54周年と成田一徹さん … バー「露口(つゆぐち)」(松山)
『露口朝子さん手ずからの「サマークイーン」である。ジンをベースにホワイトキュラソー、フレッシュのグレープフルーツとレモン少々をシェイク、ミントチェリーを沈め、ペパーミントの葉を飾る。1981年のサントリー・トロピカルカクテル・コンテストのグランプリ受賞作。日本のまとわりつくような景気を一気に鎮める力強さがある。なおかつその爽やかさは穏やかに体にしみる。名作である。「バー露口」の看板メニューのひとつだが、普段はもっぱら主の露口貴雄さんがつくる。この日は特別に作者である朝子夫人にお願いした。』
成田一徹さんの近著「あの店に会いに行く」(2012年2月)の中の、バー「露口」紹介記事の冒頭部分です。『「坂の上の雲」の街で「夫唱婦随」に会う』と題されています。
もちろん、成田さんならではの切り絵付き。カクテルを作る朝子さんが描かれています。
「そっくりじゃねぇ」と声をかけると、
「ほうじゃろ。細かいとこまで切り絵じゃけんねぇ。すごいわい」と笑う朝子さん。
お盆休みに松山市内の実家に帰省し、今日は旧友たちと「露口」に飲みに来ています。
実は今日、8月15日が「露口」の開店記念日。昭和33(1958)年の創業なので、今日で54歳になりました。
飲み物はもちろん、名物、角のハイボール。
『8オンスのタンブラー、50mlのサントリー角。2コの氷にタンサン。レモンピールはなし。濃くて頑な男っぽいハイボールである。』
と、これも「あの店に会いに行く」の中の成田さんの文章。切り絵のみならず、文章もすばらしいのが、成田さんならではです。
それにしてもこのときは、ほんの2か月後に、その成田さんが急逝されるなんて、想像すらできなかったなぁ……。(合掌)
日付けが変わる午前0時が、バー「露口」の閉店時刻。55年目となる、これからの1年も、引き続きよろしくお願いいたします。
角ハイボール / 54周年コースター / 濃いめの角ハイボール缶
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コメント
昨日、ロックフィッシュでハイボールを飲みながら「あの店に会いに行く」を。
しんみりといただきました。
投稿: uchidaholic | 2012.10.30 06:31