とろける煮込みに舌鼓 … もつ焼き「石松(いしまつ)」(中野)
この店のもつ焼き、もつ煮込みは、うなるほどうまいっ。
『加減』がちょうどいいんですね。
もつ焼きは、まるで肉の中が見えているかのような絶妙な焼き加減。
もつ煮込みは、もつの弾力感を残しながらも、とろりととろける軟らかさを実現した、絶妙な煮込み加減。
名店と言われるもつ焼き屋は、どこも、この『加減』がすばらしいのですが、特にここ「石松」の店主・三浦さんは群を抜いています。
今日はなんと、お通しとして出してくれたのが、そのもつ煮込み。
どうですか、このトロリ感。
本格的に作られる「幻のもつ煮込み」は、シロを中心に、豆腐やコンニャクも入ったもつ煮込みですが、今日の煮込みは、シロとキャベツだけの簡易版。それでもおいしいのが
もつ煮込みは、いつもあるとは限らなくて、めったに出てこない。なので、昔から「幻のもつ煮込み」と呼ばれているのでした。メニューにも載ってません。
今日は、高円寺の「大和鳥」で、「とりマニア」(メディアパルから今秋発売予定)の取材を終えてから、『おっとこまえH氏』こと、酒友・H氏と二人で、ここ「石松」にやってきたのでした。
H氏は「大和鳥」の常連さんでもあるし、ここ「石松」の常連さんでもあるのです。
なにしろ、店主・三浦さんとH氏とで旅行に行ったりされてますもんねえ。
居酒屋巡りの大先達・太田和彦さんの「日本百名居酒屋」や、今年4月からBS11で放映されている「ふらり旅 いい酒いい肴」では、太田さんは、
「ごぶさたしてます。お元気ですか?」
と笑顔でお店に入ります。お店の人たちも、太田さんの訪問がとてもうれしそう。
「そういう信頼関係、人間関係に人間の温かさや優しさを感じるのです。店がサービスを提供し、客が消費するという一方的な関係じゃない。店と客が一体となって大事に守ろうとしている人間中心の場であることが、居酒屋の魅力です」
というのは、今年の3月、「読売新聞」夕刊「こころ」のページに掲載された、マイク・モラスキーさんの言葉です。
店と客との間に信頼関係、人間関係ができて初めて、その酒場をたっぷりと堪能することができるようになるんですね。
チェーン展開している居酒屋などが、なかなか自分の行きつけの店にはなりにくいのも、信頼関係、人間関係にその理由があるように思います。
『好きな酒場に通って、互いに信頼関係、人間関係を構築する』というのはとっても大事なことなんです。
そんなわけで、今日も「石松」の店主・三浦さんとのおしゃべりを楽しみながら、お通しの簡単煮込みのあとは、その場で作ってくれるツクネ(150円)に、醤油焼きがおいしいガツ(100円)を、それぞれ1本ずついただきます。
飲み物は、キープしているキンミヤ焼酎のお茶割りです。
ふと気がつけば、もう11時。H氏の家は遠いから、そろそろ帰途につかなけりゃ!
お勘定をしてもらうと、なんとひとり600円ずつ。う~む安すぎる。もう少し売り上げにも貢献しなければ、信頼関係が失われちゃいそうです(笑)。今度はもっとたくさん食べますね。どうもごちそうさま。
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