〔コラム〕 「北島亭」のトリュフのパイ包み焼き
4年ぶりの「北島亭」で、4年前と同じく、この季節ならではの『トリュフのパイ包み焼き』をいただきます。ごろりと大きなトリュフを大きめにカットして、フォアグラをはさみ、パイ生地に包んで焼き上げたもの。
あくまでもトリュフが主で、それにうまみを加えるためにフォアグラが入っている、といった感じでしょうか。
トリュフの仕入れ値で値段が変動するそうですが、今日は1人前が2万円。それでも、ほぼトリュフの原価程度なんだそうです。
熱々のパイにナイフを入れて、サクッと割った瞬間に立ち上るトリュフの香りがたまりません。お行儀悪くも、できるだけパイの近くまで鼻をよせておいて、深く息を吸い込みながらナイフを入れるのでした。
トリュフはキノコの一種ながらも、コリッと硬い食感を持った固形物。
このコリッとした食感をお伝えするのが難しいのですが、しっとりとしていないマカダミアナッツといった感じ。しかも、噛んでも噛んでも、その分だけ砕けていくだけで、いつまでも最初の食感が続きます。
そして噛み砕いていくたびに、鮮烈なトリュフの香りが、鼻の奥からスコーンと突き抜けてきます。
香りは高いんだけど、うまみなどはほとんどないので、ここに脂分が多いフォアグラのうまみと甘みがいい感じで効いてきます。
もちろん、この1品だけをいただいたわけではなくて、名物の『生ウニのコンソメゼリー寄せ』や『生カキのマリネ』からはじまって、前菜の最後に冒頭の『トリュフのパイ包み焼き』をいただいたあと、メインの1品目は、甘鯛(あまだい)の皮カリカリ焼き。
焼いた肉がうまいと評判の「北島亭」ですが、実は焼いた魚もうまいのです。肉と同じく、火のとおり具合がちょうどよくて、表面はカリッと香ばしいのに、その内側の身の部分はふんわりとジューシーで、とろけるよう。
もしかすると、北島シェフには、焼いている肉の内側や、魚の内側が見えているんじゃないかと、いつも思ってしまいます。
そして肉のほうは、これまた今が季節の蝦夷鹿(えぞしか)のローストです。
“超”がつくほど満腹になって、店を後にしたのでした。どうもごちそうさま。
生ウニのコンソメゼリー寄せ / トリュフのパイ包み焼き / 甘鯛の皮カリカリ焼き
蝦夷鹿のロースト / 蝦夷鹿のローストの断面 / 最後に出されるお菓子盛り合せ
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