相模湾の幸、生しらす … 炭焼「鳥佳(とりよし)」(上大岡)
「醤油はいらないと思いますよ。そのまま食べてみてください」
店主からそう言われて、そのまま食べてみると、ちょうどいい塩っけ。鮮度の高い生しらすならではですね。これは絶対に日本酒だ。
「え~と、『竹鶴』を常温でお願いします」
この生しらすには、きっと広島の酒が合うだろうと「竹鶴」(550円)を選ぶと、土瓶の「竹鶴」が注がれます。
っくぅ~っ。合う合う。酒もうまいし、生しらすもうまいっ!
ここ「鳥佳」は、焼き鳥の店なんだけど、海の幸や山の幸も豊富。メニューは日替りで、今日はこの生しらす(400円)の他、かつおのっけ盛(700円)、たこ刺身(600円)、〆ごまさば(700円)、あおりいか刺身(650円)、いわし刺身(600円)、あじ刺身(650円)などが並んでいます。刺身三点盛は1,000円です。
今日は、午後7時半に「鳥佳」にやってきたものの満席で、ひとり客でも入れない状態。近くの「じぃえんとるまん」で1時間半ほど立ち飲みながら待ち、「空きましたよ~」という電話をいただいてからの再訪となったのでした。
やっと入れた「鳥佳」は、カウンター席の一番手前から2席めというポジション。
店主に久しぶりのごあいさつや、姉妹店の「一火」も含めて、各社の取材にご協力していただいたお礼などをすませたあと、大瓶ビール(550円)と小腹セット(串5~6本で700円)を注文します。
まず出されたのはレバー(150円)のタレ焼き。立方体に近い形でカットされたレバーは、いい感じの焦げ色と、つややかなタレの照りをまとって、見るからにおいしそう。
プリッとしたこの食感は、レア気味に焼いたレバーならではですよねえ。
とろりと、旨み(コク)が口の中いっぱいに広がる感じは生レバのほうが勝るものの、トータルな食感は、ちょい焼きレバーのほうが好きかもなあ。
続いてはシシトウ(150円)とカシラ(150円)の塩焼き。横にキャベツの酢漬けも添えられています。
もつ焼きも、焼き鳥も、串物すべてに共通して言えることは、
『出されたら間髪入れずに食べること!』
これにつきます。せっかく焼き手が絶妙な焼き加減で出してくれているのに、食べ手がグズグズしていたら、美味しいタイミングを逃してしまいます。天ぷらなどと同じですね。
キャベツの酢漬けもうまいなあ。この酢漬けはサービスで付けてくれていますが、単品(小鉢350円)としてもメニューに載っていて、いいつまみになります。
4本めは皮(150円)塩焼き。5本めは、つくね(150円)タレ焼き。
左どなり(カウンターの一番入り口側の端っこ)の年配のお客さんは、店主のおかあさんがやっている頃からこの店に通ってるんだそうです。何十年来の常連さんなんですね。
「最近はいつも混んでて、なかなか入れないから、遅い時間に来るんだよ。今日も先によそで飲んでからきたから、もうほとんど飲み食いできないんだけどね(笑)」
それでもちょっと立ち寄ってから帰りたい、といったところなんでしょうね。イワシの刺身をつつきながら、燗酒をちびりちびりと飲まれているようです。
6本めは鳥ねぎ(150円)。“ねぎま”と呼ぶ店も多い一品。皮付きの肉を使っているのがうれしいですね。
小腹セットの最後、7本め(これはサービスかも)として「ちょっと辛いかもしれません」と言いながら出してくれたのは、メニューにはない万願寺とうがらし。何本かに1本、ビビッと強烈に辛いのがあると言われている万願寺とうがらしですが、今日も大丈夫でした。
(小腹セットの次は、なにを食べようかなあ。)
と思っていたところへ、店主が、
「生しらすです。明日までは置けないので、ぜひどうぞ」
と出してくれたのが、冒頭の生しらすだったのです。
しらすは、
この初夏は、小イワシや、シコイワシの刺身を食べることができなかったので、ちょっとがっくりだったのです。ここで生しらすを食べることができて本当によかった。
グイッと「竹鶴」を飲み干して、1時間半ほどの滞在。お勘定は1,800円でした。どうもごちそうさま。
レバー / サッポロ黒ラベル大瓶 / ししとう、かしら、キャベツ酢漬け
万願寺とうがらし / 土瓶から注がれる「竹鶴」は、 / 黄色みを帯びている。
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