固ゆで玉子入りスープ … 牛にこみ「大坂屋(おおさかや)」(門前仲町)
木場の「河本」をあとに、永代通りを西へ10分も歩けば、地下鉄東西線・
今日の2軒目は、こちらもまた「河本」同様に、牛もつ煮込みの名店、「大坂屋」です。
「河本」が、牛もつ煮込み以外にも、何品か(10品には届かない程度)の料理をそろえているのに対して、こちら「大坂屋」はほぼ牛もつ煮込み(1串130円)のみ。それ以外の品書きは、玉子入りスープ(330円)とオニオンスライス(300円)しかありません。
土曜日、午後6時の店内は予想どおり、ほぼ満席状態ながら、これまた予想どおり、ひとり客がなんとか滑り込める空席はありました。
今日も女将(三代目)と若女将(四代目)が二人で切り盛り中。壁には、月曜日も休みになったむねの張り紙が出されています。これまでは日祝休だったのですが、今度から日・月・祝日が休みになるということですね。
焼酎梅割り(400円)を注文し、氷入りのグラスも一緒に出してもらって、自分でロックにし、煮込みはまずは3種それぞれ1本ずつ、合計3本を取ってもらって、いつものように、まっ先に玉子入りスープ(330円)を注文しておきます。
玉子入りスープは、注文を受けてから、殻が付いたままの生卵を煮込み鍋に投入し、そこから半熟のゆで玉子状態にまで仕上げるので、少し時間がかかるのです。
「大坂屋」の牛にこみは、串に刺した牛もつを、串のまま煮込み、串のまま出してくれるタイプ。串も真っ黒になるほど、黒々と煮込まれているのが特徴で、牛もつの種類は、シロ(腸)、ナンコツ(喉)、フワ(肺)の3種類です。
いちばん人気があって、いちばん鍋に入っている本数も多いのがシロです。「河本」の煮込みもこれですね。腸の弾力感がいいのと、裏側(外側)についている脂身の旨みと甘みが、シロの人気の理由なんでしょうね。焼酎系の飲み物が進む逸品です。
ナンコツは、喉の奥、食道まわりの軟骨で、コリッと硬い噛みごたえが身上です。本当に軟骨だけだったら、とっても淡白な味わいなんでしょうが、喉の軟骨には少しだけれど肉も付いていて、それが旨みにつながるんですね。
フワ(肺)は、その名のとおり、ふわっと軟らかい弾力感。広島のほうでは『ヤオギモ』と呼ばれています。フワそのものには味はなくて、それを煮込んだスープの味になります。これを食べると、「大坂屋」の煮込み汁の味わいがよくわかるってことです。
かなりゆ~っくりと3本の牛にこみを食べ進んだのに、なかなか玉子入りスープが出てきませんねえ。待ってる間にオニオンスライス(300円)もいただきましょう。
『もしかすると、玉子入りスープは忘れられちゃったかな?』
と思い始めたころ、大きな箸で煮込み鍋の中の串の配置を変えていた女将さんが、鍋の中の玉子を発見した模様。
「玉子入りスープはどなたでしたっけ?」
「あ、私です」と手をちょっとあげて合図を送ります。
コンコンと殻を割って殻をむき、熱々のゆで卵を小鉢へ。包丁で十文字に切り目を入れて、煮込み鍋の煮汁(=スープ)をかけたらできあがり。
『玉子入りスープ』という名のとおり、スープが主役で、玉子はそれに入っている脇役。この半熟卵を崩してスープに混ぜこんでいただくのが本来の食べ方ですが、残念ながら今日は、完全なる固ゆでになってしまいました。
この固ゆでの玉子を崩してスープに混ぜこみつつ、牛にこみのシロ(130円)を3本、追加でもらって、焼酎(400円)もおかわりをもらいます。
串から抜いたシロを、玉子を混ぜ込んだスープに投入して、このスープを絡めながらいただくのがうまいんですよねえ。
1時間ほどの滞在。お勘定は2,210円でした。どうもごちそうさま。
ところで、6月ごろから休業されているという情報をいただいている「大坂屋」さん。常連さんが書かれている「食・酒・旅のネクシャリスト」というブログによると、今日7月10日、休業以来、はじめて営業されているようです。これで再開かな?
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