もまた、帰京のたびに立ち寄りたい名酒場の1軒です。

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「まるます家」 / 壁に並ぶメニュー短冊 / 生野菜

店情報前回

《平成24(2012)年6月2日(土)の記録》

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冷たいマグロに熱い酒 … 「二毛作(にもうさく)」(京成立石)

冷たいマグロに熱い酒


 「二毛作」は平成19(2007)年創業の、まだまだ若いお店ながら、すでに立石を代表する酒場の1軒。いつ行っても満席で、たまに空席があると思ったら予約席だったりして、なかなか入ることができないのです。

 しかし今日は、ひとり身の気軽さ。平行2列、合わせて10席分のカウンターの一角に、するりと滑り込むことができました。

 酒友・今ちゃんの名が冠された「今ちゃんハイ」(400円)を注文すると、今日のお通し(400円)は桜エビの酢の物。キュウリとワカメも添えられて、見た目も美しい。

 今ちゃんハイは、ジントニックのライムの代わりに、細くスライスしたトマトを入れたもの。水中に揺らめく赤いリボンのようです。

 「二毛作」の人気は、まず第一に、店を切り盛りする若きイケメン男子、日高寿博さんと西村浩志さんの存在にあります。

 第二は、下町らしくない飲み物の品ぞろえ。数種類のビール、本格焼酎も15種ほど、日本酒も常時5種ほどが選べ、他にもウイスキーやワイン、カクテルと、とにかく幅広い。

 さらに料理。もともと、おでん種をつくる店(丸忠蒲鉾店)の昼間の営業が終わってから、そのネタを使ったおでんを肴に出す酒場を、夕方以降に開店するから「二毛作」という名前だったこの酒場。今では1品100~200円のおでんの他に、新鮮な魚介類や、一品料理も豊富です。

 今日は、大人気の生マグロの中落ち(500円)は切れているとのことで、生マグロ刺(800円)を注文。それに合わせて、「神亀・真穂人」(700円)を燗で注文すると、厚みのある錫(すず)のチロリで温められた地酒を出してくれました。

 ックゥ~~ッ。これよ、これ。冷たいマグロに、あったかい日本酒。酒が進んで仕方がない。日本に生まれて良かったのぉ。

 1時間ほどの滞在。お勘定は2,300円でした。やっぱりいいなぁ、「二毛作」。

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お通しの桜エビと今ちゃんハイ / 生マグロ刺 / 店内の様子

店情報前回

《平成24(2012)年6月2日(土)の記録》

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スカイツリーの開業で … もつ焼き「宇ち多゛(うちだ)」(京成立石)

煮込みと焼酎梅割り


 午前7時過ぎに呉駅を出発し、広島駅1番ホームの「駅うどん」で、朝食代わりの天ぷらうどん(340円)。週明けの都内での仕事に向けて、土曜日の今日、東京に移動です。

 広島駅を8時過ぎに出発したのぞみ号が、東京駅に着くのは4時間後の正午過ぎ。こんなに早起きして東京に向かったのは、「宇ち多゛」のもつ焼きが食べたいから。

 もともと土曜日は正午開店だったらしいのですが、開店前から長い行列ができるので、他の店に迷惑をかけないように、少し早めに店を開けているうちに、今では午前10時ごろが土曜日「宇ち多゛」の開店時刻になってしまいました。そして、いつも午後2時ごろには売り切れ終了となるので、それよりも前に店に到着しないといけないのです。

 東京駅から山手線、京成線経由で京成立石に到着したのは午後1時5分。大急ぎで立石仲見世商店街へと向かうと、なんと「宇ち多゛」の前には行列がありません。

 『やばい』のか、『ラッキー』なのか。

 「宇ち多゛」の前に行列がないときは、売り切れて終了しているか、たまたま行列を収容し終わった状態なのか、どちらかなのです。

 「ひとりですけど…」と声をかけてみると、

「ごめん、煮込みしかないけどいい?」

 という返事。なんとか入口左手の、二の字テーブルの一角に入れてもらえました。

 さっそく焼酎の梅割り(180円)をもらって、つまみはそれしかない煮込み(180円)と、他に唯一残っている大根(生姜のっけて)お酢(180円)を注文します。

 あんちゃんの話によると東京スカイツリーの開業(5/22)以来、お客がぐんと増えて、今日も1時を待たずに売り切れてしまったんだそうです。下町酒場にも、東京スカイツリーの影響が出てきてるんですね。

 梅割り(180円)をもう1杯おかわりして、30分ほどの滞在。お勘定は720円でした。

 今度からもっと早く来なきゃなぁ。

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広島駅の天ぷらうどん / 「宇ち多゛」の煮込み / 大根(生姜のっけて)お酢

店情報前回

《平成24(2012)年6月2日(土)の記録》

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呑める!お好み焼き屋 … お好み焼き「のぶ」(呉)

鉄板のカウンターで


 広島と言えばお好み焼き。県の観光キャンペーン「おしい!広島県」のサイトによると、県内のお好み焼き屋店舗数が日本一なのに、このタイプのお好み焼きが日本の標準にはなっていなくて、常に“広島風”と呼ばれるのが惜しい!

 広島のお好み焼きは重ね焼き。丸く薄く広げた生地(溶いた小麦粉)の上に、キャベツ、モヤシなどの野菜、その上に注文に応じて豚肉、イカ天などの具材。さらに、そば(中華蒸し麺)、薄く広げた玉子が順に重なり、お好みソースをぬって、青海苔をふりかけたらできあがり。小さなコテで切り分けながら、コテのままいただきます。

 せっかく広島にいるので、お好み焼き屋でも呑みたいと思っているのですが、これがなかなかむずかしい。

 ラーメン屋でラーメンが主役であるのと同じように、お好み焼き屋ではやっぱりお好み焼きが主役。お好み焼きを注文して、それを待つ間になにか1品くらいつまみっぽい料理を注文し、ビールを飲みながら待つ。お好み焼きが出てきたら、それを一所懸命食べて終了というのが普通の流れ。なかなか“腰を据えて呑む”ということにはならないのです。

 しかし、数あるラーメン屋の中に「御天」(下井草)があるのと同じように、お好み焼き屋の中にも、じっくりと腰を据えられる店がありました。それが「のぶ」です。ここに来る客は全員が呑む。お好み焼きももちろんあるのですが、つまみっぽい料理を焼いてもらって呑むことのほうが多いのです。

 今日は、「オオムラ亜」で生ビールを呑み、「一二三」で〆のラーメンまで食べたあとで、3軒目としてやってきたこともあって、チューハイ(400円)をもらって、お通しがわりに出してくれた牛スジ煮込みを食べただけ。毎回それじゃ困るだろうけど、たまにはそんな呑み方も許してもらえるお店なのでした。

 今度はたくさん食べますね。ごちそうさま。

店情報前回

《平成24(2012)年6月1日(金)の記録》

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呉の屋台はこう食べる … 屋台「一二三(いちにいさん)」(呉)

おでんで焼酎


 呉の老舗屋台は、造りがほぼ同じ。

 中央に鉄板とおでん鍋があり、それを取り囲む3辺がカウンター風の客席。残る1辺に店主が立ち、屋台を切り盛りします。

 屋台にも鉄板があるのが広島らしいところ。この鉄板で豚足や豚耳などを焼いてくれます。

 店主の近くにはコンロに置かれた寸胴が二つ並んでいて、ひとつがラーメンスープ、もうひとつが麺を茹でるお湯です。

 空いている席に座ったら、まず店主の様子を確認しましょう。屋台に限らず、少人数で切り盛りしている店では、忙しそうなときには話しかけず、しばらく待つのが基本です。

 「なんにしましょう?」と聞かれてから注文するぐらいの気持ちでいいと思います。

 屋台の中は狭いので、料理は1~2品程度じゃないと目の前に置けません。時間がかかる鉄板料理をまず注文しておいて、おでんを2~3個つまみながら待つ、というのがちょうどいい感じでしょうか。

 今日は焼酎の水割り(400円)と豚足(600円)を注文しておいて、おでん(各100円)は、厚揚げ、切り出し(牛スジの肉の部分)、ごぼう天の3個をもらいます。

 狭い屋台の中では、鉄板は目と鼻の先。自分が注文した料理ができていく様子を、目の前で見ることができます。豚足が焼ける音や、焼けるにつれて漂ってくる美味しそうな香りも、実にいい酒の肴になります。

 焼きあがった豚足は、お手拭と一緒に出してくれるので、遠慮せず手づかみで食いちぎりながら、熱いうちにいただきます。

 ひとしきり飲んで食べたら、〆はやっぱり中華そば(500円)。穏やかなとんこつ醤油スープに、ストレートの中細麺。具はチャーシュー、シナチク、刻みネギ、そして茹でモヤシの4種というのが、呉(広島)のラーメンの特徴です。茹でモヤシが珍しいかな。

 こんな過ごし方が、呉の屋台のフルコース。焼酎2杯で、お勘定は2,200円でした。

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おでん / 豚足 / 中華そば

店情報前回

《平成24(2012)年6月1日(金)の記録》

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鍋焼きうどんで日本酒 … そば処「平原(ひらはら)」(呉)ほか

鍋焼きうどんで日本酒


 日曜日の今日は「減塩サミット」の二日目。同じ場所(大和ミュージアム)で「海軍グルメフェア」も開催されています。

 まずは減塩屋台に出店中の伊酒屋「ヴェッキオ」で減塩ピザ(500円)をゲットし、「海軍グルメフェア」からは、呉地ビール(海軍さんの麦酒)のアルト(500円)をもらって、ピザとビールで遅めの朝食です。

 その後も、ビールを片手にあちこちを見学し、昼食は「海軍グルメフェア」の屋台で、ぶっかけ細うどん(300円)を購入。う~む。呉のうどんはダシが決め手。細いうどんに絡まるダシのおいしさを味わうのが大きな特長なので、麺を楽しむタイプの“ぶっかけ”は、ちょっと合わない感じがするなぁ。

 いったん帰宅して一休みして、早めの夕方に再び出動です。向かった先は、今日もやっぱり「オオムラ亜」。生ビール(500円)2杯に、ポールウインナー(200円)と春雨サラダ(300円)で、お勘定は1,500円。

「寿」にて 身体があったまってきたところで2軒目は、これまた昨日に続いて「寿」アゲイン。なにしろ昨日のサバの煮付けがおいしかったので、「サバ、サバ、サバ!」という気持ちでやってきたのでした。今日はサバ塩焼(250円)にしてみますか。竹の子土佐煮(150円)ももらって、飲み物は「千福」の燗酒(400円)です。瀬戸内海のサバは、煮ても焼いてもうまいのぉ~。今日のお勘定は800円。

 「寿」を出たところで午後7時。日曜日なので、あまりハシゴはせずに〆ようと向かったのは、そば処「平原」。ここでは“鍋焼きうどんと日本酒または生ビールのセット”(900円)を燗酒で注文します。

 鍋焼きうどんは、1人前のうどん入り寄せ鍋みたいなもの。具材(エビ天、かまぼこ、鶏肉など)をつまみに燗酒をチビチビとやり、最後にうどんをズズッとすすり込んで〆。

 1時間ほどの夕食タイム。お勘定は900円でした。どうもごちそうさま。

・「オオムラ亜」の店情報前回) / 「寿」の店情報前回) / 「平原」の店情報前回

《平成24(2012)年5月27日(日)の記録》

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ベーコンエッグで燗酒 … お食事処「近江屋(おうみや)」(呉)

ベーコンエッグ


 3軒目の大衆食堂「寿」を出たところで、まだ5時半。帰宅するには早すぎるので、さらに北上して、私自身も行ったことのないエリアに進出してみることにしました。

 「寿」のある4丁目から、5丁目、6丁目と進みます。呉の町は、北上するにしたがって、だんだん丁目が上がっていくのでわかりやすい。7丁目に入ると酒王「千福」の醸造元・三宅本店がデ~ンと現れます。

 その「千福」の工場を抜けた先、吾妻1丁目のバス停のすぐ近くに、いかにも古そうな(←ほめ言葉です!)食堂を発見。のれんには、「お食事処 近江屋」とあります。

 そののれんを分けて中に入ると、店内はうなぎの寝床のように細長い造り。奥に向かって11席分のカウンター席が伸びていて、その内部が厨房。カウンターフロアの奥側にも、別室の座敷席があるようです。

 店は、家庭の主婦のような感じの女将さんがひとりで切り盛りしており、先客は2人。カウンターの手前側と、中央部にそれぞれひとりずつ座っています。

 私はカウンターの奥の方に座り、日本酒(400円)の燗をつけてもらっている間に、カウンター奥壁のメニューを確認し、ベーコンエッグ(500円)を注文します。

 入口近くのおにいさんは、漫画本を読みながらカレーライス(600円)を食べています。中央部に座るおじさんは、焼酎を飲みながら、目はテレビで流れている女子バレーボールの試合(日本対ロシア)に釘づけです。

 そこへ、これまたご近所の人らしい男性が入って来て、中央部のおじさんの近くへ。二人ともここの常連さんの様子。新しく来たおじさんも、ビールを飲みつつ目はテレビへ。

「カープの試合を見よるようじゃのぉ」

「ほうじゃのぉ。勝てる気がせん」

 これには思わず笑ってしまいました。

 「近江屋」にも1時間ほどの滞在。お勘定は900円でした。どうもごちそうさま。

店情報

《平成24(2012)年5月26日(土)の記録》

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店情報: お食事処「近江屋(おうみや)」(呉)

    近江屋
  • 店名: お食事処 近江屋
  • 電話: 0823-22-5840
  • 住所: 737-0045 広島県呉市本通7-8-10
  • 営業: 17:00-22:00、日祝休(正月、GW、盆も休業)
  • 場所: 吾妻1丁目バス停前、「千福」の三宅本店付近
  • メモ: カウンター11席(奥に個室座敷1室20席)。「家庭では出せない家庭料理」が売りの店で、時間をかけてとった出汁(だし)が自慢。人気の定番メニューは、みそ煮(300円)。日替わり刺身や、ハマチのたたきは500~600円。カレーライス(600円)。マーボー豆腐(500円)は辛さが調整できる。(「千福の飲める店」より)(2012年5月調べ)

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サバ煮とトロロで燗酒 … お食事処「寿(ことぶき)」(呉)ほか

サバ煮とトロロで燗酒


 午後3時半に「くわだ食堂」を出て、れんが通りを北上。今日の2軒目は、開店十日目となったビヤハウス「オオムラ亜」に入ります。

生ビール ハチク(淡竹)煮(300円)をつまみに、生ビール(500円)を、グッと1杯、思わず2杯。1時間ほど飲んで、1,300円のお勘定を払ったら、次へと向かいます。

 さらに北上し、れんが通りを突き抜けたところで右へ。3軒目はお食事処「寿」です。

 ここも1軒目の「くわだ食堂」と同様に、陳列棚からおかずを取ってきて、それをつまみに飲んだり、食事をしたりするお店。

 「森田食堂」、「くわだ食堂」、「寿」の3軒を比較すると、後者ほど呑兵衛(のんべえ)密度が高いように思います。

 少し前までは、テーブル席しかなかった「寿」ですが、今年に入ってから店内を改装し、入口を入って右の壁際、左の壁際だけがテーブル席で、真ん中は向かい合わせ式のカウンター席(ただし真ん中に仕切り壁あり)になりました。

 ひとりなのでカウンター席でもいいのですが、壁に向かって飲み食いするのもなんだし、まだテーブル席も空いているので、テーブル席のひとつに座り、「千福」の燗酒(チロりで出される正一合が400円)を注文して、つまみはサバ煮(300円)と山芋トロロ(150円)を取ってきます。

「サバはあっためましょうね」と店のおねえさん。いったん皿ごと持って行って、電子レンジで温めてから出し直してくれます。

 プリップリのサバがおいしいこと!

 瀬戸内海沿岸に住んでいると、アジやサバなどの身近で安価な魚が、とても美味しいのがうれしいんですよね。

 これまた1時間ほどの滞在。お勘定は850円でした。どうもごちそうさま。

・「オオムラ亜」の店情報前回) / 「寿」の店情報前回

《平成24(2012)年5月26日(土)の記録》

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陳列棚にハモおとし! … 「くわだ食堂」(呉)

ハモおとし


「ハモ(鱧)が安いのにはびっくりしました。関西の半値以下で仕入れることができるんですよ!」

 大阪の料理屋で修業した料理人が、呉に帰ってきて驚いたことのひとつとして、そんな話をしてくれたことを思い出しました。

 陳列棚に並んだおかずを、自分で好きに取ってきて、食事をしたり、お酒を飲んだりするタイプの大衆食堂である「くわだ食堂」の陳列棚に、今日はなんとハモおとしが並んでいます。しかも、他の刺身など同じく400円! 迷うことなく手に取りました。

 ちなみに、この400円という金額が、この店の陳列棚に並ぶおかずの最高価格です。

 今日(5月26日)は、呉で開催された「減塩サミット」の初日。出展されている出店を見てまわったあと、同窓会経由で東京に帰るカミサンを呉駅で見送って、午後2時過ぎに「くわだ食堂」へとやってきたのでした。

 「くわだ食堂」にはカウンター席はなく、4人掛けのテーブル席がずらり。土曜日の昼下がり、先客は男性中年客ふたり。私も含めて、みんなひとり客で、それぞれおかずを1~2品目の前に置いて飲んでいる状態。

 平日の夕方は、会社帰りのサラリーマンが連れ立ってきていることも多くて、ワイワイと談笑する声が聞こえてくるのですが、今はテレビの音が流れている程度。とても静かな時間が、ゆったりと流れるように感じます。

すき焼き風小鉢 私のほうは、ハモおとしをつまみに、大瓶ビール(550円)を1本あけたあと、燗酒(300円)をもらって、つまみはすき焼き風小鉢(250円)。このすき焼き風小鉢は、ここ「くわだ食堂」の定番メニューのようで、いつ来ても必ず並んでいるのです。

 半熟卵をプツリとつぶして具に絡めながら、ひと口食べては燗酒をチビリチビリ。

 ゆっくりと1時間半ほどの滞在。お勘定は1,500円でした。どうもごちそうさま。

店情報前回

《平成24(2012)年5月26日(土)の記録》

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つるりと尻尾の先まで … お食事処「富士さん(ふじさん)」(呉)など

つぶ貝


 カウンター上にずらりと並ぶ大皿料理のひとつに、つぶ貝を発見!

 広島方面でつぶ貝というと、その辺の磯にいる小さな巻貝のこと。塩ゆでして、まち針や安全ピンで身を取り出していただきます。

 これがなかなかうまくいかなくて、途中で切れてしまうことが多いのです。そうすると、一番お酒に合う肝の部分が、貝殻の中に残ってしまって、もう取り出すことができません。

 つるりと尻尾の先まできれいに出てくると、思わずガッツポーズが出そうなほどうれしい! そして肝がおいしい!

 今日やって来たのは、お食事処「富士さん」。いつもの“屋台”の「富士さん」ではなくて、そのお姉さん夫婦がやっている、“店舗”の「富士さん」です。

 店内は、入口のすぐ左手に厨房があって、奥がちょっと広くて、右手がカウンター席(9席)、左手がテーブル席(10席)の全19席。手前の厨房で女将さんが、右手奥のカウンターの中で大将が働いています。

 今日は、同窓会に出席するためにやってきたカミサン(呉出身)と一緒にこの店にやってきて、鶏煮込みや、米なす、馬刺し、タコの天ぷらなどをつまみながら、私はビールから燗酒、お酒の飲めないカミサンはウーロン茶。

 食べて飲んで、お勘定は二人で5,600円ほど。今度はひとりでじっくりと来てみたいお店です。

 二次会は屋台の「一二三」へ。ここ「一二三」は、実はカミサンのお父さん(つまり私の義父)の行きつけの屋台だったそうなのです。その後、郊外に引っ越したので、残念ながら「一二三」には飲みに来れなくなったのでした。

 最後はバー「アンカー(ANCHOR)」でクイッと〆て終了。バーに来ると、ソフトドリンクもおしゃれに作ってくれるのがいいですね。

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お食事処「富士さん」 / 屋台「一二三」 / バー「アンカー」

・「富士さん」の店情報 / 「一二三」の店情報前回) / 「アンカー」の店情報前回

《平成24(2012)年5月25日(金)の記録》

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店情報: お食事処「富士さん(ふじさん)」(呉)

  • 店名: お食事処「富士さん」
  • 電話: 0823-23-8540
  • 住所: 737-0046 広島県呉市中通3-1-7-1 Mビル1階
  • 営業: 18:00-01:00、日祝休
  • 場所: 呉中央図書館の堺川を挟んだ向かい側の路地の中。
  • メモ: カウンター9席、テーブル10席の合計19席。(2012年5月調べ)

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うどんに始まり終わる … 屋台「一二三(いちにいさん)」(呉)ほか

「一二三」


 昨夜はたくさん飲んだので、土曜日の今日は昼前までごろごろと、録りためたTV番組を見たり、本を読んだりして過ごし、昼前にやっと起き出して、本日初の食事は、「平原」のカレーうどん定食(500円)です。コロッケ、冷奴、キンピラから1品を選ぶおかずは、コロッケをもらいます。

 炭水化物(うどん)+炭水化物(ごはん)という定食ながら、うどんはお吸い物代わり。スパイシーなカレー味が、二日酔いの口に心地よいですねぇ。

 うち(単身赴任社宅)に戻って、たまった家事を済ませるともう午後4時過ぎ。3時には開いている「オオムラ亜」に出かけると、他に先客はいなくて、店主・亜矢さんと手伝いの女性のみ。13席のカウンターのど真ん中に座って、生ビール(500円)です。ここは生ビールしかないので、注文しなくても、座ると生ビールが出されます。

 旧「オオムラ」時代には、つまみは乾き物しかありませんでしたが、「オオムラ亜」になってから、調理した料理もメニューにのぼるようになりました。そのつまみはすべて200円か300円。すべてがそうというわけではありませんが、基本的に乾き物が200円で、調理したものが300円といった感じです。

 今日の調理メニューは、ポテトサラダ(300円)、マカロニサラダ(300円)に、枝豆(200円)。

「ポテトサラダとマカロニサラダのミックスはできる?」と聞いてみると、

「昨日からそれがよく出るんよ」とのこと。さっそくそのミックスサラダをいただきます。

 30分もしないうちにカウンターは満席になり、私も3杯目となる生ビールとともに、ポールウインナー(200円)をいただきます。ポールウインナーは、1934年(昭和9年)の発売以来、80年近く販売され続けている伊藤ハムの商品ながら、関西地区を中心に販売されているので、首都圏をはじめ、中部地方以東の人たちにはなじみがないかもしれませんね。

 生ビール3杯に、つまみが2品。2千円のお勘定で「オオムラ亜」を出て、夜の部、2軒目は屋台の「一二三」です。

 午後6時半の「一二三」は、ちょうど今、開店準備を終えたばかり。さっそく焼酎の水割り(400円)をもらって、つまみにはおでん(各100円)の玉子と、切り出し(牛スジの肉の部分)、アキレス(牛スジの筋の部分)をもらい、メザシ(9尾1人前で450円)も焼いてもらいます。

 さらにもう1杯、焼酎の水割りをおかわりして、1時間半ほどの滞在。お勘定は1,550円でした。

 「一二三」のラーメン(500円)で〆としてもよかったのですが、それをせずに出てきたのは、なんだか急にうどんの出汁(だし)の味わいが恋しくなったから。「一二三」からも歩いてすぐの、細うどんの老舗「山乃家」(中通店)に入り、かけうどん(330円)をいただきます。この少し甘~い出汁がいいんだな。汁まで完食して〆。

 単身赴任社宅に帰り着いたのは午後8時半でした。これくらいで飲み終えると、明日にダメージは残らないな。

 「平原」のカレーうどん定食に始まり、「山乃家」のかけうどんで終わった1日でした。

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「平原」カレーうどん定食 / 「オオムラ亜」乾き物 / ミックスサラダ

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「一二三」おでん / めざし / 「山乃家」かけうどん

・「平原」の店情報前回) / 「オオムラ亜」の店情報前回) / 「一二三」の店情報前回) /

《平成24(2012)年5月19日(土)の記録》

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二日目も呉でハシゴ酒 … おでん「魚菜や(ぎょさいや)」(呉)他

「魚菜や」トークの日


 東京の飲み仲間・SaltyDogさんと行く、二日目の呉酒場。今日もビヤハウス「オオムラ亜」で待ち合わせて、生ビールを1~2杯ずついただいてから、「魚菜や」へと繰り出します。

 今日の「魚菜や」は“トークの日”。1時間半の飲み放題・食べ放題が3千円となる、月に一度の感謝デイです。本当は19日にやるから“トークの日”なのですが、明日19日は「魚菜や」の定休日(土日祝)なので、前倒しで今日の開催となったのでした。

 ここ「魚菜や」には、呉の地酒5種類がそろっているので、1軒で呉の地酒を堪能することができます。フルーティーな「雨後の月」、安定・安心の「千福」、どっしりとした重量感を感じる「白鴻」、魚介類に合う豊かな味わいの「華鳩」、そして呉の地酒にしてはすっきりとキレのある「宝剣」と、それぞれに個性的なのがおもしろい。

 「オオムラ亜」のゼロ次会、「魚菜や」での一次会を終えて、二次会はスナック「Aki」(中通3-3-10、0823-22-8444)でカラオケ大会。この店をひとりで切り盛りしているママの名前がアキさんなので、店の名前が「Aki」です。

 呉のスナック(スタンド)は、キープ代を別にして、ひとり3~4千円ほど。キープボトルを入れた日は、これにボトル代(ウイスキーの場合で8千~1万円ほど)が加わります。最近は焼酎のボトルキープが主流のスナックも多いですね。

 最後は屋台の「一二三(いちにいさん)」で、おでん(じゃがいも、ごぼう天、各100円)をつまみに焼酎の水割り(400円)を飲んだ後、ラーメン(500円)で〆。

 二日間にわたって、たくさんおつきあいいただき、ありがとうございました。ぜひまた呉に遊びに来てください。>SaltyDogさん

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「魚菜や」 / トークの日の料理 / ポテトサラダ

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牛スジ煮込み / タコとキュウリの酢物 / タイの卵

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スナック「Aki」 / 「一二三」おでん / 中華そば

・「オオムラ亜」の店情報前回)/「魚菜や」の店情報前回)/「一二三」の店情報前回

《平成24(2012)年5月18日(金)の記録》

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通と食す屋台焼きそば … 屋台「富士さん(ふじさん)」(呉)

まずはおでんで一献


 東京を出発して、四国→中国→近畿をロングツーリング中の飲み仲間・SaltyDogさんと行く呉酒場。3軒目は屋台の「富士さん」です。

 SaltyDogさんは、「焼きそば名店探訪録」という、「焼きそば」の専門食べ歩きサイトも作られているほどの焼きそばフリーク。

 ここ「富士さん」の名物料理がホルモン焼きそば(900円)なので、さっそくそれを1人前注文して、そのできあがりを待つ間に、おでんを2個ずつもらって、芋焼酎(黒霧島)の水割り(400円)で乾杯です。

 屋台の「富士さん」は昭和49(1974)年の創業。今年で創業38年になります。

 現在の店主・山内一寛さんは、創業店主であるお父さんの跡を継いだ2代目。4人兄弟の末っ子で、お父さんが屋台の「富士さん」を開いたときは、まだ高校生だったそうです。ちなみに、お母さんのお名前が富士子さんなので、店名が「富士さん」になりました。

 この店を紹介するときに、いつも“屋台の”と枕詞(まくらことば)が付くのは、中通3丁目に、一寛さんのお姉さん夫婦がやっている“店舗の”「富士さん」もあるからです。

 人気の名物料理・ホルモン焼きそば(900円)は、常連さんの希望で生まれた一品。定番メニューであるホルモン炒め(700円)に「麺も入れてくれ!」ということで作り始めたんだそうです。

 とはいうものの、この店にある麺は、ラーメン(500円)を作るための中華麺のみ。

 そこで、ラーメンを作るときと同じように、寸胴(ずんどう)で中華麺をゆであげて、それをしっかりと湯切りをして、ホルモン炒めに加えるようにしたんだそうです。

 味付けも、ホルモン炒めを作るときと同じく、焼肉のタレ風のもの。

 この店には、焼きそば(600円)というメニューもあり、これも同じく、ゆであげた中華麺で作ってくれる焼きそばなのですが、こちらはソースで味付けします。

 中華麺ならではの、ツルツルっとした食感と、噛みしめるときのシコシコ感がおもしろんですよねぇ。クセになる一品です。

 1時間ほどの滞在。お勘定は二人で2,100円(一人当たり1,050円)でした。どうもごちそうさま。

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厚揚げ、鶏もつ / 平天、大根 / ホルモン焼きそば

店情報前回

《平成24(2012)年5月17日(木)の記録》

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鳥も魚も、どっちも! … 居酒屋「鳥八茶屋(とりはちちゃや)」(呉)

冷酒と味噌煮


 東京から来呉中の酒友・SaltyDogさんと行く呉酒場。今日の2軒目は、呉の“とり屋”の1軒、「鳥八茶屋」です。

 入口から平行に2本のカウンターが店の奥に向かって伸び、客はその内側に座ります。両側のカウンターの内側は厨房になっていて、店主のいる左カウンターの内側は主として魚料理用、右カウンターの内側は主として鳥料理用になっているようです。

 SaltyDogさんは、竹原の地酒、「誠鏡」純米(630円)の冷酒を、私は同じ「誠鏡」純米(630円)を燗酒でもらって、最初のつまみは考えることもなく味噌煮(160円)をそれぞれ1人前ずつ注文します。

 味噌煮というのは、鶏の皮をミソ味のダシで煮たもの。呉の“とり屋”では定番中の定番で、店に入ってくるなり、席に座る前に「生と味噌!」(=「生ビールと味噌煮をください」)と、まるであいさつのように言いながら入ってくるお客さんも多いのです。

 注文するとすぐに出てくるので、お通し代わりに注文する人が多いんですね。

 ちなみに、ここ「鳥八茶屋」では、座敷席に座るとお通しが出ますが、カウンター席はお通しは出ません。なので、サッと出てくる味噌煮は、とてもありがたい存在です。

 ところで、“とり屋”というのは、昭和26(1951)年創業の「本家鳥好」に端を発した、呉発祥の焼き鳥居酒屋の総称です。

 「本家鳥好」は焼き鳥屋として人気を博し、すぐに「第二鳥好」(現在の「竜之介」)、「第三鳥好」(現在の「三とり」)と、どんどん店舗が増えていきました。最盛期には、呉市街中心部の酒場街に、50軒もの焼き鳥屋が並ぶ状態になっていたんだそうです。

 そこへ進出してきたのが「養老乃瀧」をはじめとした、大規模居酒屋チェーン店。メニューに並んだ刺身や焼き魚などの魚料理は、たちまち呉の呑兵衛たちの人気を集めました。

 その当時、呉では魚料理は自宅で作って食べるもの、という固定観念があったんだそうです。(魚がいっぱい取れる瀬戸内海沿岸の町々では、今でもそういう傾向はありますけどね。)

 居酒屋チェーン店の進出によって、「呉の呑兵衛たちも、酒場で出される魚料理を好むんだ!」という、ごく当たり前のようなことに初めて気づいた焼き鳥屋の経営者たち。もともと鹿島という、呉のすぐ近くにある漁業が主要産業の島の出身者が多かったので、魚の仕入れや、魚料理はお手のもの。

 焼き鳥屋の店内に生け簀(いけす)を置いて、鹿島でとれた魚介類を直送。昭和50年代のはじめごろには、焼き鳥屋なのに活魚もあるという、よその土地ではあまり見かけないタイプの酒場が、呉の酒場の主流となりました。

 そして、これらの店は、店名に『鳥(とり)』の字がついていることが多かったので、それらをひとまとめにして“とり屋”と呼ぶようになったのでした。

 そんな“とり屋”の1軒である「鳥八茶屋」にも、焼き鳥メニューの他に、魚料理のメニューがずらりと並びます。焼き鳥メニューが年中ほぼ不変なのに対して、魚料理は季節とともにその内容が変わります。

 カウンター上に置かれた、『本日のおすすめ』と書かれた手書きメニューには、丸イカバター焼950、ズワイガニ蒸し1,890、活オコゼ造り1,890、活車えび造り2本1,470、石鯛の造り1,260、鯛しそ巻天530、しじみ赤だし420、鳥トロ串焼420、本カレイ唐揚840、親鳥足焼530、サーモン炙り造り840、カンパチ造り840、という12品が並びます。

 そんな中から、鯛しそ巻天(530円)と丸イカバター焼(950円)をもらって、「誠鏡」純米(630円)の冷酒をもう1杯いただきます。

 1時間ほどの滞在。お勘定は、二人で3,670円(一人当たり1,835円)でした。どうもごちそうさま。

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「鳥八茶屋」 / 鯛しそ巻天 / 丸イカバター焼

店情報前回

《平成24(2012)年5月17日(木)の記録》

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待ちに待った再開の日 … ビヤハウス「オオムラ亜(おおむら・あ)」(呉)

ビヤハウス「オオムラ亜」


 いよいよ満を持してのビヤハウス「オオムラ亜」の開店です。

 ここに至る経緯については、先日の〔くれ便り〕でもご紹介したとおり。体調不良で店の継続ができなくなった先代店主の跡を継ぐ形で、旧「オオムラ」の常連さんでもあった實兼亜矢(じつかね・あや)さんが、この店を再開したのでした。「オオムラ亜」の「亜」は、亜矢さんの「亜」なんですね。

 『継続と再生』をキーワードに、4月の頭から1ヶ月近くかかったリフォーム作業。目線よりも下になる部分を中心に、腐った板の部分などは完全に新品になっているのですが、パッと入ってきた人たちから見ると「なんも変わっとらんのぉ」「そのまんまじゃのぉ」と喜ばれるようなリフォームぶり。

 これが老舗を継承していくときの難しい点なんでしょうね。

 以前と同じ部分も、徹底的に整理・整頓・掃除され、いかにも女性店主の店らしい清潔さが、前面に打ち出されました。おもしろいのはバックバー(カウンターの内壁)にはめ込まれている鏡の存在。

「こんなとこに鏡があった?」

 旧「オオムラ」の常連さんたちが口をそろえて不思議がるこの鏡。これもまた旧「オオムラ」から継承したもので、当時は表面が汚れていて、鏡として機能していなかったんですね。

 ここ「オオムラ」の生ビールは、空冷式冷蔵庫(=普通の電気冷蔵庫)で樽生を冷やし、そこから氷冷式の生ビールサーバーを通して生ビールを注ぐ仕組み。

 空冷式のほうで3~5℃まで冷やしておいて、それを氷冷式(0℃)の中を通して出すことで冷たさを保つんですね。

 これをスイングコックという、昔ながらの注ぎ口で注ぐので、どうしても泡が多くなりがちになります。その泡の部分をナイフで切るようにして泡専用のジョッキに移し、泡を落ちつかせてはまたビールのジョッキに戻し、という作業を繰り返して、きめ細かいきれいな泡を作り上げていきます。

「はい、どうぞ」

 と出してくれた時点で、生ビールの温度は8.6℃(←実際に測ってみた!)。この温度が、グイグイと何杯でも飲める理由のひとつなんですね。

 実は亜矢さんが継いだ時点では、樽生ビールを冷やすための空冷式冷蔵庫は壊れていたんだそうで、これも今回の再開に合わせて修理しました。なので、旧「オオムラ」時代よりも、提供される生ビールの温度は低くなっています。

 今日は四国→中国→近畿をロングツーリング中に、呉にも立ち寄ってくれた、地元(東京都中野区)の飲み仲間・SaltyDogさんとともに、再開した「オオムラ亜」にやってきました。

 これまで乾きもの(各200円)しかなかった「オオムラ」ですが、「オオムラ亜」になって、枝豆やポテトサラダなども200円か300円でメニューにのぼるようになりました。

「枝豆をつまみに、ここの生ビールを飲んでみたかったのよ。これだけでも嬉しいわ!」

 と大喜びする女性常連客。我われ二人も、生ビールをひとり3杯ずつに、枝豆(200円)、ポテトサラダ(300円)、ポールウインナー(200円)をいただいて、お勘定は二人で3,700円(一人当たり1,850円)でした。

 どうもごちそうさま。そして開店おめでとうございます!

店情報前回

《平成24(2012)年5月17日(木)の記録》

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大瓶ビールと日替定食 … 居酒屋・食事「せとや」(呉)

せとや定食


フキと竹輪の煮物 会社の帰りに定食屋に立ち寄って、大瓶ビール(アサヒ、550円)と日替り定食(700円)を注文。最初の1杯をグイッと飲み干して、さらに定食が出てくるまでに、お通しのフキと竹輪の煮物を肴に、ビールをコップに1~2杯。なんだか、とっても正しい単身赴任生活のような気がするなぁ。

 ほんわりと、ほろ酔い加減になったところで定食の登場。今日の日替り定食は、豚生姜焼き、アジ南蛮漬けに、ホウレン草のおひたしがおかず。それに、ごはんと、みそ汁、そして小皿の漬物がつく。

 日替り定食の良さは、食事の組み立てを考えなくていいことである。毎日のようにやってきて、毎日のように日替り定食をたのんでも、毎日毎日違うものが出てくるので食べ飽きない。

 豚生姜焼きをつまみにビールをグビリ。ホウレン草をつまんでまたグビリ。

 なんといっても極めつけはアジの南蛮漬けだ。アジの南蛮漬けというと、小アジをイメージする人が多いかと思うが、この店のアジの南蛮漬けは、大きなアジ1匹を、そのまま南蛮漬けにしたものである。

 この店では、年中このアジの南蛮漬けがメニューに載るが、今からがまさにアジの旬の時期である。でも、今日のはちょっと小さめかな。

 アジ南蛮漬けの美味しさに、思わず燗酒が欲しくなるが、今日はグッとがまんして、ごはんにしておく。酒に合うものは必ずごはんにも合う。ごはんも進むなぁ。

 おかず、ビール、おかず、ごはん、おかず、ごはん、……

 ビールひとグビリに、ごはんを二口くらいのペースで食べ進み、時々みそ汁で口中をリフレッシュ。

 40分ほどの晩酌タイムで、きっちりと満腹になってお勘定は1,250円。たまにはこんな飲み方もいいもんだ。

店情報前回

《平成24(2012)年5月15日(火)の記録》

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おでんのガリは牛食道 … お食事処「ひろ」(呉)

厚揚げとガリ


 東京の、特に下町のほうでは、「うちは酒場なんだから、ごはん物なんて置いてないよっ」と明言する大衆酒場も多いのですが、呉をはじめとする地方の酒場では、まだそこまで明確な分離はされていないように思います。

 呉の中で、ごはん物や麺類(つまり〆の炭水化物)を置いていない酒場は、私が知っている限りでは、ビヤハウス「オオムラ亜」、通常営業のときの「魚菜や」、そしておでんの「かわすじ」(旧・「あわもり」)くらいでしょうか。

 逆に「森田食堂」や「くわだ食堂」、お食事処「寿」などは、食堂と言いながらも完全に酒場を兼ねていて、『食事もできる大衆酒場』といった状態。朝から飲めるのもうれしいところです。

 東京で言うと、町屋の「ときわ食堂」や、日暮里の「いづみや」、最近はすっかり酒場として認知されていますが赤羽の「まるます家」なんかと似たような感じですね。食堂 兼 酒場なんだけど、酒場の要素がちょっと大きい。

 さて、土曜日の今日は、呉市二河野球場(くれし・にこうやきゅうじょう)の川の対岸にある、お食事処「ひろ」にやってきました。

 この春、この上流にある公園でお花見をしたときに、なんとなく気になる店だったので、ネットで調べてみたところ、ホルモン(牛もつ)の天ぷらや、ホルモン(牛もつ)のおでんもあるらしい。ただ、非常に残念なことに、営業時間が朝10時から夕方5時半(土曜日は5時)までと短い上に、日曜・祝日は定休日。これは土曜日に行くしかないなぁ、ということで今日の訪問となったのでした。

 店に着いたのは、ちょうど正午。店内のフロアは横に広く、手前の壁際に4人掛けのテーブルが3卓、奥の壁際に2卓が並んでいて、その壁の奥が厨房のようです。まさに昼どきとあって、どのテーブルにも先客が座っている状態。「ありゃ、どうしよう」と思った瞬間、右手テーブル席にいる4人家族と思しき先客のお父さんが「ここ空くよ。これからお勘定するけえ」と声をかけてくれます。

 「ありがとうございます」とお礼を言って、そのテーブルに座り、まずはビールを注文すると大瓶ビール(550円)は、アサヒとキリンが選べるとのこと。今日はキリンをいただきます。

 厨房との仕切り壁のところに、メニューのプラスチック札がずらりと並んでいて、そこにトンカツ定食(750円)、生姜焼定食(750円)、野菜イタメ定食(700円)などの定食類や、特製中華(600円)、中華そば(500円)、天ぷらうどん・にゅうめん(各450円)などの麺類が書き出されてます。

 つまみらしいメニューと言えばホルモン天ぷらくらいでしょうか。シロミ(上ミノ)、センマイ、チギモ、イブクロの4種類があって、それぞれ1個100円。それとは別に、店の左奥におでん鍋があって1本90円。お皿やお玉、トングなども横に置かれているので、お客さんが勝手に取っていっていいようです。

 1杯目のビールをグッと飲み干して、まずはそのおでんを取りに行くことにします。

 おでん鍋は、「かわすじ」のそれと同じように、けっこう黒っぽいつゆで、中まで見通すのがちょっとむずかしいのですが、厚揚げ、スジ肉(アキレス)、コンニャク、ガリ(牛の食道)、玉子があるようです。

 すきっ腹なので、定番の厚揚げはもらっておいて、あとは珍しいガリ(牛の食道)にしてみましょうか。

 初めて食べたガリは、ツブツブした部分もあって、見た目はちょっとグロテスク。でも食べてみると、さすがナンコツ的な部位だけあって、フニュッとした柔らかい部分と、コリッとした硬めの部分との対比も楽しく、おいしい。これはいいなぁ。

 ガラリと入口引き戸が開いて、入ってきたのは男性ひとり客。「特中(とくちゅう)ね!」と奥の厨房に声をかけて、奥のおでん鍋からおでんを2個ほど皿に盛ってから、「ここ、いいですか?」と、私の向かい側に相席です。

 “特中(とくちゅう)”というのは、特製中華(600円)の略称のようで、その後も入ってくるお客さんの半数以上くらいは、この“特中”を注文するほど人気の一品のようです。キムチやスジ肉が入っているのが“特製”たるゆえんなのかな。

 それよりもすごいのは、そのおにいさんが取ってきたおでん。これはフワ(肺)じゃないかな。「かわすじ」では、キモと呼んでいるのと同じものですが、その大きさがすごい。「宇ち多゛」や「秋元屋」のレバくらいの大きさがあります。これで90円というのはうれしいなぁ。

 私もさっそくそのフワを取りに行きます。東京ではフワと呼ばれる肺ですが、広島ではヤオギモ(柔らかい肝)と呼ばれることが多いようです。肝臓(レバー)は、チギモ(血肝)と呼ばれています。

 他のお客さんの様子を見ると、ほとんどのお客さんは入ってくるなり、奥の厨房に向かって、麺類や定食の注文をし、その足でおでん鍋のところからおでんを取り、その横の冷水器で水をくんでから席に着き、自分の料理が出てくるまでの時間を、おでんを食べながら待ちます。食べ終えると、厨房との境目のところにあるレジのところで「おでん3本ね」などと自己申告しながらお勘定をする仕組み。

 せっかくこういうおでんがありながら、どっちかというと、ここはガッツリと食事をするお店らしく、アルコール飲料を飲んでいるのは私だけ。他の人たちはみんな、車やバイクでやってきて、チャチャッと食事を済ませたら帰っていきます。ちょうど昼どきだからかなぁ。2時とか3時ごろに来たら、また客層が違うのかもしれません。

 最後に磯むすび(120円)と、そうめん汁(120円)をもらって〆にします。磯むすびはチリメンやユカリなどを混ぜ込んだおむすびに海苔を巻いたもの。そうめん汁は、うどんやそうめんなどに使うのであろうダシ汁に、少量のそうめんを入れ、刻みネギをちらして、お吸い物風に仕上げてくれています。ダシに甘みがあって、ものすごくうまいですねぇ。

 1時間弱の滞在。お勘定は1,060円でした。どうもごちそうさま。

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川の向こうに「ひろ」 / ヤオギモ / 磯むすび、そうめん汁

店情報

《平成24(2012)年5月12日(土)の記録》

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店情報: お食事処「ひろ」(呉)

    お食事処ひろ
  • 店名: お食事処ひろ
  • 電話: 0823-22-0880
  • 住所: 737-0814 広島県呉市山手2-3-11
  • 営業: 10:00-17:30(土は -17:00)、日祝休
  • 場所: 呉市営・二河(にこう)野球場の、川を隔てた対岸。広電バス・上山手橋バス停近く。
  • メモ: ホルモン天ぷら定食1,200、焼肉定食1,000、ヒレカツ定食900、エビフライ定食900、エビ・ヒレカツ定食900、トンカツ定食750、生姜焼定食750、ポークケチャップ定食750、豚キムチ定食750、野菜イタメ定食700、とり串カツ定食600、あんかけそば650、みそチャンポン620、チャンポン600、特製中華600、中華そば500、冷めん620、焼そば580、中華丼580、カツ丼580、親子丼550、玉子丼450、エビフライカレー800、カツカレー650、カレーうどん500、カレーライス500、焼めし500、肉玉うどん・にゅうめん各550、肉うどん・にゅうめん各500、玉子うどん・にゅうめん各400、天ぷらうどん・にゅうめん各450、うどん・にゅうめん各350。大盛りは全品 +150。おむすび(うめ)100、おむすび(コブ)100、磯むすび120、そうめん汁120。ホルモン天ぷら(シロミ(上ミノ)、センマイ、チギモ、イブクロ)各1個100。おでん1本90。センジガラ(持ち帰り用)250。(2012年5月調べ)

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ピートの香りを実体験 … バー「アンカー(BAR ANCHOR)」(呉)

泥炭に着火


 「オオムラ」、「一二三」と飲み歩いて、今日の3軒目はバー「アンカー」です。

 「アンカー」では、いつも『今月のウイスキー』ということでサービス・ウイスキーを1本置いていて、ひとり1杯、500円で飲むことができます。

 『今月のウイスキー』といいながらも、実はその1本のボトルが空くまで、そのウイスキーがサービス・ウイスキーで、空くと次の新しいウイスキーが、サービス・ウイスキーに設定されます。だから1ヶ月もつものもあれば、もたないものもある。でも必ずなにか1本のサービス・ウイスキーはあるのです。

 自分で注文するときは、知ってるウイスキーにかたよりがちなので、こうやって安価にいろいろなウイスキーを楽しめる機会が用意されているというのはいいことですよね。

 現在の『今月のウイスキー』は「クラガンモア(CRAGGANMORE)12年」。飲んだことのないウイスキーなので、さっそくその「クラガンモア」をストレートでいただきます。

 ん~、香りがいいですねぇ。

 スペイサイド(スコットランド東岸の川沿い)・モルトなのにスモーキーな香りがするのもおもしろい。

「そういえば、ウイスキーのブレンダーは“香り”でブレンドしていくと聞いたことがあるんだけど、ほんと?」と店主に聞いてみると、

「えぇ。こんなのがあるんですよ」

 と言いながら見せてくれたのは、木製の立派な箱に入った“スコッチウイスキー・アロマ・ノージングキット(Scotch Whisky Aroma Nosing Kit)”。中には24個の香りの小瓶が入っています。

1. ALCOHOL (アルコール)13. CUT GRASS (刈った芝生)
2. VANILLA (バニラ)14. MALTY (モルティー)
3. HAY (干し草)15. MEDICINAL (薬品)
4. BUTTERY (バター)16. NUTTY (ナッティー)
5. CARAMEL (カラメル)17. PEATY (ピーティー)
6. CITRUS (シトラス)18. PHENOLIC (フェノール)
7. DECAY (腐敗)19. SMOKY (スモーキー)
8. ETHEREAL (エーテル)20. SOLVENTY (溶剤)
9. EARTHY (土っぽい)21. SHERRY (シェリー)
10. ROSE WATER (ローズウォーター) 22. SPICY (スパイシー)
11. CARNATION (カーネーション)23. SPIRITUOUS (スピリッツ)
12. FRUITY (フルーティー)24. WOODY (ウッディー)

 アルコール(1)とエーテル(8)、フルーティー(12)の違い。ピーティー(17)とスモーキー(19)の違いなんかは、酔ってないときに、じっくりと嗅ぎ分けてみたいですねぇ。この店に来るときは、いつも酔ってるのが残念だなぁ。

 店には泥炭(ピート)も置いていて、それも見せてくれたばかりか、「ちょっと焼くと、香りが立つんですよ」とバーナーで火を入れてくれました。

 こうなると、やっぱりそのピートの香りが特徴的なアイラ(スコットランド西岸の島)・モルトですね。「アードベッグ(ARDBEG)10年」を、これまたストレートでいただいて、1時間半ほどの滞在は1,850円でした。ごちそうさま。

 「アンカー」を出たところで午前0時半。ちょっと小腹がすいたので、「うどんの天」で、かけうどん(450円)を食べて〆。ラーメンの500円は高いと思わないのに、かけうどんの450円は、なんだか高く感じるなぁ。カクテルが800円だと安いと思うのに、日本酒が800円だと高いと思うのと似てるのかもね。

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クラガンモア12年 / チャーム(果物) / アロマ・ノージングキット

120511f 120511g 120511h
泥炭(ピート) / アードベッグ10年 / 「うどんの天」かけうどん

店情報前回

《平成24(2012)年5月11日(金)の記録》

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