近日発売、とりマニア … 串焼処「くしとも」(鷺ノ宮)
『やきとり屋』という名称で、鶏の串焼き(狭義の焼き鳥)も、豚の串焼き(焼きとん)も出す店が多いなか、ここ「くしとも」は純粋に鶏の串焼きと、それに関連する一品料理を出すお店。焼きとんはありません。
店主の小山朋二さんが、「居酒屋というよりは、家族連れも来れる食事処を」というコンセプトでこの店を開店したのは平成元年のこと。来年で創業25年を迎えます。
瓶ビール(キリン一番搾り中瓶、500円)をもらって、焼き鳥の7本セット(950円)を注文するのが、私の定番。お腹があまり空いていない場合は、焼き鳥5本セット(700円)を注文することもあります。
すぐに出されるお通し(350円)は、たこわさと奴サラダ。
焼き鳥はレバーたれ焼き(単品150円)から始まって、ハツ塩焼き(単品150円)、正肉たれ焼き(単品150円)、とり皮塩焼き(単品125円)、しそ巻き(単品175円)、アスパラ肉巻き(単品225円)と1本ずつ、順番に出してくれて、最後のセセリ(単品175円)で7本セットが終了です。
単品で注文すると1,150円になるところが、7本セットならば950円。セットにすることで200円(17%)がお得になるんですね。
わが家のご近所でもある「くしとも」ながら、やって来たのは実に5年ぶり。
(近くだからいつでも行ける。今度また、『飲みたいんだけど、遠出はしたくない』という気分のときに行こうかな。)
と思っているうちに、どんどん間が空いてしまうのでした。ご近所の酒場には、本当に不義理をしております。
そんなふうに本人が不義理をしている間にも、「とりマニア」の取材スタッフのみなさんにご足労いただいて、ここ「くしとも」も取材させていただきました。今日はそのお礼も兼ねてやって来たような次第です。
「とりマニア」というのは、2010年に発売された「もつマニア」、2011年の「さかなマニア
」に続くシリーズ第3弾で、今年(2013年)10月の発売を目指して、現在、仕上げ作業を行っているところです。
この3冊の本は、『ホピオシリーズ』と銘打たれています。
『ホピオ』というのは、『ホッピー親父』の略称。
『けっしてグルメ本ではなくて、ホッピーを愛する親父たちが、自分のこづかいで行けるような酒場を紹介するガイドブックを作ろう!』
というのが、このシリーズがスタートしたときからの大きなコンセプトです。
前作の「さかなマニア」ができあがったすぐあとに、ホピオシリーズ制作スタッフが集まって、第3弾の企画会議が開かれました。
「もつ、さかなに匹敵する呑ん兵衛オヤジの酒の友ってなんだろうね」
「おでんはどうかな?」
「冬はいいけど、猛暑の夏はねえ……」
「夏のおでんもいいんだけどなあ。じゃあ鍋は? 最近は鍋も年中食べられてるよ」
「鍋はいいんだけど、『なべマニア』だと、違うマニアが集まりそう……」
「呑ん兵衛の強い味方は、大衆酒場だったり、立ち飲み屋だったりするんだよなあ。でもこのタイプの酒場は、『○○マニア』でくくりにくい。いろんなつまみがあるからね」
「あえてくくるとすると、そのまま『大衆酒場マニア』とか『立ち飲みマニア』かな。でもそれだと『もつマニア』『さかなマニア』とのシリーズ感がなくなっちゃうね」
「鳥はどう? 焼き鳥や唐揚げ。『もつ』『さかな』『とり』とシリーズ感もいいよ」
「でも鳥料理は高いんじゃない?」
「高い店もあるけど、安くておいしい店も多い。そういう安くておいしい酒場を選りすぐって『とりマニア』にするっていうのがいいんじゃない?」
「なるほど。それはいいかもね」
といったようなことで、第3弾を「とりマニア」でいくということは、比較的早い段階で決まっていたのです。
ところが! それからが長かった。
最終的な掲載軒数を70~80軒にするために、その倍程度の候補店リストを作成して、スタッフのみなさんが1軒1軒取材交渉。(データの使い回しをせず、全軒、きっちりと取材をするというのが、ホピオシリーズの基本方針です。)
ある程度の先行きが見えてきて、1軒めの取材を行ったのは2012年1月のことでした。それ以来、スタッフのみなさんが分担して1軒、また1軒と、「とりマニア」掲載店の取材を積み重ねていってくれました。
当時私は呉(広島県)に単身赴任中。都内の自宅にもどる機会に、みんなで集まって進捗状況や、今後の予定の確認などをする。そうこうしているうちに、昨年末、横浜に再転勤となり、取材にも同行できるようになりました。
長い長い道のりを経て、最後の1軒の取材を終えたのはつい先日、2013年7月末のこと。実に1年半におよぶ、このシリーズ最長の取材期間となりました。
取材スタッフのみなさんの努力の結晶である「とりマニア」。あと1ヶ月ほど(9月20日搬入、10月4日発行予定)で書店に並びますので、ぜひご笑覧いただけるとありがたいです。
5年ぶりの「くしとも」では、最後に「白鶴」(400円)をぬる燗でもらって、1時間ちょっとの滞在。お勘定は2,600円でした。どうもごちそうさま。
たこわさ(お通し) / 奴サラダ(お通し) / レバー(たれ)
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