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横須賀のソウルフード … やきとり「相模屋(さがみや)」(横須賀中央)

やきとり相模屋


 今年の1月に横浜に転勤してきてから、改めて老舗の人気店を回ることが多くなっています。

 今日やってきたのは、昭和37(1962)年創業の老舗やきとり店、横須賀の「相模屋」です。

 店頭の立ち食いコーナーで、老いも若きも、男性も女性も、むらがって焼き鳥をほおばっている景色は、昔から横須賀名物のひとつのように言われてきました。

 近くに住んでいるみなさんは、子供のころからのこの店の焼き鳥を食べてきたので、その味は忘れられない。『横須賀市民のソウルフード』と呼ばれるほどの焼き鳥なのです。

 現在の時刻は、土曜日の午後2時。いやいや、今日もすでに数多くの老若男女が店頭で焼き鳥を食べてますねえ。

 バラ、ツクネ、ヒナどり、タン、ボンポチ、レバー、ハツ、シロモツと8種ある焼き鳥は、すべて1本70円。

 焼き台による手焼きのほか、自動焼鳥機による機械焼きも加わって、店頭に8つ並んだバットには、8種それぞれの焼き鳥が山のように積み上げられています。味付けはタレ焼きのみ。

 ここで立ち食いをする人は、その山の中から好きな焼き鳥を手に取って勝手に食べ、ほしい分だけ食べ終えたら、串の本数でお勘定する仕組み。70円×食べた本数なので、極めてシンプルかつ安価ですよね。

 この立ち食いコーナーではお酒は売っておらず、また酒類の持ち込みも禁止なので、ここではひたすら焼き鳥を食べるのみ、ということになります。(お持ち帰り用の焼き鳥も、このコーナーで販売してくれます。)

 「相模屋」の焼き鳥をつまみに飲みたい人は、通りに面した入口から入って、逆J字カウンター24席の店内で飲むことになります。焼き鳥の値段は店内でも同じです。

 コの字カウンターの上の辺が途中で切れているので、カウンター全体の形が『逆J字』になっています。その切れた部分に焼き台があって、そこが店頭の立ち食いスペースになっているのでした。

 逆J字カウンターの中には、デーンと天井まで届く、作り付けの食器棚もあるので、焼き台と反対側のカウンターに座ると、店頭の様子は見えません。

 注文を取りに来てくれるおねえさんに瓶ビール(大瓶550円)をお願いすると、「アサヒとキリンがあります」ということでキリン(ラガー)を選択。焼き鳥は店頭でも売っている8種を、それぞれ1本ずつ注文します。

「タレ塩はどうなさいますか?」とおねえさん。

 店頭での販売はタレ焼きのみですが、店内で食べる場合はタレ、塩が選べるようです。

「ぜんぶタレでお願いします」

 まずはやっぱり、評判のタレ焼きをたべてみないとね。

 焼き鳥は注文を受けてから焼いてくれる様子。店頭のバットに、山のように焼き鳥が積まれているから、そこからチャチャッと取って出してくれるのかと思っていたので、これはうれしい驚きでした。

 だからこそ、タレ・塩の味付けも選べるんですね。これで店頭で食べるのと同じく1本70円というのはすばらしいなあ。

 しばらくしてまず出てきたのはタン(PORK-TONGUE)、ハツ(PORK-HEART)、シロモツ(PORK-INTESTINE)、レバ(PORK-LIVER)という豚モツ4本。追いかけるようにヒナどり(CHICKEN)、ツクネ(CHICKEN-BALL)、ボンボチ(CHICKEN-TAIL)、バラ(PORK)という鶏肉・豚肉の4本も出されます。

 英文の表記は、店頭のバットのところに書き出されているもの。横須賀には米海軍の基地もあります。米兵さんたちも立ち食いの焼き鳥を食べにくる、ってことなんですね。

 食べてみると、これがうまいっ!

 なにしろ1本70円なので、スーパーのお総菜売り場で売ってる焼き鳥程度かな、とたかをくくっていたのですが、意外や意外、素材も焼きもきっちりとした、正統派のもつ焼き、焼き鳥です。

 さすがにもつ焼きや焼き鳥の名店のレベルには及ばないものの、こんなにも高いレベルの焼き鳥が1本70円で、昼間っから、しかも年中無休で気軽に食べられるというのはすばらしいことですね。うらやましいぞ、横須賀市民!

 店内のカウンターでは、私以外に5~6人の客が飲んでいるのですが、午後2時過ぎにして、すでに酩酊状態で、注文しようにも、ろれつがまわらない人もチラリホラリ。「今日はもう止めといたら」なんて、おねえさんにたしなめられています。

 この店は午後1時開店。その前からどっかで飲んできたのかなあ。大衆酒場がずらりと並ぶ横須賀には、早くから営業している酒場も多いのです。(たとえば「中央酒場」は午前10時開店、「天国」は正午開店です。)

 最後にバラとツクネを1本ずつ、今度は塩焼きで焼いてもらいます。予想どおり、塩焼きもいいですねえ。見直したなあ、「相模屋」。もっと早く来ておけばよかったなあ。

 次回は「牛豚もつ煮込み」(480円)や、『焼き鳥にマッチング』と注記された「かいわれ」(210円)も食べてみたいですね。

 1時間弱の滞在。お勘定は1,250円でした。どうもごちそうさま。

130720a 130720b 130720c
タン、ハツ、シロモツ、レバー / ヒナどり、ツクネ、ボンボチ、バラ / ツクネ塩、バラ塩

店情報

《平成25(2013)年7月20日(土)の記録》

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 「中央酒場」を出たところで午後3時。  幸いなことに、横須賀には早くから開いてる酒場が多い。次に行きましょう!  ってなことで、「中央酒場」から徒歩1分。「相模屋」にやって来ました。  昭和37(1962)年創業のこのお店。店の正面側こそ、車が通る道路に面した、ごく普通の造りですが、店の角を曲がって路地に入ると、景色が一変。いつも人だかりができていて、そこで焼き鳥を立ち食いする様子が、横須賀の名... [続きを読む]

受信: 2014.04.07 22:14

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