鳥万名物・若鶏唐揚げ … 大衆酒場「鳥万(とりまん)本店」(蒲田)
日曜日です。都内の自宅から、横浜の単身赴任社宅へと向かう道すがら、蒲田駅で途中下車しての寄り道は、大衆酒場「鳥万本店」。
5階建てのビル全体が1軒の大衆酒場で、1階と2階はカウンターとテーブル席、3階と4階は座敷で、5階は事務所になっていて、店内の階段で上り下りします。
昭和39(1964)年の創業は、数ある蒲田の酒場の中でも最古参。来年で創業50年を迎えます。
店に着いたのは午後7時。平日は「超」がつくほど満員のことが多い「鳥万本店」も、日曜日にはゆったり気味。とは言うものの「超」がついてないだけで、ほぼ満員に近い状態であることには変わりありません。
入口を入って、左のレジのところに座っている女将(だろうと思う)に「ひとりです」と声をかけると、「カウンター席は2階のほうが涼しいよ」とのこと。
9月に入ったものの、今日も東京地方の最高気温は36℃。残暑と言うには猛暑過ぎる。涼しいのがいいですねえ。
そんなわけで、1階のカウンター席にも若干の空席が見えますが、2階へと上がって、2階カウンター席の一角に陣取ります。
カウンター上の各席には、あらかじめ袋入りのお手拭と、お通しの豆菓子(50円)がセットされています。
すぐに注文を取りに来てくれたおねえさんに、
「瓶ビールください。あとサービスと若鶏の唐揚げをお願いします」
すぐに出される大瓶ビール(490円)はアサヒスーパードライ。
「今日のサービスはコロッケなんだけどいい?」
と目の前にコロッケのお皿を持ってきてくれるおねえさん。ここまで来てるんじゃあ、「やだ」とも言えないですねえ。
「ええ、いいですよ。そのかわり追加でアジたたき(320円)もお願いします」
「はーい」と置かれるコロッケは、できたての熱々。ビールにはちょうどいいですね。
『サービス』というのは、日替わりの特別サービス品(200円)のこと。刺身のことが多いのですが、予定していたサービス品がなくなると、別の料理がサービス品になるんだそうです。
「さっきまで、ワカサギの唐揚げだったんですけどね。ちょっと前にコロッケになったみたいです」とおねえさん。
ということは、早い時間に刺身は終了して、ワカサギになって、それも終了してコロッケになったのかな。このコロッケ、通常だと280円の品なので、3割近い値引き価格でサービス提供してくれてるんですね。
席に座るなり、あるいは席に座りながら「サービス!」と注文する常連さんが多い、人気の一品です。お通しの豆菓子はあるものの、サービスも第二のお通しのような位置づけなんでしょうね。いる、いらないを客が選べるというのがいいじゃありませんか。
それでもやっぱり刺身は食べたいので、アジたたきも追加注文したような次第です。
「はい、アジたたきです」
ほとんど待つまもなくアジのたたきが登場。
「唐揚げもできましたよ。こちらに置きますね」
出てきたアジたたきの写真を撮っているところへ、若鶏の唐揚げ(420円)までできあがってきました。
はやっ!
若鶏の唐揚げはきっと時間がかかるだろうという読みで、あらかじめ注文しておくことにしたのですが、こんなにはやく出てくるとは! これならひとしきりサービス品を食べ終えてから注文してもよかったかもなあ。
「コロッケに唐揚げじゃあ、これでお腹がいっぱいになっちゃうわね」
とカウンターの中のおねえさん。ほんとだよ。しかも両方とも揚げ物だし。
このお店、1階はアジア系の外国人アルバイトの女性が多いのですが、2階のフロアは日本人の女性二人で切り盛りしているようです。2階もけっこうなキャパシティながら、料理は別のところで作るので、二人でも切り盛りできるんでしょうね。
さて唐揚げ。「鳥万」の大きなビルの側面に「から揚 やき鳥 鳥万」と書かれているとおり、若鶏の唐揚げもこの店の名物料理のひとつ。
若鶏の手羽と胸肉のところ半身分が、どかんと出されます。肋骨のあたりの小骨まで、バリボリとかじることができるのがいいんですよねえ。
これとは別に鶏もも唐揚げ(420円)もあって、若鶏の唐揚げと両方をたのむと、ちょうど若鶏半羽分になるってことかな。「鳥房」の半身揚げ(600円前後)や、「とよ田」の手羽+もも(合わせて1,600円ほど)と同じ分量ですね。
ただし「鳥万」の唐揚げは、「鳥房」「とよ田」のような素揚げではなくて、唐揚げ粉がついた、普通の唐揚げです。これはこれで、とってもうまい。
唐揚げと一緒に新しいおしぼりも出されるので、両手でガシッとつかんで、骨ぎわの肉まで、徹底的にいただきます。
大瓶ビール(490円)もおかわりですねえ。
当初の予定では、少量の刺身(サービス品)と、若鶏の唐揚げを食べて、最後にオムライス(なんと380円!)で〆ようと思っていたのですが、コロッケ2個(サービス品)に、普通の量の刺身(アジたたき)、そして若鶏の唐揚げになったので、かなりボリュームたっぷり。
オムライスはちょっと無理だなあ。焼きおにぎり(2個280円)でも食べられそうにない。あまりにも脂っぽいものが続いたので、最後はさっぱりしたものがいいかなあ。
なんにしよう、とメニューを探して、パリパリキャベツ(280円)を注文。
ざっくりと大きくカットしたキャベツが、かたまりのまま出されます。
これはかたまりのまま食べたほうがいいですね。ガシッとつかんで、添えられたピリ辛胡麻ドレッシングをちょっとつけたら、ガブッとかぶりつきます。
いい歯ごたえだ。キャベツの甘みがいいなあ。
出された料理を全部きれいに食べきって、「ごちそうさま」と席を立つと、
「あら。ぜんぶ食べたのね。がんばったじゃない」
と、おねえさん。
「ええ、がんばりました。もう満腹です(笑)」
おねえさんが渡してくれるチェックシートを持って1階に降り、お勘定は1階のレジで支払う仕組み。
午後9時まで、2時間ほどの滞在。お勘定は2,250円でした。どうもごちそうさま。
「鳥万本店」 / 瓶ビールとお通し(豆菓子) / サービス品(肉コロッケ)
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コメント
本当に、お腹がいっぱいになりますよね。店員さんの『よく頑張ったわね』と言いたくなるのもわかります。
投稿: 仙台おおぽん | 2013.09.04 07:27