久びさのうなぎ串焼き … うなぎ「カブト」(新宿)
土曜日、午後3時前。新宿西口思い出横丁のちょうど真ん中どころにある、うなぎ串焼きの「カブト」にやってきました。
このところ、うなぎ串焼きは大人気のようで、先日来、中野「川二郎」や、荻窪「川勢」、自由が丘「ほさかや」などに向かってみてはみたものの、外に行列ができるほど満員で、まったく入れない。
開店(午後2時)から1時間後、最初のお客さんたちがひと回りくらいした、今のタイミングの「カブト」であれば入れるんじゃないかと思ってやってきたのですが、予想どおり! 焼き台前の、カウンターの角のところが2席分ほど空いてました。(たぶん、ついさっきまで、二人連れのお客さんがここに座ってたんだろうな。)
さっそくそのうち1席に腰を下ろすと、すぐにカウンターの中のお兄さんから、
「飲み物は?」
という声がかかります。
「焼酎(350円)をお願いします」
「はいよっ」
醤油皿のような丸皿が出され、その上にコップがのせられて、冷えたキンミヤが受け皿までいっぱいに注がれます。この表面張力の部分をちょっとすすってから、梅シロップをちょいと入れると、焼酎梅割りのできあがり。
焼き台を担当している大将が、お通し(サービス)のキャベツの浅漬けを出してくれながら、
「セットでいいですか?」
と聞いてくれます。
「はい。お願いします」
『セットでいいですか?』というのは、『この店の5種7本のうなぎ串焼き(1,540円)を、ひと通り出しますか?』ということ。
うなぎの串焼きは、もつ焼きや焼き鳥ほどは種類が多くないので、全種類を一式出してもらっても、どこのうなぎ串焼き屋でも、せいぜい6~7本程度と食べられない量にはなりません。なので、どこもたいてい“セット”とか、“ひと通り”、“ひとそろい”なんて出し方をしてくれるんですね。
まず出てきたのは「えり焼」(2本320円)。その名のとおり、うなぎの“えり”というか、首まわりの肉を串に刺して焼いたもの。1串に3尾分のうなぎを使っているんだそうです。
ちょっと骨っぽい部分があるのですが、その骨についた肉がうまい。それほど硬くはない骨なので、私は骨も噛み砕いていただきますが、気になる人はお皿に出しても大丈夫。となりの常連さんも、そうやって食べています。
続いて「ひれ焼」(2本320円)。うなぎの腹びれ、背びれ、尾びれを串に巻き付けて焼いたもので1串7尾分。私はこの「ひれ焼」が大好き。味わいが深いんですよねえ。
「きも焼」(1本290円)が出るころには、カウンター15席は満席になりました。
「きも焼」は、肝臓以外の内臓一式。これもまた1串3尾分なんだそうです。「きも焼」は、うなぎ専門店じゃない居酒屋のメニューでも、ときどき見かけますよね。お酒にものすごく合う1串です。
そして「一口蒲焼」(1本320円)が出たところで、焼酎(350円)もおかわりです。
「一口蒲焼」は、一口大に切ったうなぎの身を串に刺してタレ焼きにしたもの。生の状態からサッと焼き上げただけで蒸していないので、プリップリの食感がたまりません。
思い出横丁は、観光客も多く、店によっては一見さんばかりだったりするのですが、ここ「カブト」には、いつも大勢の常連さんがやってきます。
年配の常連さんたちは、セットはたのまずに、自分の好きなものだけを注文しています。
「カバ、キモ、1ずつね」
「カバ塩と、あとヒレもちょうだい」
といった具合。カバ塩かあ。うなぎの白焼き風で、それもまた美味しそうだなあ。
「はい、レバー。これでひと通りですね」
といいながら出してくれたのは「れば焼」(1本290円)です。この「れば焼」は、「ひと通り」を注文した人だけに出される一品。単品での注文は、基本的にはできません。しかも、早くに売り切れてしまうので、それ以降は「ひと通り」も、「れば焼」抜きのひと通りになってしまいます。
この「れば焼」。1串に、なんと13尾分ものうなぎの肝臓が使われてるんだそうです。
やあ、久しぶりにうなぎの串焼きが堪能できて大満足。やっぱり美味いよなあ、うなぎ串焼きは。
1時間弱の滞在。焼酎2杯と、ひと通りで、お勘定は2,240円でした。ごちそうさま。
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