〔コラム〕 「立ち飲み」と高級料理の妙(読売新聞)
『アワビ、伊勢エビといった高級食材を使った料理や酒を割安な価格で味わえる「立ち飲み店」が人気を集めている。仕事帰りの男性だけでなく、若い女性が集う。狭い空間にひしめきあって会話を交わし、気軽に立ち寄ってさっと帰れる点が魅力のようだ』
という書き出しで、『「立ち飲み」と高級料理の妙』という記事を書かれているのは、読売新聞生活情報部記者の大森亜紀さん。2013年5月23日(木曜日)の朝刊、「家庭と暮らし面」の記事です。
同じ記事は、読売オンラインにも掲載されています。(→こちら)
現在は、新時代の「立ち飲みブーム」の真っ最中。
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」などの「俺の……」というグループや、神田の立ち飲み焼き肉店など、これまでになかったような立ち飲み屋が人気を集めています。
なぜ今、立ち飲みが人気なのか。この記事ではそれが考察されています。
私自身も、電話での取材にお答えさせていただきました。
『居酒屋研究家の浜田信郎さんは、「立食パーティーのような雰囲気で、女性でも初めての人でも入りやすくなった。じっくり飲むより、短時間でさっと楽しめる点も時代に合っているのでは」と話している』
というのがその内容。居酒屋を研究しているわけではなくて、単に飲み歩いているだけなのに、『居酒屋研究家』という立派な肩書を付けていただき、恐縮しております。
このブログの過去記事をひも解いてみると、第一次立ち飲みブームがやってきたのは平成11(1999)年ごろのこと。
バブル崩壊以降、10年近く続いた平成不況の中で、より安く、手軽に飲める立ち飲み屋に注目が集まり、これまで立ち飲み屋に行ったことのなかった都心のサラリーマンたちにも、立ち飲み文化が浸透してきたというのが、その第一次立ち飲みブームでした。
第二次立ち飲みブームが起こったのは平成17(2005)年ごろ。第一次のときとは一変して、スペインバルやイタリアンバール、昭和レトロ風をねらった立ち飲み屋などの、女性や若者客などをターゲットにしたオシャレ系なお店が急増しました。
そして現在の第三次立ち飲みブームの牽引車は、なんといっても「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」です。平成23(2011)年9月に1号店がオープンして以来、価格破壊の高級料理店として大ブレーク。
『ハイカジ』(=ハイクオリティカジュアル)と呼ばれるスタイルの立ち飲み屋が続々と登場し、大きなブームとなったのでした。
ほぼ6年おきに、立ち飲みブームが起こってくるのがおもしろいですね。
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