塩でいただく鰻の白焼 … 「うな重一番(うなじゅういちばん)」(安浦)
前回、爆発的においしいうな重をいただきながらも、『予約時に言っておかないと、その場で追加注文することはできない』という、この店のローカルルールを知らず、残念な思いをした「うな重一番」。
その時に「実は11月ごろのうなぎが美味しいんですよ」と教えていただいて、11月になるのを待ちかねるように電話予約。
「8人で伺います。それぞれ白焼き1人前と、うな重2人前ずつお願いしたいんですけど」
と勢い込んで申し出たところ、
「それはちょっと多すぎるんじゃないの?」
と女将さん。調整の結果、白焼用のうなぎは、うな重用のうなぎよりも大きいものを使うので、ふたりに1人前ずつ。うな重は人数分にして、そのかわり、おかわりもできるように、うなぎを2尾、別枠で取っておいていただけることになりました。
そして迎えた今日この日。まずは自分たちで持ち込んだ缶ビールで乾杯して、うなぎの出を待ちます。(この店には酒類は置いていませんが、持ち込みは可能なのです。)
【2014年12月追記:現在は酒類の持ち込みは不可です。】
最初に出たのは、前回と同様、うなぎの肝のタレ焼きが、ひとりに1個ずつ。ここで、これまた持参の日本酒に切り換えます。トロリとした肝には、絶対に日本酒ですね!
さぁ、そして! 今回初めていただく、うなぎの白焼の登場です。こっちのうなぎは、東京のうなぎのように蒸すことはしません。表面はさっくりと香ばしいのに、中はジューシーで、やわらかいのが大きな特長です。
安浦の町づくり情報誌「TANTO」によると、「うな重一番」の店主・小谷義人さんは、兄の小谷智代登さんとともに、呉市を流れる広大川で稚魚(しらす鰻)を獲ってきて、それを安浦の水(野呂山の伏流水)で育てるという、「呉うなぎ」の養殖に成功。
兄の智代登さんは「小谷養鰻場」を、弟の義人さんは「小谷うなぎ養殖場」を経営するとともに、平成20(2008)年に、その養殖場の横に「うな重一番」を開店したのでした。
そんな風に育ったうなぎだからか、臭みがまったくなくて、白焼はそえられた塩だけでいただくのが一番おいしい。むっちりとした皮の部分が実にいいですねぇ!
ちなみに白焼や蒲焼は時価で、使ったうなぎの大きさ(重量)で値段が決まります。今日は8人で4尾分の白焼きをいただいたのですが、値段も1,400円くらいから1,800円くらいまで、さまざまでした。
熱々の間にぺろりと白焼きを食べ終えて、続いてはうな重(1,500円)です。白焼きは大急ぎで食べないと冷めてしまいますが、うな重の場合は、うなぎがごはんの上にのっているので冷めにくい。お酒の肴としていただくのに、ちょうどいいのです。
【2014年12月追記:現在は酒類の持ち込みは不可です。】
うな重をぺろりと食べ終えた後は、取っておいてもらったうなぎで、今度はうな丼(850円)をいただきます。うな重には、うなぎ1尾がのり、うな丼には半尾がのります。
このうな丼も、ぺろりと終了。う~む。「多すぎるんじゃないの?」と驚かれたけど、「それぞれ白焼き1人前と、うな重2人前ずつ」でも大丈夫だったかもしれないなぁ。そう思えるほど美味しいうなぎです。
お酒もいただきながら1時間ほどの滞在。お勘定は8人で22,000円(ひとり2,750円)でした。大満足。ごちそうさま!
まずは肝のタレ焼き / 白焼き登場 / 皮はむっちり、中はジューシー
うな重には / うなぎ1尾分がのる / お椀はシジミの味噌汁
うな丼には / 半尾分のうなぎがのる / デザートのフルーツ
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コメント
地元が思いもつかない、安浦鰻の楽しみ方。お見事!
そして、一地方都市・呉が全国に発信されるだけでも嬉しいのに、東端の安浦町に、注目していただけるとは!!
引用されていた「TANTO」、安浦まちづくり協議会発行の季刊情報誌。
名所や名産が『沢山ある』→『たんとある』土地ということで、昭和12年に野口雨情作詞、藤井清水作曲の「安浦(内海)たんと節」が生まれ、そこから名前をいただきました。「テイレギ」(綺麗な水にしか育たない水生植物。高級食材、松山市に産地が)も歌われていて、興味深い。
ご紹介、ありがとうございました。機会あれば、安浦の別なお店も是非!
投稿: 遊星ギアのカズ | 2012.12.24 09:23