でっかいブリを刺身で … 焼鳥割烹「川名(かわな)」(阿佐ヶ谷)ほか
店の肩書は『焼鳥割烹』なんだけど、この店に来ると、まずまっ先に刺身を注文する人が多い。私も席に着くとまず、手書きのホワイトボードの最初のほうに書かれている3~5品ほどの、今日の刺身メニューを確認するのが、いつものパターンになっています。
さらにカウンター席(8席程度)の中央部に座ることができると、目の前が冷蔵陳列ケース。今日のネタを、自分の目で確認することができるベストポジションです。
ほぇ~っ、今日のブリはでっかいねえ! これをもらいましょう。
飲み物は定番の生グレープフルーツサワー(399円)をもらって、ブリ刺(420円)を注文します。
刺身類は、注文を受けてから店主が造ってくれます。
とにかくブリが大きいので、そのまま刺身にすると一切れが大きすぎる。食べやすいように一切れを二つに切り分けて、皿の上にずらりと並んだブリの刺身。
すげぇ~っ。これが420円って!
一切れとって、醤油につけると、醤油の表面にブリの脂がサッと広がります。いい脂ののりだ。
ん~~~、うまいっ。うまいよ、マスター。
「そうでしょう。今日のブリは11.4キロあったんですよ。これも食べてみてください」
とサービスで出してくれたのは、同じブリの頭の身。マグロだと『脳天トロ』と呼んだりする部位ですね。これもまた、すばらしいなあ。
店主はいつも「どうすれば客に喜んでもらえるか」ということを考えている。そのために、よその繁盛店にも顔を出したりするんだそうです。
「違いはすぐに分かる。でもそれをマネしただけじゃあダメ。『違いの違い』を見つけないといけない」
これが店主の口ぐせです。
「なるほど、この店ではこんな料理を、こんな値段で出してるのか。うちでもやってみよ」
ということで、単純に人気店と同じようなものを、同じような値段で出そうとする店が多い。
それも、うまくマネることができればいいんだけど、「似てるんだけど、惜しいね」、なんてことになると残念な結果になります。
『違いの違い』を見つけるというのは、さらにもう一歩、踏み込んでみるということ。
「なんでこの料理を思いついたんだろう。なんでこの値段で出せるんだろう」
料理だけではなくて、接客する店員さんの応対や、店の造り、店の雰囲気など、いろんな場面で自分の店との『違い』を見つけたら、その『違い』がなぜ生まれたのかという、『違いの違い』に掘り進む。そしてそれを自分の店にフィードバックする。
これが「川名」の店主・川名茂さんの流儀なんですね。
「大事なのは、『違いの違い』は何かってことなんだ」
いつも自分自身にも言い聞かせるように、その言葉を口にする店主なのです。
「はいっ。これ食べて」
と出てきたのはフルーツ盛り合せ。バナナ、パイナップル、アボカドです。
お店が満員御礼に近い状態になると、みんなにサービスでちょっと何かを出してくれたりするんです。それにしてもこのフルーツ盛り合せは立派だな。
生グレープフルーツサワー(399円)をおかわりして、鳥中おち串(126円)、皮にんにく串(168円)、そして鳥軟骨焼き(105円)を1本ずつ塩で注文。
もともとのルーツは精肉店という「川名」。数多いメニューの存在に、影が薄くなってはいますが、焼き鳥、焼きとんも、開店当初からの看板メニューです。
特にニンニクを1粒ずつ鶏皮でくるんで、その5粒分を1串に刺して焼いた、皮にんにく串がいいんですねえ。
1時間ちょっとの滞在、お勘定は1,617円でした。どうもごちそうさま。
「川名」ぶりの頭の身 / フルーツ盛り合せ / 鳥中おち串、皮にんにく串、鳥軟骨焼き
「川名」からの帰り道、もう1軒と立ち寄ったのは西武新宿線・
ボトルキープしているウイスキーを炭酸割り(ハイボール)にして、つまみにはオリビアバケット(500円)をもらいます。
『オリ』ーブオイル+キャ『ビア』+『バケット』だから、オリビアバケット。
「海外出張のお土産です」と常連さんが持ってきた、ロシアの最高級ウォッカ「ベルーガ(BELUGA VODKA)」をちょっといただくと、キャビアがより美味しくなったように感じますねえ。
なにしろベルーガ(BELUGA)というのは、キャビアの親(?)であるチョウザメのことですもんね。
やあよく飲んだ。今日はもう飲めない。
そんなわけで、残念ながら「満月」は、そのにぎわいを外から確認しただけで、家路についたのでした。
「ペルル」ハイボール / オリビアバケット / ベルーガ・ウォッカ
| 固定リンク | 0
コメント