木場を起点にハシゴ酒 … 「河本(かわもと)」(木場)ほか
土曜日なのに、ちょっと出遅れて、木場の「河本」に着いたのは午後6時。土曜日の「河本」は4時から7時まで、3時間の営業なので、あと1時間ほどしかありません。(平日も8時までの営業なので、1時間違うだけですけどね。)
早い時間帯は満席状態が続き、入るのがむずかしい「河本」ですが、この時間帯になると、一人か二人であればなんとかなることが多い。
小学校側の入口から入った左側、『ン』の字でいうと左下のあたりに座ることができ、ホッピー(400円)と、やっこさん(冷奴)の小(100円)をもらって飲み始めます。
『ン』の字カウンターの、『ン』の右端あたりには、わが地元の呑兵衛・荒木マタエモンさんの姿も見えます。荒木さんも、都内狭しと飲み歩いていらっしゃいますもんねえ。
「ニコタマ(300円)は、まだ残ってますか?」
おそるおそる、といった感じで眞寿美さん(=女将)に確認してみると、ラッキーにもまだ残ってました。
遅い時間に来ると、ニコタマ(=煮込み玉子入り)どころか、普通の煮込み(300円)も売り切れてたりしますもんねえ。
煮込みとホッピーは「河本」を代表するキラーコンテンツ。これらを食べるために、遠くからでも、大勢の人たちがやってくるのです。かくいう私もそのひとりです。
すぐに閉店時刻(午後7時)を迎えてお勘定(800円)をすませ、荒木さんと一緒に地下鉄東西線に乗り込みます。
荒木さんの家と、わが家とは、直線距離で2百メートルほどしか離れていないので、最後までずっと一緒に帰れるのです。とっても心強いことですよね。
とはいうものの、まだ午後7時過ぎ。まっすぐ家に向かうわけではありません。
電車の中で相談しながら、本日の2軒めとして選んだ酒場は、ほぼ全品170円のイカ料理で有名な、荻窪の「やきや」です。なにしろ乗り換えることなく、この電車1本で行けますもんね。
午後8時の「やきや」は、予想通り満員状態。しかしながら、『一番奥のテーブルのところになら、ふたり入れるかもしれない』、ということで奥のテーブルで飲んでいるお客さんたちにギュッと詰めてもらって、なんとか立ち位置を確保することができました。
いやいや。いつも入口近くで飲んでいるので、はじめてですねえ、この場所。こんな風になってたんだ。
テーブルと言っても、独立したテーブルがあるわけではなくて、立ち飲みカウンターの一番奥のあたりに、短辺がカウンター内の厨房の端っこにくっついた形で長方形のテーブルがあって、それ以外の3辺で立ち飲むことができるようになっているのです。
私はホッピー(320円)を、荒木さんはにごり酒(270円)をもらって、改めて乾杯し、料理は自家製塩辛(170円)、もつ煮込み(170円)、げそ揚げ(170円)、漬物(170円)、きざみ穴子(170円)をもらいます。
なにしろ1品ほぼ170円均一なので、いくらたのんでも安い安い。
170円じゃないのは、200円の「いかしょうが棒」と、220円の「しめさば」の2品ぐらい。
その「いかしょうが棒」ももらって1時間半ほど立ち飲んだあと、荻窪駅前からバスに乗って
3軒めは、私の行きつけ、「ペルル」です。午後10時の店内はゆるやかに混み合っている状態で、我われ二人は、入口近くにかろうじて空いていた2席に座り、キープボトルのウイスキーを水割りにして飲み始めます。
つまみにもらったは、とりハム(400円)とオリビアバケット(500円)。
名前を聞いただけでは、なんだかわかんないメニューが並んでいるのも、昔からの「ペルル」のスタイルです。『あさぶろ』とか、『パラスパ』とか、いろんな料理がありましたよねえ。
そんな「ペルル」も閉店時刻(午後11時半)を迎えて、4軒めは、荒木さんの行きつけである「東宝亭」です。
(あれ? こんな店だったかなあ?)
荒木さんに続いて店内に入るなり、自分の印象に残っている「東宝亭」ではないことに気がつきます。
店に入る前に『この店に来るのはこれで2度めだ』と、自分では思っていたのです。
前に来たのは、今から25年前。私がこの地(鷺ノ宮)に引っ越してきたその日のことでした。妹夫婦が引っ越しの手伝いに来てくれたので、荷物がひとしきり片付いたところで、この店で一緒に飲んだのでした。
なんらかの理由があって、この店を選んだというのではなくて、たまたま駅のすぐ近くで目についたから。男性店主がひとりで切り盛りしているお店でした。
そのときに受けた印象が、『可もなく不可もなく』といったものだったので、それ以来、これまでの間、再訪問することがなかったのでした。
ところが今回入ってみると、店はご夫妻と思われるお二人が切り盛りしているし、カウンターの形状も、L字の角がプクンとふくらんだような、ものすごく特徴的な形。メニューも和風のものが多くて、それほど高くなく、なにやら良さそう。平成21(2009)年末に、惜しまれつつ閉店した、このすぐ近くの名店「ほ里乃家」を
焼酎の麦茶割り(380円)を飲みながら、「実は……」とその昔話をしてみたところ、
「それはきっと、うちの前のお店だわ。うちは平成5(1993)年に店を始めたので、今年で20年。25年前にはまだなかったもの」と女将さん。
なるほど、そうだったんですね。ということは、私は25年前の別の店の印象で、それ以来ずっとここに立ち寄っていなかったのか。なんだかもったいないことをしたなあ。
いやいや荒木さん、今日は長時間おつきあいいただいた上に、最後にこの店に連れてきていただき、本当にありがとうございました。
「東宝亭」、またじっくりと訪問してみようと思います。
・「河本」の店情報(前回) / 「やきや」の店情報(前回) / 「ペルル」の店情報(前回) / 「東宝亭」の店情報
| 固定リンク
コメント