さんま塩焼定食で燗酒 … 「はまや食堂(-しょくどう)」(杉田)
「はまや食堂」にやってくると、まず店の入口のところに立ち止まって、店頭に掲示された日替り定食メニュー(=サービスメニュー)を確認するのがいつもの流れ。
今日の特別定食(980円)は豚鍋(とんなべ)+小鉢が2品に小ライス。B定食(580円)は厚焼玉子+納豆・のりにライスセット、C定食(680円)は秋刀魚(さんま)の塩焼きにライスセットです。
『う~む。豚鍋にも引かれるけれど、今日の気分は秋刀魚の塩焼きだな』
そう心に決めてから、入口引き戸をガラリと開けて、店内へと進み、空いているテーブル席の一角に腰を下ろします。
「いらっしゃいませ。きょうは?」
と笑顔を見せてくれる女将さん。
この店の常連さんは、飲む人は毎日飲む、飲まない人は毎日飲まない、とはっきりと決まっているのに、私は飲んだり飲まなかったりとマチマチなので、「きょうは(飲むんですか、それともお食事だけですか)?」と尋ねてくれるようになったのでした。
「今日はお酒の大きいの(500円)からお願いします。燗をつけてください」
そう注文しておいて、今日の日替りの小鉢料理を確認。里芋煮付(250円)と、山うど酢味噌(200円)、そしてブロッコリー(200円)が並んでいます。
これら日替りの小鉢の他に、冷やっこ(130円)や、冷しトマト(150円)、酢の物(180円)、白菜漬物(180円)、しらすおろし(180円)などなど、ざっと20種類ほどの一品料理が並んでいるので、酒の肴にはまったく困ることがありません。
燗酒と、定番のお通し(サービス)である枝豆を出してくれたところで、「里芋煮付とC定食をお願いします」と注文。
こうして同時に注文しておいても、枝豆をつまみながら飲んでるところへ、まずは里芋煮付が出てきて、その里芋煮付を食べ終わる頃合いで秋刀魚が出てきてと、ほとんどの場合はちょうどいいタイミングになります。
なにしろ厨房はご主人ひとりで切り盛りされているので、みんなの注文を順番にさばいていくしかない。しかしながら、酒の肴となる小鉢料理などは、比較的早めに出してくれるので、一気に注文しておくのが、結果としてちょうどよくなるのでした。
私の斜め前に入ってきた、この店でよく見かけるおじさんは、大瓶ビール(480円)に、山芋煮付(250円)、冷しトマト(150円)に納豆(100円)、そしてホッケ焼き+ライスセット(780円)を一気に注文。これだけでもすごいのに、ビールが出されたときに、「あと、ハムエッグ(250円)ね」とさらに1品を追加。よく喰うなあ!
このおじさんは、飲み物は大瓶ビール1本でちょうどいいようで、食べるほうが主体。料理が出てきた端から、ワッシワッシと気持ちがいいほどの勢いで食べ進んでいきます。
私がチビチビと食べながら飲んでいるうちに、あっという間に全部を食べ終えて席を立ちました。おじさんのお勘定は2,210円。あれだけ食べた割りには安いよなあ。
「孤独のグルメ」を読んで、『五郎さん、よく喰うなあ』と感心していたものですが、ここ「はまや食堂」にやってくる常連さんは、それ以上によく食べる。ビールやお酒も含めて、2千円前後の支払いになってる人が多いのです。
あ。燗酒がなくなっちゃった。まだ、秋刀魚は半分以上残ってるのになあ。
「お酒の、今度は小さいの(280円)をお願いします。やっぱり燗で」
と今度は小徳利を注文します。
ここの日本酒は秋田の「爛漫(らんまん)」。冷や酒で飲むと、まるで水のようにすいすいと入ってくる危ないお酒。燗をつけると、グッと旨みが出てきて、料理によく合います。
おろっ。小徳利は、あっという間になくなっちゃった。やっぱり大徳利にしておくべきだったかなあ。
しかしまあ、週明け早々(月曜日)でもあるので、今日はこれくらいにしておきますか。
しっかりとごはんも完食して、お勘定。
「お銚子が1本と、かわいいお銚子が1本。里芋煮付にC定食でございますね」
と女将さんから、今日注文した品の確認が入って、「今日は1,710円でございます」とお勘定が告げられます。
小徳利のことを『かわいいお銚子』と呼ぶのがいいですね。
女将さんはもちろん、厨房のご主人からも、「ありがとうございました」と笑顔で見送っていただきました。どうもごちそうさま!
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