シコのかき揚げ天ぷら … 大衆酒場「太田屋(おおたや)」(横須賀中央)
国内で最も漁獲量の多い魚であるカタクチイワシ(片口鰯)は地域によって、またサイズによって呼び名が異なります。
私の故郷、愛媛の松山あたりではホウタレ、呉や広島では小イワシ、横浜や横須賀ではシコと呼ばれているようです。小さいのはシラスだったり、チリメンだったり。
金曜日の今日は、横須賀中央駅近くの酒場を見て歩いたあと、「中央酒場」で軽く飲んで、2軒目としてやってきたのが大衆酒場「太田屋」です。
「太田屋」の創業は大正2(1913)年、今年が創業100年です。現在は、三代目となる女将+それを手伝う女性が2名の、合わせて3人の女性が切り盛りしています。
さてと。私のほうは横須賀名物のホッピー(450円)をもらって、つまみにはシコ天(450円)をいただきましょう。
先ほど書いたとおり、横須賀ではカタクチイワシのことをシコ(あるいはシコイワシ)と呼ぶ。だからシコの刺身は「シコ刺し」で、シコの天ぷらは「シコ天」なのです。
たまたまなのか、いつもそうなのかはわかりませんが、今日のこの店のメニューにはシコ刺しはありませんでした。
待つことしばし、出てきたシコ天は、シコ刺しにするのと同じように3枚におろしたシコイワシの身を、たっぷりの刻みネギ(白ネギ)と一緒にかき揚げ天ぷらにしたもの。添えられたレモンを搾りかけ、醤油をサッとかけていただきます。
呉・広島方面で出される小イワシの天ぷらは、小イワシのハラワタだけを取り除いて、1尾ずつ頭や骨も付いたまま、丸ごと天ぷらにしたもの。カタクチイワシを、そのまま味わうという点では、こっちのほうが良さそうです。
いっぽう、このシコ天のようにかき揚げ天ぷらにすると、なんといってもボリュームが多くなります。
小イワシの天ぷらだと1尾ずつ味わいながらいただくところが、かき揚げのシコ天だと、ガブッと大口を開けてかぶりついて、シャクシャクシャクと、一度に大量に食べたという満足感が得られます。
日本酒には1尾丸ごとの小イワシ天ぷらが、ホッピーにはかき揚げスタイルのシコ天が、それぞれ合いそうだ。地域の特性がよく出ていると思います。
バックバーの壁には『Yokosuka downtown shop of old standing public house OHTAYA』の文字。近くに米海軍の基地があることもあって、横須賀の街なかには英語の表記が多いのです。
余裕があれば名物の湯豆腐(1丁400円、半丁250円)を食べていこうかと思っていたのですが、今日はもう入りそうにないし、これ以上飲むと危ない。
なにしろこの店のホッピーも、1杯に「源氏」焼酎が120ml入った三冷タイプ。通常のホッピー(焼酎が70ml程度)の倍近い濃さですもんね。
「中央酒場」で2杯、この店で1杯の合計3杯。都内で飲むホッピーの5~6杯分に相当する量です。気をつけて飲まないと、電車に乗ってから、とんでもないところまで連れて行かれてしまいます。
そんなわけで、午後9時前まで、30分ほどの滞在。今日のお勘定は900円でした。ごちそうさま。
大衆酒場「太田屋」 / 三冷のホッピーは / 生ビールジョッキで出される
| 固定リンク | 0
コメント